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カアカアと

 県堺の健康センター「勿来関の湯」
 海の見える露天風呂
 サウナ水風呂後の寝椅子に
 五体裸体投げ出し

 空の奥には空の奥
 海の果てには海の果て
 空と海とはつながっているし

 酷暑続きの地べたで
 恒星に灼かれ
 塩を舐めながら働いて

 ( 九月
   少しは寝苦しくなくなりました
   夜明け前などいい感じです )

 それでも日中のこの紫外線
 木影あるのが有難く
 木に上って木の懐から出たくなく
 木のまま終わりたく

 ( 無限を前に鋏を動かし
   木に上って木から下り
     植木屋稼業三十年経ちました )
 
 健康センターには
 汚いオヤジたちのふぐりばかり
 ぶらぶらと
 そんなものぶら下げて

 どんな往生願っているんだ?

 ( 言葉なんか信じるんじゃなかった
        言葉を信じたばっかりに
     全人生が間違っていた
  …そう思えばまた自由か )

 曇天にカラスが山の方へ渡ってゆく
 この地球46億年
 この宇宙138億年
 数学が探れるのはまだ僅かで

 カアカアと
 今日の寝ぐらに帰ってゆく
 動きがあり
 その動きを追う私があり

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