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Starting Out: Grand Archive TCG Vol. 14 - ターン進行について

『Magic: the Gathering』に代表される、相手ターンにも動けるTCGからは切っても切れない概念、優先権。
慣れるまではとても難しいものですが、一回慣れてしまえば、これほどエキサイティングなゲームギミックはないといってもいいでしょう。
今回は、その優先権が、Grand Archive TCGではどのように扱われているかを解説していきます(ちなみに、Grand Archiveでは優先権を"Opportunity"という語として定義されています)。

……と言いたいのですが、そのためにはまず、ターンの進行をちゃんと理解することが必要です。
しかもこのゲーム、各プレイヤーの第1ターンとそれ以外のターンで、ターンの処理が違うので、そこから理解をしておく必要があります。
特にIncreasing Dangerを中心としたいくつかのカードは、先攻1ターン目に使用した場合どうなるかを覚えておくことが重要な挙動があるので、Starting Outという範囲をこえたところでも理解しておくべきです。

あ、今回は、ターン進行のそれぞれを厳密に記載していくので、目次をつけておきます。
今までの記事で解説済みのことも重複して書いているので、確認したい部分から読んでください。


ゲームのはじめかた

各プレイヤーは、2種類のデッキを用意します。
2種類のデッキは、以下の通りです。

  • Mainデッキ:60枚以上で同名カードは4枚まで(上限規定はないですが、ゲーム中統合された1つの山であり続ける必要があるので、物理的に重ねられなかったり一束でシャッフルできなかったりする枚数はNGです)

  • Materialデッキ:12枚ちょうどかつ同名カード1枚、Lv0のChampionを必ず含むこと

Mainデッキはランダムな順番になる必要があるので、ゲーム開始時によく切り、対戦相手にもシャッフルしてもらってください(これ、実は総合ルールに定まってますが、まあカジュアルにやるときはお互い納得すれば相手のシャッフルはスキップしてもいいんじゃないでしょうか)。

Materialデッキはシャッフルいりません。
どうせ自分のはいつでも見れるので、シャッフルの意味がありません

Mainデッキのシャッフルが終わったら、それぞれのデッキをそれぞれのデッキゾーン(Mainデッキは自分から見て右、Materialデッキは左のそれぞれ中段くらいの位置が所定のようです)に置きます。

一応、公式が用意している場所の定義。右下が墓地、右上が追放領域です。
画像はhttps://www.gatcg.com/article/getting-started から使用しています。

置いたら、ランダムな方法で先攻後攻を決めてください。
ランダムであれば、じゃんけんでもコイントスでもトランプでも大丈夫です(それこそ、カジュアルなプレイでは話し合って決めてもいいんじゃないでしょうか)。

先攻後攻が決まったら、いよいよゲーム開始です!
このゲームでは、各プレイヤーの初手は0枚です(いい加減書き飽きた)。

ターンの進行(各プレイヤーの第2ターン以降)

第1ターンから書けよ、という声が聞こえそうですが、2ターン目以降の、通常のターン進行から書きます。
第1ターンだけ特殊なので、別途後述です。

各ターン、以下のフェーズがあります。

  1. Wake Upフェーズ

  2. Materializeフェーズ

  3. Recollectionフェーズ

  4. Drawフェーズ

  5. Mainフェーズ

    1. Combatフェーズ

      1. Attack Declarationステップ

      2. Retaliateステップ

      3. Damageステップ

      4. End of Combatステップ

  6. Endフェーズ

Combatだけちょっと特殊で、Mainフェーズでできる1つのアクションとしてCombatがあるのですが、一度始まると複数のステップを踏むので、ルール上独立したフェーズ扱いになっています。
以下では各フェーズを、特に優先権の発生に注目して何を行うフェーズか解説します。
ちなみに、優先権の大原則として、カードや効果がプレイされたり起動されたりすると、優先権は基本的に発生します

Wake Upフェーズ

直前のターン(相手ターン)までにすでに場に出ている、横向きのカードを縦に直すフェーズです。
基本的にそれ以外のことはおきません。
したがって、優先権は基本的には発生しません(以下、「優先権は基本的には発生しない」とは、「このタイミングで何かしらの理由によって誘発する効果がない限り優先権が発生しない」ということを意味します)。
すべてのカードを縦にしたら、直ちに次のフェーズに移ります(以下、「直ちに」とは、「追加に優先権は発生せずに」ということを意味します)。

Materializeフェーズ

Materialize、すなわちMaterialデッキからのカードのプレイを行います
このフェーズでは、基本的には優先権は発生しません。
ただし、カードがMaterializeされた場合に限り、そのカードのプレイ(と、その登場時のOn Enterがある場合はその誘発)に対して優先権が発生します
Materializeによる優先権が処理し終わったら、直ちに次のフェーズに移行します。

