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だいたいわかれ!総まとめ格ゲー用語集[スト6]

前略。ふと作ってみたいと思い立ち、スト6に関係してきそうな、スト6を楽しむ上で覚えておくと便利な用語集を作ってみました。
スト6を中心とした内容ではありますが、一応スト6を前提としすぎない書き方を心がけているので、他の格闘ゲームでも多少は活用できるかと思います。
快適なゲームプレイのみならず、ネット上での記事を見たり動画や配信を視聴したり、大会観戦を楽しんだりといった様々な観点から用語を集めました。
基本的に私個人の理解や解釈を元に、若干理解が甘そうな部分は都度検索する形で書いています。問題点、不明な点、不足する単語などあればコメント欄にて指摘いただければその都度修正します。

順番に特に意味はなく、思いついた順に適当に並べています。
強いて言うならば、これから先の説明に必要な前提知識は先に出るように書いているかも程度です。
文中にわからない用語があったら、記事内を検索してくれると答えが見つかるかも知れません。もしも無ければコメントお願いします。


ゲーム全般

フレーム/fps/フレームレート

多分、これが一番難しそうだと恐れられている用語だろう。
実際のところそんなに難しいものではないので、恐れないでほしい。秒数を数えられる人間なら理解できる内容だ。

ゲームを始め、様々なソフトウェアやプログラムなどの映像において、画面に表示される画像1枚1枚の事を「フレーム」と呼ぶ。
多くのデジタル的な映像はパラパラ漫画のように一コマづつわずかに違う画像を連続して表示する事で動かされており、その1枚1枚が1フレームと数えられる。略して1Fと書く事の方が多い。
PCやスマホのいつもの画面やゲーム映像も、そのようにして1枚1枚少しづつ違う画像を連続して表示する事で作られている。
また、1秒間に表示されるフレームの数は「fps(frames per second)」と呼ばれ、その概念自体は「フレームレート」と呼ばれる事が多い。1秒間に24フレームであれば24fps(これは一般的なアニメのフレームレートだ)。
このfpsはゲームジャンルとしてのFPS(First Person Shooting)とは別物であり、基本的には文脈で判別されるが、ジャンルの方を大文字で表記するという使い分けがなされる事も少なくない。

ここまでは、概念の基本的な理解。
格闘ゲームにおいては、ここからが大事だ。

基本的に、対戦格闘ゲームにおいては毎秒のフレームレートは常に60fps。1秒間に60枚のパラパラ漫画のような仕組みで動く。
常に1秒間に60枚のフレームが均一なペースで切り替わるので、このフレームの枚数を格闘ゲームにおいては「秒」や「分」と同じような、常に一定のペースを刻む時間の単位として活用する。
つまり、格闘ゲームにおいて「フレーム」とは「1/60秒」を意味する時間の単位と言える。
なので、「何フレーム」というような話が出てきて良くわからない時は、格闘ゲームにおいては「60分の何秒」と置き換えて考えても良い(実際同じだ)。
例えば、「A地点からB地点に向かって走るとたどり着くまでに120Fフレームかかる」と書いてあったら、「A地点からB地点に向かって走るとたどり着くまでに2秒かかる」という意味だ。

ここからはゲーマー向けの蛇足になるが、FPSゲームを始めとした多くのゲームではフレームレートを固定せず、ある程度動的に変動する事を前提としている他、ゲーム内の時間そのものも別の単位で計算している事が多い。
しかし対戦格闘ゲームにおいては慣習的理由やゲームシステムを非常に明文化しやすくなる点、それを前提としてゲームシステムが発展した点などから、常時60fpsに固定し上にも下にもブレない事を前提としている事が殆ど。
先のパラパラ漫画の例えを出すなら、格闘ゲームの画面は常に1秒間に60枚のページを捲るパラパラ漫画、という事だ。
また、格闘ゲームにおけるフレームは他の多くのゲームジャンルとは異なりゲーム内の処理の時間の単位でもある。FPSゲームにおいて銃の連射レートは「秒間何回」といった単位で数えられるが、格闘ゲームにおいては「何フレームに一回」といった単位で数えられ、その様に処理される。
その為、格闘ゲームにおけるフレームレートは常に60fpsに固定されている事が望ましい。これはフレームレートが高ければ高いほど良いとされるFPSゲームを経験してきたゲーマーにとっては理解しがたい感覚かもしれないが、格闘ゲーム的には非常に重要な事なのだ。
格闘ゲームにおいてフレームレートが変動するという事は、FPSゲームで例えるならリコイルの激しい銃の連射レートが不規則に変動するようなものだ、とでも言えばそれが酷い苦行だと伝わるのではないだろうか。

当たり判定

ゲームにおける、接触の処理を司る判定の事(を指して使われる事が多い語句)。

……といってもよく伝わらないだろう。なので図解を用意した。

青マン

彼は青マン。青い人だ。
彼のように人間は、基本的に多くの曲線に富んだ形状をしている。
プログラムにおいて、そんな複雑な形状通りに「接触したかどうか」の判定を行うのは、実は結構難しい。バグや納得できない判定の温床になる上、処理も複雑化して動作負荷が重くなり、ゲームバランス調整も難しくなる。
なのでゲームプログラムの世界ではしばしば、ある程度簡略化した形状で「接触したかどうか」を判定するのだ。

当たり判定付きの青マン

多くの格闘ゲームにおいては、内部処理用に四角い判定を用意して、その形状を使って接触を処理する。
例えば彼、青マンであれば、このオレンジ色の枠線の範囲内に何らかの物が入った時に「接触している」と判断される。
例えば、このオレンジ色の枠線に相手の攻撃が入れば、青マンは攻撃を受けた事になってダメージを受ける。
格闘ゲームにおいては、この「キャラクターがダメージを受ける部位」を司る当たり判定の事を「喰らい判定」や「やられ判定」と呼ぶ事が多い。

青マンパンチ

そして、格闘ゲームにおいてはキャラクターの身体だけでなく、攻撃する側の接触判定も簡略化して処理される。
この青マンは、見ての通りパンチ攻撃を繰り出している。すると当然、簡略化された形状の攻撃の当たり判定が発生する。これを「攻撃判定」や「ダメージ判定」と呼ぶ。
それがこの濃い青の枠線だ。この濃い青の枠線が相手キャラクターの身体の喰らい判定に接触すると、「攻撃が当たった」という事になる。

青マンが赤マンを殴る

この画像では、青マンの攻撃判定(青枠)が赤マンの腰部の喰らい判定(黄枠)に触れた事で、青マンのパンチ攻撃が赤マンにヒットしている。
こうなると、青マンから赤マンへの攻撃が成立したという扱いになり、赤マンはダメージを受けてのけぞるなどのリアクションを取る訳だ。
この簡略化された処理の為の四角い部位と、この処理そのもののどちらもが当たり判定と呼ばれる事があるのは少し厄介。
ともあれ、これがゲームにおける当たり判定の大雑把な仕組みである。

結構便利なので、青マンと赤マンにはまた登場してもらう。

アミバ

ん!?まちがったかな・・・

並びに意味が無いからといって掲載順トップになれる訳ではない。

無敵

相手の攻撃の一切を受けない状態の事。
攻撃を受けてもダメージを受けず、手を止めたりのけぞったり押されるといったリアクションを取る事もない。
特定の種類の攻撃のみを受けないが他の攻撃は受ける、といった特殊な無敵状態も中には存在する。
格闘ゲームに限らず世の中のアクション性を持つゲームの大半に存在する要素。

スーパーマリオブラザーズを始め多くのアクションゲームでは「プレイヤーの身体に触れた敵がダメージを受ける」、「無敵である上にダメージ判定が付いている」という物が非常に多い。
が、格闘ゲームにおいては「単に無敵である」とでもいうべきか、攻撃を受けないだけの状態を無敵状態と称するので、そこの違いについてはしっかりと理解しておこう。

スーパーアーマー

相手の攻撃を受けても、のけぞらず硬直せず動作が中断されない状態の事。
ストリートファイター6においては、全キャラクター共通でドライブインパクトがこの特性を持っている他に、ザンギエフやマリーザの幾つかの技がこの判定を持っている。
格闘ゲームに限らず多くのジャンルのゲームに登場し、大抵の作品において非常に強力な個性となる。

ハイパーアーマー

スーパーアーマーの上位版のような性質の状態の事と言われるが、いまいち厳密な定義は無い。
技モーション中に限らず自由に動き回れる状態でスーパーアーマーの性質が付与されている事を指すだとか、何発でも上限無く受けられるスーパーアーマーの事を指すだとか、定義はまちまちであまりあてにならないが主に今挙げた2種が主流か。
元からそこまで考えられていない、誰かが雰囲気で言い出したものが謎に残っているだけと受け取った方が良い。

ゲージ

多くのゲームに実装されている、何らかの方法によって増減するリソースの事。
本来ゲージとは目盛りの事を指すが、こういったゲームにおいてはリソースそのものの事も指す。
円状や棒状などのゲージが大抵の場合画面上に存在し、そのゲージの中にリソース量の変動が表示される形となっている。
そのゲージを一定量消費する事で、多くのゲームにおいては通常より強力な行動を行う事が可能なシステムになっている。

ストリートファイター6においては、主に3つのゲージが存在する。
残りの体力量を表示する「体力ゲージ」、攻守ともに様々に活用できる「ドライブゲージ」、強力な技を発動する為に用いられる「SAゲージ」。

ダウン

キャラクターが転んでしまう事。また、転んで横になっている状態の事。
多くのゲームに共通して、ダウン状態では起き上がるまで他に殆どの行動が出来なくなる。また格闘ゲームにおいては、殆どの場合ダウン中は無敵状態になる。倒れた相手への追撃は格闘家として無粋ということだろうか。
自分がダウンしている間も相手は自由に動き回れるので、基本的にダウンしてしまうと不利な展開を強いられる事になる。

擦る

同じ行動を延々と繰り返す事。または、何らかの技を出そうと連続して操作し続ける事。
ボタンの上で爪を立てて左右に擦る、という昔ながらのボタン連打方法に由来する。
何も高速で連打する事だけを指す訳では無く、例えばダウンする度に毎回OD昇龍拳を出したり、ラウンド開始直後にすぐ波動拳を撃つという行動を毎ラウンド行ったり。
別のゲームであれば、例えばOverwatchなら何回も同じルートからの裏取りを試みたり、マクドナルドに行く度に毎回同じメニューを注文したりといった、ゲーマーが何らかの単調な行動をするシーン全般で使われる用語。
格闘ゲーマーを毎回デートの度に同じ場所に連れて行くと、「何回ここ擦るねん」などと言われてしまう可能性がある。その時は戦って黙らせよう。

AFK

Away From Keyboardの略。キーボードを離れて何処かに行く事、つまりゲーム中に席を外す事。
「ちょっとお手洗い行ってくる」「すまん、Amazonの配達が来た」「やべぇ地震だ,、食器棚抑えないと」「この試合つまんないし放置するわ」「チッ……組織の殺し屋が来やがった、すぐに片付ける」など、様々な言葉をたった3文字に省略できて非常に便利。

熱帯

オンライン対戦の事。
オンライン対戦→ネット対戦→ねったいせん→ねったい→熱帯。

水中戦

オンライン対戦においてネットワークの遅延が大きく、動作に大きな支障が出ている状態の事。
さながら水中で強い抵抗を受けながら動いているかのようなもっさり感と着衣泳の如き不自由さがプレイヤーの精神を着々と蝕む。
回線状況が悪くこのような状況が頻発してしまう場合、その環境でのプレイ続行自体が相手プレイヤーに多大な迷惑を掛けるバッドマナーになってしまう。
そういった場合は、素直に回線状況の改善を実行するまでトレーニングモードやゲームセンターのアーケード版にでも篭っていよう。

紙体力、紙装甲とも。
防御力が低い、体力が低いなどで簡単に死んでしまうキャラクターの事。
まるで紙製の脆い装甲をまとっている様であるからとも、或いは強いことを表す「神」の対極として言われるようになったとも、その由来は諸説に分かれる。

汚い

繊細さを欠いていたり、相手の行動をろくに見ていなかったり、強い技を闇雲に連打していたり、相手が対応できるようになるまでひたすら同じ行動を繰り返したり、簡単で強い事を繰り返しているだけであったり、すぐに無敵技に頼ったり、といったあまり見目麗しくないプレイスタイルの事を指して「汚いプレイ」と表す。
ストリートファイター6であれば、スーパー頭突きとスーパー百貫落としを延々と繰り返すエドモンド本田や、Year1の超性能時代のしゃがみ中Pだけを無限に振り続けるルークが代表的。
他のゲームで例えると、スマブラSPであればパワーダンクで近づいて弱弱ダンクを繰り返すテリーであったり、適当な所で横スマッシュ攻撃を雑に振るガノンドロフであったり、ひたすら逃げて飛び道具をばら撒き続ける射撃Miiなどがそれに該当する。

綺麗

上述の汚いプレイの対義語。
相手の動きをよく見て対応する、的確に「今この瞬間に相手が意識できていない技」を通す、無闇矢鱈に動き回らない、高度なテクニックを適切に用いる、などの要素が特徴として挙げられる。
その性質上、基本的には守備的なスタイルが多い。
ストリートファイター6においては、春麗がそういった「綺麗なプレイ」に特化した性能のキャラクターとして知られている。最上位の春麗使いのプレイ映像を見れば、きっとその意味が理解できる筈。

人間性能

プレイヤー自身のフィジカル的な面の強さの事。
例えば反応速度が早く相手の行動を素早く咎める事ができるプレイヤーであったり、操作精度が高く超高難易度のコンボを安定して成功させるプレイヤーであったり、動体視力が良く似たモーションの判別困難な技を見極められるようなプレイヤーに対して使われる。
とはいえ人間性能に頼り切ったプレイヤーはそれを逆手に取られる事もあり、優位にこそ立ててもこれで勝敗が決まるという事ばかりではない。

浅い

理解度が低い事。
例えばそのゲームのシステムをよく理解していなかったり、そのシステムにおいて何が強くて何が弱いかを掴みきれていなかったり。
或いは、使用しているキャラクターの知識が足りていなかったり、強みを引き出せていなかったり、逆に対戦相手の使っているキャラクターへの対策方法を分かっていなかったり。

ピヨる

操作キャラクターが気絶や失神といった状態になり、行動不能に陥る事。
眠る、凍りつく、石化するといった状態異常に対して使われる事はあまりなく、あくまでもゲーム的に気絶や失神といった「暴力を受けた事による一時的な意識レベルの低下」として演出されているものに対してのみ使われる事が殆ど。
ストリートファイター2において気絶したキャラクターの頭上にヒヨコが表示される演出が存在した事に由来する、と思われる。
実際可愛いが相手からすれば好きな技から好きなコンボを入れ放題となり、致死級のピンチ状況である。

ヒットバック/ガードバック

相手に攻撃を当てた、またはガードされた時にお互いのキャラクターが少し離れる事。
物を殴った時に作用・反作用の法則によって殴られたものと殴った側が互いに引き離しあう力を受けるように、多くのゲームにおいても攻撃が当たると少し離れる挙動をする。
攻撃を当てた場合は「ヒットバック」、ガードされた場合は「ガードバック」。
格闘ゲームにおいては、ヒットバックとガードバックは少し距離が違う事が多い。リュウの旋風脚などはかなりその差を体感しやすいはずだ。

レバガチャ

コントローラーのスティック、レバーなどをガチャガチャとめちゃくちゃに素早く動かすこと。
方向キーやスティックといった方向入力に用いるものの類であれば基本的にレバガチャに含まれる。
他のボタンを含むかについては未だに意見の分かれるところ。

ファンメール

世界的に生息する類人猿の鳴き声の一種。
多くの場合、自分を打ち負かしたプレイヤーに対して向けられる。
その音色は人間の罵声や暴言に似ているが、その意味は服従の意や敗北宣言と変わらない。

要するに、対戦後にキレた対戦相手から届く暴言メッセージの事である。
あなたの元に届いたのならばそれはもはや陳腐な罵倒の他に抗う術が無いという完全敗北宣言と受け取り(実際そうだ)、存分にオカズにすると良いとされる。

煽り

対戦相手プレイヤーを挑発し、神経を逆撫でする行為。
勝利後に敗者の弱さを誇張したり、対戦中に無意味な行動で余裕と力の差を誇示したり、敗北時に破れかぶれで勝者のスタイルを腐したり。
格闘ゲームであれば、相手を倒し切れる状況で敢えて倒さずに放置したり、急に無意味な屈伸を見せびらかしたり、前のラウンドに相手を倒した技を無意味に空振りして見せつけたりといった行為が主。
仲の良い間柄であれば、さながら桃太郎電鉄を遊びながら罵り合うようなコミュニケーションとして楽しめるが、そうでもなければ絶対にしてはいけない。
筆者はコミュニケーションが大変不自由な人間なので友人相手でも滅多に煽らない。いや、そもそも煽る相手がいない。

