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Starting Out: Grand Archive TCG Vol. 36 - 裁定集2:ALC Release Notesから

はじめに

裁定集記事の第2号です。
前回FTCの裁定集記事を出してから1ヶ月以上間があいてしまったのですが、ご容赦ください。
今回はALCのものになります。

FTC Release Notes

対象になる公式記事は

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

です。
エラッタ10枚と15枚への裁定が掲載となっています。
その裁定側からいくつかのカードをピックアップします(単純な裁定のものは省きます)。
なお、2025年1月10日発売のALC Alterに対するRelease Notesは(2025年1月18現在)現状発行されていません。
なお、このシリーズでは、公式サイトの記事から他のサイトに動いてスクリーンショットして、って繰り返すのはあまりに面倒なので、公式サイトから直接スクリーンショットしています(つまり、元画像の所在はhttps://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notesです)。

この注はカード単体というより新出キーワード能力に対するものです。

Foster is a keyword that enables units to become "fostered" if they survive until the recollection step unharmed. Some allies will have an "On Foster" ability that triggers whenever it does become fostered and can reward players for protecting those allies!

1.) Once an ally is fostered, it can't be fostered again.
2.) The Foster triggered ability will trigger even if that ally did not exist on the field for a full turn cycle.
拙訳:Fosterは、recollectionステップまでダメージを受けることなく生き残った場合にunitが"fostered"となれるキーワード能力です。いくつかのAllyには、それらのallyを守ることによってfosteredになりプレイヤーに恩恵をもたらす、"On Foster"能力をもっているものがあります。

1.)あるallyが一度fosteredになったら、それは再度fosteredになることはでない。
2.)1ターン全体を通して場に存在していなくても、Fosterのキーワード能力は誘発する。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

Fosterのキーワード能力が初登場した弾がALCです。
したがって、そのキーワード能力の解説が裁定として記載されています。
前半部分はキーワード能力の解説、後半部分が裁定です。
裁定部分で重要なところは、Fosterは各unitにつき1回限りの誘発であることと、Recollectionフェーズ時点で存在するそのunitが前の自ターン終わりからそこまでにダメージを受けていないならFosteredになることです。
特に、2番は、(理論上は)誘発が発生するターンのMaterializeフェーズで登場したunitですらFosteredになれる、というところがポイントでしょう。

これも実はALCで新登場のもの。

Bullets are a new type of item and, along with Guns, one of the first objects with a functional subtype. Bullets have a power stat, which items normally don't have. These can be loaded into a Gun, and the loaded Gun will put all its loaded cards into the attacker's intent during combat.

1.) While loaded into an object, if that object leaves the field, the bullet will be sent to the graveyard (or banishment if it's a regalia).
拙訳:Bulletはitemの新しいtypeであり、機能付きsubtypeをもつobject最初の例であるGunと共に使います。Bulletには、itemには通常存在しない、powerの値をもちます。Gunにloadして使い、loadされたGunは、Combat中、そのGunにloadされたカード全てをアタッカーのintentに乗せます。

1) Objectにloadされている間、そのobjectが場を離れるなら、bulletは墓地(またはそれがRegaliaなら追放領域)に置かれます。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

BulletとGunもALC新出。
裁定としてはちょっとめんどくさい挙動もあるものの、非常に面白い挙動ができるRangerの武器です。
AMBではGunの派生的な挙動をするAllow & Bowも出ました。

効果文がすこしまわりくどい言いかたをしている理由は後述します。
ここで語るべきはその裁定の内容で、bulletがloadされたGunが場を離れる際には、loadされていたbulletが墓地か追放領域に置かれる、というところ。
Bulletに書かれた起動能力はそれをレストすることがコストなので、解決前にタイミングがあって、そこでGunを場から離れさせるとBulletがloadできないだけです。
効果処理後に場を離れさせましょう。
ちなみに、既存の(AMBまでの)Bulletに限れば、Regaliaであるbulletは全てRenewableがついているので、追放領域にいこうとした時点でMaterial Deckにもどります。

AMB出てから大人気のこのキーワード能力も、ALC産です。

Starcalling is an exciting mechanic for Astra which involves being able to activate a card with Starcalling while it is being actively glimpsed from another effect! To understand how it works, here is a quick ruling:

1.) If you Starcall a card, that card is put onto the stack during the glimpse effect but can't be pending resolution until after the current effect (i.e. the glimpse) finishes resolving. For example, Scry the Skies may have you glimpse 4 and you Starcall a card. You would finish resolving Scry the Skies by putting the other viewed cards on the bottom of the deck in any order and drawing a card into your memory. Then the Starcalled card can be responded to or start resolving.
拙訳:StarcallingはAstra用のとてもおもしろいギミックです。Starcallingをもつカードを、他の効果でglimpseしている最中にactivateすることができます! その挙動を理解するために、ルールの簡単な解説です:

1) あなたがカードをStarcallする場合、そのカードはglimpse中はstackに置かれます。ただし、その解決に際し、その時点の効果(例えばglimpse)の処理が完了したら、間を置かずに解決に入ります。例えば、Scry the Skiesでglimpse 4を行い、カードをStarcallしたとします。当該プレイヤーは、Scry the Skiesで見た他のカードをデッキの一番下に好きな順番で戻し、(Scry the Skiesの効果による)memoryへのドローを行います。その後、Starcallされたカードへの対応か解決が発生します。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

本ゲームのルール処理上、おそらく1、2を争って難しいんじゃなかろうかと思うキーワード能力・Starcalling。
他のカード処理中にカードをプレイする、というところは、このゲームというかこの能力がかなり固有の挙動なのではないでしょうか。
細かい挙動はちゃんと総合ルールを読んでもらうとして、ここでは改めてStarcallingのざっくり挙動を振り返ります。

まずは、何かしらのカードの効果でGlimpseが行われます。
Starcallすることができるのは、山札を見ている時ではなく、Glimpseをしている時です(脱線ですが、裁定に書かれたStarcallという動詞は"Starcallingをもつカードをそのキーワード能力によるものとしてactivateする"という意味をもつ動詞として使われています。総合ルールに直接規定されていないけど)。
Scout the LandやIdle Thought等でGlimpseではない方法で山札を見ている場合にはStarcallできません。
そのGlimpse中に、starcallingというキーワード能力をもつカードが見えた場合に、そのカードをactivateすることができます
ただし、その解決はこの時点では行われません(双方のプレイヤーからの対応自体も、ここではできません)。
ここが一番重要ですね。
そのまま、StarcallしたカードはEffect Stackに置いて、その時点で処理中のGlimpseと、そのGlimpseを発生させた効果の処理全てを先に終わらせます
で、Glimpseとその同時発生効果を全部処理した後、Starcallされたカードへの対応と解決がはじまります
ALC~MRCでは(ほとんど使う人がいなかったので)自分で使わないなら覚えていなくてもそこまで困らなかったんですが、今(AMBシーズン)はAstra全盛期かもしれない、ってくらいよく遭遇するメタなので、自分では使わなくてもこの範囲での処理くらいは頭に入れておいたほうがいいと思います。

ここまでは新出キーワード能力の解説でした。
ここから、カード別でのものになります。
新出キーワードは全部扱いましたが、カード個別はピックアップです。

かわいいのは絵だけ。効果はまったくかわいくない。

1.) Astarte stops objects from entering the field under your opponent's control if they're not activated or materialized. Some examples include: "put onto the field," "summon tokens," and suppress/suppress-like effects.
2.) Astarte does not stop cards from entering a champion's lineage, because a new object is not entering the field.
拙訳:1) Astarteは、相手プレイヤーのコントロールで場に登場しようとする、activateまたはmaterializeを経由していないObjectをとめます。例:"put onto the field,"、"summon tokens"、suppressまたはsuppressに似た効果。
2) Astarteは、ChampionのLineageにカードが重なることをとめません。これは、新しいObjectとして場に登場していないからです。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

Effect Stack以外、という領域指定をより詳しく説明しています。
基本的に、activateかmaterializeのいずれかを経由したものだけが場に出るとなる効果です。
ただし、一般のChampionについてはObjectとしての新規登場ではない(が、On Enterは新しいカードをChampion Lineageに重ねたとき誘発する)ので、ちゃんと生き残り続けます。
まあこれとまったらゲーム終わりますからね。

Dianaのスターターに入っているカードですが、今期の裁定最長カードです。"スターター"とは。

1.) Blastshot Pump's replacement effect causes the attacker to deal combat damage to an additional unit. Because this damage is also considered combat damage, it can trigger On Hit effects accordingly.
2.) The unit that is receiving damage from Blastshop Pump's replacement effect can't retaliate because damage would already have been dealt by starting the resolution of the damage step.
3.) The attacking player that controls Blastshot Pump will choose the additional unit for the replacement effect, if applicable.
4.) If damage is reduced before the replacement effect happens, the additional unit will take the reduced damage instead of the full damage amount.
拙訳:1) Blastshot Pumpの置換効果は、アタッカーがコンバットダメージを追加的に別の1体にも与えることになります。このダメージはコンバットダメージにあたるので、したがってOn Hit効果の誘発も発生します。
2) Blastshot Pumpの置換効果によるダメージを受けるunitは、それをretaliateできません。Damage stepの解決を開始した時点でダメージが与えられている形になるためです。
3) Blastshot Pumpをコントロールする攻撃プレイヤーが、選べるなら、置換効果の対象unitを選びます。
4) ダメージが置換効果の発生前に軽減された場合、追加的な対象となるunitは軽減された量のダメージを受けます。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

ダメージ軽減における、大前提の処理タイミングのお話です。
Combatフェーズにおけるdamageステップの解決前までに使用していない対抗策は、damageステップに入ったら当該Combatにおいて効果をもてません。
ダメージを軽減したい場合は、必ずdamage処理前にあるタイミングでそのプレイを行いましょう。
Strategem of Myriad Iceのように、解決後に対象を決めて優先権が発生するカードが被対抗札なら話は別ですが、基本的にはそういうカードは少数派(AMB時点)です。
……でもOn Hitは誘発おこすの、ちょっとずるい←

