見出し画像

12弾環境後期(FateZero以降)養殖4色シオン【注:25000+字あります】

序文

以前解説したヴェストバルナ以降、組んではいてもnoteを書くほどのモチベーションはなかったので、ほとんどのデッキはそのまま情報の海に放流しました。
今回、参加者5人の公認大会とはいえクラウディア(グラドミラル)とヴァランに勝って優勝したのもあり、「ひさしぶりにnote書くか」という気持ちになったので、そのシオンについてnoteします。

本編があまりにも長いので、先にレシピとデッキコードを掲載します。
レシピはビルディバイド公式サイトならびにD.I.V.E.から、デッキ編集画面をスクリーンショットすることによって生成した画像を使用しています(URLはhttps://tcg.build-divide.com/official )。

メインデッキ
Dデッキ

デッキコードは 37Y7fY4xJl2 です。

以下、この構築に至るまでに必要な、テリトリーとエースの分析、このテリトリーを組んで乗りこなすために必要な確率の解説、構築の方針設定解説を経て、各カードの採用と基本プランを解説し、最後に各デッキへの対応方針まとめの構成となります。
レシピ再掲までの各節には「ここまでの結論」セクションがあるので、結果だけを読みたい方はそちらを要点として読んでください。


シオンおよびそのテリトリーであるストラグルストライカーIVの概要から導く、構築方針

導入

シオンは、10弾で初登場し11弾で2枚目のエースをもらった、比較的新しいエースおよびテリトリーです。
ビルディバイドにおける構築は、基本的には「テリトリーとその対応するエースがどのようなテキストをもつか」から方針を定め、それに従って他のカードを採用してデッキに仕上げることでのみ効果的な構築になるので、その通りに分析をはじめます。

テリトリーについて

ストラグルストライカーIVのテリトリー画像
一番重要なこと:山札の残存ショット枚数が大事

いきなりテリトリー画像です。
ちなみに、カード単体画像は、これを含めて全て、ビルディバイド公式サイトならびにD.I.V.E.から使用しています(URLはhttps://tcg.build-divide.com/official )。
端的に言えば、

  • クイックで使用できるテリトリー効果

  • 1ターンに1回、複数の相手ユニットをレストできる

  • デッキトップに触ることとレストの処理は「その後」接続なので、相手ユニットがいなくても起動できる

  • テリトリー効果を起動すると、墓地が増える

  • デッキに残っているショットの枚数が重要(デッキトップがショットじゃない場合、何もおこらない)

このうち最後の点はとても重要で、とても簡単にいうと、原則として1試合で最大12回しかレストできない、ということです。
基本的に、このゲームのショットは除去の枠として採用されやすい部分です。
すなわち、除去を切ってでもレストする、ということが有効になる構築向けのテリトリーです。
ビート~ミッドレンジ向きっぽいですね。

エースについて

旧シオン
一番重要なこと:青3拘束の6コスト。ダメージ飛ぶのはインクのシミ
新シオン
一番重要なこと:「テリトリー効果決めなかったら負け、決め続ける限り勝ち」って書いてある

先に2枚の画像を掲載しました。
1枚目を旧シオン、2枚目を新シオン、という風に本記事では呼びます。
共通することは、

  • 6コスト、そのうち青は3で白は1を要求

  • 条件を満たすとスカウトできる=テリトリー効果の成功率を上げられる

  • パワー5500、ヒットは2

  • 「ダメージを受けない」ということに強く関係する効果をもつ

で、旧シオンは、

  • 相手ターンにダメージを受けないことで、エンドフェイズに1点

  • 登場時のみスカウトできる

というのが特徴で、新シオンは、

  • 相手ターンにダメージを受けると、エンドフェイズに破壊

  • アタックするたびスカウトできる

  • しかもスカウト5

というのが特徴です。
……本当にビート~ミッドレンジか疑うことしか書いてません。

新シオンはたしかにビートっぽく見えなくないものの、旧シオンはビートっぽくなさすぎるように見える。
そもそも6コストの時点で、このゲームのビートのコスト帯としては重過ぎる。
そして6コストエースの時点でミッドレンジの主力投入帯でエース初着地なので、ミッドレンジにするにも少し重い。
エース自体がミッドレンジ主力としての打点になれるかというと、パワーが低くてよほどデッキとかみ合わないと難しそう。
じゃあコントロールで組もうか、とすると、除去=ショットがテリトリー効果とバッティングする上、青白なので除去力も青黒ほどはない。

結論、テリトリー効果とエースのテキストからだと、プールの他のカードに鑑みると、ビート、ミッドレンジ、コントロールのいずれとしても、ちゃんと構築から考えないと中途半端になるということになります。

構築方針

ということで、上記をふまえた構築方針は、以下の通りとなります。

  • コントロールで組む

  • テリトリー効果を積極的に活用する

結論としては、ビートとミッドレンジは、シオンでやらなきゃいけない理由がないという判断をしました。

まず、ビートで組むならヴァランやクラウディア、蜀(諸葛亮と劉備)あたりで組んだ方が速いし強いです。
諸葛亮も6コストですが、あっちはヒットが追加で簡単に乗っかる上、諸葛亮自体がアタックできればまだリソースが不足しません。
しかも赤白なので、ショットはユニットが増えます。

ミッドレンジとしては、単純に6コストのカードとしての脅威度がエースに不足しています。
しかも、青白なので、7コストのユニットはことごとくミッドレンジ的な脅威がありません。
カエデかツムギか、あるいは青単色のカードかくらいしかないです。
カエデは、エースのパワー不足に対して何も解決していません。
ツムギは、相手のユニットの枚数に依存して効果の強さが上下するので、強いタイミングが細すぎます。
青単色の7コスト以上は、今だとDデッキに触れるネルくらいでしょうか。
6コストで探すとセレスやルルベラ等が候補かもしれませんが、ことごとくメインで採用するイメージがありませんでした。
このへんは、採用の解説で詳細を書くことになります。

したがって、コントロールで組む、となるわけですが、おそらくこれがシオン唯一の希望の道であるものの、最も茨の道を歩くことになる方針となります。

コントロールで組む、としたことで、以下の方針も同時に定めることにします。

  • デッキ枚数は50枚

  • 青白に黒を追加した3色をベースにする

テリトリー効果を積極的に活用する、と決めた段階で、デッキ枚数はそもそも2択しかありません。

  1. ショットにより触りやすい40枚

  2. ライフが最も強くなる50枚

初期枚数で12/40か12/50かなので、「新たに山札から引く1枚がどちらの方がショットの確率が高くなりやすいか」、「初期ライフにバスターがいく確率が高いのはどちらか」というのは、直感的にも上の選択肢通りの印象になるのではないでしょうか。
今回は、コントロールで組む、とするので、長期戦を意図します。
したがって、ライフが強くなる方を選びたいので、50枚で組む、とします。

また、コントロールで組む、とするならば、序盤の除去が大事になってきます。
フリュという存在を考慮しても、パワーマイナスに頼ったバトルをしていく必要はでてくるので、黒を加えます。
なお、黒を加える本当のメリットはリソース切れ防止で、墓地から回収する行為は、基本的には(数種類の例外を除いて)黒の特権です。

ここまでの結論

結局、策定方針は以下の通りです:

  • コントロールで組む

  • テリトリー効果を積極的に活用する

  • デッキ枚数は50枚

  • 青白に黒を追加した3色をベースにする

この方針で組むと、シオンを積極的に選ぶ理由づけにはなりますが、最も茨の道を歩くことになります。
茨の道となる理由は、デッキに残っているショットの枚数を常に管理し続ける必要があるためです。
この管理を適切に行うためには、このゲームにおける確率に習熟する必要があります。