そして"煽りの三大原則"

「煽るなら煽られる」
「ブーメランになる煽りをする」
「気心の知れた仲でのみ煽る」

これこそeお嬢様が伝えるべきものですわ

漫画「ゲーミングお嬢様」作中より、祥龍院隆子お嬢様の発言

至言である。

台パン

怒りで机やアケコンなどを殴る事。非常にうるさい。
大抵の場合、台パンするような精神状態に陥ると判断力を失い更に負けがかさむ事になる。その怒りで更に台パンが発生し、負のループへと陥る。
ゲームセンターでは絶対に封印して、家でやるなら下階に人がいない場合だけにしよう。机が壊れても君の責任だ。

……ともあれ全ての物事は極めれば芸術である。

豪鬼(概念)

機動力や攻撃力、個々の技の性能といった殆どの要素が高性能な代わりに耐久面が貧弱なキャラクターの事。
ストリートファイターⅢ以降の低体力で高性能な豪鬼の性能に因み、スマブラのような他作品でも「このキャラクターは実質豪鬼」といったような呼び方をする。
スマブラSP初期のピチューは実質豪鬼の代表格。

捨てゲー

敗北を悟った、帰らなくてはならない時間である、などの様々な理由により勝ちを捨てて適当にゲームオーバーないし敗北をし、ゲームをさっさと終了すること。アーケードゲームでよく見られた光景。

転じて、「もう負けても良い」「いや、っていうかもう適当だし?こんなんやってもどうせ負けるし取り敢えずぶちまけるべ?」といったような勢いで行われる乱雑なプレイ。
後述の「ぶっぱ」に近いが、あちらはリスクリターンの計算をした上で敢えてリスクを取る事で意識的に読み合いを行う戦略としての側面も持つのに対し、こちらは基本的にそこまで考えずに行われる破れかぶれのデタラメ攻撃である。
ガードされたら敗北が確定するほどのリスキーな技を何も考えずに出すなど、リスクとリターンの釣り合わない行動は基本中の基本。アーケードゲームが廃れつつある昨今においては、こちらの用法の方がよく見られるかもしれない。

基本的にそのゲームのセオリーを逸脱した意味不明なプレイなので、対戦相手からしてみれば「真面目に戦っているつもり」の時ほど厄介。
真剣に数学の難題を解いている最中に急にコック帽を被った半裸のマッチョがやってきて、ウサイン・ボルトのポーズを真似しながら「こんにちはβカロテン!突然ですがブルネイの首都は?そんで次は羅生門の読書感想文を書いてください!笑いたきゃ笑えよ……ポン!あっ口乾いてきたねっむ次は昇龍対空ね!」と迫られる事を想像して欲しい。ブルネイや羅生門や格闘ゲームの事を考えている最中でも無い以上、混乱は必至だろう。
冷静に見ていれば対処できるような内容であっても、突然理解の範疇を超えた意味不明な行動が行われる捨てゲー的立ち回りには、そういった不条理な行いに思考を破壊される恐怖がある。

ベガ立ち

腕を組み、他の人のプレイを背後から見守る事。
ストリートファイターⅡ時代から度々ベガが勝利ポーズで見せる、高い位置で腕を組んで足を揃えた立ち方に由来する。
ゲームセンターなどで他の人のプレイを後ろから見守るギャラリーが何かと腕を組みがちであった為、そのように呼ばれるようになった。
広義においては、ゲーム配信の視聴者は全員電子の海でベガ立ちをしていると言える。

あまりにもベガの象徴的な要素になりすぎた結果、ストリートファイター5においてはベガのニュートラル時の立ちポーズがベガ立ちになってしまった。
中々に格好良かったが、ご存知の通り次作であるストリートファイター6においては旧来のものに戻っている。

開幕

試合やラウンドが開始した瞬間の事。
「ROUND 1,FIGHT!」のあの音声に聞き覚えはあるだろうか。あれが流れた直後の瞬間である。他のジャンルのゲームであっても、試合が始まり自由行動が可能になった瞬間を開幕と呼ぶ事は多い。
この瞬間、最初の一歩を踏み出す前から勝負は始まっている。特にリュウのような自発的に相手に近づいて攻撃する事を苦手とするキャラクターにとっては、この開幕の勝負が勝敗に直結するシーンも多い。

バランス調整

アップデートを介して行われる、ゲーム内の対戦バランスの是正を意図したゲーム内容の変更。
基本的には強すぎたキャラクターの性能を弱体化し、弱すぎたキャラクターの性能を強化する事で、全体的なキャラクター間の格差をマイルドにする目的で行われる。
その他にも「初心者はその技だけで倒されてしまうような一方的な技」を弱体化して初心者の苦しみを取り除いたり、ゲームシステム全体に調整を加えてゲーム全体の傾向を改善したり、コンセプトを実現できていなかったキャラクターにより「それらしい戦い」ができるような調整を加えたりなど、その内容は多岐に渡る。
プレイヤーにとっては、嫌いなあのキャラがどうなるか、大好きな持ちキャラがどうなるかと非常に一喜一憂できる恐ろしくも楽しいイベント。

パッチノート

ゲーム本体にアップデートが配信された際に公式から発表される、アップデートによる変更点一覧。
格闘ゲームを始めとした多くの対戦ゲームではキャラクター性能のバランス調整内容が書かれており、全てのプレイヤーにとって必見のものになっている。
前バージョンで大嫌いだったあのキャラクターが弱体化されたり、メインキャラが強化されて喜んだり。苦手なキャラクターが更に強化されたり、メインキャラの主力技がボコボコにされて凹んだり。
作品によっては開発チームから調整の意図が公開される場合もあり、そこで公開された謎の怪文書がその後しばらくネタにされる事もしばしば。

ポジる/ネガる

キャラクターや技、ゲームジャンルによっては武器などの性能が高いように、または低いように見せかける形で喧伝する行為。
ポジティブキャンペーン、ネガティブキャンペーンの略か。
強いといった風に喧伝する場合はポジ、弱いといった風に喧伝する場合はネガ。
コミュニティ世論の誘導を意図している場合もあれば、単純に使い手のストレス発散や自己満足の事もあり、その内容は多岐に渡る。
基本的にはポジる発言の方が好意的な反応を受け、ネガる発言は概ね反感を受ける事が多いが、度を越すとどちらもウザがられる他どうしようもないキャラクターの愉快なネガはネタとして人気が高い。
特にネガは劇薬なので、最大限空気を読んでうまく使おう。
勝っている弱キャラ使いが自キャラを思いっきり「いや、私にとっては間違いなく最強だ!強いから使っているんだ!」と言い切ると、この世の何よりも格好良い。

キャラランク

キャラクターの強さを相対的に表したランキング。
このキャラランク表を上位プレイヤーが作り、それを皆で眺めながらああだこうだと管を巻く時間は格闘ゲーマーのオアシス。

格ゲー全般

P/K

それぞれPはパンチ、Kはキックの事。
ストリートファイターシリーズを始めとして、かなり多くの格闘ゲームは攻撃をパンチとキックで分ける操作形態を採用している。
最初は半ば演出的な理由でその様にされたと思われるが、実際なんというか「しゃがみながらのキックはだいたい下段、立ちながらのキックはだいたいパンチよりちょっと長い」といった操作感が遊ぶうえで絶妙に丁度良い事もあり、長らく使われている。
とはいえ全てのゲームがこの形態という訳ではなく、例えばギルティギアなどは全く異なる形態を取っている。

レバー

アーケードコントローラーのスティック部分の事。
方向入力に用いるので、「レバーをこの方向に」と言われたら、方向ボタンで操作していても同じ方向に入力すれば良い。

テンキー表記

格闘ゲームにおける方向キー入力を数字で表す表記法。
方向を矢印で表現するよりも入力の手間が少なく、媒体の縦書き横書きといった向きなどの影響を受けず、尚且つ機種依存文字を使わない為全てのデバイス全ての環境で正常に表示できるといった利点によって広まった。
格闘ゲームで認識される8方向の入力を電卓やフルサイズキーボードのテンキー部分に見立て、方向キーを入力していない状態(ニュートラル)を5として考える。

図解。

物によっては左上が1から始まるものもあるが、テンキー表記においては原則として左下を1とする。
例えばリュウの鳩尾砕き(前+強P)は6強P、竜巻旋風脚は214+Kと表記される事になる。
慣れると非常に入力しやすい上に格ゲーの多くの記事を楽しめるようになるので、是非マスターしよう。
次の項目もこのテンキー表記で統一した。折角なので、頑張って読んでみて欲しい。

〇〇コマンド

多くのキャラクターに共通するコマンドには、その動作に通称が存在する。
大抵の場合はそのコマンド毎に象徴的な技が存在する為、その名前で呼ばれる事が大半だ。

  • 波動コマンド
    236+攻撃

  • 竜巻コマンド
    214+攻撃

  • 昇龍コマンド
    623+攻撃

  • 逆昇龍コマンド/熾炎脚コマンド
    421+攻撃

  • ヨガコマンド
    41236+攻撃

  • 逆ヨガコマンド
    63214+攻撃
    尚、ストリートファイターZero2以降すべての作品のヨガフレイムは逆ヨガコマンドに変更されているが、スト2時代に定着した呼称のまま今でもこの様に呼ばれている。

  • 横タメコマンド/ソニックコマンド/ダッストコマンド
    4タメ6+攻撃

  • 下タメコマンド/サマーコマンド
    2タメ8+攻撃

  • スクリューコマンド/一回転
    6248+攻撃

  • 真空コマンド/真空波動コマンド
    236236+攻撃

  • 真空竜巻コマンド
    214214+攻撃

  • 瞬獄コマンド/ダークネスイリュージョン
    弱P→弱P→6→弱K→強P

  • FABコマンド/ギガスコマンド/二回転/祖国
    62486248+攻撃

  • 鬼無双コマンド/千裂コマンド(あまり通称で呼ばれない)
    4タメ646+攻撃

  • 三角タメ(スト6未登場)
    1タメ319+攻撃

  • タンパ/ボタンタメ(スト6未登場)
    攻撃ボタン長押し→離す

硬直

プレイヤーキャラクターが何らかの理由によって操作できない状態の事。
例えば昇龍拳を出せば、リュウが構えてから拳を振り、飛び上がってから着地して姿勢を整えるまでの間、プレイヤーはキャラクターを操作できず、キャラクターは決められた動作のみを行う。この操作できなくなっている状態が硬直。
攻撃は勿論、歩きもジャンプもガードも操作であり動作である為、それら全ての行動が不可能な状態になる。
歩きなどのごく一部を除き、ほぼ全ての動作にこの硬直は存在している。動作が非常にコンパクトな立ち弱Pなどでも15Fほどの硬直が存在するほか、攻撃をガードした際や攻撃を受けた際にも、状況や相手の技の種類によって異なる長さの硬直が発生する。
相手の攻撃を受けてキャラクターがのけぞっている間であったり、相手の足払い系の技を受けてキャラクターが転んでから起き上がるまでの間がそうだ。
ただしガード中の硬直はガードのみ可能であったり、ゲームによっては硬直中に限られたアクションが可能であったりと(ストリートファイター6においてはガード硬直中とダウン硬直からの復帰時のみドライブリバーサルが可能だ)、必ずしも何も出来ないという訳ではない。

攻撃発生

攻撃判定が生じた瞬間、及び技の動作が始まってから攻撃判定が生じるまでの硬直時間の事。単に「発生」とも。
試しに拳を握って、前に向かってパンチしてみてほしい。拳を構えてから突き出すまでに多少時間があったはずだ。
例えば「発生10Fフレーム」の技が存在した場合、技の動作が始まって(拳を構えて)から攻撃判定が生じるまで(突き出した拳が当たったら痛い速度になるまで)の時間が10Fという事になる。
技の動作が遅すぎて相手に当てるのが難しければ「発生が遅い」、攻撃判定が出る前に相手の攻撃を受けて技の動作が止まってしまったら「発生前を潰された」などといった使い方をする。

攻撃持続

攻撃判定が画面上に残っている時間の事。単に「持続」とも。
格闘ゲームにおける攻撃判定は基本的に動作が先端に達したタイミングで発生し、その場に数F残る性質を持つ。
パンチの動作を想像して欲しい。現実においては腕を高速で伸ばす動作自体にその加速度による破壊力が、つまりは攻撃判定が存在するが、一方で格闘ゲームにおいては腕を伸ばしきる瞬間から数Fの間、伸ばしきった腕に攻撃判定が存在する。
伸び切って止まった腕に相手が当たって吹き飛ばされるという珍妙な絵面がこれにより生じるが、見慣れてくると発剄のようで何か格好良さすら覚える不思議。
また、波動拳のような飛び道具であれば画面上に存在する間は常に攻撃判定が存在したり、昇龍拳であれば上昇中は常に攻撃判定が付いていたりするが、これもまた「持続」である。
この攻撃持続が長い技は、適当に振っても相手に当たりやすい他、上手いこと何らかの方法で攻撃持続部分だけが相手に当たるように調節する「持続当て」と呼ばれるテクニックにより相手の硬直を伸ばす事もできるなど利点が多く、強いと言われる事が多い。

カウンターヒット

相手が攻撃ボタンを押してから、攻撃判定が発生する前の硬直中にこちらの攻撃が当たる事。多くの格闘ゲームに実装されているシステム。
イメージとしては、相手に殴りかかろうとして拳を構え振りかぶろうとしたタイミングで殴られる様子をイメージすると良い。
このカウンターヒットが成立すると、通常のヒット時よりも相手に与えるダメージが増え、相手が硬直する時間が若干長くなる。

また、一部の作品にはその他にも特殊なカウンターヒットが実装されている。
ストリートファイター6においては、相手が攻撃を出し終わった後の、攻撃判定が消えた後の動作の硬直中に攻撃を当てる事で発生する「パニッシュカウンター」という状態が存在する。
これは通常のカウンターヒットの更に上位版のようなもので、更に相手の硬直する時間が長くなり、当てた側にとっては非常にメリットが大きい。喰らってしまったら、ドンマイ。

強度

技のボタンに存在する強度の違いの事。
それぞれ弱攻撃、中攻撃、強攻撃が存在し、文字通り弱<中<強の順に強度が高くなる。
強度が低い攻撃ほど全体硬直が小さく、技が早く発生する一方で、強度が高い攻撃ほどダメージが高く、相手にヒットやガードさせた場合に相手が長く硬直する傾向がある。
以前の作品ではゲームシステム的に大きな意味があったが、今作では後述の「補正」の他にそこまで大きな意味を持つ事は無い。

余談だが、スト2時代からのプレイヤーはそう少なくない人数が今でも「弱中強」ではなく「小中大」と表記する。
これは当時のバイブル的アーケードゲーム雑誌が原因だが、言ってしまえば「歴史的な誤記」である。的を射るんだか得るんだかみたいな話だ。

コンボ

一度受けてしまうと途中からガードする事が不可能で、最後まで必ず喰らってしまう連続した攻撃の事。
基本的には、別々の攻撃をそうなるように連続して繰り出す事を指す。
相手の攻撃を受けた際に、先述の「硬直」が発生し、この硬直中(=ガードすら出来ない状態)に次の攻撃を受ける事で連続して攻撃が当たる、という仕組みになっている。
連続で攻撃が相手に当たる分、見た目にも派手で格闘ゲームの花形と言える。
中には操作の難易度が高いものもあり、そういった複雑なコンボをやり込む事にこそやりがいを感じる職人気質のプレイヤーも多い。

ある程度簡単なものであろうとも、複数回の攻撃が連続して当たる分、ただ一回攻撃で触るよりも遥かに大きなダメージが発生する為、その分相手に頑張って攻撃を当てなくてはならない回数が減る。
その為、格闘ゲームで勝利する為には最低限避けては通れない必須スキルだ。特にクラシックの人は、まずは最も簡単なものからでも少しづつ覚えていこう。
だが今作、ストリートファイター6においてはモダン入力時に自動でコンボを行ってくれる「アシストコンボ」機能が存在するので、最初からコンボ練習をせずとも最低限の対戦やワールドツアーなどのゲームプレイを楽しむ事ができる。
とはいえアシストコンボは必ずしもそれだけで最後まで勝ち進めるほど高性能なものではなく、またキャラ間の格差が率直に言って酷く激しいので(リュウや春麗は使う方が悪いレベルで弱い一方でエドなどはプロゲーマーでも実戦投入するレベルだ)、最終的には手動で様々なコンボを使いこなせるようになる事を目標としたい。初心者の方も、気長にゆったり自分のペースで、でも出来れば毎日頑張りましょう。

コンボルート

コンボの内容そのものの事。
例えば、リュウの多用するコンボのコンボルートは「しゃがみ中K→キャンセルドライブラッシュ→しゃがみ強P→強波掌撃→ドライブラッシュ→後ろ強K→中竜巻旋風脚」といった形で表現される。
このコンボルートを様々な中から適切に選ぶ事で、火力が高くなったり起き攻め状況が良くなったり相手を遠くまで運んだり、見た目が変になって相手をイラっとさせる事が出来たりと上手さを発揮することができる。