Bulletの例外的挙動をここで扱います。

1.) When a weapon is used for an attack, all of its loaded cards are put into the attacker's intent. In the case of Force Load, it allows more than one Bullet card to be loaded at once and fired at the same time.
拙訳:1) 攻撃に際しweaponが使用された場合、それにloadされた全てのカードはアタッカーのintentにのせられます。Force Loadの場合、1枚をこえるBullet cardを同時にloadし、同時に発射することが許されます。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

"効果文がすこしまわりくどい言いかたをしている理由"とBulletの説明の際に書きましたが、その理由がこちら。
Force Loadを使用した場合のみ、1枚のGunに複数のBulletをloadすることができます
Force Load→Bulletの起動能力でGunのLoadに追加、ということはできませんが、逆の、Bulletをloadした状態でForce Loadを行うと、同時に2発(以上)のBulletを飛ばす攻撃が可能です。
その場合のGunのDurabilityカウンターは、通常の攻撃同様1つだけ減ります
その他のCombatまわりの処理も、1枚だけがloadされていた時と基本的には同じです。
かわるのは、ダメージを計算する際、一緒にloadしていたすべてのBulletが考慮されるので、2枚分のBulletの効果がのっかるということくらいです。

あんまり見ないカードかもしれませんが、この裁定は重要知識です。

1.) If Relentless Hexchaser's card element changes in the graveyard, non-umbra champions may be able to activate its ability. For example, if Nullifying Lantern changes this card's element to norm in the graveyard, and you control a norm element champion (usually by having at least one norm element champion card in lineage), then you may activate this card's ability.
拙訳:1) もしRelentless Hexchaserの色が墓地で変更された場合、umbraではないChampionもその起動能力をactivate可能です。例えば、もしNullifying Lanternが墓地にあるこのカードの色をNormに変更した場合、かつあなたがNormのChampionをコントロールする(つまりだいたいnormのchampionが最低1枚Lineageにある)場合、あなたはこのカードの能力を起動できます。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

この裁定の最重要ポイントは、ChampionがNormであるためには、LineageにNormのカードがある必要があるということです。
各プレイヤーは、その第1ターンからNormのカードをプレイすること自体は可能ですが、ChampionはNormの色を持っていない状態です。
Element Bonusは、あくまでChampionがもつ色と同じ色であればその効果が有効になる、というものなので、このカードが墓地で色を失った場合、すなわちNormのカード扱いとなった場合、Element BonusはNormのボーナスとして機能します。

この裁定を超簡単にいうと、
「Balanceのキーワードで条件参照して、効果文でもう1回、文字にある通りに参照する」

1.) If the Balance condition is not met at the beginning of the controller's recollection phase, Scale of Souls won't trigger at all. This means there is no chance to fix the hand/memory to achieve Balance during the recollection phase.
2.) Scale of Soul's Balance condition is also checked during the resolution of its triggered effect, as well.
拙訳:1) コントロールするプレイヤーのrecollectionフェーズ開始時点でBalanceの条件を満たしていない場合、Scale of Soulsは一切誘発しません。つまり、recollectionフェーズになってからは、Balanceを達成するために手札とmemoryの枚数を調整することはできない、ということです。
2) Scale of SoulのBalance条件は、その誘発能力の解決中にも再度参照されます。

https://www.gatcg.com/article/alchemical-revolution-release-notes

カード記述をどう読むか、という構文的な裁定です。
まず、Class BonusによってBalanceというキーワードが有効になりますが、このキーワードの総合ルール記述は、"a card will offer additional effects based on whether the player has an equal amount of cards in their hand and memory.(拙訳:カードが、プレイヤーの手札とmemoryの枚数が同じであるかどうかによって追加的な効果を得る")となっており、ざっくりいえば、そもそもBalanceを達成している時にのみこの能力は有効であると書かれているのが"Balance -"の部分です。
Class Bonusを満たし、かつBalanceを満たすときにのみ、"At the beginning of your recollection phase,"が、その対象のRecollectionフェーズの開始時のみ誘発するため、Balanceを満たしていないままRecollectionフェーズに入ると、その誘発はそもそもなかったものとして処理が進む、というロジックです。
そして、誘発した後、解決する際にテキスト通り"if the amount of cards in your hand and memory are equal, Recover 2"が参照されることになり、(2) で書かれている通り"解決時に再度参照される"ことになります。
Balanceの状態で誘発してから優先権対応している間に手札やmemoryの枚数が変わることもあると思いますが、そうすると解決時点の参照で条件を満たさず不発、ということがありえるものだということでもありますね。

まとめ

ALCにはいくつかのややこしい裁定が出ているカードがありましたが、収録枚数に対してはそこまで多くない裁定量でした。
……この記事が公開されている時点で、ALC Alterも出ているので、そこの新規収録のカードの裁定があったら、あわせて紹介したかったのですが、どうやらなかったっぽいので今回は扱っていません。
別途公式記事が発行されたら書く……かもしれませんが、まずはMRC、AMBと筆を進めたいと考えています。

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