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Starting Out: Grand Archive TCG Vol. 31 - Kongming Starter Deckについて

AMBのスターターデッキ解説、2本目です。
先に書いておきます。
今までと多少形式が違う記事になります。
……だって、"ヘン"なカードが追加されたせいで、カード追うだけじゃ何も説明にならないんだもの……

スターターデッキの中身

画像はおなじみhttps://build-v2.silvie.org という、Grand Archive TCGのデッキ構築サイトからスクリーンショットを撮っております。

Material Deck
Main Deck 1
Main Deck 2

スターターデッキに限定すると、初めて既存上級色を使う商品です。
で、Re:Collection boxも含めると、唯一3商品がある上級色の登場です(今まではUmbraとTeraが2で並んでいた)。
……え?
そこはどうでもいい?

上級色はTera。
今までは(ほぼ)Tamerの専用色でしたが、このスターターおよびAMBによって、Mageも使う色になりました!
ずっと疑問になっていた、「DOAで登場したTera SightがMageなの、なぁぜなぁぜ?」に、一発回答するかのような色選択です。

Material Deck

Champion

少なくとも日本で『三国志演義』(以下『演義』)といったら、諸葛亮(字:孔明)は最上級に有名かつ人気の登場人物、かと思われます(すみません、この記事の著者は『演義』をほとんど読んでない&その周辺の時代はぎりぎり守備範囲外なので、真偽の程はわかりません)。
臨機応変に軍を司った天才的な軍師として描かれている(らしい)人物っぽく(?)、MageのChampionとして孔明(英語表記:Kongming)がGrand Archiveにも登場です。

Kongming Lv1。
On Enterで登場するカード(現時点では)ただ1枚のために、新カードタイプが登場しました。

Lv 1で、いきなり今までに登場したことのないタイプのカードが登場します。
テキストは長いですが、端的に言って、On Enterでその未登場カードが(Northを向いて)登場する以外には効果を持ちません。
登場するカードは、Shifting Current mastery

たぶんモチーフは八陣之図。

Masteryはカードタイプで、現状はこのカードしか存在しません(総合ルールやAMB Product sheetでHVNにもMasteryが登場することは仄めかされています)。
そして、今までは一度場に出たら場に残り続けるものはObjectという扱いでしたが、初の例外でObjectではありません
したがって、現状任意のカードで対象に取れません。
まあ、non-Champion Objectとして対象に取れたら、破壊された瞬間このデッキ崩壊ですからね。
ルール上はKongming以外でも場に出しておくことはできますが、カードとしてもつ効果はKongming Bonusなので、Kongming以外で場に出しておく理由はないと思います(無駄に手間かかるだけだし)。
そのKongming Bonusの効果は、endフェーズ開始時に東西南北から任意の向きに変えるだけです(※カード記載のテキストはNorth、South、East、Westですが、日本語で書く限り東西南北で書くほうが圧倒的に楽かつ読みやすいので、本記事シリーズにおいて、この方角指定に関しては、以下断りなく日本語化表記で書くことがあります)。
まあ、このShifting Currentsがこのデッキの柱(=根源ギミック)になるのですが、この瞬間は一旦、そういうものがある、とだけ覚えておいてください。

Kongming Lv2。公開時から、「なぜメガネを外した……」と日本国内外問わず話題(でした)。

Lv2では、On Enterで新キーワード能力Empower 3を得ます。
このターンの次のSpellをプレイする時だけLvが3修正された扱いで処理を行う効果です。
Lineage制限とEmpower以外では、Shifting Currentsが北から南に変わると1枚ドローする効果をもちます。
直接北から南へ変更する時だけ誘発します(東や西を経由した場合は誘発しません)。
Shifting Currents自身が自Endフェーズごとに任意の方角に変えられるので、2ターンに1回は追加ドローが得られる仕組みです。
Inherited Effectなので、Lv3になっても使えます

Kongming Lv3。Fel Eidolonってどういう意味だろう……
Eidolonは"理想像"か"影"ではあると思うのだけど、Felってなんだろう。

Lv3でもOn Enter能力を持ちます。
On Enterで、自分の追放済みであるTeraのカードの枚数だけ回復です。
Lv3に上がる際に支払ったmemoryコストもカウントに含めるので、数え漏らさないようにしましょう。
……まあ、そんなに大きく回復を狙う効果ではない、と思います。

Championの能力として頻繁に使うのは、むしろもうひとつの方。
Spellをプレイすると、その度にShifting Currentsを今の方向と隣接する方向に向きを変更できます
北か南からは東か西へ。
東か西からは北か南へ。
もちろん、"may"なので変更しないことも可能です。
Lv2のInherited Effectとあわせると、毎ターン2枚Spellをプレイできるなら、毎ターンEndフェーズにドローも可能です(前ターンの南から、2回Spellを使って北に戻してEndフェーズに南に変える)。