コンボパーツ

コンボを構成する要素の事。
基本的には、コンボを続ける上で便利になる2~3個の技の組み合わせの事を指す。
一見すると全てのコンボは1から10まで別々の要素を暗記しているように見えるが、実際には様々なコンボの中で「この技の次にこの技を出す、という動きは共通している」といった部分がある。
そういった部分を幾つか覚えておく事で、新しいコンボを考案するのも簡単になる上、覚えなくてはならない事も減り、更に実戦の中で咄嗟に考える事も整頓されて楽になる。
料理で例えるなら、「とりあえず和食の肉料理ならこの調味料を入れておけば間違いないよね」「酒のツマミを作るならとりあえず肉と塩と油と胡椒が入ってればいい感じだよね」みたいな話だ。

始動技

当てるとそこからコンボが可能な技の事。
物によって可能なコンボ内容はまちまちで、基本的に弱攻撃のような動作のコンパクトな技からはダメージの小さいコンボにしか出来ず、強攻撃のような動作の大きい技ほど大ダメージコンボが可能な傾向にある。
そのため、大きな隙を晒すという事はそれだけ強い始動技を、そして強いコンボを喰らってしまうという事になる。
何らかの技から始動したコンボのことは「〇〇始動コンボ」などと呼ぶ。例えば、しゃがみ弱Pから始動したコンボは「コパン始動コンボ」だ。

火力

相手にダメージを与える能力の事。
ダメージを与える何かしら、例えばコンボであったりその始動になる技や、或いはキャラクターそのものに対して使われる言葉。
高いダメージを叩き出すコンボは「高火力コンボ」、あまり高いダメージを出せないキャラクターは「低火力キャラ」などと称される。
キャラクターの強さを司る重要な要素の一つ。

ノーゲージ

ゲージ残量が無い事、またはゲージを消費しないこと。
ストリートファイター6においては主にSAゲージを消費しないコンボを指して「ノーゲージコンボ」などと呼ぶ使い方が一般的。
ドライブゲージの消費をノーゲージに含めるかはいまいち定まっていないので、「SAノーゲージ」や「Dドライブノーゲージ」などと使い分けるのが良いかもしれない。
どちらも使わない場合は「完全ノーゲージ」と言えば大体伝わる。

過去作品では基本的に行動用のゲージが分割されていないものが主であった為、単にノーゲージと言えば同じものを指してよく伝わる事が多かった。
ちょっとした時代の流れである。

最大コンボ

単に「最大」とも。
そのキャラクターが出せる最もダメージの高いコンボの事。
とはいえ実際には厳密に理論上最高ダメージのコンボのみに使われる言葉ではなく、「とにかくダメージを最優先したすごく強くて大ダメージが出るコンボ」の事を指す。
具体的には、上述の「始動技」の中でも、そのキャラクターが持つ最も高いダメージを期待できるものから始まるコンボの事をそう呼ぶ事が多い。

また一方で、特定の条件において最高ダメージのコンボという意味でも用いられる。
例えばしゃがみ弱Pから出せる最高ダメージのコンボであれば「しゃがみ弱P最大」、立ち強Kからゲージを一本も使わなずに出せる最高ダメージのコンボであれば「立ち強K始動ノーゲージ最大」など。

補正

攻撃が当たった際のダメージを上下に変動させる数値の事。理不尽な即死コンボなどを無くし、キャラクターの火力をおおよそゲームバランス的に制御可能な範疇に抑える為に用意されているシステム。
基本的には何%という形で、掛け算の形で計算される。
先述のカウンターヒットのような「良い当たり方」をした場合はダメージが増加し、主にコンボを伸ばしていくとダメージが徐々に減少する形で補正が加わる。
一部のコンボが伸びる技には個別に補正が設定されていたりもする。
また、ストリートファイター6においては他にもジャストパリィ成功時は最初からダメージが半分になったり、ドライブインパクトがパニッシュカウンターした際もダメージが10%減少したところからコンボ補正が始まったりと、様々な状況に応じて補正が設定されている。

コンボの中で相手に攻撃を多く当てれば当てるほど補正が大きくなり、段々と与えられるダメージの伸びが小さくなっていく為、可能な限り少ないヒット回数で高いダメージを与えられるコンボが効率的で望ましいとされる。
また、弱攻撃などの強度が低い攻撃を当てると、強攻撃などの強度が高い攻撃を当てた際に比べて大きな補正が乗ってしまう為、可能な限り強攻撃を多く当てられるコンボが強いとされる。
この強攻撃を多く当てる効率的なコンボの代表格がリュウ。強攻撃ボタンを順番に押してラッシュするだけの単調だが効率的なコンボが主力であり、これによってコンボは短く一つ一つの技のダメージもわりかし平凡であるにも関わらず高火力キャラクターとしての地位を得た。

有利フレーム/不利フレーム/硬直差

どちらか一方の、または両方のキャラクターが硬直した際に生じる、硬直時間の差。単に有利、不利という事もあるが、この場合キャラクター相性などと混同されやすい。文脈で使い分けよう。
自分の側が早く硬直が解けて先に動ける場合は有利、相手の方が早い場合は不利。有利フレームのことをプラスフレーム、不利の場合はマイナスフレームと言ったりもする。
この差が何フレーム開いているかを指して、「何F有利」或いは「+何F」といった様に表現する。また、この差そのものの事を「硬直差」と呼ぶ。
先に動ける分だけ良い駆け引きを仕掛けられて、試合全体を通して優勢に立てる為、有利フレームを多く取れるとそれだけ勝ちに繋がりやすい。

五分

お互いのキャラクターが硬直した後に、全く同じフレームにお互いの硬直が解けて動けるようになる事。
先述の有利フレーム、不利フレームが全く生じない為、どちら側が優勢とも言いづらい駆け引きになる。
±0Fなどとも。

崩し

ガードをしている相手に対して、そのガードを超えて攻撃を当てる事。
例えば、ガード状態の相手に対しては投げ攻撃が有効だったり、しゃがみガード状態の相手には後述の中段技が有効だったり。
常に防御には何らかの弱点となる要素があり、ガードしている側は常にそれをカバーするように、相手がどのように攻めてくるかを考えて防御をする。
その防御側の思考を揺さぶり、相手に防御を失敗させるのが目的だ。
相手の防御が失敗して攻撃が当たる事を「崩した」「崩れた」などと言う。

連係/連携

連続で技を繰り出す事。
一般的には、ガードされる事を前提としたものを指し、ヒットする事を前提としたものはコンボと呼んで使い分ける事が多い。
長時間相手にガードさせ続ける事を目的としたものであったり、中下段の二択を仕掛けるものであったり、投げと打撃の二択を仕掛けるものであったり。
当然ながら相手の連係をガードしている最中に下手な攻撃を出そうとすると、ガードが解けた瞬間に相手側の攻撃に巻き込まれてしまうので、連係をガードさせている間は自分の攻めている状況が続く事になる。
そうして連係で攻めを続けてどこかで崩しに移行する、というのが基本。

本来、「連携」というのは複数人で行う事を指すので、明確な誤用になる。正しくは「連係」。
ただ、「連携」と書いてある場合でも基本的に同じ事を意味するので(一部のチーム系格闘ゲームは除く)、まあなんとなくそういうことだなと覚えておこう。
要は、同じ読み方が出来て細かい意味も考えてなくてそんなに雰囲気が違わない漢字一つの違いなんて、世の中の人間の九割は気にしていないのだ。

固め

連係の一種。
相手にガードされる事を前提として、長時間相手にガードを強い続ける事を目的とした連係の事。
後述の「暴れ」や「割り込み」が非常に難しい為、相手としては長時間受け続ける事を強いられる。
この途中から崩しを狙ってもいいが、ドライブゲージが非常に重要なスト6においては、単にガードさせ続けるだけであってもドライブゲージを大きく削れるという効果が非常に大きい。

割り込み

相手の連係の途中に、文字通り割り込む形でこちらの攻撃を当てる事。
一見すると連係はずっと連続で攻撃が続いているので手も足も出ないように思えるが、物によっては技と技の間に意外と隙間が空いているものがある。
その隙間に弱攻撃などの発生の早い技を出す事で、相手の連係を途中で止めてこちらの攻撃を当てる事ができる。
また、後述する「無敵技」の中でも無敵判定が生じるタイミングが早いものであれば、本来隙のない連係であっても無敵になる事で相手の攻撃を躱し、割り込んで攻撃する事ができる。
非常に重要な防御テクニックの一つ。特にケンやジェイミー戦においては、これが出来ないと一生酷い目に遭い続ける。

起き攻め

ダウン状態の相手が起き上がるタイミングを狙った攻撃の事。
基本的にダウン状態の相手は動くことができないので、起き上がる瞬間はこちらの方が先に一回攻撃する事ができる。
この先手を利用して崩しになる技をかけたり、相手がガードしづらい崩し連係を仕掛けたりといった方法で攻める行為が起き攻め。
基本的に「勝ったら得で負けても何も起こらないジャンケン」を一回仕掛けられるようなものなので、よほどの事でも起こらない限りはやればやるだけお得。

セットプレイ

特定の動作によって決まったパターンの起き攻めを行う事。
何らかの技を当てた後に決まった動きを行う事で良い感じの位置で良い感じの硬直差になり、強力な起き攻めを展開できる……といった類のもの。
ものによっては非常に奇妙な動きを行う事もあり、そういった物は儀式と呼ばれる事もしばしば。

フレーム調整

動作をある一定フレーム遅れさせる必要がある場合において、目測や体感ではなく何らかの決まった動作を行う事によって適切に遅れさせる事。
上記のセットプレイはこのフレーム調整が行われるシーンの中でも最たるものだが、他にもコンボ中に技を少し遅らせる必要がある場合においても用いられる。

暴れ

相手に起き攻めされている時、また相手の連係をガードしている途中で、確実に割り込める状況ではないタイミングで攻撃して割り込む事。
失敗すれば普通に攻撃を受けてしまうので非常にリスキーだが、成功すれば試合はこちらのターンになる、非常に重要で難しい要素。

例えば、リュウの鳩尾砕き→中Pは本来通常技で割り込む事の出来ない連係だ。なので、基本的には多くのプレイヤーがここではガードし続ける事を選択する。
そうなると、リュウ側も「ここで相手が動いてこないって事は、本当は割り込める技を出しても相手は割り込まずにガードし続けるんじゃないか?」と考えて、本当は割り込めるがガードさせられたら嬉しい強Pなどを押すようになる。
当然ながら、これをガードさせられるのは中Pをガードさせられるよりも困る。割り込める技なのに割り込まないと、そのままずっと攻められ続けてしまうからだ。
なので、「もしリュウ側が中Pを押していたら攻撃を食らってしまうが、強Pを押していたらこちらの勝ちになる」という読み合いで、弱Pなどを押して「暴れる」のが大切になる。

重ね

起き攻めの一種。相手がダウンから起き上がった瞬間に攻撃を合わせる事。ダウン状態から復帰した、まだ動けない瞬間に攻撃が来るので、相手は一部の例外を除いてこの攻撃を避ける事ができない。
ほぼ確実にガードかヒットになる、非常に強力な起き攻めの一つ。
一説には「起き上がりに攻撃判定の持続フレームがピッタリ重なっている事を指す」という意見もあり、若干なんとも言えない感じになっているが、基本的には暴れられない起き攻めイコール重ねという認識が一般的。

また、「埋める」とも。こちらの方が、持続フレームがちょうど重なっていなくてはいけないと考える人が若干多い。

無敵技

技自体の効果として、先述の「無敵」状態が付与されている技のこと。
その大半は攻撃技で、相手の攻撃を無視しながら一方的にこちらの攻撃を当てる事ができる。
相手に攻められている時に追い払う守りの手段として非常に有効だが、殆どの場合は失敗すると非常に多大な隙を晒し、相手からすれば好きな始動技からの大ダメージコンボを入れ放題の状況となる。
ストリートファイター6においては多くの昇竜拳コマンドの技のOD版が無敵技になっている他、殆どのキャラクターのSAも無敵技となっている。
ディージェイやダルシムなどの一部キャラクターはSA1に無敵判定を付けない事で、他キャラクターよりも守りの手段が限定的になるという調整をされている。

ぶっぱ/パナし

ガードされると相手の反撃を受けてしまう技であったり、滅多な事が無ければ当たらない技であったり、適当な行動に負けてしまう可能性があったり、そういった非常にリスキーな技を当たるか外れるかもわからない状況で繰り出す事。
基本的にコンボで使う前提の技は当たらなかった場合に悲惨な結果を招く物が多く、特に上述の無敵技は外すと基本的に致命傷レベルのダメージを受けてしまう為、扱う上では非常に覚悟が必要。
一方で、基本的に真面目に戦っている時には相手がリスキーな技を出してくる可能性を思考から排除する為、上手く扱うと完全な意識外からの奇襲が可能。

また、そういった技の一部は「本来対応が難しい特定の行動」に対して打ち勝つ性質を持っている事がある。相手のそういった厄介な行動を先読みし、リスキーな技で打ち勝てると非常に格好良い。
誰かが言った言葉ではあるが、「当たれば読み、外せばぶっぱ」とは言い得て妙である。

お願い/お祈り

上述のぶっぱの一形態。
ぶっぱの中でも特に乱雑な、特に相手の行動を読んでいるでもないものを指す。要するに破れかぶれの暴走、或いは奇行である。
「なんか運良く色んな要素が噛み合って当たってくれ~!!!!」という、文字通りのお祈りで放たれる一撃。
常に真面目な戦い方を心がけていると思わぬ行動が意表をついて勝利を招く事もあるが、日常的にお祈り行動を繰り返すような三下は大抵悲惨な結果を招き、死ぬ。

考えてみてほしい。
ガリ勉くんが突如発狂して教室内に吠え声を響かせる事は誰にも予想が出来ないが、クラスの問題児が教室内で突如サカリ始める可能性は誰にだって想像が付くだろう。
突然の暴走で意表をついて勝ちたいのならば、尚更日頃の行いを丁寧に丁寧に積み重ねなければならないのだ。

上段/中段/下段

ほぼ全ての攻撃が持っている、ガード方法に対応した属性。
上段攻撃は立ち状態でもしゃがみ状態でもガードが可能な攻撃で、下段攻撃はしゃがみ状態でのみガードが可能な攻撃。
中段攻撃は立ち状態でのみガードが可能で、しゃがみガードは不可能。
殆どの立ち状態の技は上段技で、殆どのしゃがみ状態のキック技は下段技、ジャンプ攻撃と一部の特殊な技が中段技、というのがストリートファイターの基本。

地上戦ではしゃがみガードが基本の姿勢になるので、見てから切り替えなくては防げない中段技は咄嗟の防御が難しい。
一方で、後ろに歩いて距離を取ろうとしている状態では、下段技だけはガードする事が出来ない。その為、下段技は当たりやすいだけでなく、相手の歩きを抑制して間合い調節を自分有利に進める為の鍵でもある。
上段はそういった特性が何も無い代わりに、純粋な技としての性能は他より高い事が殆どだ。

何故上下どちらでも取れる技が「上段」で、上でしか取れない技が「中段」なのか。明らかに直感に反するネーミングではないか、と思うことだろう。
これは詳しい所については端折らせてもらうが、元々は3D格闘ゲームの雄「バーチャファイター」に由来する用語であり、これが格闘ゲーム業界全域に広まっていった結果らしい。

極めて重大な余談
Riot Gamesが現在開発中の格闘ゲーム、2XKOのプレイテストにおいてこの表記が変更されている事が確認できました。
2XKOにおいては中段と上段の意味が逆になり、しゃがみガード可能なものが中段、しゃがみガード不可能なものが上段となりました。
新規プレイヤーの直感においては理解しやすいかもしれませんが、格ゲー用語集という枠組みにおいては大打撃です。明日からは用語集を作る人間は皆このように面倒な追記をしなくてはなりません。
恐らく正式リリース時には(Riotの強引なゴリ押しによって)それなりのブームを引き起こすと思われる影響力の大きなタイトルなので、特記事項として載せておきます。

小足/中足/大足

それぞれ順にしゃがみ弱キック、しゃがみ中キック、しゃがみ強キックの事。
「足」は「足で蹴る」という意味ではなく、「足払い」という意味。その為、あくまでもしゃがみキック技だけがこう呼ばれる。
つまり時折見かける「立ち中足」のような表記は明確な誤用なので気をつけよう。
傾向として、小足は連打が効いて軽いコンボになる技が多く、中足はそこそこのリーチとそこそこのコンボが可能な技が多く、大足はリーチが長く相手をダウンさせる技が多い。
特にリュウやルークなどのキャンセル可能な中足は、今作において最も重要な攻め手の一つであり、その要素を持っているという事自体が強さの象徴のような節がある。