シオンを組む上で考えなければならない確率まわりのこと

導入

ビルディバイドは、他のTCGに比べて確率の要素がとても大きい比重を占めるTCGです。
デッキの中に原則12枚のバスターと原則最大12枚のショットを含む40枚~50枚でデッキを組み、その中からエナジーやライフにカードを置くことでゲームが進行します。
特に、ライフが確率変数になっていることがこのゲームの特徴的な部分です。
また、エナジーについても、他のマナ概念によるコストを用いるTCG同様に確率的な考えが必要です。
シオンというエースおよびストラグルストライカーIVというテリトリーは、これに加えて残存ショット枚数という要素を管理しなくてはならないデッキになります。
これらの管理すべき確率変数のとる値をその場で瞬時に計算することは、よほどの天才以外できないでしょう。
したがって、必要な値は事前に計算し、ある程度覚えておく必要があります
最低限、以下の数値はざっくり覚える必要があります。

  • エナジーをセットした段階で、ライフにあるバスターとショットはそれぞれ何枚であると予想されるか

  • 初手にショットがn枚きたときにマリガンするべきか否か

考えておきたい/覚えておきたいことはもっと多いのですが(例えば、「相手の山札がm枚でライフがk枚の時、バスターとショットがそれぞれb枚、s枚見えている場合、ライフにそれぞれが何枚あると想定できるか」とか「自分の山札がx枚でショットがy枚あるとわかっている時、次の山札の上のカードがショットである確率」とか)、あまりに長くなるので、ここでは省略します。
シオン以外でも上記2点の確率は基本的に活用できるかと思うので、上の数値を書いていこうと思います。
※ざっくりと計算したため、大きく違わないまでも、厳密には誤りを含む可能性があります

ライフにあるバスターとショットはそれぞれ何枚であると予想されるか

ゲーム開始時のみを考えます。
そうすると、計算するべき値は、メイン50枚デッキの場合、手札と初期エナジーで7枚は見えているので、残りの「43枚から10枚を選んで(順不同で)ライフに置いて、その中に何枚バスターなりショットなりがあるか」です。
バスターとショットを同時に計算するのはすこし面倒なので、バスターか否か、またはショットか否かだけで簡略化して計算すると、以下の通りとなります(該当札=バスターorショットという意味です)。

見えている該当札:ライフにある該当札の期待値
0枚:2.79枚
1枚:2.56枚
2枚:2.33枚
3枚:2.09枚
4枚:1.86枚
5枚:1.63枚
6枚:1.40枚
7枚:1.16枚
※概ね $${ 2.79 - 0.23 \times}$$見えている該当札の枚数

したがって、エナジーを置き終わった段階で、(該当札がライフにある枚数の取りうる範囲を考えないならば、)概ね2~3枚は該当札がライフにある、と考えてよいようです。
これはすなわち、ゲーム開始時に見えているショットの枚数+2~3回はすでにテリトリー効果を使えない計算をするということを示します。
手札と初期エナジーで1枚ショットが見えている場合は、最大で高々$${12-1-2.56=8.44 \simeq 8}$$回しか使えない、と考えてプレイする必要があります。
……これを読んでシオン組みたくなくなった読者、いらっしゃると思います。
とりあえず、最後までこの記事を読んでから諦めても損はないと思います。

ちなみに。
これを応用すると、初期ライフの確率的な実数もわかります。
見えているバスターが3枚なら、ライフには(期待値の上では)ほぼちょうど2枚のバスターがあるはずなので、実質ライフは8枚という気持ちでゲームを開始できます。
……まあ、95%の範囲で4枚までは埋まってるんですけどね。
※以下、何度か"95%の範囲"というフレーズが出ますが、これは母標準偏差を基に、正規分布で近似した2σ範囲を指して計算しています(デッキ解説として凡そ不適切なほど複雑な話なので、そういうもの、と流してもらって大丈夫です)

初手にショットがn枚きたときにマリガンするべきか否か

シオンを使う上で、最も大事なことです。
構築はまだテリトリーとエースの存在までで、メインデッキの1枚すら決まっていませんが、先の確率議論をもってすでにシオンの大原則となるマリガン基準の方針は確定しています
当然、どれだけショットを引かないか、というのがマリガン基準のひとつになります(もちろん、それだけではないです)。
で、どれだけショットを引かないか、ということは、マリガンで何枚のショットが手元に残るか、ということから計算する必要があります。

まず、50枚のデッキで12枚入っているカードについて、最初の手札(マリガン前手札)で引く枚数の期待値は1.2枚です。
それぞれの枚数に対する確率は、
0枚:約23.69%
1枚:約41.81%
2枚:約26.28%
3枚:約7.30%
4枚:約0.89%
5枚:約0.04%
なので、いろいろな解釈の仕方はありますが、ショットの枚数だけに着目すると、2枚以上というのは珍しい事象である、と考えていいと思います。
というか、ここではそう考えます。

また、手札確定後、ライフとエナジーにどっちに先にカードを置いても知っている情報には変化がないため理論的には置く順番を無視していいとして、見えているショット枚数ごとのエナジーに置かれるショットの枚数の期待値は以下の通りです。
0枚:約0.53枚
1枚:約0.49枚
2枚:約0.44枚
3枚:約0.40枚
4枚:約0.36枚
5枚:約0.31枚
つまり、確定した手札で2枚以上ショットが見えている場合は、エナジーにはどちらかというとショットは置かれない、という仮定をおいてよさそうです。

ここまでの数値を基にマリガンの基準を考えると、大原則としては、手札+エナジーの合計7枚のうち、ショットは3枚までは許容して戦うのが現実的なライン、ということになります。
4枚目が見えた瞬間、ライフにはショットが2枚も埋まらない、ということのみならず、テリトリー効果も高々6回しか使えません。
これではシオンを使うウマミが皆無です。

逆に、1枚しか見えていない場合は、ライフには2~3枚のショットが埋まっていて、確率上8~9回までテリトリー効果を使用できます。
これなら、シオンを使って楽しむことは、最低限はできそうです。

さて、マリガン前の手札に戻ります。
マリガン前の手札が最大でも1枚のショットをもつ確率は、前述した0枚のケースと1枚のケースの確率を足したものなので、約65.5%です。
つまり、最初の手札にきたショットだけに着目して考えた場合、34.5%でマリガンを検討することになります。
この検討を正当化するための確率は、マリガン前で見えているショットの枚数が、マリガンした場合にその枚数以下になる確率はどれくらいか、です。

2枚以上のショットが見えている場合に、見えているショットの枚数ごとにそれよりも少ない枚数を引き直す確率は以下の通りです。
2枚:約69.43%
3枚:約95.29%
4枚:約99.78%
5枚:ほぼ100%
どうやら、2枚以上ショットが見えたら、即引き直してよさそうです。

