ファン創りで重要な「価値の箇所をズラす」という考え方
本屋はamazonの台頭でオワコン化していると言われ続けていますが、神楽坂の「かもめブックス」の取り組みが面白かったのでご紹介。
●キーワードは「通常とは異なる箇所での価値創り」
本は情報商材なので、通常その内容自体に価値があるものです。でもかもめブックスの取り組みでは、全く異なる箇所で価値を創っています。
具体的には、自分の大切な誰かへのメッセージ媒介として「本」の価値を見出しています。その取り組みがこの「Gift Book」。
かもめブックスがセレクトした、様々なメッセージ性を持った本の帯に、どんな人に向けての本なのかが書かれています。例えばこんな感じ
「目に見えないものを大切にする人に」とか、「あなたの愛しい人に」とか、本のテーマに合わせてどんな人へのギフトかが帯として書かれています。
そして裏面には、メッセージが書けるようになっているので、自分がプレゼントしたい相手へのオリジナルメッセージも書けます。
●生み出されるのは一生忘れない感動体験
この本を買った人のことをイメージしてみましょう。例えば今人生に悩んでいる友人や、自分の愛する人にこれらの本をプレゼントするとします。
すると、その貰った相手は、単なるモノとしてではなく自分への特別なメッセージとしてその本を受け取るでしょう。そしてプレゼントしてくれた人に心から感謝します。
すると、プレゼントした側もすごく嬉しい気持ちになる。そう、ここで生まれているのは、単なる情報商材としての本の価値ではなく、二人にとっては一生忘れられない感動体験としての体験価値が生まれているのです。
つまり「かもめブックス」は本の本来の価値の箇所を、ズラして新たな価値を創っています。
●この体験が「かもめブックス」のファン創りにつながる
このような体験をした人は、「かもめブックス」での本の購入体験が、感動体験とセットで記憶されます。
つまり、「かもめブックス」がどこにでもある単なる本屋ではなくて、自分の感動体験を生んでくれた忘れられない本屋になるのです。このような体験創りの積み重ねが、ブランドの目に見えない価値として溜まっていき、ファンを育てていきます。
以上、「ファンを創る/巻き込むマーケティング」マガジンのVol.1でした!
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