一部にはエドのように、キックボタンではなくパンチボタンで足元を払う技を繰り出すキャラクターも存在する。
そういったキャラクターの場合しゃがみパンチ技を足払いと呼んでも良いのか……これが論じられているところはあまり見たことがない。

コパン

コパ、小パン、小パとも。
微妙に定義の分かれる用語だが、しゃがみ弱パンチの事を指す場合が多い。
小足中足大足と並び、ボタン強度が弱中強ではなく小中大と呼ばれる事があった名残だが、この用語の何処にしゃがみの要素が含まれるのかは不明。
とはいえ単に弱パンチの事と解釈する人口があまりに多い為、もはやしゃがみ部分については半ば形骸化しつつある。

一説には「小足」の対として考案された事により同じようにしゃがみに限定した言葉になったとか、或いはそもそも立ち状態なら「弱P」で済むのに対してしゃがみ状態だと「しゃがみ弱P」と書く事になり長くて面倒なのでしゃがみ側にも短い言葉を割り当てようとした結果だとか。

コアコパ

しゃがみ弱K→しゃがみ弱P(小足→コパン)のコンボの事。キャンセルして昇龍拳などに繋ぐ。
起き攻めで最も多用されるコンボの一つ。

ガード不能

略して「ガー不」とも。
読んで字の如く、ガードで防ぐ事が不可能な攻撃の事。
ストリートファイター6には基本的に存在しないが、広義においては投げ技もガード不能攻撃の一種として区分される事もある。言われてみればガードの出来ない攻撃ではあるが……

めくり

相手の頭上を飛び越しながら攻撃を当てるなどにより、ガード方向が逆になる攻撃。英語ではcross-up。
通常、相手の攻撃をガードする為には、攻撃してきた相手がいる方向の反対側に入力をする必要がある。
しかし、相手の頭上を飛び越えた直後に攻撃が当たると、例えば「相手は左側から飛んできたのに、攻撃が当たった瞬間には右側にいた」というような事が起こる。
こうなると、ガード方向は攻撃が当たった瞬間の位置関係を参照して決定されるので、相手が飛んできた方向の側に入力をしないとガードが出来ないという訳だ。
その為、通常のジャンプ攻撃より少しガードが難しい技になっている。格闘ゲームの歴史においても古来より存在する、伝統的な崩し手段の一つだ。

語源はゲーメストにおいてこの動作が「背中の皮めくり」と称された事にあるらしい。
背中の皮を上から捲り取るような攻撃……そう考えると一気にグロテスクに思えてこないだろうか……

表裏

上述のめくり攻撃を絡めた崩しの一つ。
めくり攻撃か、めくりでないかが分かりにくい攻撃を仕掛けてガードを揺さぶる事。
厳密にはめくり攻撃に限らず、地上技でもなんでもとにかくガード方向が分かりにくい二択を仕掛ける事を指す。
物によっては凝視しても殆ど判別が不可能で、受ける側は半ばバクチで「表であってくれ!」「裏であってくれ!」と祈りながらガードを入力する事になる。
スト6においては非常に少ないが、過去作品特にスト4においては非常に猛威をふるった。

ハメ

対処困難な起き攻めや連係により、一方的に相手を封殺する行為。
非常に厳密なタイミングで良い感じのボタンを押さないと割り込む事ができず一生固められる、全く見えないn択に勝たないとガードが出来ない、などの非常に理不尽な行為を指す。
スト6のようなそういったレベルの理不尽な行為が殆ど存在しないゲームにおいては、単に強力な起き攻めがずっと続くような事を指して使われる場合も。
一方で、厳密なバランス調整の行われていなかったスト2のような昔の格闘ゲームでは、「正しく行えば理論上覆すことが不可能な連係」レベルでないとハメと呼ばれなかったりもする。
あまり厳密な定義のある言葉ではなく、「なんか抗えないまま一方的に死ぬんですけど」というような状態全般に使われがち。
まあ要は、脱出困難なパターン行動の中でも本当に難しい奴の事というイメージで、適当に。

打撃

相手の身体を殴って攻撃する、有り体に言ってしまえば普通の攻撃の事。
相手が範囲内に居れば当たり、ガードされれば防がれる。
ほぼ全ての技が該当する、ストリートファイターの駆け引きの基本中の基本。
殆どの技が該当するという事は当然殆どの場合最大ダメージを得られるのも打撃技である為、必然的に他の技は全て「良い打撃技を当てる為の布石」という事になる。

投げ

相手を掴んで投げるような攻撃の事。
一部の例外を除き硬直中の相手、空中の相手、バックステップ中の相手には当たらず、その代わりにガードが不可能な性質を持つ。
通常の投げ技はスト6においては弱P+弱K、モダン入力の場合は弱+中攻撃ボタンで発動する。
この全キャラクターが持つ共通コマンドの投げ技を「通常投げ」と呼ぶ。
通常投げ同士がかち合った場合、先に投げを入力した相手の手を後から入力した側が振り払うようなモーションが発生し、投げ自体が無効化される。これを投げ抜けと呼ぶ。

気付いた方もいるかもしれないが、この投げを躱す為の動作は全てガードと同時に行えないものになっている。
その為、この投げを警戒させた相手に打撃を上手く当てる事がこのゲームの極めて重要なテクニックの一つになっている。

また、投げと言っておきながら自分からしがみついて殴るだけの技も多い。
何が投げなのかよくわからないが、投げと言っているならとにかく投げなのだ。

飛び道具/弾

キャラクターから切り離されて画面上を飛んでいく、やられ判定を持たない攻撃。
代表的な技は波動拳やソニックブーム。
やられ判定を持たず遠くまで飛んでいく為、相手の打撃技に打ち勝ちやすい性質を持つ。その為、相手が明確に飛び道具に対する回答となる行動を取っていない限りは最もリスクの低い攻撃と言える。
一方で技自体の全体動作の硬直が長い為ジャンプ攻撃などを受けやすく、読まれた場合は逆に非常にリスキーであったり、ヒット時のダメージ自体が非常に低く何回当てても勝ちに繋がらないレベルであったりと欠点も多い。
その為、ただ飛び道具を撃つだけでなく「この飛び道具で相手に何をさせてどう勝つか」までを考えて戦わなければ勝ちは得られない。

ドライブゲージのシステムが非常に重要なスト6においては、飛び道具を相手にガードさせてドライブゲージを回復させつつ相手の回復を阻害する行為は非常に強力な行動。
飛び道具だけで勝とうとするとアイアン帯にも容易く負けるが、勝ちの布石として飛び道具を上手く扱えるプレイヤーは何よりも怖い。

なお、過去作品に登場した同名のキャラクターである「火引弾」とは特に関係ない。
一応、ダンも我道拳というたまを持つが、ルークの弱サンドブラストにすら劣る凄まじく短いリーチなどかなり癖が強く、弾の弾を他の弾と同様に扱う事はできない。

設置技

フィールド上に何らかの物を設置する技。大半の場合はそこから何らかの攻撃判定が発生する。
内部的には飛び道具の一種として扱われる事が大半。
現状のスト6においてはJPのヴィーハトとラヴーシュカ、ブランカのブランカちゃん人形、キンバリーの細工手裏剣、A.K.I.の紫泡泉、ラシードのイウサールが該当する。
ガイルのソニックブレイド、ベガのバックフィストコンボがヒットした際に発生するサイコマインが該当するかについてはかなり意見が分かれるところ。

プレイヤーと独立して攻撃判定が発生するので、プレイヤーが何か行動している時に勝手に相手を攻撃してくれる。
それによって複雑な連係を組む事ができる他、設置の攻撃を盾に無理やり近づいて強引に攻めるといった事も可能で、大抵の場合は持っているキャラクターの強さを支えている。

当身

相手の攻撃を受けた時にのみ、その攻撃を無効化しつつ反撃するような攻撃が発動する技の事。基本的には打撃技以外に対応できない事が多い。
スマブラにおける「カウンター技」と同じ概念。
スト6においては非常に少なく、「中くらいの高さのキックだけに対応する」という非常にニッチな仕様を持つザンギエフのツンドラストームや「反撃が直接は発動せず、代わりに強力な飛び道具が2つ発生する」という特殊な仕様を持つ代わりに成立時の自由度が高く、更にOD版は投げにまで対応するJPのアムネジアなどごく一部の技が該当する。

本来、当身とは柔道などの投げ主体の格闘技や古武道における打撃の事であり、この言葉は原義からすれば明確な誤用。
しかし餓狼伝説においてギース・ハワードが使用する「当て身投げ」が非常に印象に残った事により、格闘ゲーム界においては慣習的に「相手の技を取って反撃する事」を「当身」と称するようになった。
誤用に起因する俗語だが、今では公式側からもしばしば使われる語句。

コマンド投げ

必殺技として発動する投げ技の事。略して「コマ投げ」とも。
ザンギエフのスクリューパイルドライバーが代表的、かつ概念としてのルーツに位置する。
通常の投げ技と同様にガードが不可能で空中の相手には当たらないなどの属性を持つが、唯一の大きな差異として、通常の投げ技とは異なり投げ抜けが不可能となっている。
その為、間合い内に一度入ってしまえば飛ぶか食らうしかない、という強制力が特徴。この「投げキャラが近くに来た、飛ばなきゃ」という圧を盾にした図々しい立ち回りこそが投げキャラ(後述)の最大の強み(当社調べ)。

また、今作におけるコマンド投げは全体的な傾向として成立時のダメージが通常の投げよりも高く、空振り時の硬直が一秒以上と非常に大きく、ヒット後の起き攻め状況が殆どの場合はあまり良くないという特徴を持つ。
その為、通常の投げと違ってただ躱されるだけで致命傷を受ける非常にリスキーな技である一方で、相手の隙を見てねじ込む事ができれば逆転にも繋がる豪快な勝負手としての側面が強い。
そして豪快な勝負手がいつ飛んでくるかわからないという粘っこい恐怖こそは最大の布石へと転じる。

打撃投げ

打撃技でありながら、ヒット時に投げ技のような演出が入る技の事。
殆どの作品においては打撃技と区分する必要もいまいち無いようなものだが、場合によっては一部の防御システムを無効化するなどの長所を与えられていたりする場合もある。

実は元の定義とは異なっており、本来は間合い内の相手に対してはガード不能になり、打撃技っぽい演出が入る投げ技のようなものだった。
結局投げ技と区分する必要性があまり無いので、時代の流れとともに語られなくのもむべなるかな。

弾キャラ

優秀な飛び道具を持ち、その飛び道具を一つの軸としてキャラコンセプトが成立しているキャラクターの事。
スト6における代表格はリュウやガイル、JPやルークなど。
厳密な定義が無いので、飛び道具を持っていれば全てそう呼ばれる事もあれば、飛び道具があっても何らかの基準や気分によって分けられる事もある。A.K.I.は飛び道具を持っているがあまりそう呼ばれない事が多い。

飛び道具を前提とした駆け引きに強みを持つキャラクターがそう呼ばれる事が多い為、例えばリュウやガイルのように無敵対空技を絡めた「飛ばせて落とす」戦法により相手の行動を抑制できたり、或いはJPのように純粋に飛び道具の性能が異常な領域にまで達する高性能であったりといった要素を持つ。

投げキャラ

コマンド投げを持ち、それを主軸としたキャラコンセプトを持つキャラクターの事。
スト6においてはザンギエフとマノンがそう呼ばれ、次点でリリーも「一応投げキャラか」位の扱いを受ける。
あくまでもコマンド投げが無ければコンセプトが成立しないようなキャラクターに対して使われる語句であるため、JPやジェイミーやブランカがそう呼ばれる事は基本的に無い。
本田もコマンド投げ無しに成立しているのであまり投げキャラらしくないと思われるが、体格が投げキャラの典型に近いからか投げキャラと呼ばれる事が割とある。

コマンド投げを前提とした近距離戦の駆け引きが強力な分、移動や攻撃の動作が鈍重でその強い間合いまで入っていく事が難しかったり、身体が大きく相手の攻撃を躱して近づく事が難しかったりと、小回りの面に難を抱えている事が多い。
それらの特徴により、動きづらい序盤をじっくりと耐え忍びながら近づき、どこかで一発逆転の一手を狙うような緩急のついた派手な戦い方こそが投げキャラの特徴にして華とされる。
それらの特徴を象徴する、高身長で筋肉量が多いマッシブで巨大な体格を「投げキャラ体型」などと呼ぶことも。

コマンド投げという技種別自体の持つ凶悪な強制力とそれに起因する「近づいて賭けに勝ったら逆転勝利」のような性質から、いやに他のキャラクターと比べ好き嫌いが激しく分かれやすい。
博打と逆転勝利の中毒性やザンギエフなどのマッチョ達の格好良さからか使い手の中には熱狂的なファンが非常に多く、もはや使い手は全員がキャラ愛勢なのかと錯覚する程に独特の人気を持つが、その一方で堅実に積み上げてきた物を博打で壊される事を嫌うプレイヤーもまた非常に多い。
特にザンギエフがかなり流行したストリートファイター4で凶悪な性能を誇っていた事やそれ以降の投げキャラの多くが弱キャラに調整されてきた歴史があり、今でも「好きに叩いて貶して罵って良いし常に最弱であるべき存在」と考えているプレイヤーが一定数存在する。
勿論、投げキャラに限らず全てのキャラクターにはそれを愛する人と毎日頑張って使い込む人が居る。彼ら彼女らを好き勝手に悲しませてもよい、なんて馬鹿げた話がある筈もない。
そのキャラクターが好きな人でも思わず笑ってしまうようなユーモアを展開できる訳でも無い限り、根本的に控えるべき言動である事は間違いないだろう。

打撃キャラ

コマンド投げや飛び道具に依存せず、あくまで己の身一つで闘うキャラクター。
あくまで依存しないというだけで、一応はコマンド投げを持っているが弱い、といった事が多い。
スト6においてはジェイミーやキャミィが代表的なところだろうか。
それらの戦略の軸になる強力な要素を持たない分、代わりに通常技の性能が高かったり、機動力を重んじていたり、或いは理不尽な接近手段を持っていたりと強力な攻め手段を持っている事が多い。
というより、そういった理不尽なものが無いと、本当に酷く弱くなってしまうのが現実とも言える。飛び道具やコマンド投げで戦えないと、それだけで最低限の保証を失ってしまうのだ。

荒らす

セオリー通りの行動や丁寧な行動ではなく、時にリスキーであったり意表をついたりといったピーキーで正攻法を外れたプレイスタイルの事。
順当に「お互いがロジカルに動いている前提の元に強いとされるプレイ」を選択している最中にロジカルでない攻撃をされると、想定外のカオスに動揺して適切に対応できない事が多い。
そういった相手の動揺や予想外を利用する事で、単純な実力差をも覆しうる、先の全く読めない試合展開を作り出す事ができる。

反面、「セオリーではない」という事は「明確に何か劣っていたり欠けている点がある」という事。
それに相手が対応してくる可能性を意識して戦えるのであればその荒らしプレイは極めて強力無比なものとなる反面、その弱点をカバーする算段も無いまま適当に荒らし回るようなプレイは、ただ対応する腕を持たない格下だけを狩る無様な行為と何ら変わりない。
相手の「まさかそんな非効率的でバカな事なんてする筈ない、だからこの行動は警戒しなくてもいいんだ」という考えの裏を、こちらもそれを踏まえた考えを持って狙っていけるからこそ、強い荒らしプレイとして成立する。
「型破り」とは、まず破る為の「型」を理解していてこそ初めて為せるのだ。それが無いまま何をした所で、それはただの「型無し」にしかならない。

処理

相手の行動に一方的に対応して受け流し、さながら事務的に一つ一つ処理するように戦う事。
攻めてきたら止める。飛んできたら落とす。飛び道具を撃ってきたら受け流す。
こちらから攻めてハメるのではなく、相手の行動を全て一つ一つ否定する形で完全封殺する戦い方だ。
上手いプレイヤーの象徴ではあるが、シリーズ作の中ではかなり攻めがインフレ気味の今作においてはかなり難しい戦い方になっている。
やられるとムカつく。

キャラ対

キャラ対策の略。特定のキャラクターの長所や短所、狙い目になる弱点やそのキャラ相手にやってはいけない行動を理解する事で、そのキャラクターに対して楽に勝ちやすくなる。
上級者同士の対戦になると、「相手のこのキャラクターは私のキャラクターに対してこのような対策を取ってくるから、その対策の対策をしよう」といったように何周も駆け引きが回る事も。

人対

人対策の略。特定のプレイヤーの特徴を分析する事で、そのプレイヤーとの対戦において優位に立つ事ができる。
「対空が下手だから安易に飛んで良いな」「差し返しが得意だから弾多めにした方が良いな」といった得意不得意の分析から、「鳩尾砕きをガードした後に後ろに下がる事が多いからガードさせて中足を押そう」といった手癖の分析まで、その内容は多岐に渡る。

