【FX】PAMM(パム)/MAM(マム)口座の違いとは?
FXの手法には、自動売買や裁量トレードなどさまざまな運用手法があります。
中でも、海外FXには国内FXにはない「PAMM(パム)」や「MAM(マム)」という運用手法があることをご存知でしょうか?
PAMM/MAMでの運用は、特にFX初心者やチャートを見る時間がない忙しい方にとても魅力的な手法です。
そこで今回は、
・PAMM/MAM口座の特徴や違い
・メリット・デメリット
などについて解説します。
まずは、PAMM/MAM口座のそれぞれの特徴についてご紹介します。
・MAMとは?
MAMとは、”Multi Account Manager”(マルチアカウントマネージャー)の略称です。
プロのトレーダー(マネーマネージャー)に自分の資金を預けずに発注指示のみを委託する運用手法です。
このような運用手法を「マネージドアカウント」と呼びます。
具体的には、運用を委託したマネーマネージャーの「親口座」と自分の口座である「子口座」を紐付けして、親口座のトレード結果を子口座に反映させる仕組みとなっています。
つまり、資金は自分の口座内にある状態でトレードの損益だけが反映されるため、自分の資金が他人に盗まれるリスクはありません。
さらに、MAMでは取引状況やトレード履歴など、プロのトレーダーの手法を見ることができるため、FXトレードのコツを学べることが特徴です。
・PAMMとは?
PAMMとは、”Percentage Allocation Management Module”(割合分割管理モジュール)の略称です。
MAMと同様に、プロのトレーダーに運用を委託する「マネージドアカウント」ですが、PAMMの場合、取引状況やトレード履歴などを見れないことが特徴です。
PAMMとMAMはどちらも同じ運用手法ですが、以下のように2つの違いがあります。
①資金を管理している口座
1つ目の違いとしては、資金を管理している口座です。
PAMMの場合、顧客が入金したお金はマスター口座といって、運用を任されたマネーマネージャーの口座に集められて運用が行われます。
そして、顧客の口座ごとの出資額に応じて収益が分配される仕組みとなっています。
一方、MAMの場合は、自分が入金したお金は自分の口座で管理することが可能です。
つまり、口座の発注・決済のみをマネーマネージャーが管理して運用する仕組みとなっています。
②保有ポジションやトレード履歴の確認
2つ目の違いとしては、保有ポジションやトレード履歴を確認できるかどうかです。
PAMMの場合は、顧客の口座ではなくマスター口座で発注がされるため、顧客が確認できるのは資金の増減のみとなっています。
反対にMAMの場合は、顧客の口座から発注されるため、マネーマネージャーの保有のポジションやトレード履歴を確認できるため、比較的透明性が高いことが特徴です。
そのため、プロトレーダーの運用手法やロジックを知りたい方や、自分の資金が正しく運用されているか気になる方は、MAMでの運用がおすすめです。
・PAMM/MAM口座の3つのメリット
①プロのトレーダーに運用を任せられる
PAMM/MAMの最大のメリットは、プロのトレーダーに運用を任せられることです。
PAMM/MAMのマネーマネージャーは、他人の資金を預かって運用するため、FX業者が指定した厳しい審査をクリアした人のみ採用しています。
つまり、PAMM/MAMのトレーダーは、ある程度の技術が備わっていることが考えられます。
そのため、損するリスクを抑えることができるため、特に取引の自信がない初心者におすすめの運用手法です。
②運用コストが安い
PAMM/MAMの運用にかかるコストは、利益が出たときに報酬として支払う手数料のみです。
そのため、損失となった場合の取引に対する手数料や、初期費用、仲介料、固定費などは基本的にかかりません。
「利益の数%でも手数料が高い」と感じるかもしれませんが、一般的な投資信託と比べると運用コストはかなり安いです。
例えば、一般的な投資信託の場合、購入時の手数料、途中で決済する際の手数料など、さまざまなコストがかかってしまいます。
しかし、PAMM/MAMの場合、手数料がかかるのは利益が発生したときのみなので、コストをかなり抑えることができるのです。
また、手数料も15%〜30%なので、一般的な投資信託と比べても運用コストを安く抑えられることがメリットです。
③安全性が高い
PAMM/MAMではそれぞれ口座の管理方法は異なりますが、どちらの口座も運用者(マネーマネージャー)には顧客から預かった資金の出金権限はありません。
つまり、自分の口座内に資金を置いたま運用を任せられるため、投資詐欺のような形で資金を持ち逃げされるリスクはほとんどありません。
・PAMMのMAMの3つのデメリット
①PAMMのMAMの3つのデメリット
PAMM/MAMで運用を任せる人はプロのトレーダーとはいっても、必ず勝てるわけではありません。
さらに、損失に関しては自己責任となるため、マネーマネージャーが負けてしまうと資金が減ってしまう可能性もあります。
このように取引内容や資金の増減に関しては、運用を任せるトレーダーの技量に依存してしまいます。
そのため、PAMM/MAMで運用する際は、できるだけ運用者の過去の取引内容や実績などを確認してから運用を任せるようにしましょう。
②好きなタイミングで出金できない
PAMMやMAMでは、ポジションを保有している間は出金できないことがほとんどです。
ただし、MAMの場合は、発注の権利がユーザー側にもあるため、ポジションを決済すれば自由に出金することが可能です。
(※FX業者によって異なる場合もあります)
反対に、PAMMの場合、ユーザー側に発注の権利がないため、ポジションを自由に決済することができません。
そのため、運営側のトレーダーがポジションを保有している間は、出金できないということを覚えておきましょう。
③トレードスキルが伸びない
プロのトレーダーに運用を任せてしまうPAMMやMAMでは、自分のトレードスキルがなかなか身につきません。
しかし、MAMであれば、マネーマネージャーが保有中のポジションや取引履歴を見ることができるため、エントリータイミングやプロのトレード手法を学ぶことができます。
一方、PAMMの場合は、資金の増減のみしか分からないため、トレードスキルは身につきにくいです。
そのため、PAMMやMAMで運用しながらもトレードスキルを学びたい方は、MAMがおすすめです。
・まとめ
今回は、PAMM/MAMの特徴、メリット・デメリット、利用できる海外FX業者などについてご紹介しました。
「PAMM」や「MAM」は、自分の代わりにプロのトレーダーが資産を運用してくれるため、FX初心者やチャートを見る時間が取れない方におすすめの運用手法です。
ただし、PAMM/MAMでの運用は、よくも悪くも資金を運用するトレーダー次第で、資金が増えたり、減ったりする可能性があります。
そのため、PAMM/MAMで運用を始める際は、運用者の過去の成績をしっかりと見てから利用するようにしましょう。
PAMM/MAMに興味がある方は、メリット・デメリットをよく考えた上で運用を始めてみてはいかがでしょうか。