ちなみに、見えているショットが1枚の時に引き直して0枚になる確率は約22.78%程度なのですが、1枚の時に1枚以下になる確率は約64.53%あるので、対面によっては1枚でも引き直すということがありえます。
たとえば、どうしても見えているバスターの枚数を増やすことが求められるようなケースです。
マリガン前でショットが1枚見えている時にバスターが手札に0枚のケースは約8%あって、ショットと同じロジックでこのまま1枚も見えない状態のままエナジーが置き終わると、ライフにはバスターが約3枚(95%の範囲では約5枚)あって、すなわち(95%の範囲で)実ライフが6点しかない計算になります。
この6枚のうち期待値通り2枚がショットだったとしてそのショットが確実にユニットを破壊する仮定の下、ヴァランが最速でライフを殴ってくる場合は、1ターン目から2+2+2で6点を覚悟することになり、すでにゲームが終了します。
そのため、ショットが1枚でもバスターが1枚も見えていない場合はマリガンすることが検討されるべきで、約80%程度で引き直すとバスターが1枚以上になります(ちなみに、見えているバスター1枚からマリガンして2枚以上になる確率は35%程度、同1枚以上は約80%です)。

ここまでの結論

ショットを2枚以上引いていたらマリガンします。
そうすると、最低限約69.43%で見えているショットが2枚以下にできて、ショットが2枚見えているなら最大約7.67回、1枚見えているなら最大約8.44回テリトリー効果が使用できます。
また、それぞれライフには2枚見えている時2.33枚、1枚見えている時2.56枚のショットがある想定でプレイすることになります。
ショット3枚が見えているケースもそれなりに発生しうるので、その場合はライフにはショットが2.09枚あって、テリトリー効果は最大約6.91回使用可能です。

確率を加味して考える、追加の構築方針

導入

様々な確率を考慮した結果、元々の構築方針やこのデッキに対して、いろいろなことを思うでしょう。
たとえば、「テリトリー効果全然使えないじゃん」とか「開放まで4ターンどうやって耐えよう」とか。
特に、テリトリー効果の使用回数に上限があるデッキなので、そこを補強したい、という考え方を筆頭の追加方針として、方針と採用カードを絞っていきます。

テリトリー効果が使える回数の増やし方

少なくともこの記事を公開することで、緩やかにしか把握されていないシオンのテリトリー効果使用回数は、わりと精緻な理解になる、と言っていいでしょう。
つまり、高々8回程度が上限で、テリトリー効果以外でもショットを使用することを考えるとせいぜい4回程度しかテリトリー効果は当たらないのだ、と。
そして、このテリトリー効果自体は、長期戦になればなるほどあまり当たらなくなっていきます。
それは、ショットが山札から減っていくので当然です。
スカウトによっていくら不要なタイミングでショットを山札の下に送っても、いつか限界はきます。
その限界が見えてから山札のショットをどうやって増やすか、というところから追加方針を検討します。

刻まれた記憶
ショットを山札に戻せる+相手の墓地を削れる唯一のカード

いきなりその解決策ですが、当然ながら、刻まれた記憶でショットユニットを墓地に戻すがその方法です。
繰り返す悲劇でも同じことが可能ですが、そもそも白がエースで要求されている都合勝手に白2もたまりやすいデッキで、あえてできる行動を減らす理由がないので、こちらで解決します。
しかも、ついでに相手の墓地のユニットをリムーブすることができるので、ライルやブルームといった特定の相手にはマリガンの基準として機能することすらあります。

ショットユニットの搭載方法

ショットユニットをデッキに搭載する、ということは決まりましたが、そのショットユニットをどのように搭載するか、というのが次の課題です。
すでに青白黒まで色を決めていて、赤を追加する戦略をとっていいのでしょうか。

たしかに、sleep君が仙台でグリゼルダを使ってエリア大会準優勝となる等、メインデッキ4色構築自体はテリトリーによっては無理なく構築しプレイができます。
シオン自体も、この構築の前の構築では、まさにそのグリゼルダの論理を移植することで4色デッキになっていました。

グリゼルダの論理を移植するにあたって、グリゼルダと根本的に異なるのは、コマンドを使用してもDデッキにあるショットコマンドには触れないことです。
また、刻まれた記憶はユニットしか回収できません。
あのグリゼルダの基本論理が、テリトリー依存の部分以外は

  • ブレーメンによるライフ回復

  • インサイドフラッシャーと波状攻撃によるライフトップ確定

  • それを手札に引き入れる発掘調査

  • 赤黒というカラーパイによるエヴォルもちの墓地回収

であるとすれば、シオンに移植する際には、コマンド回収のかわりにDデッキからユニットを墓地に落とす効果をもつユニットでエヴォルもちユニットを墓地に落としそれらを回収する、というプランになるはずです。
なお、このシオンに移植4色にはいろいろなムリがあり、そもそも実用級のデッキとはいいがたいものでした。
悲しいね。

それでも、この構築を土台にものを考えることで、テリトリー効果の使用上限の問題を解決する、というところには解答がだせます。
一旦この4色のことは忘れつつ、今目当てのシオンの構築について必要な「テリトリー効果の使用上限の問題を解決する方法」としてカードを選ぶと、以下のカードが目につきます。

影よ、仄暗き牙となれ
どう省略して呼ぶか、いつも困るカード(影ショット、と本記事では呼びます)。
ルル
全カードでヴェロニカの次に好きかもしれない。目がいい。本当に目がいい。最高の目してる。
ザイド
黒2ということに泣かされがち。

いずれも3コストの黒2拘束で、Dデッキからユニットを落とすことができるカードです。
ショットユニットはユニットなので、これらのカードでDデッキから墓地に落とすことができます
したがって、これらのカードを採用し、先にこれらのカードをプレイし、刻まれた記憶で墓地から山札に回収するユニットとしてショットユニットを選ぶと、回収したショットユニットの分、テリトリー効果の使用上限回数が増えます。
これでようやく、テリトリー効果の使用上限問題の解決方法が定まりました。

しかも、黒は採用すると決めているので、墓地から直接手札に回収する方法も採用しやすいです。
ということは、Dデッキから落とすユニットはショットユニットに限る必要はなく、状況や相手の構築に応じてほしいユニットをDデッキから落としておき、墓地回収を使用してそのユニットを回収することで、対応できるユニットの幅も増やせます

さて、メインには赤が入らないのですが、Dデッキには赤いカードが入ることが決まり、4色にはなりました。
でも、メインだけで考えると3色なので、普通の4色と呼ぶのは少し違和感があります。
普通の4色は自然な4色、すなわち天然ものです。
そこで、Dデッキにだけ色を加えることを"養殖"と呼ぶことにしましょう。
そうすると、このデッキは養殖4色シオン、ということになります。

4ターン、どうやって耐えるか

6コストの(赤くない)テリトリーである以上、最速で開放できるまでの4ターンの間、相手の攻撃をさばききる必要があります。
さばききった後の問題もありますが、まずはどうさばくかに集中します。

とはいえ、これに対しては解決策は特別なことはほとんどなく、クイックの低コストのカードを採用する、というのが直感的です。
また、5コスト以下のテリトリーに比べ、基本的には開放までにライフで受けるダメージは多くなるでしょう。
ということで、確率的に2~3枚程度存在する(ようにマリガンする)ショットが除去札であるとうれしいです。

とはいえ、除去をショットだけに頼ると、ショットを使うたびにテリトリー効果の使用可能回数が減ったという情報を相手に与え続けます。
そのため、非ショットの枠でも除去を採用していくことが必要になります。
また、クイックにこだわりすぎると採用するカードの幅を狭めてしまうため、強い除去ならクイックでなくとも採用して、まずは開放まで耐えられるようにしましょう。
おそらく、4コスト以下で16枚程度以上、かつ非ショットで8枚程度以上の除去があれば足りるでしょう(ここまでの流れとはうってかわっておおざっぱですが、ユニットと採用する札によって一概に何枚がよい、と事前論理で決められるものでもないので、ここはキメの問題です)。