確定反撃/反撃確定

相手が硬直しており、こちらが確実に攻撃を入れられる状態において、その確実に当たる攻撃の事。
例えば相手が昇龍拳を空振りして飛んでいった後は、着地してから硬直が解けて動けるようになるまでの間にこちらが様々な技を当てる事ができる。
近距離で技をガードされて不利フレームが生じた時などに確定反撃となる事が多い。
これをしっかりと取っていけるかどうかでダメージの効率も、相手の動きづらさも大きく変わる。非常に大切な、慣れてくると「出来ていて当然」になる技能の一つ。

あまり厳密な使い分けではないが、確実に当たる技の事を「確定反撃」、それが存在する状況の事を「反撃確定」と言う事が多い。
それぞれ略して確反、反確とも。

相殺

お互いの攻撃が打ち消しあう事。
スマブラなどのゲームにおいては通常の打撃でも発生するが、格闘ゲームにおいては殆どの場合、飛び道具でのみ発生する。
互いの飛び道具が接触した場合、双方の飛び道具のヒット数が同じであればお互いの飛び道具が打ち消しあって消滅し、ヒット数に差があれば少ない方は掻き消され多い方はその差の分だけのヒット数が残った状態で貫通して飛んでいく。
また、「弾強度が強い」と言われる特性を持つ飛び道具もあり、その場合はこういったシステムを無視して相手の飛び道具を掻き消して飛んでいく。
スト6の場合、通常の飛び道具<OD飛び道具<SA飛び道具の順で弾強度が高くなる。
それとは別に例外的に飛び道具を消せる技も存在するが、基本的には極僅かな例外だ。

若干理解しづらいと思うので例を挙げる。
波動拳(1hit)とソニックブーム(1hit)は互いに打ち消しあう。
波動拳(1hit)とクロスソニック(2hit)が相殺すると波動拳は消され、ヒット数が1hitになったクロスソニックの残り滓が飛んでいく。
OD波動拳(2hit、弾強度OD)とクロスソニック(2hit)が相殺するとクロスソニックは消され、OD波動拳は2hitのまま飛んでいく。
OD波動拳(2hit、弾強度OD)とODソニックブーム(2hit、弾強度OD)が相殺すると互いに打ち消しあう。

画面端

画面の端、またはステージの端の事。
この2つのどちらの意味であるかについては、基本的に文脈で使い分ける事が多い。
「互いに画面端」などと言えば前者の意味で画面上で最も離れられる距離までお互いに離れている事を指し、「画面端まで運ぶ」と言えば後者の意味でステージの端まで相手を運ぶ事を指す。

後者の意味の画面端は、これ以上後ろに下がる事ができないので距離調整が全くできない、リスクの低いバックジャンプができない、画面端限定の大ダメージコンボを受ける、殆どの技から起き攻めが継続するなど非常に危険な状況。
更にスト6にはドライブインパクトが存在する為、他の格闘ゲームと比べても更に画面端は厳しい。

端々

お互いのプレイヤーが画面端に居る、最も離れている状態の事。
日本語として自然な読みは「はしばし」だが、格闘ゲームにおいては「はしはし」と読む方が一般的。
イントネーションも尻上がりで、「コンビニ」と同じ。
ジェイミーやリリーのような自己強化キャラにとっては大チャンスであり、ザンギエフのような鈍重なキャラクターにとっては凄まじく億劫な時間だ。

安い

ダメージが低い事。
ゲージなどのリソースを消費するコンボで、ダメージ量がその消費量の割に合わない時や、確定反撃からのコンボダメージが小さかった時などに使われる。
要するに「取れた筈のダメージを何らかの選択ミスで取りそこねた」という意味が大きい。

ぼっしゃが

ずっと動かずしゃがみ続けている事。待ち主体の溜めキャラなどにしばしば見られる行動。
初代スト2から伝統的に見られる、ただしゃがみ続ける待ちガイルなどはその代名詞的存在。
同じように、ずっと棒立ちで止まっている事を「ぼっ立ち」などと言うが、こちらはそもそもそういったシーン自体が殆ど無い。

バッタ

頻繁にジャンプを多用する戦い方の事。
まあなんというか、見た目通りである。ビターンはしないしケンチャンとも関係ない。
ずっとジャンプしているので割と簡単に対策されてしまいどうにもならない事が多い。

ガン〇〇

徹底して何かを行う事。
相手を徹底して待ち続ければ「ガン待ち」、徹底した攻めの姿勢は「ガン攻め」、徹底した処理は「ガン処理」。

通常技

立ち状態、またはしゃがみ状態で特殊な入力無く攻撃ボタンを押した際に出る攻撃の事。
要するに、普通の攻撃である。
一部の格闘ゲームにおいてはその限りでもないが、殆どの場合は全て打撃技に区分される。
また、そのおよそ半数ほどは以下の必殺技にキャンセル(後述)してコンボを伸ばす事が可能。

単に普通と侮るなかれ、小回りが効きバリエーションも多い通常技はこのゲームの戦いの殆どを占める重要なファクターだ。
超初心者プレイヤーなどだと「出せるなら常に必殺技を出した方が良い」などとアクロバティックな勘違いをする事もあるが、通常技の振り方がこのゲームの基礎を占める事は絶対に理解しておこう。

特殊技

何らかの方向に入力しながら攻撃する、順番に攻撃ボタンを押す、などの単純で特殊な入力によって発動する攻撃の事。
基本的に通常技とあまり変わりはなく、ともすれば区分する必要性があるのかも若干怪しいが、一応言われてみれば少し特殊な性質を持っている事が多いな、というぐらいのもの。
下方向に入力しながら出す技ではあるが、しゃがみ攻撃は特殊技ではなく通常技に区分される。しかし下斜め前などの方向に入力すると特殊技扱い……ややこしいがまあ、慣れよう。
また、モダン入力の場合、特殊技の入力でクラシックにおける通常技が出たりもする。いよいよもって訳が分からない。

まあ、性質としてあまり通常技と変わらないにも関わらずこの区分が現存している意味をメタ的に考察すると、だ。
方向を前に入れてボタンを押した時に通常技が出るボタンと特殊技が出るボタンがキャラによって違い、そして特殊技はコマンドリストに全て載せたい。
しかし通常技まで書く枠はない以上、コマンドリストには「特殊技用のカテゴリ」が今でも必要とされている、という事なのだろう。

以前は「レバー入れ技」などとも呼ばれていたが、ターゲットコンボ(後述)の発展などによりその様に呼ばれる事はめっきりなくなった。

必殺技

コマンドを入力する事で発動する攻撃の事。
波動拳にスピニングバードキックにスクリューパイルドライバーにスパイラルDDT(今作未登場)、格好良くて印象的な技はだいたいがこれか次の超必殺技だ。
基本的には通常技からキャンセルして発動する事でコンボにできるものが多く、また全体的な動作は殆どの場合通常技より長く、ダメージも大きい場合が多い。
スト6の場合、バーンアウト中の相手にガードさせると削りダメージが発生する。
かつては通常技よりも上位に位置する攻撃という区分だったが、実態としてはどちらも立ち回りの一つのパーツであり、組み合わさって初めて機能するものといった具合だ。

これは余談だが、このゲームの特殊技と必殺技の境はたまに怪しいことがある。
ザンギエフの22中Kというコマンドで発動するストンピングは特殊技扱いである一方、同じくザンギエフの22強Kで発動するツンドラストームやリュウの22Pで発動する電刃錬気は必殺技扱いであるなど、22コマンドに限り同じ入力でも扱いが違う事があるのだ。
ストンピングは必殺技にキャンセル可能な性質を持つので、これを実現する為に特殊技に区分する事になったのだろうか……?

超必殺技/スーパーコンボ/SA

必殺技よりも更に長いコマンドを入力してゲージを消費する事で発動できる攻撃の事。
真空波動拳、メテオリティス、ボリショイストームバスター、ハイパーボム(今作未登場)……演出が長くて派手な技はだいたいここに分類される。
発動時には画面が暗転したりカットインが入るような演出が発生し、その後の攻撃は非常に高い攻撃力や無敵判定などの何らかの優れた性質を持つ。
その反面、外してしまうと消費したゲージは無駄になった上で非常に膨大な隙を晒す事になるので、着実に確実に当てに行く事を心がけて堅実に使いたい。

キャンセル

何らかの硬直中に別の行動をする事。
相手の攻撃をガードして硬直している状態をキャンセルして反撃する、通常技を当てた後の硬直をキャンセルして攻撃する、など様々な物が存在する。
基本的には、ゲームシステム的にごく一部の行動に対してのみ明示的に可能になるというものが多い。
種類が多く、またどれも性質が異なる為、以下に項目を分割する。

必殺技キャンセル

何らかの硬直を必殺技でキャンセルする事。
基本的には通常技か特殊技をキャンセルする、ストリートファイターにおいては最も一般的なキャンセルの一つ。
通常技を振る→相手に当たる→ヒット/ガード後の硬直中に次の必殺技が出る。
多くの通常技から必殺技をコンボにする上で必須の要素。

SAキャンセル/スパキャン

何らかの硬直をSA、スーパーコンボ、CAなどの超必殺技でキャンセルする事。
主に必殺技や一部のターゲットコンボなど、必殺技キャンセルが不可能な硬直をキャンセルするものの事を指す事が多い。

ガードキャンセル

ガード硬直をキャンセルして行動する事。
多くの格闘ゲームにおいて、全キャラクターの共通システムとして実装されている要素。
殆どの場合、ガードキャンセル専用の技でのみキャンセルが可能。
スト6であれば、ドライブリバーサルがそれに該当する。

連打キャンセル

多くの弱攻撃を連打する事で可能な、弱攻撃の戻りをキャンセルして次の弱攻撃を出す事で高速で弱攻撃を連打するシステムの事。
スト6であれば、殆どのキャラクターがしゃがみ弱Pで可能。
意外にも他の格ゲーではあまり見られない、ストリートファイターシリーズの特色の一つと言っても良いシステム。

からキャン

空振った技をキャンセルする事。主に技動作の出始め、出がかりの部分を必殺技でキャンセルする事が多い。空振りキャンセルの略。
空振った技もモーションの最初の部分は出るので、その動作の恩恵を利用する事が多い。
ストリートファイター3 3rd strikeやストリートファイター4においては、少し前進する技の出始めを投げで空キャンする事によって前進しながら投げる「移動投げ」というテクニックが猛威を振るった。
スト6では殆ど存在しないシステムだが、一部例外としてエドモンド本田の力足(通称:四股)は必殺技かSAによる空振りキャンセルが可能であり、これの動作の最初をキャンセルしてコマンド投げを出すなど独特な動きが可能になっている。

実は英語でもkaraと呼ばれる。

キャンセル猶予

多くのキャンセル可能な行動に設定されている、実際にキャンセル可能な時間の範囲の事。
キャンセルに対応した技でも、その動作中の全ての時間がキャンセル可能という訳ではなく、その動作前半の何フレームか分の時間だけがキャンセル可能という性能になっている。
その時間の事を指してキャンセル猶予と呼ぶ。
このキャンセル猶予の長さは技の強さや扱いやすさを決める重要な要素の一つ。

目押し

キャンセルを行わず、手動で適切なタイミングで技を出して繋げていくコンボの事。
ストリートファイター4時代の通常技同士の目押しコンボは非常に入力がシビアだった為、当時のプレイヤーは非常によく使う用語だが、5や6から始めたプレイヤーであれば入力の猶予が4と比べても遥かに長いので特筆するまでの事に感じられず、こういった言葉を使わない事が多い。

仕込み

技を出した段階で次の技を入力しておき、ヒットやガードした場合にのみ次の技が出る様にした状態の技を振る事。「入れ込み」とも。
主に、必殺技キャンセルが可能な技を出した直後に必殺技コマンドを入力しておく事で、相手にヒットかガードさせた場合にのみ入力した必殺技までが発動する、というような使い方が多い。
またスト6の場合、攻撃直後にドライブパリィを入力し、ヒットかガードした場合はキャンセルドライブラッシュが発動する、といったような使い方も多い。
格闘ゲームの立ち回りを支える基礎的なテクニックの一つ。

ミリ残り

体力の残りが非常に少なくなり、体力ゲージ上に表示される残り体力のバーが数ミリ程度しか残っていない状態の事。
グラフィックの解像度が低く基本的に格闘ゲームがドット絵だった時代は、体力ゲージの残りがちょうど1ドットしか表示されていない状態という意味で「ドット」や「ドット残り」といった言い方もされていた。

アーケードコントローラーの事。
現代的なコントローラーでは見られない極端に無骨かつ巨大で人間工学に背いたような箱になにやら無闇に大きなレバーが生えている、という独特のデザインが現代的なゲーマーの目には滑稽に映る事を自虐したような用語。
他にも「謎の箱」など、アーケードコントローラー勢は妙に自分達が滑稽な時代遅れの存在であると自嘲したがる節がある。

だがこの棒をガッチャガッチャと物々しい音を立てながらこねくり回すのが楽しいのだ……ロジックでは計れない喜びが、アーケードコントローラーというデバイスには存在する。

レバーレス

アーケードコントローラーの左側、レバー部分を代わりにボタンに置き換えたタイプの事。
レバーが付いていないのでレバーレス。草分け的存在の商品名から「Hitbox」と呼ばれる事もあるが、これは普通に商品名なので製品ジャンル全体の呼称としてはふさわしくない。
アーケードコントローラーのレバーは内部的には4方向の入力を認識するだけの極めて単純かつデジタル的な設計なので、そのまま4つのボタンに置き換えても同じように扱う事ができる。
レバーを右から左に倒し切るまでの時間よりもボタン入力を切り替える時間の方が早い為、レバーレスは理論上最も素早い操作が可能なデバイスとして上位プレイヤーを中心に人気を集めている。
一方で、上下左右の方向を手の形に沿って並んだボタンに置き換えるという操作方法があまり直感的でない事や旧来の慣れ親しんだ操作形態から離れづらいなどの理由から、忌避するプレイヤーもまた比較的多い。
また、非常に大きなパーツであるレバーを搭載していない点やボタンはキーボード用のキースイッチでも良い点などから、レバー付きのアーケードコントローラーよりも非常に小型に収まった製品が多いのも特徴の一つか。

対空

ジャンプ攻撃で飛びかかってきた相手を迎撃する事。
上から飛んできた相手に対してこちらも攻撃を当てなくてはならないので、上方向に攻撃が長く出るような技を使って対空する事になる。
対空する事を「落とす」などとも。
リュウやジェイミーのような「相手の空中攻撃に対して無敵」の性質を持つ技を使えるキャラクターはコマンドさえ入力してしまえば簡単に対空できるが、そういった要素を持たないキャラクターは通常技のタイミングを合わせて落とさなければならないので、コマンドに慣れてからはむしろ通常技対空の方が難しいとされる。
また、空中の相手をこちらもジャンプしてジャンプ攻撃で打ち落とす事を「空対空」と呼ぶ。空中対空の略だろうか?