Champion以外のカード

Shifting Currentsの扱いは、どうやらトークンと似たような扱いのようです。
したがって、Shifting Currents自体はMaterial DeckにもMain Deckにも入りません
よって、Material Deckには屋のChampion同様12枚のカードを含むことになります。
また、Mageということは、Championのレベルを上げて、その上がったレベルを参照することが多くなるClassになるので、スターターデッキとして封入されるカードにも、レベル関連が含まれます。

禁止カードCrystal of Empowermentの調整版カードとして投入されました。

最初の紹介は、Championのレベルを2上げるタイプのRegalia。
禁止カードのCrystal of EmpowermentがBanishしたターン中ずっとレベルアップ扱いだったのに対し、こちらはBanishによってempower 2という形で効果付与です。
1回限りなので、例えばRaiが使ってArcane Blastを連打する、というのには2枚目以降で軽減が利かなくなる等、弱体化はしています。
……
…………本当か?

今弾、サイクル的に各Classに1コストRegaliaが配られています。

2枚目の紹介は、Kongming専用Regalia。
On Enterは1枚ドローでどのChampionでも活用可能ですが、そこだけなら他のカードを採用していいと思います。
2つ目の効果で、BanishによってShifting Currentsを好きな方向に変更できます。
Lv2がもつInherited EffectやLv3の方向変更能力とあわせると、このカードによってさらに追加でドローできるターンをつくる、ということも可能です。

なんか、どうやら見た目以上に強い、って裁定が出てます。

Material Deckから紹介する最後の1枚は、超リサイクルカード。
Materializeに際し、追加コストとしてpreserveされたカードを追放する必要がありますが、書いてある効果は「これコストか?」というくらいのパワームーブ。
まず、On Enterで、墓地にあるSpellを好きな枚数追放します。
そして、このカードをレストすることで、このカードによって追放されているカードをSlowスピードでプレイすることができます
もう純粋にリサイクル。
これのプレイ前にできるだけ墓地を増やしておきたいと考えると、自然に1枚くらいはpreserveできてるんじゃないでしょうか。
なお、"a card banished by <card name>(拙訳:<カード名>によって追放されている)"という記述の影響範囲は、そのプレイコストによって支払われたカードも含むという裁定が、今回このカードの登場で明記されました。
したがって、これをプレイするために追放したpreserveのカードや、Materializeコストとして支払うFloating memoryやmemoryから追放されたカードも、それがSpellである限りレストでプレイできるカードとなります。
ただし、Quicksilver Grailの起動効果によってプレイした場合、Quicksilver Grail自体はこのカードのプレイそのものに含まれていないので、Quicksilver Grail自体はプレイできるようになりません(Quicksilver Grailの起動効果は、それをBanishし、元々それによってBanishしていたカードをプレイする権利を得るだけで、あくまでプレイとしては別のスタックが発生します)。

Main Deck

Main Deckのカードを解説する前に、Kongming Lv2の左下に見慣れない印がついているの、気づきました?

Shifting Currents関連のカードには"補助"つきです。

実は、Shifting Currentsによって直接何か影響があるカードには、その関係がある方角が印刷されています
Kongming Lv2であれば、北から南に方角が変わると1ドローなので、北と南が関係ある方角となります。
ただし、Lv3のように、特定の方角で追加の効果や影響が発生しない場合は、その記載はない模様です。
今までのカードにはなかった表記ですが、今回はだいぶ特殊なので、配慮をいただいた、って感じですね。

ということで、この記事でも以下はこの印がついているカードとそうでないカードにわけて解説します。
まずは、せっかくなので印ありからはじめます。

Shifting Currentsに直接関係があるカード

まずは、Shifting Currents関係の大技から。

Mageといえば10+コスト。

12コストですが、Mageの大技にはEfficiencyが当然のように書かれています。
がんばってEmpower等で軽減してプレイしてください。
軽減した結果、次のRecollectionフェーズに誘発する効果を自分に付与します。
その効果内容は、全てのnon-championであるobjectを破壊し、Shifting Currentsが南であれば自分以外のchampionに10点ダメージ
効果解決時点の方角を参照することになるので、Recollectionフェーズが開始する前に南に変更しておきましょう。
まあ、(プレイできようものなら)この効果が解決する前に相手が投了(するか殴りきられるか)しそうですが。
なお、繰り返しの部分もありますが、Shifting Currentsやmemoryはobjectではありません

Reservableか方角変更効果か。毎ターンどう運用するか考え続けなきゃいけないカード。

方角について南から考えていきましょう。
南が起点となって関係するカードでは、このFractalも基盤になる1枚です。
Fractalなので当然のようにもつReservableに加えて、上の効果ではShifting Currentsが南から東に変更した際にレストすることができます
そうした場合は3点を自分でないChampionに与えます

