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mikanが継続を重要視する理由と実際に取り組んでみて

こんにちは!mikanでPMを担当しています伊東です。昨日は海斗さんの「Ed-Tech新規事業のセールスが大切にしている3つのコミュニケーション戦略」でした。学校や塾向けサービス「mikan for School」でCSとして働きつつ、営業も担当しているkaitoさんが商談の際に何を思うのかが垣間見える記事になっています。商談でなくとも日々のコミュニケーションや会議でも役立つ要素もあると思っているので、ぜひ見てみてください!

そして、今日はmikanでPMを担当して2年ほど経った僕から、mikanという英語学習プロダクトにおいて継続が重要な理由と実際にどういったアプローチが貢献したのかについて、簡単にですが振り返りつつまとめていきます。


前提: mikanという英語学習プロダクト

はじめに、私たちが運営するmikanというプロダクトについて簡単に紹介します。mikanは英単語からTOEICや英検のような実践問題までアプリ1つで学習できる英語学習サービスです。利用者には学生から大人まで幅広い層がいて、大学受験などの試験対策から旅行で使うための英会話など様々な目的で使ってくださっています。

もとは英単語から始まったmikanですが徐々に機能を拡張し、書籍を増やすことで色々な英語学習をサポートできるようになってきました。

私たちにとってなぜ継続が重要なのか

ここでは冒頭で話したようにmikanというアプリにおいて、なぜ私たちは継続に関する数値を重要視して作っているかをお話します。色々考えてみたのですが、大きくは2つに集約すると考え始めています。

継続は学習の成果や効果というアウトカム提供に向けた重要な要素

ユーザーの皆さんが英語学習に取り組む目的は本当に多種多様です。海外旅行を楽しみたい、海外の方と話せるようになりたい、仕事でTOEICのスコアを取りたいなど。これらの達成に向けて英単語を覚えることから始まり、文法構造の理解やリスニングの練習といった要素があります。より効率よく早く習得するためにはといった話もありますが、同時に学習時間や継続といった要素が一定必要であると僕は考えています。

一例を挙げるとすると、学習した内容を記憶する・定着させることを効率よく行う方法として、「間隔反復学習」というものがあります。これは、覚えられていないものから優先して、忘れそうな頃に再度覚えることで、より長期の記憶がしやすくなるというものです。

引用元: https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/spaced-repetition/

間隔反復学習では1度回答して正解した問題などは、翌日ではなくその数日後、また正解したら1週間後と徐々に回答頻度が落ちていくようになっています。忘れそうな頃合いに回答してもらうためにも、毎日コツコツ続けてもらうということはかなり重要になっていきます。短期でスコアを獲得することも重要ではありますが、長く使える知識としてもらうためにも短くても良いので長く続けてもらう必要があるとしています。

継続が短期ではないが事業成長につながること

また、事業という目線でもユーザーの皆さんが継続することがアプリの売上成長につながると考えています。特にmikanの場合、以下のような事情があり、短期で成果を実感して課金につながるというのは少し難しさがあります。

  • 学習効果が出るまでに一定の時間や継続が必要になるので、初期の段階ではユーザーの皆さんが変化を感じることが難しい

  • 学習を習慣にすることが難しく、動機が一定以上強くないとそもそもアプリ継続ができない

少し時間軸は長くなりますが、一定の範囲ではありつつも使い続けてもらい、学習の習慣ができるようなところまでは無料でアプリを利用してもらう。成果が出る、見え始めるタイミングでさらに効率よくするために有料機能へ目を向けるといった流れがmikanでは重要です。短期ではないですが、利用の結果として課金していただき事業の売上へとつながるというものです。

一方で、ジムやスクールに入会金を払ったから頑張って通うといったように、先に支払うことでモチベーションを上げる方も多くいるので、必ずしもユーザーは効果が出るまで課金しないといった話ではないです。ただ、一定は効果を実感して課金する、期待を込めて課金するといった流れは他サービスよりも遅くなると留意する必要はありそうです。

