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元葬儀社社員が語る、仕事中に常に持ち歩いていたもの

 以前、葬儀社社員が鞄の中にどんなものを入れているのかお話させていただきました。

 前回は鞄の中身を紹介しまして、今回はポケットの中身についてお話しようと思います。

 ここで紹介するものは、僕が葬儀社社員として勤務していた頃に、本当にスーツのポケット(主にジャケットのポケット)に入れて持ち歩いていたものになります。

 それでは、どうぞ!

その1 常に持ち歩いていたもの

 常に持ち歩いていたのは、次のものです。

・メモ帳とボールペン
・メガネ
・ハンカチ
・名刺入れ
・携帯電話(自分のスマートフォンと業務用携帯)

 これは、葬儀以外のお仕事に従事されている方でも、常に持ち歩いているものがほとんどかと思います。

 特にメモ帳とボールペン、ハンカチは三種の神器と言っても差し支えないほど多くの人が持ち歩いています。メモ帳は、コンビニなどで売られている安いリングメモと、コクヨの小さなキャンパスノートです。ボールペンは黒のジェットストリームを2本と、同じくジェットストリームの3色ボールペンを1本、常に持ち歩いていました。

 メガネは普段は使いませんが、視力の関係で自動車を運転する時や、遠くのものが見えにくいときに使います。すぐに使えるよう、ジャケットの胸ポケットに挿し込んで持ち歩いていました。

 ハンカチはもはや当たり前すぎて、言うまでもないかと思います。トイレはもちろんのこと、暑いときには汗を拭いたりもします。時には、ドライアイスが作った霜を拭き取るのにも使いました。

 名刺入れもちゃんと持ち歩きます。
 葬儀の受付だけでなく、請負先の方が来た時や、葬儀相談に見えた方と接する時には必要です。

 携帯電話は、自分のスマートフォンと、会社から支給された業務用の2つです。業務用携帯電話は、スマートフォンではなくdocomoのP-smartという「OSはandroidだけど機能と見た目はガラケー」というものでした。葬家や職場、先輩上司に同僚とのやり取りといった業務に関する通話は、こちらの業務用携帯で行います。そのため休日でも、業務用携帯は常に持ち歩いて急な電話や呼び出しに備えていました。
 自分のスマートフォンは、業務ではGooglemapなどを使う機会が多く、カーナビの代わりとして重宝しました。(田舎だったため、狭い道や分かりにくい道が多かった)


その2 葬儀の場面で必要になるもの

・ライター
・白手袋
・100円玉
・カッターナイフ

 こちらは、主に葬儀の場面や葬儀に関する業務で必要となるために、持ち歩いていたものです。

 ライターは、ローソクや線香に火をつけるために、無くてはならないものです。それ以外にも、焼香炭(しょうこうたん。焼香炉の中に置いて焼香をするための火種になる小さな炭)に火をつけるためにも欠かせません。
 種類はジッポーなどではなく、コンビニや自動販売機などで販売されている、100円ライターです。また焼香炭は普通のライターでは火が付きにくいため、ターボライターを使っていました。予備を含めて、常に2つのターボライターをポケットに入れていました。
 余談ですが、僕が勤務していた葬儀社はタバコを吸う人の割合が高かったため、喫煙者の先輩は業務に関わらず必ず持ち歩いていました。そうした喫煙者にとっては「常に持ち歩いていたもの」の中に加わります。(僕は今も非喫煙者です)

 白手袋は、通夜と葬儀での立ち合い時や、霊柩車運転手として霊柩車を運転するときに、使用します。葬儀専用の特別なものなどではなく、電車やバスやタクシーの運転手、ホテルマン、結婚式場のスタッフといった職業の人が使っているものと同じです。
 最初はコンビニで売っている、白い木綿性のカーグローブを使っていました。しかし黄ばんでくるのと、洗濯をしてしまうと、縮んで使い物にならなくなってしまいました。そこでワークマンに行き、300円ほどするナイロン製の白手袋に変えました。洗濯をしても縮んだりせず、繰り返し使用できるため重宝しました。

 100円玉は、ホールの遺族控室に置かれている貴重品ロッカーを使うために、必要です。
 遺族や親族の方が持っている場合はいいのですが、あいにく持ち合わせていない時があります。そんな時は「こちらをお使いください」と遺族の方に貸し出ししていました。(もちろん、葬儀が終わってから回収します)

 カッターナイフは、葬儀の準備で必要でした。
 棺を用意するために倉庫に行き、ダンボールから棺を出す際には、カッターナイフは必要不可欠でした。他にも出張葬という、自宅やお寺、公民館などで葬儀を行う場合の設営でも、カッターナイフは大活躍します。白い布を切り貼りして会場を設営したり、葬具の入った箱を開けたりするためにほぼ全員が、打ち合わせ以外では持ち歩いていました。


その3 個人的に持ち歩いていたもの

・充電用ケーブル
・充電器(コンセントに差し込むタイプの小さいもの)
・お守り
・パスケース

 こちらは僕が「これは便利だから」という理由で持ち歩いていたものです。

 充電用ケーブルは、もちろんスマートフォンに充電するためのものです。事務所では業務用携帯は充電していても問題ありませんが、個人のスマートフォンとなると事情が異なってきます。
 僕はトラブル回避のために、モバイルバッテリーを鞄に入れ、充電用ケーブルを使ってスマートフォンに充電していました。また、営業車で外回りや打ち合わせに行く時には、シガーソケットと繋いでスマートフォンに充電していました。

 充電器は、コンセントに差し込んで充電用ケーブルを繋いで使う、とても小さいものです。モバイルバッテリーを持って来ていない場合や、業務用携帯の充電ケーブルが他の人に使われている時に、こちらと前述の充電ケーブルを使って充電します。
 コンセントがある場所でないと使えないため、頻繁に使うことはありませんでした。

 お守りは、本当に個人的なものです。(笑)
 幽霊やお化け、祟りといったオカルトを全く信じない人や、何かを信仰しているわけではないという方には、必要のないアイテムです。僕は伏見稲荷大社のお守りをいくつか常に持ち歩いていました。主に厄除けや身代わり守でして、後述するパスケースに入れていました。
 オカルトを信じていたり、特別信仰心が強いわけではありませんが、僕はこういう仕事をしていたためか「何か良くないことが起こりませんように」と思って持っていました。
 持ち歩いているとちょっとだけ、気持ちが軽くなったのを覚えています。

 そしてパスケースですが、こちらは「常に持ち歩いていたもの」に入れるか最後まで悩みましたが、中身の独自性が強かったのでこちらに入れました。
 パスケースに入れていたのは定期券やICカードではなく、運転免許証です。財布は別に持っていましたが、過去に運転免許証を財布に入れていたら、落としてしまったことがあり(後にどちらも無事に見つかりました)、それ以降別で持ち歩くようになりました。
 パスケースは、小さな財布を兼ねていましたので、運転免許証意外にも様々なものを入れていました。
 現金(お札数枚と小銭をいくらか)、クレジットカード、ETCカード、スイスカード、各種資格証、お守り、献血カード、骨髄バンクドナー登録カード、バンソウコウ数枚。
 今でもこちらは常に持ち歩いていますが、よくこれだけ入れたものだと思います。


 またこれらの他に、ペン型のボイスレコーダーや、家の鍵や自動車のキーなどをまとめたキーホルダーもありましたが、あまり内容に絡んでこないので省略しました。

 他にも「こういったものを持ち歩いている!」「こんなものはあるの?」など意見や質問がございましたら、是非コメントにて教えてください。


 それではっ!

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