トッカータ BWV914
先日パイプオルガンで弾いたトッカータホ短調BWV914について書きます。
この曲には、かなりの思い入れがあります。
大昔、学生の頃に見たピアノのレッスン番組で、この曲を知り、エルサレムのヴィア・ドロローサ「悲しみの道」に行きたくてたまらなくなりました。卒業後、ピアノの師匠に「この曲を弾きたいです!」と持って行ったところ、子どもの頃、数曲で挫折したインヴェンションからやろうね~♪となりました。シンフォニアまで一通りの譜読みが終わった頃、エルサレムに行くという夢は実現したのですが、このトッカータを一通りピアノで通せるようになったのは、ピアノから長く離れていた時期も挟んで、約四半世紀後です。
バッハが、この曲を書いた年齢と同じくらいに出会い、その若い情熱が当時の自分にも乗り移ったのかもしれません。
さらに、レッスン番組の講師であるヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生が、これまた情熱的かつ懐深く、単なるピアノレッスンを超えた強烈な印象を受けました。これはもうエルサレムに行くしかない!と思い詰めるくらいには。
このレッスン番組に出演されていた生徒の方々も、現在、素晴らしいピアニストとして活躍されています。その中でも断トツで心を掴まれたバッハの回の生徒さんだった方に、STEPのトークコンサート・アドバイザーの先生としてお会いすることができたので、テキストにサインをいただきました!
もともとチェンバロのために書かれた曲だそうですが、ゴルノスターエヴァ先生がオルガンの荘厳な響きをイメージして、とおっしゃっていて、ずっとそのイメージのままなので、今回、パイプオルガンで弾くことができて、とても嬉しかったです。来年度、チェンバロとピアノでも再チャレンジして、しっかり仕上げるつもりです。