サービス利用の開始から長い時間軸を踏まえて、それぞれのタイミングでより良い課金のきっかけ作りや仕組みづくりをするというのは、自分の最近考えるテーマになりつつあります。これだけで他社の皆さんには相談したい、お互いの取り組みを話したいと思うテーマなので、ぜひPMの皆さんが見ていたら話しましょう!

mikanでユーザーの学習継続に効果があったアプローチ

継続が重要であるとしたうえで、これまでもmikanではより継続しやすくなる取り組みをしてきました。実際に効果があった継続に向けた機能や取り組みのうち、効果があったものはどういうものだろうかと考えると、以下にまとまっていきました。

  • プロダクト体験の向上

    • インタラクションや操作性など使いやすさと楽しさ

    • 単語を含めた英語学習がより効率的になる、学習していけそうと期待を持てる

  • 習慣化のサポート

    • 忘れないように

    • その日やるべきことの簡略化

アプリのコアな体験をより良くする

書いてみるとシンプルですが、結局のところ自身のプロダクトで定義するコアな体験を促進するものが一番効果がありました。手前でお話した間隔反復学習のような記憶しやすいようにするものなどがわかりやすいですね。

ユーザーが継続してくれるためには、良くなりそう!続けられそう!と思ってもらうことが重要です。学習の成果を得るには少し時間がかかりますが、そのゴールの少し手前にある「学習がしやすい、単語を覚えられそう、苦手な英語だけど辛くならずに勉強できそう」といった要素に関わってくるものは、数字で見ても継続に効果がありそうでした。

そういう意味では、少し定性的な話になりますが学習体験が楽しい、操作がしやすい、シンプルであるというのもとても重要なものでした。mikanではプロダクトバリューというものを決めて、より学習体験が楽しく続けられるような工夫をできないかと日々考えています。詳しくは「プロダクトの理想体験を定義した “プロダクトバリュー” が誕生しました」へ。

習慣化に対するアプローチ

また、習慣化そのものが難しく、毎日英語学習をすると決めてもやっぱり飲み会やイベントがあったりすると忘れてしまいがちです。ちょっとリズムが変わるだけでできなくなってしまい、そのまま挫折するといったことがよくあります。こうしたサポートをするためのリマインダーや通知など、習慣づくりのサポートをするような機能も見た目としてはちょっとした変化ですが、ユーザーの皆さんが継続しやすくなることに貢献していました。

リマインダー設定画面にも実は工夫があります

大通り以外で変化を起こすことは難しい

上記とは逆に「これは役に立つ!」と思ってリリースしても鳴かず飛ばずだったものも多く経験してきました。反省としては先程のコアな体験の磨き込み以外で、あった方がいいのは間違いないがアプリのメイン導線やいつもやる行動から外れるものなどです。ユーザーが見つけにくいものや奥まったところにある機能を使い続けることはやはり難しく、数字でみても影響範囲が小さくなることで、大きく変化を起こすハードルは高くなってしまいました。シンプルなアプリを保ちつつ、大通りに価値ある機能をいれることがとにかく難しいです。

まとめ

今回はmikanアプリでPM目線で見て、継続というポイントをどう捉えているかと実際にそこに取り組んでみての振り返りをしてきました。個人的には転職した理由にもつながりますが、実際にアプリでユーザーの皆さんの学習に寄与した結果として、サブスクという形でお金をもらって運営できるサービス形態はけっこう良いなと思っています。役に立った分や期待される分だけ事業が成長するように捉えています。

mikanではこれからも学習×習慣化というキーワードのもとで、より多くの皆さんの英語学習のお役に立てるようアプリを改善予定です。アプリ内外の体験を含めて良くしていくことに興味がある方はぜひお話しましょう!特にエンジニア、デザイナーの皆さんを募集中です!

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