『展示会Ⅱ 土偶の美と縄文の美』の備忘録④(2024/11/10/日)
『展示会Ⅱ 土偶の美と縄文の美』の備忘録④
企画展示スペースの展示③
今回は、2024/10/05/土~2024/12/08/日まで、宮崎県立西都原考古学博物館で行われている、『展示会Ⅱ 土偶の美と縄文の美』で撮影した写真を、備忘録としてまとめた、4つ目の記事です。
今回は、展示会スペースの右壁側の展示物の一部と、部屋中央の展示物展示されていた遺物やパネルの一部を、備忘録として残したいと思います…。
解説パネル
Ⅲ-3 玉類にみる東北日本との交流
こちらの解説パネルも、かなり興味深い内容でした…。
特に…
…と言う部分が、かなり興味深い内容でした…。
確かに、勾玉で良く使われている緑の翡翠は、新潟県糸魚川地域から九州に運ばれて来た物なので…
その時に東日本の色々な情報が、数百キロ離れた九州に流れて来ていても、不思議ではないと思います…。
縄文時代、東日本(新潟県糸魚川地域)から運ばれてきた翡翠製品が、このパネルのすぐ横に展示されていました…。
小型の展示ケース
宮崎県内の複数の遺跡から出土した
翡翠製玉類(11個)
上記のパネルのすぐ左下に、縄文時代の翡翠製品が展示されていました…。
こちらは小型の展示ケースに、3つの遺跡で出土した翡翠製品が複数展示されていましたが、どれも素晴らしく、かなり見応えが有りました…。
…まずは、展示ケース全体を撮影してみました…
…翡翠製玉類を、色々な角度から観察・撮影してみました…。
この展示ケースに展示された翡翠製品を、それぞれ遺跡毎に分解してみました…
宮崎県 竹ノ内遺跡(宮崎市)出土
柱穴から出土した翡翠製勾玉(1個)
右上に展示された緑色勾玉は、竹ノ内遺跡(宮崎県)出土の勾玉で…
明らかに宝石として使われる様な石質の翡翠で、琅玕と呼ばれる最高品質の翡翠を使って作られたと思われる勾玉です…。
この展示ケースの中では、個人的に最も目を引いた遺物で、形状は、かなり歪な…変わった形の勾玉です。
※宮崎県埋蔵文化財センターの、竹ノ内遺跡へのリンクを貼ります。
こちらの勾玉が掲載された調査報告書へのリンクを載せます…
この調査報告書には、下記の解説のみ言及されていましたが…
その一文がかなり興味深い内容でした…。
…つまりこの勾玉は、縄文時代、柱穴に、この勾玉を入れ供物にする、何らかの儀礼が有り、その儀礼に使われた勾玉なのかもしれません…。
柱穴に供物を捧げる儀礼の例(海外)
スカンジナヴィア・金の小人
……『柱穴から出土している』…と、言う一文を読んで…
以前、読んだ事の有る本に、似た様な事が書かれていた事を思い出しました…。
さっそく、自宅に有るその本を、探し出して来ました…
その本を読み返したところ……
時代も国も全く違いますが…、少し似た様な儀礼を見付けました…。
著作権の問題が有る為、写真や文章は紹介できませんが…
古代スカンジナヴィア(紀元前400年頃)では、金の人型を柱の穴の中に入れる……
という風習が有った…と言う事が書かれていました…
これは…今の私では、これ以上の知識が無い為、今後、自分でも資料を調べつつ…
考古学・民俗学・文化人類学者の方々に、御意見をお伺いしたいと思います…。
宮崎県 学頭遺跡・八児遺跡(宮崎市)出土
翡翠製品(2個)
こちらの変わった形の翡翠製品は、学頭遺跡(宮崎県宮崎市)で出土した遺物です…。
大きな翡翠製品ですが、隣に展示されている琅玕に比べると、石の品質は落ちますが…
形状が面白いので、見ていて飽きません…
※みやざきデジタルミュージアム、学頭遺跡へのリンクを貼ります。
※奈良文化財研究所、6718-八児遺跡へのリンクを貼ります。
こちらの勾玉が掲載された調査報告書へのリンクを載せます…
この調査報告書には、下記の一文のみ言及されていました。
…しかし、石器計測表(第15表)には『長崎県産か?』と記載されていた為、翡翠の正確な産地は、本当に解っていない様です…。
(余談ですが、九州の長崎県でも翡翠は産出されます)
宮崎県 野首第2遺跡(宮崎市)出土
変わった形(2つ穴)の翡翠製品と、翡翠製の丸玉小玉。(8個)
こちらは、の首第二遺跡(宮崎県宮崎市)で発掘された、二つ穴の開いた翡翠製品と、小玉です…。
二つ穴の翡翠製品の品質は良く、緑の部分が美しい作品です…
こちらの勾玉が掲載された調査報告書へのリンクを載せます…
こちらの調査報告書には、下記の様に言及されていました。
こちらの玉701の造形が、個人的にはかなり気に入っています…。
又、スマホが一度壊れてしまい、データーが無いのですが…
以前、古代メキシコ展に行った時に、702の様な、断面が楕円形の管玉の様な遺物が展示されていた様な記憶が有りますが…
今となっては判りません。
(備忘録をまとめておくべきでした…)
こちらの調査報告書では、上記の遺物の状態について、かなり詳細に記載されていましたが、長文の為、引用の範囲を超える可能性が有るので省略します。
内容を要約すると、いづれの玉も、片側から孔が空けられており、丁寧に仕上げられている…との事でした。
小型の展示ケース
岩手県 高梨遺跡(岩手町)出土
遮光器土偶
こちらは、かなり有名な遮光器土偶です。
このタイプの土偶は、国内で幾つか発掘されている様ですが、実際に実物を見たのは初めてです…
