【ネタバレ有】Tales of Arise クリア時点と+αの情報を元に感想【シナリオ編】

1.はじめに

 まだトロコンとか裏ダンクリアとかの領域ではないですが、その一面のやりこみ部分の情報もある程度持ち合わせており、ストーリークリアまではとりあえず行ったので一通りのまとめをしたかった感じです。

 割と書いてもキリないところもあって、言いたいこと全部とまでは出来ません。なので、ゲームのストーリーを予め知っていただけると幸いです。

2.シナリオ総合

点数としては10点満点中7点なところでしょうか。

 全体的にストーリーが巻き気味に展開しており、間の描写が欠けているような面が多々見られました。そのため、スキットによる補完もそこそこ多かったです。
 また、配信禁止区域は完成度が一気に下がってしまう領域を見せたくないがための処置だとつい思ってしまいました。というのもその区域に入った途端に1回のボス戦闘と大量の説明フェーズで3時間ほど費やされます。その後、そのラスダンの後半部分がその前半部分のコピペで構成されており、水増しされていたような点がありました。
 このあたりはコロナの影響や納期の影響を考えざるを得ませんでした。

 結末についてはハッピーエンドで、アルフェンとシオンが結婚までしました。この結末を描くことになったのはおそらく「テイルズオブエクシリア」から主人公の人柱ENDが長く続いたり、「テイルズオブゼスティリア」のヒロイン問題があったりしたことからの反動じゃないかとは思います。

3.2部構成シナリオ

 巻き気味ではあるものの領将からダナ人を開放していく第1部のストーリーは目的もハッキリしていて、終わった後も第2部導入部分がありましたが、演出としてかなり際立っていました。また、この時に流れる第2OPは「テイルズオブファンタジア」と同世代の楽曲のカバー曲で初代からのファンを狙い撃ちしていたようです。私はこの世代ではないので、純粋に聞いたことのある曲だなというくらいでした。

 問題の第2部ですが、黒幕探しと種明かしに全力でストーリーに対してロケーションが追い付いていなくて、第1部に比べると目的の明確さが薄れているように感じ、折角大筋自体は良いのに勿体なく思いました。

4.カットされてしまった四大精霊

 四大精霊がイフリート以外サブイベントに追いやられているのが非常に気になりました。あと、これは見逃してるだけかもしれないんですが、なんで4つの光として吸収した星霊力を落として行ったのかがあまりわかってないため、ストーリーをカットしてしまったんではないかと思います。
 ただ、他の人の意見を見たところ精霊めぐりをあまり快く思わない人もいるようなので賛否がありそうです。個人的には割と四大精霊の有無はどちらでもよかったのですが、明らかにカットされてるなーってのが目立ってモヤモヤが少しある感じです。

 おそらく惑星レナのロケーションさえ充実していれば、そちら側で四大精霊やったのかなとも少し思ってたり。

5.ジルファの突然の死

 最初から死亡フラグ立っているような状態でしたが、シスロディアでジルファがガナベルトの「特製の毒」によって殺されてしまいます。この「特製の毒」がマジでどこから来てるかわからなくて、ジルファを殺すためだけの存在でした。
 この唐突さも少し疑問を抱きましたが、原因はジルファの人間性が出来すぎていることにあるのかもしれません。

 ジルファが奴隷の身でありながら、まるで現代人のような革新的すぎる思想を持っており、今作の導き出す答えを示唆しています。そのため、パーティーに存在していると、すべてジルファが取りまとめる状態になり、メンバーの成長が止まり、シナリオが破綻する危険性があったと思われます。なので、「離脱させて年長者が存在しないようにした。」というのが正しいのかもしれません。テュオハリムが似たようなポジでも精神的に弱い面も見られる28歳ですし。

6.追憶のジルファ

 また、隠しダンジョンの方はプレイはしていなかったのですが、+αの情報は得ているので、記述できますが、「追憶のジルファ」という存在がいてイベントシーンが用意されています。そしてそこで登場したセリフが「慌てるな。いずれまた会える。」
 これはいずれ、ジルファが何等かの形でパーティー復帰することを示唆しているようにも見えます。また、上述した通りジルファは人間性があまりにも出来すぎているので追加過去ストーリーとかでの補完もありうるかもしれません。

7.ヴォルラーン

 バックボーンが極論、「ダナで奴隷をしていた。」程度でしかなくて、ジルファと同じく謎に包まれています。
ただ、あまりにも情報量が少なすぎて、作中の意味不明な行動の方ばかり目立っててネタキャラに見えてしまう現象がありました。