すでにレストしている場合はレストできないので、運用には注意が必要になると思います。
Uniqueがついていないので、2枚以上並べていれば、それぞれから3点を発生させられることも魅力です。

2/2/2でInterceptでもすでにそれなりのスペックです。

東になったら、こちらのカードをピックアップせざるをえません。
2コストでパワー2、ライフ2に加えてInterceptをもつ他、Shifting Currentsが東ならライフに追加2点の修正を得ます
Planar AbyssやCoronal of Rejuvenationにつなぐまでに盤面を耐える方法として、うまく活用できたらうれしいカードになるでしょう。

他にも方角参照のカードはいくつか入っています。
西をピックアップしませんでしたが、西が使えない、ということではありません。
例えば、Coriolis Wardは防御札としてかなり使いやすい上に、Westで1枚memoryにドローがついてきます。
今回ここでは、どのみち北→南はChampionで使うことに加えて、TaijiのFractalで南→東という方角変更が継続的にダメージを生成できる、かつFormidable Youxiaが東でライフに修正を得る、というところを軸に考えるのが、最も自発的なプランとして建設的にまわせそうという意識の下でピックアップをしました。

Shifting Currentsに直接関係ないカード

いやまあ、Spellであるカードは、その時点で方角変更が発生できるという意味では関係あるんですが、ここでいう"直接関係する"というのは、方角を参照して追加の効果があるということを指します。
そうでないカード、すなわち今まで通りに考えることができるカードも入っているので、その中から数枚をピックアップです。

Tera版Fireball。ダメージが1点減るかわりに、Recoverと条件付きpreserveを得ました。

最初の1枚は、やはりフィニッシャーから。
Fastスピードで、ChampionのLVを参照してその値分のダメージを対象のunitに与え、Recover 2です。
Mageらしいダメージ量の決定に加えて、Tera=大地というイメージから、大地の力で回復するというかのデザイン。
Class Bonusにより、これがempowerされているなら、すなわち解決時にEmpowerが1以上発生しているなら、さらにpreserveされます
1回これをプレイしたら、これを追加コストとしてCoronal of RejuvenationをMaterialize、そしたら再度これをプレイしてまたpreserve、という循環もつくれます。
それが完成したら、あとはこれをMaterializeのかわりに回収するだけで毎ターン撃ち続けることも可能です。
※Empoweredの概念は次回の記事に詳しく記載します

例えばMaterializeフェーズやBeginning of Recollectionのタイミングでプレイしてから
memoryを回収、というのがやりたい方向性。

この記事だけでも度々出てきたEmpower。
それをMain DeckのカードによってFastスピードで行うのがこのカード
獲得するEmpowerの値は3です。
Empowerはその効果を使用したターン中ずっと有効なので、Recollectionフェーズにmemoryを回収する前に使っても、プレイしたターン中は効果が有効です。
ちなみに、おまけでClass BonusのFloating Memoryももってます。

ちょっと面白いけど、見た目よりは複雑な処理の効果。

最後に紹介する1枚は、Empowerでレベルを上げることでどんどん強くなる1枚です。
3コスト、ただしClass Bonusで1コスト軽減をもつSpellで、ダメージを生成します
そのダメージ量は、自分のChampionのレベルを参照します
レベル1で2点。
レベル3でさらに2点。
レベル5でさらに追加で2点。
それぞれの2点は、個別のインスタンスとして処理なので、別々のunitを対象にすることができます
レベル5以上の下でプレイすると、6点を1体でもよし、2点を3体でもよし。
ちょっとだけ注意がいるのは、プレイする時点でtargetを指定するため、プレイする時点で所定のレベルでない場合は、解決までにレベルが上がっても対象の指定は追加できないということ。
カードのプレイ順序に注意です(テクニカルなことをせずに、先にちゃんとEmpowerしてからプレイすれば問題はないですよ)。

まとめ

文章ではさらっとまとめましたが、まわしてみるととても難しいデッキです。
Arisannaのスターターも難しいデッキでしたが、これをまわしてからArisannaをもう1回まわすと、簡単に感じるレベル。
ただ、一方で面白いデッキでもあるということは保証できます。
Slowスピードのカードが多く見えるものの、実際には結構Fastスピードで様々な影響を発生させます。
SpellのプレイでShifting Currentsをくるくるまわして、状況をくるくる変化させましょう(Yes, this is the reason Kongming spins!)。

次回、AMBで登場した新しいキーワード能力とギミックをまとめます。
また、ここまでのAMB関連3本の記事に被ることも多くあるかと思いますが、後日参照を念頭にした記事としてまとめておく、という意図のものになります。

宣伝

宣伝コーナー、ちょっと内容整理しました。
毎回長いんだもの……

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