4ターン耐えた後、どうやってくらったディスアドバンテージを埋めていくか

基本的に、戦って勝敗をつけるゲームでは、自分がもつアドバンテージを拡大していくことで、自分がもっているディスアドバンテージを薄めていくということと、相手のアドバンテージをできるだけ活用させないのが最も大切な2本柱の考え方です。
これを冷静に突き詰めることは、コントロールデッキを組んでまわす場合、特に重要になる考え方だと認識しています。

シオンが4ターン目に開放した時、想定される状況を整理します。
基本的に、以下のような状況のはずです。

  • ライフはレッドゾーンになっているか、レッドゾーンまで1~2アタックという状況(つまり、多くても7枚)

  • 相手の盤面にいるユニットは、自分のユニットと同数かそれより多い(なぜなら、相手の方が早く開放し、覚醒効果による盤面干渉がはやくできているため)

  • 相手の攻撃をさばくため、手札は相手より少ない

また、開放以降、相手より自分の方がアドバンテージをもてる場所は、以下の部分です。

  • ユニットのコストが異なる限り、相手のユニットは確率的には全てレストできる

  • コントロールで組むため、除去力はこちらの方が高い(はず)

  • 旧シオンのおかげで、維持する限り、かつダメージを受けない限り、アタックしなくともダメージを入れられる

コントロール対決は、「対象をとるレストVSダメージを受けない限りアタックしなくても相手にダメージを与え続けられる」という構図での対決です。
あと、墓地→手札の回収に加えて墓地→山札の回収まで採用されているため、ユニット切れ自体の心配はほとんどありません。
一方で、山札切れのリスクはかなり高いです。

さて、基本的には上記のアドバンテージとディスアドバンテージに基づいて動き方を考え、それによって構築をまとめることになります。
このゲームにおいては、対象をとれなくする効果は打ち消しより強く、対象をとれなくする効果は全体除去には弱い(が、全体除去は打ち消しに弱い)、という構図なので、相手のアドバンテージを活用させないためにも、全体除去をどう採用するか、というのがひとつの焦点です。
また、こちらの最大のアドバンテージは、相手に攻撃させず、殴り合いで一方的に殴ることにあるので、テリトリー効果の成功率を高めることが構築の根幹に必要です。
まあ、エース自体が示す通り、その方法は基本はスカウトになります

このふたつのうち、全体除去についてはかなりの検討が必要です。
その中で、現環境最新の、シオンに最も適正が高い全体除去が、こちらのユニットです。

アイリスフィール
アイリスはいるものの、某意志の力TCGと違ってフィールというカードは他にいないので、フィールと呼んでます。

破壊時についてるオーラの数×2000のダメージを全ユニットにプレゼント、しかもオーラは登場時に墓地のショットを好きなだけつけることができる、という効果つき。
1枚で完結する上、シオンのテリトリー効果ととても相性がいいです。
テリトリー効果はどんなに回数を水増ししても上限があるため、いずれはアタックをとめきれなくなるのが見えています。
そこで、全体除去により相手の攻撃をとめる、ということも視野にいれて戦います。
たとえば、開放から(そのターンを含め)2ターンテリトリー効果を当てた状態でこのカードが登場に成功すると、ライフにあるはずの2枚と、最初に見えていたうち最低1枚で、合計5枚はショットがある状態になるので、全体10000ダメージからスタートです。
だいたいのユニットはこれで吹き飛びます。
また、繰り返しですが、こちらは黒と白の墓地回収カードを採用しているため、1回登場すれば何回でも10000スタートの全体ダメージをばらまき続けることが(理論上)できます。
ブロッカーとして立てておくと、アイリスフィールで受け止めて残るユニットにテリトリー効果or軽量除去でたりない分のダメージを入れて盤面掃除、というプランも発生させられます。

問題は、登場時自動効果で誘発するため、そこに除去を撃たれるとただ6コストを払うだけに終わるのと、自分のユニットも巻き込んで全体ダメージであること。
前者を考えると、こちらも対象にとらせないカードを入れたい気持ちにはなります(本当に入れられるかは、必須札でないため要検討)。

ここまでの結論

Dデッキからショットユニットを落とし、それを刻まれた記憶で山札に回収してテリトリー効果の使用回数を水増しします。
Dデッキには、必要に応じて対策をするカードを入れることもできるので、ショットユニット以外にも様々なユニットを採用します。

また、相手のアドバンテージ活用を阻む手段として、全体除去が必須となるため、アイリスフィールを採用します。
アイリスフィールは、墓地のショットが自動的に増えていくストラグルストライカーIVというテリトリーととても相性がいいです。

さあ、ここまでで方針も定まりました。
ようやく、レシピと各カードの解説です。

デッキレシピと各カードの解説

レシピ

最初に掲載しているので、再掲となります。
レシピはビルディバイド公式サイトならびにD.I.V.E.から、デッキ編集画面をスクリーンショットすることによって生成した画像を使用しています(URLはhttps://tcg.build-divide.com/official )。

メインデッキ


Dデッキ

なお、デッキへのリンクはhttps://tcg.build-divide.com/official/deck_share?code=37Y7fY4xJl2 で、デッキコードは 37Y7fY4xJl2 です。

以下、メインデッキ、Dデッキ、採用を検討したが採用しなかったカードの順で解説します。
なお、デッキの中身の解説では、基本的には単体カードの画像を掲載しません。

メインデッキ

まずはエースから。
といっても、シオンは2種類目をもつエースなので、2種類のエースを両方採用します。

■†ファイティングブレイカー† シオン
ダメージを受けなければダメージを返すほうのシオン。
扱いが難しくないので、4枚。
最速開放時、多くのケースでこちらを優先して使いたいです。
反撃効果は、使いたいけど狙いすぎないことが大事です。

■†蹴撃乱舞† シオン
ダメージを受けると破壊されるほうのシオン。
扱いが難しいので、3枚。
50枚のデッキでエースが合計7枚ですが、6コストテリトリーの恩恵として4ターン目までなら90%を超えて1枚引けるので問題ないです(しかもスカウト多いデッキだし)。
最速開放時に確実に妨害されない時や、中盤で妨害されない時にはこっちを出したいです。

次はショットです。
全部を除去に充てています。

■影よ、仄暗き牙となれ
採用の主な理由はDデッキへのアクセスです。
とはいえ、5000点除去としても活用します。
テリトリー効果で墓地に落ちることがあるので、Dデッキへのアクセス自体は、採用理由ではあるけれどこれに依存してはいけません。
主なDデッキアクセスは別のカードが担います。

■キャピタルブレイカー
最定番青単色除去。
一番重要なポイントは8000点を自分のユニットに当てられることで、アイリスフィールをこれで割ると、相手ターン中に14000点までの全体除去が撃てます。
一番手札に抱えたい時間が長いショットです。

■波状攻撃
こちらは10000点の自ユニット破壊にも使える単体除去。
10000点で割る場合は1点被弾する必要がありますが、1点でほぼ間違いなく全部のユニットを割れると考えたら安い。
2ターン目に手から撃つこのカードは非常に強い(だいたい2面とれる)ので、対面によってはショットを2枚持っていてもこれが含まれているのであればマリガンなし、ということも考えます。

バスターは4-3-3-2採用で4種類です。
なお、アイリスフィールはコンセプトの根幹なのでメインデッキから抜きました

■発掘調査
このデッキ内の除去コマンドで唯一のノーマルタイミングのカードです。
メインで16枚ユニットの採用をしているので、枚数的にはサーチ札としても充分使えますが、ユニットが墓地に落ちることと、誤ってショットを回収してしまうことが打撃になるので、主な用途は除去です。
特に、5500以上のユニットに対応する場合にはこのカードが有効除去になります。
除去の根幹をなすカードでもあり、手札を補強することもあるので、4枚採用です。