偉い

読んで字の如く、「勝つためにはしっかりやっておくべき事」や「上達する為に真剣に向き合うべき事」を着実にサボらずこなす事。
間に合わなさそうでも昇龍拳対空を入力していたり、相手にコンボをされている時に相手が失敗する可能性に備えて反撃を入力していたり、確定反撃をしっかりと逃さず甘えず全てしっかり取っていったり。
とにかく、偉いというのは偉いという事だ。

オート◯◯

もはや意識を割かずとも、無意識的に相手の行動に反応して対応できる事。
相手のジャンプに大して無意識に対空攻撃が出ればオート対空、相手のドライブラッシュを無意識に攻撃で止めればオートラッシュ止め。
この領域に至ったプレイヤーは他の部分に安心して意識を割けて戦いやすくなる反面、「ギリギリ対空が届きそうで届かないジャンプ」などにうっかり反応してしまい多大な隙を晒す事があるなど、時には相手の攻略の糸口として利用されてしまう事も。
とはいえ、基本的には非常に強力なプレイヤーの特技になる。ぜひ習得したいが、まあ道は遠い。

グラップ

投げ抜けの事を指す俗称。
相手の投げ攻撃を受けているタイミングにこちらも投げを入力する事で、相手の投げを解除できるシステム。
ストリートファイター3 2nd impact giant attackで実装された同システムが「グラップディフェンス」という名前だった事に由来してこう呼ばれている。
なお、グラップとは「掴む」などの意である。相手に掴まれないように拒絶する事を「掴み」と呼んでいる、と考えると中々珍妙な用語だ。

ディレイグラップ/遅らせグラ

相手の攻撃をガードした直後に少し遅らせて投げ抜けを入力する事で、相手の打撃技はガードしつつ投げは抜ける、という防御テクニックの一つ。
打撃をガードした際のガード硬直のタイミングに合わせてに投げを入力するので、相手が攻撃を出していればガード硬直によって投げは出ず、相手が投げを出していれば入力した投げ抜けが発動する。
打撃技と投げ技の両方を拒否する事ができる為、一見すると最強の防御手段に見えるが、実際のところ「相手が攻撃してくる筈のタイミングに合わせて先に投げ抜けを入力しておく」という操作になるので、相手が何もしていなくても投げの動作が出てしまうという弱点がある。
人間の反応速度には限界がある為、どうしても「ここで押してくるだろう」という読みで投げ抜けを押す事になってしまう、という点がこのテクニックの価値でもあり弱点でもあるのだ。
一見すると低リスクな中間択に見えるが、相手に読まれて失敗すると非常に大きなダメージを受けてしまう選択肢でもあり、実際には明確な意図を持って「使う時だけ使う」事が求められる難しい選択肢。

シミー/グラップ狩り/投げシケ狩り

起き攻めや有利フレームの攻めなどで一度投げ間合いに入って相手のディレイグラップを誘い、その後下がって投げ間合いを出る事で相手の投げ抜けを空振りさせ、その硬直を攻撃するテクニック。
投げ抜けを空振りした硬直中は当然ながらガードができない為、ダメージの高いコンボ始動技を入れる事ができ手痛いダメージになる。
その上、スト6であればパニッシュカウンターが成立し最大コンボの始動ができる為、他タイトルと比べてもシミーのリターンは圧倒的に高い。
また、後ろに下がってガード姿勢になる為、相手が無敵技を出していた場合はそれをガードして手痛い反撃を狙えるというのも強み。
一方で、本来有利な起き攻めのシーンで敢えて一度手を止める為、成功しなかった場合は攻めが終わってしまう他、敢えて後ろに下がるという動作を取る以上、相手が起き上がりに下段技を押していると被弾してしまう弱点も存在する。
成功すれば非常に大きなリターンを得られる為、相手がどういった状況で投げ抜けを使うかの手癖を読み切る事ができれば、多少の火力負けもシミー1回でひっくり返ってしまう恐るべき選択肢だ。

〇〇捨て

防御のシーンにおいて、何らかの攻撃を食らってしまう事は受け入れて他の攻撃の防御に専念する事。
スト6においては、シミーのダメージが非常に高いゲーム性である点や、投げのダメージが打撃からのコンボに比べて格段に低く、画面端以外では投げられた時点で相手の攻めが終了する為、「投げられてもいいから打撃だけは絶対に喰らわないようにしよう」という判断が防御のセオリーになっている。
この場合は「投げ捨て」と呼ばれる。決してゴミやなんやをポイっと放り捨てている訳ではない。

そして、投げからのダメージが打撃と同様に高いザンギエフなどを相手にしてこの判断をする事は難しい、という点がザンギエフのような投げキャラの強さを支えていたりもする。

リーサル

相手を倒しきれる場面の事。単に「倒しきり」とも。
今の自分の状況で出せる1コンボのダメージ量が相手の残り体力を上回っていれば、次にあと1回相手に攻撃を当てるだけで倒し切る事ができる為、そういった状況で使われる言葉。
例えば、こちらはゲージ状況的に相手になにか当てれば体力を半分奪うコンボが可能で、相手の体力が半分を切っている場合などが挙げられる。
また、相手に攻撃が当たった際に「あ、このコンボでもう相手倒れます」という意味で「これでリーサルです」のような言い方をしたりもする。

当然ながら当てた技によって可能なコンボのダメージ量は変わる為、リーサルだと思っていても当てられたのは弱Pだけだったので倒しきりにならない、というような事も起きる。
それを踏まえて「この技が当たれば倒せるな」というシーンの事を、例えばしゃがみ中Kを当てれば倒しきれる場合は「中足リーサルの場面」などといった言い方をする。

ヒット確認

通常技を振り、相手にヒットしたかどうかを確認して次の行動を選択する事。
例としては、しゃがみ弱K→しゃがみ弱P→しゃがみ弱Pと攻撃し、この3発の間に相手にヒットしていた時だけ必殺技でキャンセルする、といった動き。
相手にガードされると反撃を受けてしまうような必殺技を実戦の中で活用する上では非常に重要になるテクニック。
中でも、単発で技を振ってその技のキャンセル猶予時間の間に確認して技を出すか決めるものは「単発確認」と呼ばれ、安定するとメリットが大きいがプロでも失敗が珍しくないほど難しいテクニック。

状況確認

ヒットしたかどうかそれそのものを見るのではなく、相手の状況を見てヒット確認をする事。
例えば、下段技は「立ちガードが出来ない」という性質上、相手が立っていれば技自体は見なくとも当たっただろうと判断できる。
こういった部分を見てヒット確認を行う事。

また、ヒット後に相手が立っているかしゃがんでいるかといった状況や相手との間合いを見る事も状況確認と呼ぶ場合がある。
これも状況によってはコンボルートに大きく影響する重要な要素。

ヒット確信

技を振った後に、絶対に当たっていると信じて次の技を出す事。
状況確認とは違い、「こいつは避けづらいぜ!つまり当たってるに決まってる!」というような半ば無根拠なお祈りに近い。
シンプルに、愚行。

上りジャンプ攻撃

ジャンプの上昇中にジャンプ攻撃を繰り出す事。
基本的には地上の相手に当たらないので滅多にすべきではない行動だが、一部のキャラクターの一部の技は地上の相手に当たって独特な駆け引きを可能としたり、また他にも空対空を行う際に用いるなど、ピンポイントな場面では必要になってくるテクニック。

ロケッティア

前ジャンプ中の上りジャンプ攻撃の事。基本的には空対空に用いられる。
名称はスト2アーケード版稼働当時に流行していた映画タイトルに由来する。
スト6ベガのように空対空のリターンが高いキャラクターや、無印スト2時代のザンギエフのように地上対空技が弱すぎるキャラクターなど、空対空を選択するメリットが高い場合に重要になるテクニック。

逃げっティア

バックジャンプ中に繰り出す上りジャンプ攻撃のこと。上述のロケッティアの派生。
地上技では対応できない近い間合いでの相手のめくりジャンプ攻撃を落とす際の対空などに用いられる。
また、ロケッティアとは違い当たらなくても相手から離れていく為、ジャンプ攻撃を無闇に乱用する相手に対する逃げの選択肢としても使われる。

リバーサル

起き上がりやガード後などといった、硬直後の動けるようになった瞬間と同時に最速で行動する事。
略してリバサとも。
基本的には、自分の攻撃動作の硬直などではなく、相手の攻撃によってこちらが硬直した場合にのみ用いられる。
基本的には相手が攻め続ける為に攻撃してくるタイミングなので下手に動くと危ないが、読み合いの末に敢えて動く事で得られるものも多い。

えい

理論上終わりがない、永久に続くコンボや割り込めない連係の事。
永久パターンの略。
基本的にスト6においては存在せず、アバターバトルの極端なビルドでのみ可能になる要素。
しかし、相手の長い連係に中々上手く割り込めずに困っている時の負け惜しみなどで「永パじゃねぇか!」などと吠えるシーンは散見される。

補正切り

コンボの途中で敢えてコンボを止め、「コンボにはならないがガードが困難な攻撃」を出して再びコンボを開始する事。
本来、コンボを続けるとダメージ補正が蓄積し、どんどんコンボ後半の技のダメージが低くなっていってしまう。
これを避ける為に敢えて一度コンボを止め、ガードが困難な攻撃を使って新しくコンボをもう一度始める事によって、蓄積した補正が無くなって1から新しいコンボを始める事ができ、成功すれば通常のコンボよりも高いダメージを出す事ができる。
ただしコンボ自体は終わってしまっている上、あくまでも「ガードが困難」であって「ガードが出来ない」といったものではない為、失敗してただコンボダメージが小さくなっただけで終わってしまう事も少なくない。

ワンパ

同じような行動ばかりを繰り返す戦い方の事。
ワンパターンの略。
強い行動を「この行動は強いから」と長々と繰り返すばかりで戦略に幅がないプレイヤーなどがそう言われる。
行動のパターンと弱点がバレれば最後、基本的にはもはや死ぬしかない。なにせ、対応できるようなプレイの幅があればワンパターンになんてなっていないのだから。

しかし、相手が読んでくる事を前提にして、敢えてワンパの振りをして相手の読みを誘導する高度な心理戦も存在する。
個人的な印象ではあるが、リュウのような攻め能力に乏しい弾キャラの使い手はそういったプレイが上手い事が多いように思える。

暗転

超必殺技を発動した際の演出の事。
一瞬ゲーム内の時間が止まり、画面が暗くなったりカットインが入る様から。

暗転返し/後光り

相手が超必殺技を発動した時に、こちらもそれを見てから超必殺技を発動して切り返す事。
大抵の超必殺技には無敵判定が存在する為、大抵の場合は後から繰り出した超必殺技の方が勝つ。
しかし、切り返す側が最速で出してしまうと逆に無敵時間の差などで潰されてしまう事もある為、可能であればほんの少し遅らせる事ができると良い。もっとも、本当に本当に難しいが……

余談だが、そんな無敵時間の差によって、サウジアラビアで開催されたesports world cupにおいては中々の珍事が発生した。
相手のドライブラッシュに対してSA3を発動したものの暗転返しされてしまった事で「暗転返しされた、攻撃が当たって演出に入った、負けたんだ」と思い込んだプロゲーマー立川選手が席を立ったところ、相手側の無敵時間より自分側の無敵時間の方が長かった為、暗転返しされたにも関わらず自分の方が勝っており、それに後から気がついて急いで席に戻り試合を続行。
しかしあまりにも急いでいた為にヘッドホンを外してしまっており、時間が無くヘッドホンをつけ直さないまま戦うハメになり、そしてそのまま何故か勝ててしまった。
これにより付いたあだ名は席立ち川。勝ったからいいものの、負けていればこの先10年は弄られ続けただろう。
この大会は他にも立川関連で珍事が多く、さながら主人公のような目立ち方をしていた。

先行入力

硬直が解けるほんの少し前にボタンを入力する事で、硬直が解けた瞬間に最速で行動できる仕様の事。
過去の作品においては、動けるようになった全く同じ瞬間にピッタリ最高のタイミングでボタンを押さないと最速で行動する事ができなかった。
この無意味な入力難度を解消する為に、動けるようになるほんの少し前に入力をしておけば、動けるようになった瞬間に即時に動いてくれる、というシステムが導入された。

ターゲットコンボ

決まった攻撃ボタンを順番に押す事で発動する、連続攻撃を行う特殊技の事。
略してタゲコンとも。
スト6においては、ルークのトリプルインパクト(弱P→中P→強P)やディージェイの3ビートコンボ(弱P→中K→中K)などが有名。
傾向として、多くの場合は連続で出すだけでコンボになり、最後まで出し切るとハイリスクだが初段でヒット確認して止める事ができれば安全な物が多い。
また、一部は最終段を必殺技でキャンセルできる場合もあり、そういったものはターゲットコンボでヒット確認をして最後に出す必殺技を選べる点が便利。
スト5までは持っていないキャラクターも多かったが、6では現状全キャラクターに与えられている。

チェーンコンボ

強度順に攻撃ボタンを押す事で攻撃が自動でコンボになるシステムの事。
ターゲットコンボと一見似ているが、こちらは強度の順番さえ弱→中→強となっていればその種類などは細かく問われない。
スト6には基本的に存在しないが、唯一ジュリのSA2「風水エンジン」発動中のみ可能になっており、これを駆使した強烈な攻めがジュリの魅力の一つになっている。

壁バウンド/ワイヤーダメージ

相手キャラクターが大きく吹き飛び、そして画面端で跳ね返って戻って来るような状態の事。
後者の呼称はワイヤーアクションのような派手な吹き飛び方から。
スト6においてはリュウのOD上段足刀蹴りやルークの溜め中フラッシュナックルなどで見られる。
殆どの場合は戻ってきたところに追撃が可能で、そこからコンボを続ける事で高いダメージを期待できる。
しかし相手が画面端に近いと跳ね返りすぎて変なところに行ってしまう事もあり、若干コンボを伸ばす方法としては扱いにくい部分も存在する。

〇先

◯本先取の事。
格闘ゲーマーにとっての神聖なる儀式であり、あらゆる意見の衝突を解決しうる合理的な手段。
例えば最もポピュラーな10先であれば、どちらかが先に10勝するまで戦い続ける事になる。
こうした長期戦を続けていると、次第にお互いのプレイヤーとしての特徴や癖、感情の機微などが次第に手に取るように伝わってくる。格闘ゲーマーにとってこれは、最も親密なコミュニケーションの形態の一つでもあるのだ。

やってない

うっかり出すべきでない技を出すなどしてしまい、大きな隙を晒した時に格闘ゲーマーが頻繁に発する鳴き声。
要するにただの言い訳であり、やっている。

やってる

格ゲーマーが「やってない」と言った時に実際に起きている事。
やってない訳がない。

或いは、チートを使用しているプレイヤーの事。
不自然なプレイが露呈した際などに、「これはやってる」などと言う。

或いは、あまりにも強すぎるキャラクター性能の事。
「調整ミスをしでかしてしまっているな」といった雰囲気のニュアンスで「この技やってるだろ」などと使う。

やたらと用法が多いので、文脈に応じて適切に判別していこう。

両対応

相手が複数の行動を取りうる時に、その両方に対して対応できる行動の事。
実際の用法としては、画面中央の起き攻めにおいて、相手が起き上がりで後転とその場起きのどちらを選択しても対応できるセットプレイなどに対して使う。
スト6においては起き上がりのフレームが受け身の有無問わず同一になった事で起き攻めがしやすくなった他、ゲーム全体がインフレ傾向で常に何らかの穴が残るようになっている事もあり、実際に両対応という語句を使うシーンはあまり多くない。

牽制

少し相手と距離を置いた間合いにおいて、相手の行動を抑制する為に技を振る事。
隙の小さい技を空振りする、リーチの長い技を相手にガードさせる等「もしあなたが攻め込もうとしたらこれに引っ掛かってしまいますよ」という意思表示として技を振る事で、相手は迂闊な行動が難しくなる。
反面、牽制に適した技は大半があまり高いダメージを期待できない為、ただ牽制をしているだけで勝利を得る事は出来ない。
殆どの場合は波動拳のような弾もこの牽制技の一種。弾が飛んでくるとあまりやりたいように動けなくなるので、そこを狙って行動を通していく、という駆け引きになる。

差し込み

相手に技を当てられる間合いまで近づいて攻撃を出す事。
特に、ダメージやコンボからの起き攻めなどの直接的なリターンを期待した技を振る事を指す事が多い。
ある程度リーチがあって発生が早く、相手に止められにくい技を使って良い展開を作っていく。

技を当てる間合いまで近づこうとすると相手は後ろに下がって距離を作ろうとする事が多い為、素早く間合いに入り込める機動力を持ち、尚且つ相手の後ろに下がる動作に対して当たりやすい下段技が強いキャラクターは差し込み能力が強いとされる。
一方で、動作が鈍重であったり、下段技の性能が低かったりするキャラクターは差し込み性能に劣ると評価される。
また、機動力自体は平均的であっても、ゆっくりと飛んで盾になってくれる飛び道具や優れた奇襲技のように相手の行動を抑制する技を持つキャラクターも、それらの技を盾にして差し込む事ができる。

下段技であるしゃがみ中Kがキャンセル可能でドライブラッシュの速度も高いルークやベガは差し込み性能に優れているキャラクターの良い例。
一方、下段技がキャンセル不可能で動作も鈍重なエドモンド本田やザンギエフ、キャンセル可能な下段技を持つものの妙にドライブラッシュ速度が遅いリュウなどは差し込み性能が低いとされる。

差し返し

相手が置き(後述)や牽制などで振った技を上手く間合いを調節する事で空振りさせ、それによって生じた硬直の隙に対して攻撃を当てる事。
どの技も振った後には多少なりとも動けない硬直がある為、そのタイミングに上手く攻撃を当てていけると優れたリターンを狙える。
特にスト6においてはパニッシュカウンターというシステムのお陰で技を振った後の硬直を狙うメリットが増している事もあり、差し返しが成功した際のリターンは過去作品よりも高くなっている。

差し返しには基本的に、それなりのリーチと発生の早さを併せ持つ技を使う事になる。
早くて長くターゲットコンボ可能でパニッシュカウンター時は他にもコンボを伸ばせるルークの中Pや、リーチと発生の両方に優れる上にキャンセル可能でコンボも優秀なキャミィのしゃがみ中Pなど、差し返し能力に優れたキャラクターの多くは差し返しに適した中攻撃を持っている。
そうでない多くのキャラクターや遠目の間合いの場合は、殆どの場合しゃがみ強Kが長くて早い性能をしているので、これで確実にダウンを取って起き攻めを狙うという形が多くなる。

置き

差し込もうとして近づいてきたり、差し込む為の技を振ろうとした相手に対して、相手の行動を先に止めるように技を出して当てる事。
相手に差し込む為にはある程度近くの間合いまで詰めていく必要がある為、その近づこうとする前進行動を置き技によって止めると相手は攻めづらくなる。
攻め行動がインフレ傾向にあるスト6では過去作よりも積極的に攻めてくるプレイヤーが多いが、これは逆に言えば上手く技を置けば相手が引っ掛かってくれる機会が増えるという事でもある。

