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Starting Out: Grand Archive TCG Vol. 30 - Jin Starter Deckについて

AMB、出ましたね!!
AMBにはスターターが2つ、JinとKongmingが登場しております。
今回はそのうちJinを扱います。

……4ヶ月ぶりですよ、Starter Deck解説。

スターターデッキの中身

画像はおなじみhttps://build-v2.silvie.org という、Grand Archive TCGのデッキ構築サイトからスクリーンショットを撮っております。

Material Deck
Main Deck 1
Main Deck 2

……カードの種類数、減った?
あと、見たことないようにみえて実は絵違いなだけ、ってカードもありますね。

そして、最大の見どころは禍々しいくらいの黒さを帯びた赤い上級色・Exia!
おそらく、能天使(Exousia、ギリシャ語)から名前がとられていると思われます。
能天使は、神学における位階第6位の天使たちの総称で、英語ではPowers。
名の通り力が象徴で、悪魔を捕らえる役目を追うのがこの階級の天使です。
その役目故に悪魔にも感化されやすく、堕天するのもこの群の天使が多いとされていて、それが血のような赤の理由、というところじゃないでしょうか。
ゲーム上も犠牲を払ってでも力を行使する、というのが特徴になりそうです。

Material Deck

Champion

Jinは、今弾多くが『三国志演義』に元ネタを求めた中では珍しく、Grand Archiveのオリジナルキャラクターです。
デッキとしてはWarriorのChampionとなるので、Lorraineスターターデッキ(この記事シリーズのVol. 1の中身)も思い浮かべながらだとすこし理解が進むかもしれません。

Jin Lv1。いきなりInherited Effectをもちます。

Lv1からいきなりInherited Effectをもつのは初じゃなかろうか。
Inherited Effectということは、この上に別のChampionカードが重なってもこの効果はずっと有効、ということ。
気になるその効果は、"Whenever Jin attacks with a Polearm weapon and/or Polearm attack card, target Horse or Human ally you control gets +1 power until end of turn. (拙訳:JinがPolearm weaponとPolearm attackカードとの少なくともいずれかを用いて攻撃を行う場合、対象のあなたがコントロールするHorseまたはHumanであるallyは、ターン終了時まで、パワー+1の修正を得る)"。
Championで攻撃をしていくことで盤面を制圧したり、相手のChampionへダメージを与えたりしていくという、Warriorの基本戦略を体現する効果です。
MerlinのようなLineage制限をもたないLv2になりたい場合は、LorraineではないWarriorの選択肢として初登場になります。
Lorraineとの違いは、あちらはLv1のOn Enterで追加Materializeができるところ。
構築では、採用するAllyやMaterialデッキの中身によって採用変更の可能性となれるでしょう。

Jin Lv2。起き上がる=同一ターン2回攻撃が可能。

Lv2もWarriorっぽい効果をもちます。
On Enter: Jin's next attack this turn gets +1 and has "On Attack: Wake up Jin".(拙訳:On Enter: Jinの、このターンの次の攻撃は、パワー+1の修正を得て"On Attack: Jinをwake upする"をもつ。
簡単にいえば、2回攻撃です。
もちろん、Lv1のInherited EffectはLineageに含まれさえすれば有効なので、起き上がることを活用した2回のAttackは、ともにInherited Effectを誘発させます
HorseとHumanのみが対象とはいえ、これだけで最大2点のパワー追加の修正を得ることになります。
同じ対象を選んではいけない、という制約も書かれていないので、パワー2のAllyで4点のライフをもつAllyをとりにいける、ということになります。
Lv2の登場時限定効果になるので、レベルアップ時点で少しでもAllyを並べておきたいところです。

Jin Lv3。フレーバーテキストがLv1から3まで全部についたのはたぶんJinが初。

そして、期待の新上級色をもつJinのLv3。
今までのLv3すべてのうち、書いてあるテキストは最もシンプルなものとなっています。
"As long as it's not your end phase, Jin has immortality. (A unit with immortality can't die.) 拙訳:あなたのendフェーズ以外であるなら、Jinはimmortalityをもつ(Immortalityをもつunitは死亡しない)"
……
…………
………………
……うん、つまり自分のendフェーズ以外で(ダメージによっては)負けないと書いてありますね。
まあ、自分のendフェーズでライフ以上のダメージを受けていれば負けになるので、(特に他のカードの影響がないなら)28点以上ダメージを受けた状態でendフェーズに入ることを宣言すると即Championが敗北し、そのままゲームに負けます。
そこまでの努力が水泡に帰すので、まちがっても28点受けたまま「endフェーズの優先権で回復すればいいやー」とかやらないでください。
……
…………
いや、効果がimmortalityしかないから他に書くことがないのよ……