■死に微笑む者 ベストーラ
墓地回収内臓ユニット。
アイリスフィールが横にいると、全体ダメージを飛ばした後にそのアイリスフィールを回収することができるカードです。
ただ、最も重要な役割は、墓地のマリシルを回収することです。
いつでも強いユニットなので、メインデッキの主力ユニット三役の一角なってます。

■†霞隠れ† マリシル
このデッキにおける、最重要カード(当然主力三役)。
クイックで登場して、スカウトをしてから、相手エンドフェイズに帰ってくるため、手札を減らさず発掘調査の除去に寄与できます。
一番激しく仕事をするケースでは、相手の(ダメージを受けずに終わりそうな)アタックフェイズにプレイしてスカウトをした後、相手エンドフェイズに回収して、ターンをもらってスタンドフェイズにエナジーをスタンドさせてドローフェイズに入った後、ドローする前に出してスカウトをしてから(テリトリー効果でデッキのトップに置いた発掘調査を墓地に落として)ドローします。
また、墓地にこのカードがある場合に、盤面の(ベストーラを含む)ユニットでアタックしてライフやブロッカーを減らしていき、ブロッカーがいなくなったタイミングでベストーラが破壊できれば、墓地から回収したマリシルが詰めの1点に走ります(これのためにも、5000を自分のユニットに当てられる波状攻撃が入っています)。
開放前にシオンを探してスカウトするためにプレイすることもあります。
とはいえ、2000しかないパワーが4枚採用を踏みとどまらせるカードです。

■ディバイドフレア
アイリスフィールが全体除去として最強なのですが、自動効果によってオーラをつけることや、場に出しておくことが必要なため、頼り切るにはスキが大きいカードです。
そのため、別の全体除去も採用する必要がありそうでした。
その枠を、ディバイドフレアに求めています。
墓地から撃てる全体除去かつ、スカウトしまくるデッキなため、下の効果も確定1点+手札補充として使えます。
開放直後のターンで墓地からプレイして相手の盤面を可能な限りリセット、とできると一番気持ちがいいですね。
2枚採用で、青黒のエナジー源としても活用できます。

最後に非エースのアイコンなし枠です。
といっても、青黒のデッキと青白のデッキは採用の定番がほとんど決まっているため、ここまでの解説内容と定番を組み合わせると、ほとんどのカードが自動的に決まっていきます。

■刻まれた記憶
メインコンセプトの一角です。
とはいえ、ゲーム中で山札回収に使うのは1回程度。
なんなら使わないこともあります。
対ライル等では、初手にこれを引けているかどうかで勝敗が決まることもあります。
今まで組んできたデッキで2枚でやっていましたが、2枚では使うつもりで動いていたけど手札にこなくて使えない、ということが多かったので、絶対1回使えるように3枚。
なお、メインコンセプトと言いながら、使うタイミングはかなり後半寄りなので、1~2枚目はエナジーに置くということもあります。
スカウトしてこれが見えると大喜びでボトムに送ります。

■邪悪な取引
黒いデッキのほとんどで入る定番墓地回収、迷わず4枚。
ベストーラ、マリシル、Dデッキから落としたユニットの回収が主な用途になるものの、後半ではザイドを回収することも出てきます。

■ヴォータクル商店
役割としては邪悪な取引と同じで、8枚目の墓地→手札回収です。
とはいえ、この枠は自由枠なので、スティールランや血晶等でも構いません。
自由枠、といっても1枚ですが。

■暗影の民 同志 ザイド
主力ユニット三役の最後の1枚。
実はこれだけ、主力ユニット三役で処刑場(およびブライト共通効果テリトリー)効果によっては絶対に落ちないカードです(結構重要)。
先攻初動で出せるととてもうれしいものの、初動以外では基本的には終盤に仕事をします。
終盤、邪悪な取引でこれを回収して、Dデッキからショットユニットを落とす、ということを繰り返します。
2~3枚落としてから刻まれた記憶をプレイすると、3コストユニットだけで相手ライフを詰めにいける準備が整います。
上記以外でも、Dデッキからほしいユニットがある場合は、ザイドをプレイして準備します。
3枚採用の理由は、どこまでいっても黒2拘束の2500/1でしかないため。
3枚で頑張ります。

■起き攻め
青白のカードだと、難関ステージと共に一般採用率No1のコマンドかと思います。
なんといっても、スカウト3が強い。
後攻0Tで5000点除去、すなわち確定除去としても機能しうるのも強い。
シオンというデッキに限って言えば、ショットを使わないクイックの除去というだけでとてつもなく強い。
色も青白出るので強い。
ヴァランをはじめとするとてつもなく速いデッキ群と戦うには、このカードが初手で引けているかどうかに望みがあるかどうかが完全依存するため、4枚。

■新兵器開発
このカードは、盤面が大事なこのゲームにおいて3コストも払いながら盤面に触ることなく正味1枚しかリソースを増やさないカードのため、登場から今に至るまで一貫してとても弱いカードなのですが、発掘調査を手札補充としてはあまり期待したくない上に、ヴェロニカ等の他のドローソースもない以上、採用しない選択肢がないので、仕方なく採用です。
一応、とても弱いとは言いつつも、初動として相手のターンでこのカードが使える場合やコントロールの消耗戦に限っては、充分3コスト以上の価値になります。
構造上色とカードの性質も非常に強い拘束になっているデッキであり、かつ全部のショットを除去にしているため、ダメージを受けてからのプレイの選択肢として、キャピタルブレイカーや波状攻撃と一緒に抱えて2ターン目で使用することもできるため、妥協の採用ながら及第点にはなっています。
なお、マリシル等のクイックスカウトカードは、この効果でドローしている最中に挟むことは(当然)できないので、このカードのプレイのチェーンより早いタイミングでデッキトップを調整することが必要です。
たまにドローフェイズでドロー前にマリシルをプレイしてからターンドローの前で新兵器開発をプレイ、ということがある(デッキの上から6枚以下でショットとわかっている場合や、トップにあるショットをボトムに送って山を薄くする必要がある時等)ので、プレイと処理のタイミングはとても重要です。

Dデッキ

大きく2系統の採用になります。
デッキのコンセプトになるカード(5枚)と、特定の状況に対応するためのカード(7枚)です。
後者のカードは、好みやメタ/環境に応じて入れ替えることになります。

■聖杯を守る殻 アイリスフィール
デッキのメインコンセプトなので、Dデッキに入ってもらいました。
メインコンセプトなのにメインデッキに入れない理由は、これを最序盤で引いてしまうと、エナジーに埋めざるを得ないことがあるためです。
メインデッキのバスターのうち、ベストーラ、マリシルの2種は最低3枚が確定、発掘調査はその働きから4枚で採用したい、という枚数配分を考えると、バスターの枠は2枚分です。
この2枚でデッキのメインコンセプトになる(重たいコストの)カードを入れると、早々に引いてしまった場合にエナジーに置かざるを得なくなり、かつもう1枚がデッキのかなり下やレッドゾーンのライフにある場合は、手に入ってこないか、入っても負けていることがほとんどです。
そのため、早々に引く心配がないようにDデッキで採用します。
なお、それが理由で、このカードに求めていた全体除去という役割をもつディバイドフレアがメインに採用されていくことになり、全体除去の枚数としては4/62となっています。