相手の前に出る行動や差し込む為の攻撃動作に引っ掛けるという都合上、攻撃判定の持続が長かったり、攻撃判定が強い(後述)技が置き技として強いとされる。
また、空振りが多くなる性質上、相手の差し返しを受けにくい全体硬直の短い技が望ましい。
リュウのしゃがみ中Pは非常に判定が強く、持続もそこそこ長く、全体硬直も比較的短い為、置き技としては非常に優れた性能で知られる。

差し合い/地上戦/立ち回り

上述の「差し込み・差し返し・置き」の3要素を中心として読み合いが回る地上での戦いの事。
差し込もうとして前に出る相手には置き技が刺さり、置き技を空振った相手に攻撃を差し返し、その差し返しを狙って後ろに下がる相手には差し込みの下段技が刺さり、下がる相手を追って差し込もうとしてくる相手には置き技が刺さる。
こういった3すくみを基本として、これら全ての行動をやんわりと牽制技が抑制したり、これらの地上での読み合いに集中している相手に突然のジャンプ攻撃で対空の対応を迫ったり、といった形で地上戦の駆け引きは成立している。

以前に友人に見せる為に作った簡易的な短い解説動画があるので、良く解らないという方はもしかしたら参考になるかもしれない。

ストリートファイターシリーズは2D格闘ゲーム市場の中でもトップクラスにこの差し合い、地上戦を重んじた内容になっており、この読み合いから逸脱した行動は基本的に見てからの対応をされやすいリスキーなものになっている。
他の格闘ゲームは大抵もっとジャンプ攻撃や高速な接近行動が強い為、ストリートファイター勢から見ると他のゲームは気が狂うようなハイペースに見え、一方で他ゲー勢から見るとストリートファイターは驚くほど地味なゲームに見える。らしい。

殴り合い

通常技の牽制技が当たるような間合いで、互いに牽制技を当て合うような地上戦の事。
あまりリターンを取りやすい差し込み技がないキャラクター同士の戦いになった時や、牽制技で行動を互いに抑制しあっている時などに、結果的に通常技を押す回数が増えて交互に激しく殴り合うような絵面になる事があり、そういった状況を指す。
牽制技のリーチに優れるザンギエフはこの状況に比較的強く、長くて動作がコンパクトな使いやすい技が少ないジェイミーやリュウはこういった状況になるとかなり困ってしまう。

多くのプレイヤーが頻繁に使う語句である上、筆者自身もナチュラルに使っている語句なのでなんら疑問を持ってこなかったが、ふと調べるとこの語句について厳密な定義が記載されている用語集が存在しなかった。
実際の用法から恐らくこの定義で問題ないと思われるが、もしほかに適切な定義を示せるという方が居れば是非教えて欲しい。

判定が強い/弱い

技の攻撃判定とやられ判定の比率や、その比率がもたらす「相手の攻撃とかちあった際の勝ちやすさ」の事。
これもいまいち説明し辛いと思うので、最初の方で説明した「攻撃判定」の説明と合わせて読んで欲しい。

今回も、図解を用意した。
見方について解説しておくと、棒人間がキャラクター本体。
赤い枠が青マンのやられ判定、青い枠が青マンの攻撃判定。
黄色い枠が赤マンのやられ判定、紫の枠が赤マンの攻撃判定だ。

青マンパンチ・判定が強い場合

「判定が強い」技というのは、攻撃判定がやられ判定よりも大きかったり、やられ判定が見た目よりも小さかったりする事によって、相手の攻撃と重なり合った時に相手の攻撃判定を被弾しにくく、こちらの攻撃判定を相手に当てやすい技の事を指す。

判定の強い青マンパンチが赤マンショートジャブを潰す

攻撃判定が大きくやられ判定が小さいと、このように相手の攻撃を一方的に潰しやすい。
この図では、青マンのやられ判定(赤枠)が小さい為に赤マンの攻撃判定(紫枠)が青マンのやられ判定に届いていない一方で、青マンの攻撃判定(青枠)が大きい為に赤マンのやられ判定(黄枠)には当たっており、結果として青マンパンチが赤マン側に一方的に当たっている。

青マンパンチ・判定が弱い場合

一方で、判定が弱い技というのはその逆だ。
やられ判定が大きく、攻撃判定が小さい。
その為、相手の攻撃に一方的に潰されやすく、相手が攻撃を出す可能性がある場面で出すと非常に危険な行為になる。

判定の弱い青マンパンチを判定の強い赤マンショートジャブが潰す

先の画像と同じ間合いであっても、判定が弱いとこのようになる。
青マンの攻撃判定は赤マンのやられ判定に届かず、赤マンの攻撃判定は青マンのやられ判定に触れている。
その為、この画像の状況だと、青マンが赤マンの攻撃を一方的にくらってしまう事になる。

こういった判定の強弱の設定は、技の性質などを鑑みて一つ一つの技に対して設定されている。
例えば、「リーチが長く下段属性でコンボが可能」というように長所を数多く持つしゃがみ中Kは殆どのキャラクターの場合非常に判定が弱い。特にリュウなんかは悲惨だ。
その一方で、動作が遅く当てに行くにも苦労する立ち状態の強攻撃や、ガードされた際のリスクが大きい特殊な攻撃などは、その分判定が強く、正しいタイミングで振れば努力が報われるようになっている。

判定の弱い技の例。
以下2枚を含めて画像はUltimate frame dataより引用
判定の強い技の例。
極端に判定の強い技の例。
ただしこの技の場合、根本的な性能が非常にハイリスクで弱いのであまり使われる事はない。

神経が通っていない

判定の強い技の中でも、特に「見かけ上は部位があるような場所にやられ判定が存在しない」というようなものを表す際に使われる言葉。
見かけ上は相手の攻撃が腕などに当たっているのに、まるで痛覚を失ったかのようにノーリアクションで動き続ける様を表している。

真空判定

判定の強い技の中でも、攻撃判定が見かけ以上に大きく、相手に触っていないのに攻撃が当たっているように見える技の事。
また逆に、判定が弱すぎてやられ判定が身体から飛び出した場所に存在し、空中を殴られて痛がっているように見える場合に使われる事もある。
どちらかと言えばスマブラ界隈で見かける事の方が多い言葉。

空気を殴る

見かけ上は何も無い場所に存在するやられ判定に攻撃を当てる事。
一部の高リーチキャラは、攻撃後に腕などを引き戻した後も見かけ上存在しない場所にやられ判定が多少残っており、これによって空振り時のリスクを担保されている。
その残った攻撃判定に技を当てると、さながら空気中を殴ったら相手が苦しんだような不思議な絵面になる。
また、ダルシムなどの伸ばした腕のやられ判定を攻撃すると、やられモーションにダルシムが移行した事で攻撃モーションが中断されて腕が縮み、そして遠くでダルシムが痛がっているような動作を取る為、まるで遠くの空気を殴ったらダルシムが苦しんでいるような不思議な光景を見る事ができる。
とはいえスト6は過去作品と比べてモーションが丁寧に作り込まれており、本当に何も無い場所にやられ判定が残っているような技は極稀で、殆どの場合はしっかりと伸ばした手足が残るような動作になっている。

スト6においては数少ない、空気中に大きく判定が残っているシーン。
画像はUltimate frame dataより引用。

すかし飛び

前ジャンプから攻撃を出さずに着地する事。
基本的にこのゲームはジャンプ攻撃を相手にガードかヒットさせられると非常に強いので攻撃を出すのが基本だが、ジャンプ攻撃を出すと少し自分のやられ判定も大きくなって遠くの対空技をくらってしまいやすくなる他、着地時にも極僅かな硬直が生じてしまう。
その為、ジャンプ攻撃を出さずに着地後即投げる事で相手が対空に失敗してガードを選択した場合に予想外のタイミングで相手を投げる事が出来たり、少し離れた間合いですかし飛びをする事で相手の対空技を空振りさせて隙を作るような事ができる。

本来は、攻撃を相手に当てられず空振りする事をすかしなどと呼ぶ。
が、テクニックと言うよりは基本的にミスである上、そんな基本的な行動に一々名前をつけても何なんだという感じで用法として消滅し、単にすかし飛びの事を略してすかしと呼ぶようになった。

柔道

画面端の起き攻めにおいて、投げの後に再び投げを重ねる事。
本来、画面端以外では殆どの場合投げ技から攻めが続かないというのがスト6の常識。その為、起き攻めされている時は取り敢えずダメージの低い投げを受け入れて仕切り直しにする、という行動は防御における一つのセオリー。
だが一部キャラクターは画面端であれば投げから投げが完全に重なる為、このセオリーに従って行動していると死ぬまで一生投げが続いてしまう。
その為、この柔道を持っているキャラクターに対して、相手は投げに勝つ何らかの対策を取る事を強いられる。言うまでもなく、それを読み切れば更に高いダメージのコンボが可能になる。
シリーズ通して、それだけで試合が終わってしまう事も全く珍しくないほどの非常に強力な要素。
その為前作ではアップデートによって削除されたが、攻めのインフレによる派手な展開を意図した今作では多くの予想を裏切り多くのキャラクターが柔道持ちとなった。

ループ

起き攻めから攻撃を当てた後に、また強い起き攻めが何回も繰り返すように続く事。
基本的に打撃技と画面端の前投げはループ性が高く、画面端以外の投げとコマンド投げはループ性が低い、という調整がスト6においては一貫している。

また、同じ動きを何回も繰り返すコンボの事を「ループコンボ」と呼んだりもする。

これは余談というか昔話だが、前作以前はコマンド投げのループ性が非常に高く、コマンド投げの後はもう一度コマンド投げが起き攻めで重なる、という性能が多かった。
ザンギエフなどに一度捕まるとひたすら1/2の運ゲーを何回も続ける事になり、この運ゲーに負け続けた場合はそれまでの駆け引きを全て否定してただの確率だけで負ける、という事になってしまっていた。
代わりにコマンド投げの威力が低く、その為投げキャラは「どこかでただの運ゲーに移行して勝ったり負けたりする、実力差をどこかで台無しにするキャラクター」のような側面を持っていた。
スト6ではそういった特性を根本的に改め、ループ性が無い代わりに一回のコマンド投げのダメージやゲージ回収率が爆発的に高く、頑張って一つ一つの気持ちいいコマンド投げを当てに行く事を重視したキャラクター設計に変化した。
個人的には、現在の形の方がカタルシスが投げという行為そのものに深く結びついていて楽しいと感じる。

一点読み

相手の行動を読んだ行動の中でも、相手の行動を「次は絶対にこの行動を取るに違いない」と決めきって、その読んだ行動ただ一つだけに勝つ選択肢を取る事。
基本的に、格闘ゲームにおいては殆どのシーンである程度リスクを抑えた安全な行動が選択される。例えば起き攻めならば相手がガードと暴れのどちらを選択していても勝てる小技を重ねたり、地上戦で立ち回っている時はガードされても当たらなくてもそんなにリスクのない技を選んだり。
そのようにリスクを抑える事なく、例えば「このタイミングで相手は絶対に波動拳を撃ってくる、だからそれにだけ勝つ前ジャンプ攻撃を繰り出す」や「この起き攻めで相手は絶対にシミーを選択する、だからそれにだけ勝つしゃがみ中K→昇龍拳まで入れ込む」などのリスキーな行動を選択する事。
前者は相手が何もしていなければ対空技で落とされてしまうし、後者は相手がガードしていればそこから致命的な反撃を受けてしまう。
その為格闘ゲームのセオリーからは逸脱した行為だが、相手のたった一つの行動にだけ勝てる大博打の選択肢というだけあり、成功時に得られるものは非常に大きい。

逆択

起き攻めを受けている、連係を受けている、などの本来相手に攻められている状況において、逆に攻められている側がリターンを取れる行動を狙う事。
例えば、起き攻めで相手が投げを重ねてくると読んでジャンプし、即座に一部の「空中から素早く地上に攻撃できる技」を繰り出す事で、投げをジャンプで躱しつつ投げが空振った硬直に攻撃を当てたり。
或いは、相手がシミーの為に後ろに下がると読んで、最速で下段技のしゃがみ中Kを入力する事で後ろ歩きにヒットさせたり。
最もオーソドックスなものでは、起き上がりに無敵技を発動するのだって相手の攻撃全般に勝つ逆択の選択肢だ。

起き攻めなどの駆け引きは基本的には攻めている側が有利だが、全ての攻め行動には何らかの穴があり、守らさせられている側も相手の攻撃の種類を読み切ればそれに何らかの対抗策を繰り出す事ができる。
この対抗策が多いキャラクターはその分相手の攻めを躊躇させる能力が高いとも言い換える事ができる。
楽しい攻めを展開していた筈がいつの間にか大ダメージを受けていたという事になるので、攻めていた側からすれば少し腹が立つ要素でもある。

吸い込み

間合いの広いコマンド投げ技によって、離れた距離に居るように見える相手を投げる事。
ストリートファイター2時代のザンギエフのスクリューパイルドライバーは間にザンギエフ1人分ほどの隙間があっても成立する程に間合いが広く、まるで遠くから相手を急に吸い込んで掴んで投げたかのように見えた事から生じた言葉。
それ以降の作品では比較的投げ間合いの狭い技が多く、特に前作スト5はかなり投げ間合いの狭いゲームだったが、今作スト6はコマンド投げからループ性を廃した事や打撃択のリターンも全体的に向上していることからか、その代わりにコマンド投げの間合いがかなり広くなっている。
特にザンギエフの弱スクリューパイルドライバーは見かけ上かなり離れた相手でも投げてしまう、スト2時代も軽く彷彿とさせるような凄まじい吸い込みを魅せてくれる。

ファジー

相手が複数の行動をしてくる可能性があるシーンにおいて、適切なタイミングで行動を入力する事によって、一つの行動で複数のパターンに対応するテクニックの事。
例えば、相手が中段技と下段技を出してくる可能性があるが、中段技の方が下段技よりも発生が少し遅い、という場合。
この場合、タイミングが少し違う事が分かっているので、下段技が来るタイミングでしゃがんでおき、中段技が来そうなタイミングで立ち上がるように操作をしておくと、どちらが来ても同じ操作でガードできるようになる。
先に挙げたディレイグラップも、打撃をガードした少し後のタイミングで投げを入力する事で両方に対応するテクニックであり、ファジーの1つと言える。

詐欺飛び/安全飛び

相手の起き上がりの完全に最低空になるタイミングでジャンプ攻撃を重ねる事で、相手にジャンプ攻撃をガードさせつつ、相手が無敵技を出していた場合はガードする事ができる起き攻めのテクニック。
ちょうどジャンプ攻撃が最低空になるタイミングでジャンプする事で、相手が仮に無敵技を出していたとしても、攻撃判定が発生するより先に着地して着地硬直が消費され、相手の無敵技が発生する前にガードに移る事ができる。
詐欺飛びをする事を「詐欺る」とも。

非常にフレームがシビアなので、基本的には何らかのセットプレイから狙うしかないが、その分起き攻めとしては非常に強力。
起き上がりに攻撃がぴったり重なっているので他の行動はガード以外出来ない上、本来は全ての起き攻めを拒否できる無敵技ですらガードしてしまうので相手は少なくともジャンプ攻撃だけは絶対に受け入れた上で駆け引きをしなくてはならない。
更に、ジャンプ攻撃は立ちガードしかできないので詐欺飛びの時は基本的に相手は立ちガードをするという点を活かし、敢えてジャンプ攻撃を出さずに着地と同時に下段技や投げを出すという崩しも可能。
確実に拒否不可能の選択を相手に迫る事ができる為、スト6を含めほぼ全ての格闘ゲームにおいて最強の起き攻め方法の一つ。ジェイミーやリュウなどの詐欺飛びを得意とするキャラクターを使う時は積極的に活かしていこう。

元は「詐欺みたいに強い」或いは「ジャンプ攻撃なのに対空できないとか詐欺でしょ」のような意味合いで詐欺飛びと呼ばれていたが、近年ではesports的健全性の観点や初心者への伝わりにくさから、安全飛びと呼ばれる事が多くなっている。
……が、旧作品からのプレイヤーはその大半が詐欺飛び詐欺飛びと呼んでいるのも現実。だって言いやすいんだもん。

F式

ジャンプ攻撃を相手にガードさせた後に、即座にジャンプして上りで発生の早い攻撃を出す事で、上りジャンプ攻撃を中段技として機能させる特殊なテクニック。
ギルティギアプレイヤーのF氏が発案した事からF式と呼ばれている。

