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ミュージアムレポート3 世田谷美術館

こんにちは。インターネット音大生の休学中の自由研究として書いているミュージアムレポート、今回はギャラリーで働いている友人の誘いにより世田谷美術館を訪問してきました。

砧公園の中にある美術館。最寄駅からはバスでないと行きにくいですが、バス停から美術館までの公園散歩も楽しめますね。

公園を抜けて美術館へ。


毎回素晴らしいアート作品の写真で誤魔化している本レポートですが、今回は写真OKの部屋が一つのみでした。したがって今回は字だけでお伝えしたいと思います。きつい・・

今まで貼っていませんでしたが、公式HPを観て作品を楽しんでください。

こちらは同時期に友人のギャラリーで行われた、同じ作家の展覧会の記録です。

以下から写真OKゾーンの写真です。


倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙

写真OKの部屋には椅子が4つ。いい光が入っていました。
入り口に同じものがあり、そちらは座ることもできた

さて今回は、椅子を中心としたインテリアを手がけていた作家、倉俣史朗さんのデザイン展です。HPの初めの写真にあるのは、ガラスに花びらが入った、華やかな椅子です。

デザイン展なので、これまで(レポ1:空間インスタレーションの大巻伸嗣さん、レポ2:岡本太郎さん)とは少し違う、「アートよりデザイン」の要素が強い展覧会でした。アートとデザインの境目って難しそうだなぁ・・なんて音楽学部の僕も思っていますが、今回の倉俣史朗さんの作品は、家具やディスプレイなど「使う」作品が多いものの、実用性というよりはアート的な哲学が散りばめられているなぁと感じました。

引き出しの中身は

最初の部屋には色々な家具が置いてあり、もはやHPには載っていませんが、引き出しだらけのタンスとか、ちょっとうねうねした形をしたタンスとか、引き出しが沢山ありました。(でも触るのはNGだから開けることはできない。)

僕は、収納に時間がかかるのが嫌なので、自室に引き出しが全くないのですが、引き出しが好きという気持ちは分かります。何が出てくるか分からないのって、いいですよね(これぐらいの温度感で書いていきます)


光る椅子が照らしているもの

またHPにはないですが、光っている椅子やオブジェが置いてあります。
椅子なんて光っていても何もいいことがないと思いますが、説明文には面白い一行がありました。

部屋の片隅の空間に 自分の生命を感じる

鑑賞中に書いたメモより

光る椅子によって、それまで目を向けていなかった部屋の片隅に想いを馳せることができるということなんだと思いました。

部屋の片隅はちょっとレベル高めですが、僕は建物と建物の間にできるスペースみたいなところに、愛おしさを感じることがあります。あと地下鉄の通路の天井のむき出しのパイプの隙間とか、小人になって入っていきたいなぁと思うことがあります。昔、道インスタにあげたこの写真です。


電車の窓から眺める景色に忍者を走らせる人がいるみたいな話ありましたね。倉俣さんはきっと走らせていたでしょう(多分


ガラスの椅子の過ごす時間

さて、続いては本展示のメイン、ガラスの椅子です。

ガラスの椅子を普段使いしたい、とは思わないけど、眺めている分にはとっても綺麗ですよね。どうやら技術上の問題を乗り越えて、念願のガラスの椅子を製作したようです。ここにも謎の一行がありました。

ガラスの断面に 未来と過去が同居している

鑑賞中に書いたメモより

人間は、今を生きているようで実はけっこう過去の記憶に生かされていたり、反対に未来を心配して今を犠牲にしてしまったり、ということがありますが、その考えを自然にモノに適用しているのでしょうか。

特にインテリアは人間よりも長生きするものもありますが、現役で使われている家具、放って置かれている家具、そしてこのように飾られるだけの家具、それぞれ生きる時間が違うような感じがします。


夢の中では自由

ここまでの展示で、倉俣さんがモノを通して、時間、空間、様々な見方をしていることが分かりました。
最後の方の部屋には「夢」について語る説明文もありました。夢日記を書くのが日課でありながら、夢を忘れてしまうのも好き、という内容だったと思います。忘れていた時間はそれだけ自由だったということでしょう。

僕はなんとここ5年ほど夢日記を書いているんですが(セルフ衝撃)昨日は部屋が散らかったまま寝てしまったので、その3倍ぐらい部屋が散らかって他人に心配されている夢を見ました。安直だなぁと思います。
でも反対に、どういう因果なのかが全く分からない夢を見た時ってちょっと充実感があったりします。

このnoteを書いている時の僕は、べビーシッターのバイトで夜眠くならないようにカフェオレを飲んだ日で、24時回った今もそこそこ頭が冴えているんですが、冴えている時って勉強とかの集中力は保たれるけど、自由な発想ができるかといったらまた違う感じですよね。

最近はどうやっても無理矢理にものづくりをしている感じがしています。音大生とはいえ創作課題って大して多くないんですが、多かれ少なかれ作ることを自分に課してしまいます。
自然に、自由に。それを保ちながら何かを型作っていくのは難しく、恐らくこの先も永遠に考えるテーマなんだと思います。

これは展示室の終わり、レストランとの連絡通路。


色のついた香水瓶

最終フロアには、色のついたガラス棚や香水瓶などが展示されていました。ISSEI MIYAKEブランドを手がけていたそうです。
「ガラスの椅子」をはじめ、洗礼されたデザインの作品が多い展示でしたが、色がつくと突然華やかな世界になります。

↓このページに近い作品が多く載っています。

元々ブルーが好きだった僕ですが、最近推しアイドルの影響で、ピンクを選びがちです。人はいつも雑に色に意味をつけるなぁと、常々思っています。
「白って200色あんねん」というアンミカさんの発言が流行ってますが、せめて1色5つぐらいは認識して絵画を味わえるようになりたいものです。


「メンフィス」と身近なデザイン

さて、レポートは以上です。
全体を通して、身近なインテリアとは違った物の展示であるものの、すごく親しみやすいデザインが多かったように思います。

1980年代にはイタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加されたようです。メンフィスについての簡単な説明を読みましたが、当時は奇抜と言われた、印象の強いデザインであるものの、今もインターネットで多用されている自然なパターンの印象です。


倉俣さんは創作物に対して、社会や生命との関わりをよく捉えている感じがして、それが今もこうして注目されている所以なんじゃないかと思います。

インタビューで、「音楽家にもなりたかった」みたいなことを言っているのが印象的でした。

さて、今回はお土産も買っちゃいました。ちょうど自室に動かない時計が掛かっていたので、外して代わりに貼っておきました。

右側の半分見えなくなっている時計がお気に入り


入り口には座れる椅子があったのでちゃんと写真を撮りました。座り心地は普通です笑


さて、休学期間は3月までなので、まだもう少し行けたらと思っています。
変わり種が多かったのですが、ちょこっと西洋美術の本も辿っているので、王道の名画も見に行きたいなーと考えてます。

それでは!



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