■ランプの魔人 ジニー
ショットユニットならなんでもいいです。
ジニーだと、万が一手からプレイする場合に赤が1でいいので出せる可能性がわずかにあるということと、デコイである、ということくらいがジニーである理由です。
ただ、まず場に出すことはないので、ショットユニットであればなんでもよく、なんなら私自身がレシピ上はジニーとしてますが普段は探すのが面倒なので適当なショットユニットを入れてデッキをもち歩いてます。
3枚な理由は、4枚以上Dデッキから落とせるならすでに勝っていて、刻まれた記憶の1回あたり最大回収枚数が3だからです。
3枚落とすことは本当に稀です。

■満漢全席 ワン
状況対応札最重要ランキング1位。
なんならこのデッキで採用している全エース以外のユニットで5番目に大事なカードです。
なんといっても、エヴォルしても青1拘束で6コストでいいのがエライ
相手の軽量ユニットを除去しながら、あわよくば横にいるユニットもとる、ということができるのは、たとえば対ヴァランなんかでは、これができなければ負け、というくらいの働きをします(実際、2/17の公認はそのおかげでヴァランを捲ってます)。
しかも、デコイ。
アイリスフィール以外ではたいていの場合はこれから落とします。

■マッシヴコンバット セレス
ワンからデコイつながりですが、これを使うことはほとんどありません。
このカードが効果的に使える状況は、「4コストクイックのカードを複数構えて相手の5500以上8000以下の盤面を1枚とり、その返しの相手のターンで想定される動きの結果邪悪な取引が使えそうなことがもっともらしいタイミング」のみです。
それ以外はほぼワンの方が強いです。
状況対応採用の筆頭入れ替え枠です(もはやお守り)。

■災禍の影霊
Dデッキから、Dデッキにアクセスできるカードを増やす1枚です。
このカードは、「Dデッキにアクセスするカードが充分見えていないが、自分の方がコストに余裕があって有利ではあるものの油断できない」という状況に対応します。
また、「相手の盤面に大きいデコイが多く並ぶ」という場合にも使用されます。

■虐殺の藩主 スカージ
おそらく、このデッキに採用されているカードのうち、最も存在を忘れられているであろうカードランキングを作ると1位か2位。
でも、状況対応札最重要ランキングでは第2位になるカードです。
このカードを使いたいシチュエーションは、以下の3パターンのみです。
「相手の盤面にグラナディガのようなアンタッチャブルユニットがいたり、スモークディスチャージャーor千里眼をもっていることが明らかだったりする場合で、破壊対象としてこちらが破壊したいユニットを破壊してくれることが明らかな状況」
「自分の場のアイリスフィールを破壊することで両方の盤面を一層でき、その上でマリシルがいつでもプレイできる状況」
「災禍の影霊を破壊できる状況」
このうち、災禍の影霊をスカージの効果で破壊する場合、相手はスカージの効果で任意のユニットを破壊した後こちらが災禍の影霊を破壊し、そこで災禍の影霊の破壊時の効果が解決領域にのります。
処理順序に気をつければ2体確定除去の上ヒット2が盤面に残ることになるので、突破がしやすくなるはずです。

■†キャンピングスナイパー† エミル
このデッキに採用されているカードのうち、最も存在を忘れられているであろうカードランキングを作ると1位か2位の片割れ。
このカードは、基本的には「初動でザイドが着地または影ショットをプレイし、その時点で墓地回収がすでに手札にあって、3ターン目にこのカードをプレイできそう」であることが選ばれるほぼ唯一の状況です。
6コスト(非赤)テリトリーであるため、3ターン目には開放札がでません。
開放札がない中で、5コストの最も強い立ち回りは、除去かいるだけでやっかいなユニットの登場です。
このカードは、それを1枚で両立するので採用していますが、その動き以外では、どうしても青白のエナジー源が足りないときのみDデッキから落とされます。

■要撃班 凩のニコラ
このカードが選ばれる状況は、「ブリッツのユニットがほしい」または「青黒のエナジー源がほしい」です。
5コスト以下は、白や赤を中心とする効果によって妨害を受けることがあります(例:霹靂一閃でバウンス、ゼルヴィオスでエナジーいき)。
そのため、6コストでブリッツを探すと、色に鑑みた場合これが一番フィットした、という採用です。
ワンは積極的にプレイしていきたいため、エナジーとしてだけ考えるならこちらが優先です。

■リーサルボンバー エルビラ
最も用途が確定しているカードです。
それは、「フィニッシュの1点」。
それ以外の理由も用途もないので、これ以上書くこともありません。

不採用カードについて

不採用となったカードについて、重要なところだけ書いていこうと思います。
引き続き、画像なしです。

■チャンス・トゥ・ウィン
Chance To WinだからCTW、むしとCTW以外でこのカードを呼んだことがありません。
起き攻めとどっちを採用するか、という感じでした。
起き攻めは5000確定のかわりに、エヴォル時には対象不適正となった場合スカウトもできないという弱点があります。
CTWはダメージが確定しないかわりに、対象を決める前にスカウトだけはできます(ただしスカウト2)。
トップを公開しなければならないことと、スカウト2であることがもの足りず、もともとCTWでしたが起き攻めにかわりました。

■スモークディスチャージャー
■千里眼
採用したかったものの、リソース補充手段のほうを優先度高く見ました。
8000と戦えてリソース補充手段をもつ青か青白の3コストが登場したら新兵器開発クビにできるので、スモークディスチャージャーか千里眼の採用が容易になります。

■スティール・ラン
ヴォータクル商店のところで代替カードとして挙げているように、入れ替え筆頭候補です。
ヴォータクル商店を積極的に採用したい理由はせいぜいエミルの回収率を高めている程度で、この1枠は本当に(青か黒かである限り)なんでもいいので。
ただ、スティールランも採用するなら2枚程度で採用したく、そうなると途端に枠が難しいため、公認参加時には見送っていました。

■要撃班 橘のケイティ
Dデッキからレガシーコマンドを落とす、という考え方。
ただ、Dデッキにさわるカードカテゴリは1種類で統一したほうがすこし強いので、今回見送り。
でもケイティがパワー2500でも3コストなら採用していました。

■マロウスオフィサー ブレンダ
ケイティ不採用とほぼ同じ理由です。
Dデッキはユニットで統一したほうが、特にこのデッキは3枠はショットユニットと決まっているため、強いです。
なお、他のDデッキアクセスする青いユニットも同様の理由ですが、わずかにロジータだけは検討の余地がありました。
ただ、メインの採用枠を考えると、そのアイディアのために別デッキを組むほうが建設的です。

■フィニッシュ・ブロウ
色基盤が整うので、できるなら採用したかったです。
ただ、フィニッシュ・ブロウは自分のユニットに撃てないので、選外となりました。
このゲーム、自分のユニットに向けて撃つ除去は打ち消し以外で除去の目的をとめることができないので、アイリスフィールを立てることさえできれば、自分で吹っ飛ばすのは(断罪マルグレア以外には)最強の全体除去になります。

■難関ステージ
これも、色基盤整う上にスカウトもできるので、採用できるならしたい1枚です。
ただ、除去性能0であることが、4ターン耐えきってから相手の動きをひたすら縛りながら徐々にひっくり返していくこのデッキにおいては、採用が難しい1枚でした。
ショットが等しく除去であること、というのが、テリトリー効果やアイリスフィールを使いやすくしているという側面もあります(レストだとテリトリー効果と被る一方で同一コストによってテリトリー効果からまぬかれる対象をレストするため、特にテリトリー効果で落としていいのかの判断を常にしないといけなくなるため)。

