渦 第4話
今人生のどの部分に立っていて、どこの位置にいるのか
わからなかった。
人の普通とは何か、普通な人の日常とは何か
おかしいと思われないようにまぎれるためには
自分を常に客観的に確認し位置を知る必要があった
そうしないと、気を抜くと道を脱線して集団から
離されていくような恐怖があった。
そんな疑心暗鬼の中、手探りの道探しは
渦を活発にさせた。
ある日の夜、いつもの儀式で落ち着こうとしているとき
過去の記憶か、それとも妄想か
『私の元へ・・・』
背中の中心から肩にかけて一気に温かくなる。
体の震えはとまり絶望感が一瞬にして消滅した
儀式よりも効果が強く、何の残りもなく渦が消えた経験は
初めてだった。その日、深い眠りについた。
あれはなんだったのだろう?