Recollectionフェーズ

このフェーズではまず、Recollectionフェーズ開始時に誘発する効果("beginning of recollection"の記載のある効果)がすべてEffect Stackにのります(なので、優先権の処理があります)。
Recollectionフェーズ開始時の効果処理が完了すると、また優先権が発生します
で、この優先権の処理が終わったら、ターンプレイヤーは自分のmemoryをすべて手札に加えます。
この手札に加える処理の最中には、優先権は発生しません
Memoryをすべて手札に加えると、直ちに次のフェーズに移行します。

Drawフェーズ

ターンプレイヤーは、Mainデッキから1枚引きます
ここには基本的には優先権は発生しません。
また、1枚引きおわったら、直ちに次のフェーズに移行します。

Mainフェーズ

ここまでの各フェーズは、やることが決められていて、それぞれのフェーズのやることが終わるとすぐ次のフェーズでした。
Mainフェーズには、そういった特定のやることがありません
そう、ここがゲームの一番"花形"となる、カードをルールに従って自由にプレイできるフェーズです。
Mainフェーズに入った瞬間、ターンプレイヤーは優先権を得ます
この優先権のタイミングでのみ、手札のSlowスピードのカードがプレイ可能です(Fastスピードのカードは任意の優先権があるタイミングでプレイ可能です)。
Attackカードを用いないChampionによるコンバット開始宣言以外では、全てのカードや効果のプレイに対して優先権が発生します。
また、ChampionやAllyがコンバット開始を宣言すると、Combatフェーズが発生します。
お互いのプレイヤーがカードや効果の使用をしないこと、およびターンプレイヤーがコンバット開始の宣言をしないことを選択しパスが続いた場合、Mainフェーズの終了と見なして直ちに次のフェーズに移行します。

Combatフェーズ

大原則として、CombatはMainフェーズのひとつの行動、という取り扱いです。
つまり、Combatの後にもう一度Slowスピードのカードや効果をプレイすることができます
また、適正なAttackが宣言できるなら、Combatは1ターンに何回実施しても構いません
Combatは1回につき1体で行います。

Combatフェーズは、UnitでAttackを宣言することで始まります(ここからAttack Declarationステップが始まります)。
このAttackの宣言は大きく2通りの方法があります。

  1. パワーが1以上のUnitで攻撃対象を指定してAttackを宣言

  2. ChampionをレストしながらAttackカードを使う

なお、1の派生として、(主に)ChampionのAttackの際にWeaponを使う場合もこちらに含まれます。
優先権の意味では、この2つのパターンは、Attack成立までの処理に違いがあります。

パターン1の場合、Attackを行うUnitをレストしながら、攻撃対象を宣言します。
これにより、直ちにAttackが成立します
(この行、2024/8/13に訂正)よって、On Attackがこのタイミングで誘発し、優先権が発生しますEffect Stackにのります
なお、On Hitはまだ誘発しません。

パターン2の場合、使用したAttackカードがEffect Stackに乗り、優先権が発生します
したがって、このAttackカードの解決が行われるまで、On Attackは誘発しません。
(この行、2024/8/13に訂正)Attackカードが解決されると、Attackが成立し、On Attackがある場合はここでその誘発が発生して再度優先権が発生しますEffect Stackにのります
以下はパターン1と同様です。

いずれの場合も、ターンプレイヤーがCombatをはじめようと思ってカードや効果をプレイしはじめると、(Attackカードの解決以外では)優先権が発生しないため、Attackを未然に防ぐ方法は(Attackカードへの対応以外では)ありません
また、Interceptによって攻撃対象を移すのはこのタイミングで行われるようです。
ここまでがAttack Declarationステップです

ターンプレイヤーがCombatを開始すると、非ターンプレイヤーがそのAttackに反撃するかどうかを決めて対応するRetaliateステップに入ります
(ここから、2024/8/13に訂正)このステップに移行した瞬間、まずはAttack Declarationステップで発生したEffect Stackを解決します。
まずはターンプレイヤーが優先権を得て、このEffect Stackに対応するかを決定します。
Attack DeclarationステップのEffect Stackを解決した後、再度ターンプレイヤーが優先権を得ます
。(2024/8/13の訂正ここまで)
このタイミング(ここの優先権を"Before Retaliation"と呼びます)が終わるまでに場に登場しているUnitのみが当該CombatでRetaliate可能です(つまり、このタイミングで登場したUnitはRetaliate可能です)。

ここでの優先権の処理が終わると、非ターンプレイヤーによってRetaliateの実施是非が決定されます。
Attackの対象になったUnitがスタンドしていて、かつ1以上のパワーをもつ場合、そのUnitをレストすることによってRetaliateします。
Retaliateすると、CombatになったUnitのパワーの値のダメージをお互いに与え合うことになります(しない場合は、AttackしているUnitのパワー値のダメージをAttack対象のUnitに一方的に与えることになります)。
ただし、ここで決めるのはRetaliateするかどうかだけです。
ダメージの与え合い自体は、Retaliateステップの次の、Damageステップで行われます。