詳しくはこちら
https://fusetter.com/tw/MSCu3FhB#all

 ただ、このキャラも過去追加ストーリーとか出るのかなと思います。もしかしたらジルファが見たことのある人物なのかもしれません。

8.第2の主人公、テュオハリム

 ストーリーが進むにつれて、テュオハリムに感情移入しやすくて、どんどんただの良い人に見えてしまうし、民衆に与える影響とかも考えると第2の主人公のように思えました。
 まず、「理想を掲げて改革するのではなく、個人的な感情で嫌なものを遠ざけるために改革をした。」という点が非常に人間らしさが出ています。結果的に良いことをしていて、その功績については本当に称えられるべきで、崇拝のレベルまでオーバーしていまうのもエリデ・メナンシアに住むダナ人の立場から見ても納得な気がします。

 これについては、領将の地位争いで友人を殺めることになり、その友人と婚約していた女性に恨まれたことがトラウマとなったことから来ているように思わせていますが、終盤になって元からその素質があったことが明かされるのです。

 それが、レナ人の階級社会において、テュオハリムが階級よりも星霊力以外の才能を見出して、一緒に音楽をやろうと誘っていたという部分です。この時点で階級について疑問を呈すには十分な理由があり、まさしくレナ人におけるジルファのポジションと言ってもいいでしょう。

9.公式カップリング

 基本的に「アルフェンXシオン」、「ロウXリンウェル」、「テュオハリムXキサラ」の3組でカップリングされており、なんならアルフェンとシオンは結婚までしています。これは歴代のテイルズオブを考えるとかなり攻めた方で「テイルズオブグレイセス」のアスベルとシェリア以来でしょうか。

 世の中には「ユニコーン」、「処女厨」と呼ばれる層がどの界隈にも存在しており、声が非常に大きいです。「テイルズオブファンタジア」のアーチェの設定で非常に騒がれたことも一応耳にしています。
 私はたまにTV番組見る気分で様々なVTuberコンテンツを視聴したりしていますが、このあたりの層はVTuberを見ても分かる通りであまり耳傾けすぎると却ってやりたいことが出来なくなる状態や大したことないことでも大きな問題のように騒がれ、対処を誤ると言った点があります。

 個人的には今作の公式カップンリングはヨシ!としています。この辺はあまり声の大きい層の意見拾ってほしくないというのが本音です。

10.他作品との繋がりは?

 ぶっちゃけメインストーリー上は直接の繋がりは何もないです。単体でも全然楽しめる作りになっている。というより、おそらく他作品との繋がりを示唆するような部分は語らないように、もしくは設定を没にして、独立した作品として見れるようにしているんだと思います。

 気になることとすれば、ゲストキャラの登場する裏ダンの「異界探索」において最後の「テイルズオブエクシリア2」以外は全て「テイルズオブゼスティリア」「テイルズオブベルセリア」の設定に存在する年表で名前が使われている作品・またはそれに関連する作品・または繋がりの示唆されている作品から選出されている再現フィールドであるという点です。
 具体的に言うと「デスティニー、シンフォニア、アビス、ゼスティリア、ベルセリア、エクシリア2」と言った感じです。シンフォニアは年表の「フォーチュンオブファンタジア」の元ネタである「テイルズオブファンタジア」が「テイルズオブシンフォニア」の遠い未来という設定があります。

 「テイルズオブエクシリア2」は上記2作品と人間の内部に穢れのようなものが存在している設定が共通しており、いくらでもこじつけられる状態にあるので少し気になります。

 ただ一応言っておくと、すべて異世界でその異世界が交じり合った状態になっているというものなので、「テイルズオブベルセリア」で地殻変動や世界リセット等の設定もあるし、世界がそのまま地続きの関係であるみたいなことはないと思います。

 ゲストキャラは「テイルズオブエクシリア2」以降の岩本デザインのキャラが選出されており、エドナ・アイゼン・クロノスとなっています。

11.終わり

シナリオは全体的には構成としては冒険せず、無難なストーリーで幅広い層のウケを狙い、「ワンパターンな結末」や「ストーリーにおける制限」を一部取っ払ったという印象です。

また、今作は「テイルズオブリバース」、「テイルズオブヴェスペリア」のライター群でシナリオが描かれており、所々その傾向が見られます。 

今回は大分ストーリーの重さも日和っている場面が少し見られるので、次の作品はもう少し重たくしては来るんじゃないかなと思います。
また、本編のストーリー自体はそれなりにまとまっているものの、やはり様々な突っ込みどころが目立つので追加ストーリーDLCがおそらく将来的には来るんじゃないかと考えています。

シナリオ周りについてのお話はとりあえずここまでです。ありがとうございました。

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