「家族」を考えるお年頃
「嬉しいんだけど、やっぱりなんかさみしいよねぇ。」
共通の友人に家族が増えた時、電話口で親友は言った。
長い付き合いの友人の喜ばしくておめでたいニュース。でもやっぱり、この30過ぎという年齢柄、今まで同じ場所にいたと思った人たちが違うステージに行ってしまうのは、少しさみしい。
自分本位な感情なことは百も承知。でも今まで通り、一緒の条件で時を過ごすことはもうないに等しい気がして。
もうあの頃には戻れないんだなぁと、昔の関係性を懐かしむからこそ生まれる感情、なのかもしれない。
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それにしても、家族が増えるということは一大決心だと思う。パートナーにしても、子どもにしても。
大事な人が増える。思いやる人が増える。
それは心強い揺るぎない存在を得るとともに、自分以外の人に常に想いを馳せるということ。
家族が増えることは、そこ至るまでにどんな過程があろうと、自分以外の人を自分の人生に受け入れると、決めたということ。
自分のことでまだまだ精一杯なわたしは、その決心に尊敬の念がやまない。
逆に言えば、まだわたしは今いるステージ、誤解を恐れずに言うと、何にも囚われず、自分だけの意思で立ち回れる立場に留まりたいということだと思う。
他のステージに行くには、決心もだし、タイミングもだし、相手の意思も必要。それを通過してみんな家族になっていくんだから、やっぱりこれは人生の一大イベントだと思う。
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家族になること、家族が増えることについて考えるお年頃。
そう決断していく周りの人々を眺めながら、なんだかんだ、自分もやっぱりそれについて真剣に向き合っていこうとしている時なのかもしれない。
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