Retaliateの是非決定後、直ちにDamageステップに入り、ターンプレイヤーが優先権を得ます
Retaliate同様にここには"Before Damage"という名前がついています。
ダメージを与え合う直前に何かできるタイミングなので、ダメージ軽減したい等はこのタイミングまでで行ってください。

Damageステップ最初の優先権での処理が終わったら、直ちにDamageを与えます
ちなみに、この時True SightをもたないUnitでStealthのUnitとCombatが成立している場合は、ダメージを与えることができません。
また、AttackしているUnitが(場を離れずに同じUnitとして)Attackしている状態じゃなくなっても、Retaliateでの反撃ダメージは通ります(=与えられます)。
ダメージを与え合ったら、使用したWeaponのDurabilityカウンターを1つ減らします(もし使ったなら)。
また、On Hit等の誘発が発生したら、それらはEffect Stackに乗せられますが、解決はここで行われません。
優先権も発生しません。

Damageを与え合った後、End of Combatステップに入ります
Attackしている/RetaliateしているUnitがその状態から解除されたり、Unitの破壊が起きたりしていないか等いろいろとCombatの後処理を行いますが、この確認の最後にEffect Stackの解決が入ります。
すでにEffect Stackに乗っている効果をここで通常通り解決し、Combatが終わります

Endフェーズ

ターンプレイヤーがMainフェーズの終わりを宣言(し、非ターンプレイヤーもMainでの優先権を放棄)したら、Endフェーズに入ります。
Endフェーズに入るとすぐ、"beginning of the end phase"として取り扱われる効果がEffect Stackに乗ります
その後、ターンプレイヤーが優先権を得ます
これらのカードや効果を解決すると、カードや効果を新規にプレイすることはできません。
解決後、Allyのダメージが取り除かれ、ターン終了時まで影響がある効果が取り除かれた後、手札上限が発生していたらその枚数になるように手札を調整して、ターン終了です!

各プレイヤーの第1ターン

各プレイヤーの第1ターンは、通常の進行に対して、以下の点だけが異なります。

  • Wake Up、Materialize、Recollectionの各フェーズはありません(したがって、Lv0のChampionを出す際には優先権が発生しません)。

  • 先攻プレイヤーは、Drawフェーズもスキップします

  • ルール上、先攻プレイヤーはCombat宣言できません(適切な攻撃対象がないため)。

上記のルールとなるため、先攻1ターン目にIncresing Danger等を使われた場合、その効果によってMemoryに置いた山札の一番上にあったカードは、第1ターンの開始時に手札に加えることができないため、第1ターンでは使えません。
どちらかというと、先攻1ターン目にDraw into memoryで引かせたカードは開始時の手札を増やしません、というところが重要かもしれません。

まとめ

ターン進行、まとめると以下のようになります(優先権が発生すると書いていない場所では優先権は発生しません)。

  1. Wake Upフェーズ [※第1ターンではスキップ]

    1. 横になってるカードを全部縦に直す

  2. Materializeフェーズ [※第1ターンではスキップし、代わりにLv0のChampionをプレイではない形で場に出す]

    1. MaterialデッキからカードをMaterializeする(これに対応する形での優先権は発生

  3. Recollectionフェーズ [※第1ターンではスキップ]

    1. 優先権が発生

    2. Memoryのカードを全て手札に加える

  4. Drawフェーズ [※先攻の第1ターンではスキップ]

    1. 1枚引く

  5. Mainフェーズ

    1. 優先権が発生

  6. Combatフェーズ

    1. Attackの対象を宣言し、Attackを行うUnitをレスト、即Attack Declarationステップ開始

      1. Attackカードを使用してCombatに入る場合、そのプレイに対する優先権が発生、正常に処理されたらAttack成立

      2. Attackカードを使用しないCombatは、即Attack成立

    2. On Attack等の誘発(およびそれに対する優先権)が発生

    3. 優先権が発生

    4. Retaliate判断

    5. 優先権が発生

    6. Damage処理

    7. Combat状態を解消しながら、発生する効果や優先権の対応

    8. Mainフェーズに戻る

  7. Endフェーズ

    1. 優先権が発生

    2. 一時的なダメージやスタッツ修正等が消滅

……多いですよね。
でも、覚えてください。
基本的には、

  • カードがプレイされたら優先権が発生

  • Recollection、Main、Endはフェーズの開始時に優先権が発生

  • CombatはRetaliate前とダメージ処理前に優先権が発生、ダメージが入ることによって誘発がある場合も優先権が発生

と覚えておけば大丈夫です。

さて、これでターン進行と優先権がどう発生するかはわかりました。
が、優先権が発生したらどうなるのか、というところがまだ説明できていません。
次回、ようやく優先権の処理そのものです!


※すでに長いこと、今回の内容が長期に参照されるべき内容であることに鑑み、宣伝コーナーお休みです

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