いちにち 3
雨の日
無人駅で弁当をひらいた
寄ってきた子猫に骨をやった
冬田に冷たい雨がふる
父を病み母を病んだ日々
あの空は 許されたのか
むきだしにされた他者の膚は 癒えたのか
暮らしの底に折り重ねられた傷跡よ
雨の午後には疼くがいい
猫の背中に手をやるように
やさしくおまえを慰めよう
世界はおまえを使い捨てる
世界はおまえを終わりにする
けれど まだ
ゆけるさ そう
たしかめて 濡れた合羽を着こみ
冷たい雨の中に出た
雨の日
無人駅で弁当をひらいた
寄ってきた子猫に骨をやった
冬田に冷たい雨がふる
父を病み母を病んだ日々
あの空は 許されたのか
むきだしにされた他者の膚は 癒えたのか
暮らしの底に折り重ねられた傷跡よ
雨の午後には疼くがいい
猫の背中に手をやるように
やさしくおまえを慰めよう
世界はおまえを使い捨てる
世界はおまえを終わりにする
けれど まだ
ゆけるさ そう
たしかめて 濡れた合羽を着こみ
冷たい雨の中に出た