Champion以外のカード

Warriorのスターターデッキ、という文脈ではすでにLorraineが紹介済みです。
Classが同じならある程度同じカードも入ってきやすいもので、同じカードの絵違い版が入っている部分もあります。
この後のMainもそうですが、基本的には紹介済みカードはそのままスキップして解説の予定です。

同じWarriorでも、武器がSwordからPolearmにかわったのがJinの最初の特徴。
スターターデッキに3本のPolearmが入っていますが、ここでは2本だけ紹介します。
1本目はNormから。

よく読んだら処理がちょっとだけめんどくさかった(これ書きはじめるまで自分も間違えてた)。

0コストで、Jin Bonusによってdurabilityを獲得するPolearmです。
注意が必要なのは、Durabilityを得るタイミング。
DamageステップとEnd of Combatステップは、おおざっぱにいって、

  1. Before damageでの優先権

  2. ダメージ処理とdurabiltyの除去

  3. State-based Effectの処理(AllyのKillや、WeaponのDurabilityがまだあるかの確認とか)

  4. ダメージ処理の結果としての状態確認(On Kill誘発するかとか)

  5. 誘発の処理

という順序なので、Durabilityが1個の状態だと、On Killが誘発する前にこのPolearmが追放されます
うーん、めんどい。

前述のExousiaらしさを体現するような効果のPolearm。

2本目はExiaのPolearm。
On Enterで、任意効果として5点の軽減不可ダメージを受けつつ1ドローができます
また、Class Bonusで5点の受けているダメージごとにパワー+1の修正を得るため、On Enterだけで最低2/3のPolearmとして活用可能です
もちろん、使う際のダメージ量に依存するので、endフェーズにそのまま入って負けないぎりぎりの数でいうと、25個damageカウンターをおいた状態の6/3。
下手すれば一撃でライフが吹き飛びます。

実はJinは、Championとしては、ドローする効果も別の形でのリソースも提供してくれません
それを、自傷という形で解決したのがこのPolearm、といえそうです。
とはいえ、このカードはたった1回、任意で引けるかも、という形。
リソースとしては、もう少しちゃんと手札を増やしていきたいところです(余談ですが、これ、同じようにリソース回復がほとんどできないChampionのTonorisをAscent Singaporeにもっていった"とある人"が、「ほんとにリソースがきつすぎてつらかった」っていってます、誰とはいいませんが)。

強制的に毎ターン2ドローになるので、Dianaから飛んでくるCreeping Tormentには超注意。

ということで、解決策といえそうなのがこのRegalia Item。
毎自ターンのRecollectionフェーズで3点の軽減できないダメージを受けることで、1枚ドローします
3点と引き換えに強制的に追加ドローを得ているので、ターンのドローとあわせて、毎ターン継続2枚ドローになります。
しかも、Class BonusでChampionのライフに+7の修正を与えます
毎ターン3点ダメージは受けるので、およそ2ターン分の延命です。
……ん?
最後のターンは決め切ればいいから一応3ターン目はあるのか。
じゃ3ターンの延命。

特筆するMaterial Deckのカードは以上です。

Main Deck

Material DeckがLorraineと共通するカードもあったのと同様、Mainも過去のスターターデッキと重複するカードが結構あります。
特に、NormとWindのカードは、基盤的なところは過去のスターターデッキと結構重複しています。
まあ、それだけスターターデッキが最初期から完成しているということの表れです。

とはいえ、NormとWindにも、Jinスターター独自のカードであり、かつJinの構築を支えるカードがいくつかあります。
Exiaのカードの紹介に入る前に、まずはその辺から紹介します。

Beseech the Windsより1コスト重くなるかわりに、FastスピードでPolearmをMaterializeします。

ChampionとしてLorraineにできてJinにできないこと、それは追加のMaterializeです。
追加MaterializeがChampionから外れたかわりに、Mainデッキに追加Materializeを実行するカードが入りました。
基本は4コストとすこし重めですが、Warriorなら3コスト
Polearm限定ですが、FastスピードでMaterializeを行います
例えば、1ターン目にAllyをある程度展開→2ターン目にLv1になりAllyを守れるようにFavorable Windを構える→相手のendフェーズでPolearmをMaterialize→3ターン目にLv2に、となると、Lorraineと同じスピードでweaponとLv2が登場することになります。
ちなみに、これは追加のMaterializeを行うという効果になるので、この効果によるMaterializeの際は当然Memoryコストの支払いは必要です。

