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男が本音を出すのはベッドの中だけ

公式な事柄が嘘偽りの始まり
殿方の嘘つきは公式な世界で養われていく

男が夢中になることの中で
当を得ているのは女だけ
他のことはくだらないことばかり

鹿鳴館 三島由紀夫


三島由紀夫の戯曲、鹿鳴館のセリフの一文。

もう見事としか言いようがないくらい、当を得ている。さすが三島由紀夫。


男は、公式の場で平気で嘘をつく、というより
見事なほど嘘しかつかない。

お客様の幸せのために、お客様の安全のために。


国民の幸せのために、
日本を取り戻す、少子化を解消する…


これでもかというほど、政治というのは公式の中の公式、
政治家の言っていることほぼ99%は嘘だろう。

  

大企業のプレスリリースや公式な会見の場で話していることはすべて嘘だ。
社員のために、被害者のために、
コンプライアンスを徹底し、人権を守ります。


公的な場(記者会見、株主総会、会合、
式の挨拶、講演会など)であればあるほど、面白いほど嘘ばかりつく。



自分さえ良ければいい、
末端社員がどうなろうと知らん、
客は金を出してくれる人を大切にする、
未来の日本がどうなろうと知ったこっちゃない、自分は逃げ切れる世代だからどうでもいい。


出会いの場でさえも平気で嘘をつく。
家庭的な女がいいとか、貞淑な妻がいいとか、
家族が大事だとか温かい家庭を築きたいとか。

不倫して謝罪時に自分の軽率な行動で家族を傷つけてしまった、皆様の信頼を回復すべく真摯にに努めます。申し訳ありません……


はいまた嘘きた。
男が公式の場で紡ぐ言葉は全て体裁を整えるためのもの、本音ではない、嘘偽りだ。

 
つまんない女と結婚してしまったから絶望した、
いい女がいてしたいと思ったからセックスした、
そして好きになっちゃった、
他人がどう思うとか知るかよ。


『男子家を出ずれば七人の敵あり』
という諺がある。

男は一歩外に出れば、社会に出れば、敵だらけだから油断するべからず、弱みを見せてはならないという意味である。


だから男は女のように感情を表に出してはいけないし、本音をむやみに漏らしてはいけないのであって、そんなことしようものなら、
どこで敵に足元掬われるか分かったもんじゃない。


だから男は嘘ばかりつく。
外に出ている顔はほぼ偽りだ。


だけど多くの女はその偽りの顔に惚れるのが
常だ。


そんな嘘偽りだらけの男が唯一本音を出すのがベッドの中だ。
だから女は男とデートなんかするよりもさっさとベッドを共にした方が良い。


デート中の男なんて嘘だらけ、そんな表面的な優しさに酔っている場合ではない。


ベッドの中の男ほど、かわいくて愛おしい姿はないのである。

私は他の全ては大嫌いだけど、唯一セックスしている時だけ、ベッドの中だけが愛おしい男がいる。


セックスしてない時はほとんど好ましくないし、
一緒にいると不快になることがあるのだけど、

セックスのときだけ最高の愛を与えてくれる男がいる。


だから男は女に夢中になっていれば幸せなのだ。
他は全てくだらない。


だけどこれを書いた三島由紀夫も、男たちも、
みんなくだらないことばかりやって死んでいく。


男って本当にどうしようもなく愛おしい生き物である。




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