ありふれたこと
それは世界にありふれたことなので
私は何も考えない
海が陽に光ろうが
水平線が嘘のように真っすぐだろうが
誰のこころが哀しかろうが
それは世界にありふれたことなので
私は何も思わない
出来事ばかりが降り積もり、痛んでいる
もはや感じることも出来ずに
笑っている風景よ
それは世界にありふれたことなので
私は信じない
日々、毎日を繰り返す
詩(ウタ)があればいいのに
季節ばかりが過ぎてゆく
衰えてゆく手足よ
それは世界にありふれたことなので
黙って海を見る