Materialize Polearmよりは手広いかも。

紹介2枚目は、手札とライフを担保するカード。
2コストのFastスピードでmemoryにカードを1枚引きます
有色2コストだと直接手札、ということが多いものの、NormだからなのかClass Bonus & Damage 10+制限の効果のせいなのか、引いたカードの行先がmemoryなのだけは、少し注意いるかもしれません。
memoryに引く、だとしてもあまり影響がでない使い方としては、相手のendフェーズあたりでプレイしたり、Materialize後にすぐプレイしたりが挙げられます。
Class Bonus & Damage 10+制限の効果は、Recover 2
ライフを多少犠牲に大きく動くJinにとっては、痒い所に手が届くようなカードになるのではないでしょうか。

あと数種類新カードが入っていますが、やっぱりこのデッキを語るには、Exiaのカードを重く見ていきたいところ。
6種類入っているうち、3種類を紹介します。

Damage 35+とかいう、ライフの概念ぶっとんだ制限能力。

1枚目は、Exiaのフィニッシャー級カード。
自分のChampionに置かれているダメージカウンター6個につき1点のダメージを自分のChampion以外の全体に与えます
ダメージカウンター6個ごとの計算は、(解決開始時に置かれている)満6個ごとです。
また、「このダメージは全て個別のインスタンスとして扱う」という裁定がでているので、1点をX回という扱いです。
つまり、例えばSafeguard Amulet等の「ダメージを受ける際、都度軽減」というタイプの効果が存在する場合には、効果範囲のunitへのダメージは全部軽減されます(X点一括ではないので、1点のダメージそれぞれを軽減するため)。
使いどころが少し難しそうですが、個別インスタンスになっていることに感謝する(かもしれない)のがClass Bonus兼Damage 35+の制限効果で、対象のChampionに当たるダメージが都度1点追加になります。
例えば36個ダメージカウンターが置かれているなら、6個ごとに発生する1点が、制限効果によって追加で1点与えて、それが6回発生するので、合計12点の全体ダメージになります。
……いやライフ上限をこえたところから効果が最大化される、ってなかなかイカレとる……

ちなみに、Damage X+はたしか今弾初登場です。今さらだけど。

1枚目を活用するには、「どうやってダメージをためるか」+「どうやって負けないようにライフを管理するか」という両方の面で対策が必要です。
2枚目は、その前者を中心にしたカード(でありつつ、これ自体もフィニッシャー級のカード)。
プレイし、解決に入ると軽減できない4点を自分のChampionに当てて、そのターン中に行われる次の攻撃にはパワーへ修正が入ります
そのパワーの修正幅がえげつない。
自分のChampionに置かれているダメージカウンター4個につきパワー1点の修正です。
1枚目のカードで出した例にあたる36点ダメージを受けた状態だと、9点追加。
このカードの加点が入るのは攻撃宣言をしてからなので、必ず何か別途攻撃を宣言にするカードが必要です。
Weaponがあれば攻撃を宣言できるので、例えばMaterialデッキで紹介したExiaのPolearmとあわせると、この例の状況では17点の攻撃になります(Polearmが5点ごとにパワー+1なので、もともとの1点+効果で35/5=7点が加点)。
このカードは、Damage 20+制限により、20点以上ダメージを受けているなら2コストでプレイできるので、2コスト17点と考えるとかなりのコスパだと思います。

回復=Cleric、って感じはたしかにありますよね。
Damage 25+の時点でClericじゃ現状どうがんばっても0コストじゃ使えないけど。

後者の対策札としてはこちら。
Recover 8
とてつもなく大きく回復する。
以上。
ついでに、25点以上ダメージを受けているなら0コスト
……シンプル。
相手から何も妨害されないなら、Regalia込みで35点を致死ダメージとして考えられるので、35点の状態でBerserker Plateを破壊される想定とすると、ぎりぎり27点で耐えられるような点数設計です。
また、Exiaに存在する現状最大値のDamage制限である40点から考えても、Berserker Plateありきであれば、まだもう1ターン耐えられるようにできます。
願わくばFastでほしい効果(Berserker Plateがendフェーズで破壊されて優先権が発生した瞬間で28点以上ダメージを受けていると即死のため)ですが、さすがにそこはSlow。
Berserker Plateやこのカードを過信しないことが肝要です。

まとめ

冒頭の予想通り、Exiaは「犠牲を払ってでも力を行使する」という上級色でした。
モチーフの『三国志演義』から引っ張るなら、まさに苦肉計を体現するChampionです(それを典拠としてこの色をここで実装したのかはわからないけれども)。
自分のendフェーズ以外ではダメージによっては負けない、という特徴を活かして、(Championの能力を消されないなら)必ずまわってくる最後の自分のターンで精いっぱい反撃してひっくり返す、という展開を目指すことになりそうです。
対面する側としては、最後の反撃に負けないようにリソースを温存する必要が出てくる可能性もあり、環境を難しくしうる存在と言えるでしょう。

次回は今弾もう1つのスターターデッキ、Kongmingです。

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