■遅滞戦術
被弾を2点分おさえてドローする、他のデッキならかなり強いカード。
このデッキでは、ショットが特別な役割をもってしまうと、テリトリー効果を躊躇したり、ドロー効果もちだと特に固定したトップの変更要因になったりするので、ドローソースとしてカウントできません。
したがって採用を見送りました。

■インサイド・フラッシャー
波状攻撃と同様の効果をもつため最初は採用していましたが、除去ラインが低すぎて断念。
CTWを抜いて起き攻めを入れたのと同時に、インサイド・フラッシャーもキャピタルブレイカーと入れ替わりました。
最高速ヴァランに対して絶望的にはなりますが、この入れ替えの結果でもコレット(ヴェスパイン)には2試合やって難なく2勝していた(ちなみに、アイリスフィールはその頃メインにあった)ので、問題ないだろう、という考えに至っています。

こんなところでしょうか。
なお、Dデッキの特定の状況に対応するためのカード枠については、好みやメタでかなり入れ替えの余地があるので、そこの部分についての検討札は上記では触れていません。
そこに触れだすと、たとえばペルーゼとかマフレナとかまで書くことになり、さすがに書く体力が足りません。
たぶん、読むほうも体力がなくなります。
ので、ご自由に入れ替えてください。

基本プラン

導入

ようやく、基本のまわし方プランです。
開放前と開放後にわけて解説します。
なお、このセクションは"ここまでの結論"を設けません。

開放前

マリガンは、冒頭で書いているようにショット2枚以上はマリガン、1枚はキープです。
ショットが1枚以下でも、バスター0枚なら場合によってはマリガンを考えてもいいです。
対面によっては、起き攻めがあるならバスター0でも問題なかったりします。
一般的には、ショットの枚数以外、エースも含めてほとんど考えなくていいです。
なお、マリガン前にバスターを2枚引いている確率は26.28%ですが、その場合、ショットが何枚であっても引き直すとバスターは高々30%程度でしか2枚以上にならないので、対面によっては引き直さないことも視野に入ります。

4ターン目で目指す各色の最低供給量は、青:白:黒=3:1:1です(あくまで最低供給で、理想供給ではありません)。
黒は1枚でもユニットが墓地に落ちたら、ベストーラをプレイすることが視野に入ることと、開放前で1回発掘調査を除去で使用したいため、最低1枚でる必要があります。
理想的には黒が2でるようになると、全てのメインデッキに積んであるカードがプレイできます。

3ターン目までは、基本的にはシオンでアタックして倒せるユニット1体だけになるように除去をがんばりながら、臨機応変にライフで受けていきます。
なお、プレイ中にライフからバスターやショットが見えた場合、本来残存該当札枚数を再計算しなければなりませんが、そんなものを計算している余裕はプレイ中にはないので、正味3枚以上のバスターが見えたら不運だった、と諦めてください
いやまあ、95%の範囲では5枚強埋まっている計算なので、3枚程度普通に出るんですが。

3ターン目までの除去で使用するカードの優先順位は、
波状攻撃 > 発掘調査 > 影ショット & 起き攻め > キャピタルブレイカー
です。
波状攻撃はこの段階で2面とれる唯一の札なため最優先です。
影ショットはDデッキからユニットを落とせますが、使えたらラッキー程度に考えましょう。
影ショットと起き攻めの間には優先順位はありません。
エヴォルでプレイする余裕があるなら3ターン目に限り起き攻めが優先です。
また、シオンが手札にないなら、エヴォルで撃てる限り発掘調査より起き攻めが優先になります。

除去以外では、主力三役を使って少しずつライフを削ってください。
このデッキは基本的には1点ずつしか削れないので、少しでも早くライフを削れるなら削る必要があります。
マリシルはどうせ中盤以降いくらでも回収できるので、気にせず殴ってください。
ただし、三役の中では一番プレイ優先順は低いです(というか、温存メリットが高い)。
一応、ザイド > ベストーラ > マリシル が優先順です。

4ターン目は、開放です。
基本的には開放より優先することはありませんが、相手が3体以上いて、ディバイドフレアがプレイできる状態ならディバイドフレアが優先されることがあります。
それ以外は開放以外に優先することはありません。
アタックの妨害がありそうな場合やシオン以上のパワーのデコイがいる場合は旧シオン、そうでなければ新シオンでの開放が強いです。

開放後

開放後は、まずは9エナジーを目指します。
9エナジーというのは、アイリスフィール+マリシル構えということが念頭にあります。
したがって、必要なエナジーの枚数は、4ターン目までのことを加味して考えると、青:白:黒 = 4:1:1 はでなくてはいけません。
しかし、10エナジーの時点で、邪悪な取引+ベストーラ+マリシル構えが理想の動きになるので、青:白:黒 = 4:1:2 は必要となります。
そもそも、9エナジーの時点でベストーラ以外でも墓地から手札に回収することを考えると、理想的には4ターン目時点でも黒が2でているほうがいいのは前述の通りなので、開放後、余裕があるなら早く黒が2出るようにはしましょう。
まあ、採用枚数の比率上、黒3まではそこまで難なく出るようになります。

開放後も、基本的なダメージリソースは三役が中心です。
ただ、Dデッキから落として回収したユニットや、エースの打点を使って、2点での攻撃も通せるなら優先して通してください。
なお、エースに書いてあるスカウト以外の効果は全てインクのシミなので、まったく気にせずライフへのプレッシャーをかけてください。
冒頭から書いてある通り、テリトリー効果は上限が定まっています
それに、このゲームは大原則として殴る方が強いです。
(バドラトス、ヴェストバルナ、イグドラ、ティルイーザで散々受けきることに特化してきた私だからこそ言いますが)受けきるのは、ユニットが重く評価されているこのゲームでは至難の業です。

開放後の主力三役の優先順は、ベストーラ > ザイド です。
マリシルについては、役割がテリトリー効果や手札の調整特化に変わります。
マリシルのプレイタイミングは、主に以下の3か所です。

  1. 相手のバトルフェイズ中(特にバトルフェイズ終了したいタイミング)

  2. 自分のドローフェイズのドロー前

  3. 自分のアタックフェイズにおいて、他の全てのユニットがアタックした後

だいたい上から順にプレイする頻度が高いです。
特に2が重要で、このゲームではエナジーとユニットをスタンドさせた後直ちにドローフェイズに入り、そのタイミングでウィンドウが開くので、スカウトしてトップのショットを引かないようにしないといけません。
もちろん、波状攻撃とキャピタルブレイカーについては、状況によっては引いてプレイしたいことがあります。
臨機応変に、そしてマリシルのプレイとスカウトで、瞬時に判断してトップ操作をしていくことが必要です。

自分の山札が10枚程度になる頃から、主力三役の優先度は急激にザイドが高くなります
ショットユニットを墓地に落とす時間です。
そこまでの展開で刻まれた記憶を山札の下に送っているはずなので、あと何枚引いたら刻まれた記憶を引くかを覚えておいて、そのタイミングで刻まれた記憶によってショットユニットを回収できるように墓地と盤面を操作します
これをやる時に、墓地か手札にマリシルがいて、盤面にベストーラやアイリスフィールがいる状態で、エナジーが手札のマリシルと、盤面のベストーラで回収するマリシルの分だけスタンドしている状態が理想です。
全てアタックした後にキャピタルブレイカーで盤面を一層できるような状態でマリシルを2体続けて出せるならば、おそらくそのまま勝ちきれます。
すなわち、15エナジーで目指すのは、青:白:黒 = 5:4:2が最低限出るようなエナジー配分、ということになります。
まあ、15はさすがにまず出ないので、マリシルを1体減らして12エナジーで青:白:黒 = 4:3:2 を目指します(ここまでの履歴に上乗せさせて計算)。

