「良い人材」の見つけ方
私は大学4年間〜社会人のファーストキャリアまで、6年間医療 / ライフサイエンス領域におりました。その後、自分のなんとなくの勘とご縁で、人材領域に越境してきて、起業までしてあっという間に5年経ちました。大学時代はひたすら細胞や組織を観察していましたが、今は毎日ひたすらプロフェショナルたちのプロフィールを読ませていただいていたり、経営者や採用担当者の方々より採用や組織の悩みを聞かせいていただいたりしております。私は自分のこの越境経験を、ヒトをミクロレベルからマクロレベルに学ぶと意味づけました。
人材エージェントとして「良い人材を紹介してください。」と、日常茶飯事のように頼まれます。簡単な日本語ですが、「良い人材」ってなんでしょうか。このNoteでは私なりに良い人材の見つけ方を解析してみたいと思います。
「良い人材」とは
大前提として「良い人材」には絶対的な評価がないということをお伝えしたいです。正確には「自社にとっての相応しい人材」が正しい表現だと思います。よって、そもそも自社にとって、どういう人材が必要で、人材市場において自社の強み (Giveできるもの) は何なんのかを知る必要があります。そして、相応しい人材に出会う手段(チャネル) を選びます。最後に、我が社に相応しいと思える人材にアプローチし、知ってもらい、お互い見極め、一緒に仕事できるように口説くことです。
ここまで見ると、婚活みたいですね!と思うかもしれませんが、まさにビジネス版の”婚活”ではないかと思います。最近ですと、業務委託から一緒に仕事して、一定期間が終わって問題なければ入社するという”同棲期間”を作る会社も珍しくありません。
「良い人材」を見つける3ステップ
自社分析
チャネルの選び方
候補者とのコミュニケーション
1. 自社分析
良い採用はまず自社の立ち位置を知ることから始まります。下記のようなことを整理します。顧客への営業資料と同じように、カルチャーデックなどでまとめると良いです。
① 自分たちは何者か (Who We Are) を言語化しましょう。
何をやっているのか (事業内容)
何のためにやっているのか (Mission, Vision, 企業理念, 思いなど)
どんな人たちでやっているか (チーム、カルチャー)
何に困っているか (現在の課題)
どうして採用するか (採用の背景)
② 求める人物 (Who We Want)
私は経営者の方々からよくいただくWantは、「若手でやる気があって、〇〇領域で経験があって、英語もある程度話せる、 転職回数が少ない方」という人物像です。残念ながら、このような人が欲しいとみんな考えているので、採用は中々うまくいきません。
ここで考えていただきたいのは、絶対に必須な条件 (Must) と 歓迎条件 (Nice to have)です。自社にとって譲れる譲れない条件を正しく設定することは、「良い人材」が見つかるか見つからないかを決める極めて大事なことです。
弊社が関わっている案件の場合は下記の項目をヒアリングすることが多いです。
- 専門経験: その領域に限らず、周辺領域や親和性がある領域 / 職種を見る、キャッチアップが早い領域であれば未経験でも可能か。
- 語学力: 日本語 / 英語のレベルは実務的にどれくらい必要か、どのようにカバーできるか。TOEICなどは関係ありません。
- 勤務形態 / ワークスタイル: 「良い人材」は正社員じゃなくてフリーランス、毎日出社ではなくてハイブリットワークなど、特にコロナ後は働き方の多様性が「良い人材」を見つけるコツでもあります。
- 居住地: リモートワークが可能な場合、日本各地や時差が仕事に影響しないタイムゾーンの人を探せます。
③ 人材に与えられる機会や環境 (What We Give)
やっていただく仕事、出していただく成果に対する報酬 (給与、学びや経験、環境)です。
- 給与:相応の給与を支払うことは一定の能力に対するリスペクトだと思います。ただ、スタートアップ初期や会社のルールなど適切にお支払いが難しい場合もあると思います。能力を肯定した上で交渉すると良いでしょう。
- 経験や学び:どんな経験や学びを得られるか?特に向上心とポテンシャルが高い人材は給与よりも経験や学びを大事にする傾向があります。
- 環境:どんなチームか?どのような職場環境か?誰もが自分に合った環境で働きたいのです。
③ なぜ私たちの会社にジョインするか? ( Why Us )
上記の全てをサマリーした”告白”ですね。誰 (どんな人材) に対して何 (どんな会社として) をアピールしたいのでしょうか。全く同じ会社は存在していないので、自社のユニークネスを見つけ、言語化し、アピールできるようにしていきます。
2. チャネル選び
最近はインターネットサービスの発達で、採用チャネルは多様化してきました。採用計画や予算に応じて複合的にチャネルからタレントプールを構築することが大切です。
社員や知人からの紹介
人材エージェント会社
採用広告媒体
ダイレクトリクルーティング
採用代行 (RPO)
SNSなど
上記チャネルはそれぞれのメリット/デメリットがあり、求める人材の採用ハードル、緊急度、予算などによって取り入れる手法が変わります。まずは採用に詳しい方にご相談ください。
3. 候補者リレーション
自社に合うチャネルが見つかったら、次は候補者とのコミュニケーション、関係構築が重要です。「良い人材」は選択肢が多く、企業は選ばれる立場にあることも多いです。その際に、顧客視点と同じように、候補者 (応募者) 視点を持って候補者と接することが大切です。
- 求人票の書き方
- 最初のメッセージ
- 選考プロセス、やりとり、スピード
- 面談や面接の内容
など
企業側が候補者を隅々まで観察するのと同様に、
候補者の方々も隅々まで企業側のアクションを見ているという、実は選考上の「フェアな関係性」があることを忘れてはいけません。
何らかの原因でご縁がなかった方でも、後日別のことで繋がったり、実はその方の友人を紹介してくれたり、なんてこともあります。
よって、合格や不合格の結果だけでなく、一人ひとりと会話した豊かな時間そして採用活動を通じた一期一会を大切にすると中長期的にプラスになることが多いのではないかと存じます。
まとめ
「良い人材」を見つけられるのは、上記ステップのそれぞれを大事にした積み重ねの結果で、実はとても地道な作業です。また、正しい人がいなければ、正しい事業は興せません。しかしながら、人材を雇用しなければいけない時代から、人材とコラボレーションする時代に変わってきたと実感しています。今となっては、正社員にとどまらず、フリーランスや複業、起業など多種多様な形でチャレンジしている、活躍している優秀な方々がいます。フラットな目線で柔軟に、「誰とどうやって働いたら、事業課題を解決できるのだろう。」と考えることが大切です。
越境をおもしろく、可能性をあたらしく。
WeGlobalでは、クロスボーダーに活躍する企業様のさまざまな採用課題及び事業課題に応じてサービスを提案しております。何かあればお気軽にご相談ください。
1. 人材紹介サービス
2. LinkedInを用いた採用支援サービス (RPO)
3. グローバルな業務委託採用マッチングサービス「Xborder Works」
最後に・・・
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