週末前夜の一人の夜
一人の夕食の時は蕎麦を食べると決めている。いつも決まってきつねそば。味付けした油揚げと温泉卵をのっけて食べる。
ささっとすすって食べた後、まだ何か物足りない気がして冷蔵庫の中身を漁る。イチジクとクリームチーズとスペインのチーズ。そう言えばこの前買ったクラッカーもある。
スペインのチーズはナイフで削って、イチジクを一つざっくり切ってクリームチーズを添えて、クラッカーとともにお皿に並べる。
こうやって準備をしていると、罪悪感とちょっとだけ大人の気分とが入り混じる。
普段相方と二人で夕食を食べるときは食後はたまにデザートを食べるくらいだから、こうやっておつまみをこしらえて食後にのんびりしながら何かをもう一度食すことはない。
その理由は、食べ過ぎは体にも体重にもよくないよね、という二人の間の暗黙の了解だったり、次の日のことを考えるとご飯の後はもう寝る準備に入るモードだったりで、今日はもう何も食べないよ、という抑止力が働く。
でも今晩、相方も出かけているこの金曜の夜、その抑止力から解放されて、わたしはわたしの気の赴くまま、クラッカーにチーズとイチジクを乗せて頬張っている。
なんと贅沢な時間。
加えて、食わず嫌いでいたイチジクをここ1年で食べられるようになって、それをチーズとともに食べる楽しみを知ってしまって、こういうものを自分で自分だけのために作るようになった事実を振り返って、大人になった気分になる。
毎日きちんとこなすのもいいけど、こんな時間も必要なんだな。
今度は相方もいる週末前夜、一緒におつまみつまみながらゆっくりする時間を作ってみよう。
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