各対面における注意事項

導入

いくつかの対面は、特別にケアが必要です。
ただ、まだ実践しきれていない対面も多いので、あくまで思考実験的なところが多いです。
誤りがあれば、それは実践回数が少ないことによって思考実験の結果を精緻にできていないということになります。
新たな対面ごとの発見があれば、この項目は随時更新していきます。
また、このセクションも結論は設けません。

閑話休題。
この実践回数が少ないことを「母数が少ない」というの、本当にやめてください。
母数というのは、その確率的事象や分布を特徴づける母集団の定数のことであって、母平均や母標準偏差のようなものを指します。
言葉の定義として試行回数が少ないことを指すのは誤りなので、話が通じないし、言葉として時の流れで意味が変わることもありえません。

VSヴァラン

最大の不利対面です。
おそらく、ライフの最初の3枚までで、2体並んだ状態の1体目のアタックでショットを踏まれ、かつ3Tまでに手札から波状攻撃をプレイし、かつ開放ターンの返しにテリトリー効果でアタックをとめ、かつ5Tにワンをプレイし、かつその返しのターンにワンが突破されない場合、くらいの時に勝ちます。
一般に、それを確実に負ける相手、と評価します(まあ、2/17はこれに近いことが起きたので勝ちました)。

VSコレット

ヴァランよりはスピードが遅いので、実は対応しきれます。
そもそも、ヴァランと違ってパワーラインがほぼ5000までで頑張るデッキなので、アイリスフィールを立てたら基本は勝ちです。
したがって、序盤に積極的にDデッキに触れるようにプレイし、アイリスフィールを墓地に落とします。
テリトリー効果は期待できないというか、まずほぼ意味がないので、この対面はショットの枚数ではなく、バスターの枚数のみを気にしてマリガンします。
おそらくマリガンで起き攻めをキープできるかどうかと、バスターの枚数がどれくらい初動で見えているか、というのが焦点となるでしょう。
ヴェスパインだと思ってマリガンを対応すれば、ソルゴドラムにも対応できるはずです。

VSクラウディア

基本的にはグラドミラルだと思って対処し、赤が入っているかどうかで可能性が変わります。
赤が見えたら、この対面に限り波状攻撃とキャピタルブレイカーを温存し、早急にアイリスフィールをDデッキから落とします。
バドラトスのアタックをアイリスフィールの全体ダメージによってとめるか、スカージの効果で対処することでしか受けきれません。
スカージは1回ライフで受け止める必要があるので、最優先はアイリスフィールプランです。
基本的には殴り合いで一方的に殴ることを目標にしますが、絶対とめきれないので、その場合に対処できるようにキャピタルブレイカーは手札に抱えておきたいところです。

VSアルタミラ

少しでもはやくライフを詰めてください。
その上で、アイリスフィールとスカージの準備を急ぎます。
ワンやセレスも比較的有効です。
ただ、基本的には余裕がないし、グラナディガが登場すると大いに困るので、少しでもライフからプレッシャーをかけてください。
グラナディガの攻撃は、相手からクイックで挟まれないことを祈りながら、マリシルを放り投げてブロックしてください。

VSカミーリア

一番怖いのはカリンです。
レストさせるのが利敵行為になります。
次がマリシルに当てられるリムーブ、そして次がアイリスフィール着地時の思考支配です。
アイリスフィールが着地できるように頑張りつつ、相手ターンでいつでもアイリスフィールを吹き飛ばせるようにキャピタルブレイカーを構えておくのが有力な対抗策です。
また、相手が意外と対象をとらないと動けないので、頑張って自分の盤面を空にできるように動いてください。
序盤からライフを詰めていけているなら、空中打点勝負で押し切ることも視野に入ります。
最近話題の白型は、ライカにテリトリー効果をぶつければシオンの打点が通ります(たぶん)。

VSマルガレータ

アイリスフィール。
それ以外に言えることはないので、主力三役の小型打点を積み上げて、空中から通す打点でお祈りしましょう。
したがって、他の対面よりもエルビラをDデッキから落とすプランを積極的に考えます。

VS処刑場

居城はダイアナスで出てくるユニットを殴らせなければいい、だけなので。
対処刑場は、相手の墓地が10枚たまった瞬間、最重要ユニットが仕事の9割を奪われます。
しかも、たまると15枚シオンもヒット1になります。
根源解決手段はないので、刻まれた記憶でエラーラを時空の彼方に飛ばしましょう。
それ以外は、相手の墓地回収札とユニットが切れるのが早いか、こちらの力が尽きるのが早いかの消耗戦です。

VSブライト共通効果テリトリー

構築の根幹が処刑場ほど明確じゃないので、かなりきついです。
しかも、マリシルは同じく無力札です。
ただ、6コスト以上のユニットがヒット2のままなので、殴り合いで一方的に殴って押し切りましょう。

VS喫茶

これもムリ対面のひとつです。
5コストのユニットが並び続けるので、アイリスフィールで処理するしかありません。
ただ、アイリスフィールがメインにない+破壊しなきゃいけないのは9000点になるので5枚のオーラを準備する必要があるので、とてつもなく厳しい戦いになります。
一応、1回盤面を完全に一掃できればまだ戦えるので、残ライフが空になるところまで粘ってから、どこまで捲れるかの勝負です。

VSライル

おそらく唯一、マリガン基準が刻まれた記憶になるデッキです。
シャドウ・オブ・ファングをリムーブすると、デッキが機能停止するためです。
ただ、過剰に刻まれた記憶だけを求めると破綻するので、ショットやバスターの枚数について1枚くらい緩く考えて、刻まれた記憶があるなら普段より1枚程度は広めに許容をとる、くらいになるかと思います。
あと、相手も毎ターンテリトリー効果によりユニットが消えるので、相手がテリトリー効果によってヒットを上げたら、それに対抗する形でテリトリー効果をそのユニットを選んで使用しましょう。

おわりに。

25000文字ですって。
必要なことを最小限にとどめたはずなのに、とても長くなってしまいました。
ただ、「シオンを組む上で考えなければならない確率まわりのこと」については、実はシオンに限った話ではなく、このゲームにおける全体として活かせる数字のお話です。
今回、このデッキはどうしてもそこを説明しないと、採用の理由もプランも説明ができないから詳しくならざるを得なかっただけなので。

また、途中に出てきた確率や統計の話は、基本的には「二項分布」というものを援用して計算しています。
特にゲーム途中での確率については、ベイズ流の考え方でもっと精緻に計算する方法もあるかもしれませんが、厳密な数値よりもおおざっぱな傾向を把握することにこそ価値がある判断で頻度主義的考え方に基づいて思考しています。
私と直接会うことができる人には、対面で数式を用いた解説も可能です。
……興味があれば、ですが。
そういった方は、お気軽にお声がけください。

本家のテリトリーの中でルパンのテリトリーと並んで1、2を争って見かけることがないテリトリーですが、個人的には「今このゲームを遊ぶ唯一の理由」ともいえるくらいに好きなテリトリーです。
もし他に同志がいて、その方の構築やプレイングに寄与するなら、それよりうれしいことはありません。
最後になりますが、約26000字(ちなみにまだ26000字には届いていません)にわたる超長文デッキ解説をここまで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!