しかも今回は、小型のケースに展示されている為、色々な角度から観察・撮影する事が出来ました。
こちらの土偶は、肩から上と肩から下で色が違う為、大幅に修復した痕跡かも知れない…と、現地では思っていましたが…
この色が違う原因については、文化財オンライン内の、こちらの土偶の解説の中で、土偶が完成した後に熱が加わったから…と、紹介されていました。
※この土偶について、『文化財オンライン』に記載されている部分へのリンクを貼ります…。
土偶を割った後、熱で更に変色したと言う事は…
何らかの儀礼や祭祀を行った…と、言う事なのかもしれません……
実物の写真と解説は、文化庁が運営されている『文化遺産オンライン』で見る事ができます。
(下記は『文化遺産オンライン』へのリンクです)
…まずは、展示ケース全体を撮影してみました…
…さらに、展示ケースに近づき、内部を撮影してみました…
…遮光器土偶を、色々な角度から観察・撮影してみました…。
小型の展示ケース
伝 青森県出土
屈折像土偶
…こちらの土偶も、かなり独特な雰囲気の土偶です…。
何かを抱える様な…?独特な体制をとっている土偶です…。
顔は赤っぽい顔料が塗られ、そばかすの様なブツブツと、耳にはイヤリングを付ける為か、穴が開いています…。
身体表現の特徴から、女性を表した土偶だと言う事は解りますが…
それ以外の事は良く判らなかった為、調べてみました…。
※この土偶について、『文化財オンライン』に記載されている部分へのリンクを貼ります…。
なるほど…この独特な姿勢は、祈り・休憩・座産の姿勢の可能性が有る…と言う事だそうですが…
この様な土偶は、今回の展示会で初めて知った遺物だったので、かなり刺激的で、勉強になりました。
実物の写真と解説は、文化庁が運営されている『文化遺産オンライン』で見る事ができます。
(下記は『文化遺産オンライン』へのリンクです)
…まずは、展示ケース全体を撮影してみました…
…さらに、展示ケースに近づき、内部を撮影してみました…
…屈折像土偶を、色々な角度から観察・撮影してみました…。
小型の展示ケース
青森県つがる市出土
遮光器土偶
…こちらの遮光器土偶は…先程の遮光器土偶とは一味違ったテイストで…
中々面白い造形です…
特に、自立させる為か……足の幅が広く自立できるような作りをしているのが印象的です。
…まずは、展示ケース全体を撮影してみました…
…遮光器土偶を、色々な角度から観察・撮影してみました…。
小型の展示ケース
青森県 山海道遺跡・三万田遺跡・鶴羽田遺跡(熊本市)出土
土偶(5片)
こちらの土偶は、笑った様な目をした、シンプルな土偶ですが…
同じようなデザインの土偶が、熊本県内から幾つか出土しており、今回の展示会で展示されていたので…
その遺物の記事へのリンクを貼ります…
笑う埴輪
この土偶を見ていて、笑っている埴輪のデザインを思い出しました…。
ここで文章を書いても良いのですが…動画の方が解り易いと思うので、ここに動画へのリンクを貼ります…。
内容は、かなり子供向けですが、埴輪に笑いが表現されている理由を、解り易く丁寧に説明されている動画です。
岡田斗司夫氏の考える『笑い』
…この、笑う土偶や、笑う埴輪を見て…
以前、元ガイナックス社長の岡田斗司夫氏が、youtube動画で、ロバート・A・ハイラインの小説『異星の客』を例に挙げ、笑いの本質について語られていたのを思い出しました…。
その時見た動画が、今もyoutube上に有ったので…
その動画で『笑い』について語られている部分へのリンクを貼りたいと思います…。
下記の動画で語られている『笑い』についての考察は、かなり面白いのでおすすめです…。
……話は戻りますが…私個人としては、装飾過多な土偶よりも、この…
シンプルながら、裏に何か有る様に、意味深に笑うこの土偶の方が印象深く、本当に面白いです…。
今後、作品を作る時の参考にしたいと思います…
顔のみの土偶の展示ケースと写真
…まずは、展示ケース全体を撮影してみました…
…さらに、展示ケースに近づき、内部を撮影してみました…
…土偶を、色々な角度から観察・撮影してみました…。
・正面から撮影した写真
・左側面から撮影した写真
・裏面から撮影した写真
・右側面から撮影した写真
『自分だけの土偶を書こう!』
コーナー
この展示スペースの最後に『自分だけの土偶を書こう!』コーナーが有りました…。
ここには、大量の絵が貼られていて面白かったので、遺物の展示もオススメですが、こちらに貼られた画もおすすめです…。
『展示会Ⅱ 土偶の美と縄文の美』の備忘録⑤ の記事へ…(To be continued..)
今回は、博物館入り口ホールと、展示室入り口付近に展示されていた展示物の備忘録を残しました…。
次回は、映像展示スペース前の展示の一部(展示台上の展示)を纏めた備忘録を残したいと思います…。
※下記の写真は、次回の記事で紹介する部分の画像です。
記事を書くのに掛かった時間
2024/10/11/金~2024/11/11/10/日
公開日
2024/11/10/0922
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 作品製作をしているので、サポートいただけたら創作活動に関する費用にしたいと思います。