ジャンプ攻撃はしゃがみガードが不可能なので対空が出なければ立ちガードで受けるしか無く、相手の攻撃をガードした硬直中はキャラクターの姿勢が固定される為、操作としてはしゃがみガードの入力をしていてもキャラクターの姿勢は立ちガード状態になる。
モーションが変わらないだけでガード方向の切り替え自体はこの状態でも可能なので、ジャンプ攻撃をガードさせた後にしゃがみ弱Kなどを押してくるだろうと読んでしゃがみガードに切り替える、というのが防御におけるセオリー。
このセオリーを逆手に取り、ジャンプ攻撃の直後に本来は立ち状態の相手にしか当たらない上りジャンプ攻撃を繰り出す事で、「当たり判定や見かけ上は立ちガード状態だがしゃがみガードをしている状態」になっている相手に対してしゃがみガード不可能なジャンプ攻撃を当てる事ができる、というのがF式のカラクリ。
もっとも、スト6においてはジャンプ弱攻撃で一回触った程度ではあまりリターンが出ない為、あまり活用できるキャラクターは居ないのだが。

影縫い

相手が攻撃を出した際、その近くで後ろに下がろうとした時に攻撃が当たっていなくてもガードモーションになってしまい、後ろに歩く事ができない現象の事。
スト6においてはあまり多くないが、トレーニングモードのダミーなどにリュウの鳩尾砕きを中距離で出してもらい、それをガードする間合いで後ろ方向に入力して歩こうとしてみると分かりやすいと思う。

一生

回数にしておおよそ3回、時間にしておおよそ2~4秒。「永遠」とも。
「ずっと同じ事をしている」というニュアンスで「一生昇龍擦ってる」「一生飛んでくる」などと言うが、大抵の場合その一生はその程度だ。
大体の場合、この言葉を使っている側はそのワンパターン行動に対応できていない。要は負け惜しみである事が大半なのだが、一生かけてもワンパターン行動にすら対応できないと考えるとただただ最悪な様にも思える。
格ゲーマーは刹那を生き、刹那にその命を散らす儚い存在なのだ。

政治

特定のキャラクターの強さや弱さを誇張するなどして積極的に喧伝し、コミュニティ内世論の誘導やゲームバランス調整の誘導を目論む行為。
基本的にはジョークとされるが、多くのゲームにおいてコミュニティ世論はバランス調整に大きな影響を及ぼす為実際の影響力は図り知れず、本当に本人らが言うように全てがジョークであるのかについては定かではない。
あまりネモ葉も無い事ばかり常日頃から言っているとオオカミ少年認定され、ゲームバランスへの言及そのものが根本的に相手にされなくなる。政治は誰もの共感が得られる範囲でほどほどに。

ダイアグラム

キャラクター同士の対戦の有利不利といった相性の事。
5:5、3:7といった形で数字で示す事が多い。

一般的には、「ちょっときついけど実力があればなんとかなるかも」程度が6:4、「同程度のプレイヤー同士であれば明確に勝敗数に大きな差が出る」程度が7:3、「無理な読み合いで運を何度も通さないと無理」といったレベルが8:2、「基本的に勝てない」というレベルが9:1とされる。
10:0はほぼ全てのゲームにおいて存在せず、「試合開始時点で一方のキャラクターが決まった行動をするだけで理論上勝敗が確定してしまう」というレベルでないと10:0に達しているとはされない。

スト6のように丁寧に調整されたゲームであれば、基本的には殆どの相性は6:4までの範疇に収まると言って良い。
Year1時点のザンギエフ対ダルシムはザンギ側3:ダルシム側7の可能性がもしかしたらあるかもしれないが、その程度である。

クソキャラ

クソみたいなキャラクターの事。
ほぼ確実に、発言者の主観に完全に依存する暴言。
「クソみたい」の根拠は人や場合によって分かれるが、おおよそ以下のパターンが多い。

  • キャラクター性能が突出して異常に高すぎる

  • 対戦していて面白くない

  • 初心者狩り性能が高く、新規プレイヤーの引退を招く

  • そのゲームの常識からかけ離れた奇妙な対策を強いられる

  • 勝敗が運で決まってしまう

  • とにかく、自分がクソだと思った

いずれにせよ、使い手を無為に傷つけてしまう事も多い上に「それ貴方が対策できていないだけですよね?」と思わぬところで自分の弱さを露呈してしまい恥をかく事もあるので、あまり気安く使って良い言葉ではない事は間違いない。
往々にして、こういった罵倒は身内の冗談で空気を読んで使うくらいにしないと火傷を負うものである。

ストリートファイター独自

完全に独自用語という訳では無くとも、主に使われる場所がストリートファイターシリーズであり他作品ではそこまで多くないものなどはここに含める。多分。
またあまり使われないものもノリで入っています。気にすんな

立ちスクリュー

1回転コマンドの必殺技、特にスクリューパイルドライバーをジャンプをせずに地上で繰り出す事。
本来、1回転コマンドは成立させる為に上方向の入力を必要とする為、素直に入力していれば入力中にジャンプが暴発してしまう事になる。その為、普通に考えれば地上で立ち状態から急に繰り出す事はできない筈だった。
しかし上方向に入力してからジャンプするまでにはほんの少し間が空いている為、1回転の最後が上になるように操作した上でこの僅かな時間の間にボタンを押す事で、ジャンプせずに地上から直接スクリューパイルドライバーが出せるようになる。

スト2時代はコマンド受付が今より厳しかった上にザンギエフのジャンプ発生が今より早かった為、当時においては上手いザンギエフ使いのみが可能とする高等テクニックという扱いだった。
しかし今ではジャンプの出始めが遅くなり、コマンド入力自体の受付も当時より遥かに緩くなった為、今となってはザンギエフ使い全員が使いこなせる基礎テクニック中の基礎テクニックのような扱いになっている。

立ちギガス

立ちスクリューのように、2回転コマンドをジャンプせずに立ち状態で繰り出す事。
名前の由来はストリートファイター3のキャラクター、ヒューゴーの技「ギガスブリーカー」に由来する。
立ちスクリューと違いもはや人間の手でジャンプ硬直前に2回も回すのは限りなく不可能に近い為、ステップや弱攻撃などの何らかの短い硬直が発生する動作の間にレバーを2回転させるという形が基本。
特にたちの悪いザンギエフ使いは、ドライブラッシュ中に2回回す事でドライブラッシュを止めようとした相手をSA3で吸い込んでしまうとか。

背水の逆転劇/Evo Moment #37/レッツゴージャスティーン/Daigo parry

このシーンの事。
何が凄いかについてはEvo moment #37で検索すればわかると思うのでここでは特に語らないが、まあ簡単に言うと「ウメハラが一つでも妥協したら即死の状況で相手の完全回避困難な技を高難易度な操作で捌き切り、適切な最大コンボを繰り出して大逆転した」という格闘ゲームシーン全体に名を残す凄まじい天才プレイの名シーンだ。

格闘ゲーマーでなくともネット上でよく見かけるであろう「レッツゴージャスティーン」もこのシーンで、対戦相手のJustin Wong氏が流石にこの状況なら勝つだろうと考えたファンのデカすぎる歓声が元ネタだ。
ウメハラ氏の超天才的プレイ動画であると同時に、流石にジャスティンが勝つと思って声を挙げた直後にウメハラが大逆転を収めるという出オチ要素も併せ持っており、ネタとしての人気もかなりのもの。

特にスト6との関係はないが、ストリートファイター界において最も有名なシーンの一つである為ここに記載した。格ゲーの常識として知っておこう。
この動画の中でも登場するケンの「疾風迅雷脚」の演出が3rdに極めて告示した作りになっているなど、スト6においてもやろうと思えば結構似た感じの事ができる要素が揃っており、有名シーンだけに真似しようと試みるプレイヤーは今でも数多い。

そういうゲームじゃねぇからこれ!

格闘ゲーム界隈における伝説級トッププレイヤー、ウメハラ氏とこくじん氏の対戦後に言い放たれたとんでもない煽り文句。
全文は凄まじい罵倒なのでここに掲載することは避けるが、非常に仲の良い関係性だからこそ許される、とんでもない強烈さと汎用性から有名になり長く語り継がれている。

因みに、件の試合を非常に浅いとはいえ3rdファンでもある私が見た感想としては、「うんまあそれくらい言われる内容だよね」といった感じだ。
実際、この試合のウメハラは逃げ行動ばかりが過剰に目立っていたのは事実である。3rdはそういうゲームじゃない。

小足見てから昇龍余裕でした

かのウメハラ氏が試合後に発言したとされるセリフ。
非常に発生の早い小足(しゃがみ弱K)を見てから、圧倒的反応速度によって当時は完全無敵技であった昇龍拳でそれを刈り取ったとされる逸話に基づいている。

勿論、不可能である。
理論上それは不可能な上、彼自身もそのような事は言っていないしやっていないとされている。

結局のところこれは、彼の読みの上手さが逸話化したものに尾ひれが付きすぎた結果無から生じた嘘格言のようなものだ。
当時の小足は発生2F程度が標準的。昇龍拳コマンドの入力はそもそもが最短でも4F程度かかる為、まず見てから昇龍拳を回すという行為は理論上不可能。
仮に今作の標準である5F程度と仮定し、また「昇龍拳コマンドを先に入力し、小足を見てからボタンだけ押した」と考えても無謀な話だ。
そもそも人間のヒット確認の限界は高く見積もっても11F程度とされており、そしてこのヒット確認の限界は反応速度の限界と言い換える事もできる。
一般論的限界を元にトッププレイヤーの限界を語るのはナンセンスとはいえ、その半分以下ともなれば流石に不可能と結論づけて問題ないだろう。
つまり、ウメハラ氏が周囲の時間の進む速度を1/3以下にするスタンド能力でも持っていない限り、小足を見てからボタンを押して対応するという事は不可能なのである。
実際に、本人も「無理に決まってんじゃん」と語っている。

しかし同時に、これほどの異様な事が可能だと感じさせるほどのカリスマ性を当時から放っていたのが彼なのだ。
あらゆる宗教や伝承において偶像化された聖人や英雄の逸話を語る時、やれ触れただけで病を治すだの毒竜を殺すだの海を割るだの弓で大地を裂いた代償として爆散するだのと、一応は人間であるはずの彼らではどう考えても不可能である筈のあらゆる法則に背いた内容が多く見られるのは、読者の諸君らもきっと何処かで知っているだろう。
「ウメハラ」という存在は既に、格闘ゲームというある種の宗教においては聖ジョージやアーラシェ・カマーンギールのように語られる存在に至っているのだと、かつての格闘ゲーマー達にとっての彼というのはそういった扱いなのだという事を示すエピソードこそが「小足見てから昇龍余裕でした」なのだ。

原人

旧作を長い事やり込んだ結果、旧作の常識に今でも引っ張られてしまうプレイヤーの事。
旧作の手癖で戦ってしまう他にも、OD技をEX技と言ってしまったり、ドライブリバーサルをVリバーサルと呼んでしまったり。
うっかりシステム名を過去作の名前で呼び間違えてしまったプレイヤーは全力で煽られるのが習わし。
Xの事を今でもTwitterと呼ぶ現象に近い。

また、新作発売後も旧作に固執してプレイし続けるプレイヤーの事。
特に非常にピーキーで簡単に全てが台無しになる極端なゲーム性を持つウルトラストリートファイター4には謎の中毒性があるのか、今でも強いこだわりを持ってプレイし続ける妙に熱狂的な層が一定数存在する。
試しにXで「ウル4やりたいな」などとポストしてみて欲しい。どこからか、妙なオーラを放つおっさん達が集まってくる筈だ。

原人狩り

相手の起き上がり少し前に垂直ジャンプし、うっかり投げ抜けを押してしまった相手にジャンプ攻撃を当てる起き攻めの一種。
元は、非常に投げ抜けのリスクが少なかったスト4時代の手癖で毎回投げ抜けを押してしまうプレイヤーを狩る為に編み出された、スト5時代のプレイ。
本来スト4勢を狩る為のスト5のテクニックなのだが、そもそもが「ちょっと隙が多い代わりに簡単になったシミー」のようなテクニックなので、今でも案外機能する。
これが刺さる相手は特にスト5原人という訳でも無いが、前作から引き続き慣習として「原人狩り」と呼ばれ続けている。

安全波動

相手がジャンプ攻撃で躱していても対空が間に合う波動拳の事。
ガードさせた後の硬直差が良い弱波動拳を相手に適切な距離感でガードさせると、相手が最速でジャンプしてこちらが次に波動拳を撃っていても、昇龍拳での対空が間に合うようなタイミングになる。
この安全波動を撃てる状態になると、横から行けば波動拳に行動を抑制され上から行けば昇龍拳で落とされる、相手からすればできる行動の殆ど無い状況になる為、非常に強力。
とはいえそこはスト6、間合いによってはドライブインパクトや弾抜け技で解決されてしまう事も多々ある。安全波動は強力だが計画的に。

鳥籠

相手を画面端に追い詰めた際に、攻めてダメージを出す事よりも端から逃さないことを最優先して戦う戦術の事。
特に、安全波動になる距離から弱波動拳を連射し続けて動きを封じ、飛んできたら昇龍拳で落とすという動きがスト2時代から鳥籠の代名詞的に扱われ続けている。
スト6は画面端が非常に強いゲーム性の為、敢えて無理に攻めず強い状況を長時間維持し続けるのも非常に強い選択肢。

ドリーム

ある程度活用する上での条件が存在したり難易度が高かったりこそするものの、代わりに非常に高いリターンが得られるような技に対して用いられる形容詞のような何か。
難しいが成功すれば最強格のコンボをドリームコンボと称したり、夢あふれる性能の技について〇〇ドリームと称したり。
スト6においては、エドのSA2「サイコキャノン」を使用した超高難易度だが高火力かつゲージを物凄い勢いで回収する超強力なコンボをドリームコンボと称したり、ラシードのSA2「イウサール」自体をそう称したり、ジュリのSA2「風水エンジン」発動後の怒涛の攻めを「風水ドリーム」と称する事がある。
やたらSA2だらけなのは謎である。

ドラゴンダンス

昇龍拳を何回も連続で出す事。
スト2時代のケンのCPUはそういった動作を行うように設定されていた為、ある意味ケンの代名詞的な行動の1つとも言える。
全ての昇龍拳に完全無敵判定が付与されていたスト2時代ならまだしも、今のスト6においては基本的にかなり弱い行動だが、遠目で硬直の比較的短い弱昇龍拳を出すと相手の思わぬ行動を誘える事も。
とはいえそんな間合いでドラゴンダンスをしても煽りと受け取られかねないので気をつけよう。

たかし

リュウの事。
漢字表記にすると「竜」でも「龍」でも「劉」でもなく「隆」の為、これを一般的な人名のように読んで「たかし」。
基本的には、シリーズ通して妙に弱キャラである事が多いリュウを軽くバカにするようなニュアンスで使われる。
こんなのリュウさんじゃない!偽物だ!という事なのだろうが、スト2無印の時点で既にケンの完全下位互換性能をしていた彼はどれだけ弱くても特に不思議ではないような気もする。

ライユー

リュウの事。
かつて存在したハリウッド実写映画版ストリートファイター2とそれを元にした実写格闘ゲームにおいて、英語ナレーションが「Ryu」を「リュウ」と発音できず、英語としてより自然な読み方である「ライユー」と読んだ事が始まり。
元の映画版リュウが非常に大幅に設定が改変されていた事や実写ゲームがとんでもない珍作だった事もあり、あまりリュウっぽい雰囲気でない時やなんとなく滑稽な時などに使われがち。

今でもあまりアメリカ人の多くにとってはRyuでリュウと読むのは直感的でない発音なのか、収録時の現場の指示と英語特有の読みの不安定さで「リユ」と読ませてまあリュウに聞こえるだろ……的解決を図るなどしているらしい。
まあ、英語の発音というものは得てして奇妙なものだ。
ghoughpteighbteau tchoghspotato chips理論上同じ発音になるような言語にあまり正確性を求めてはいけない。

茶リュウ

茶色い服装を着たリュウの事。
元はスーパーストリートファイター2Xにおいて、「複雑な操作をして最後にリュウにカーソルを合わせてスタートボタン→PPP」という豪鬼出現コマンドを失敗すると茶色い道着のリュウになってしまっていた為、それによってネタキャラ扱いされるようになった。
言ってしまえば、禁止級性能の超ぶっ壊れ最強キャラクターを使おうとした挙げ句コマンド入力に失敗した大馬鹿者の象徴という訳で、まあネタにされるのは妥当のようにも思えるが、実はこの話には裏がある。

最後にカーソルを合わせる位置は、実はリュウでなくとも良かったのだ。
何故か「最後にリュウにカーソルを合わせなければならない」という間違った情報が定着した為に茶リュウが豪鬼失敗の代名詞扱いされるようになったが、実はブランカでも春麗でも何でも良かったのだ。
そしてそんなネタ的存在感を放つ茶リュウなのだから、当然謎の人気が出る。
あのウメハラも、ウメリュウといえば茶リュウ。今でもリュウを使う時は茶色の事が多いらしい。

エリンギ/モップ/デッキブラシ/カリフラワー/刷毛/ポルナレフ/シュトロハイム

ガイルの事。全てあの独特な頭の話である。
SvC Chaosではテリーに「悪いがカリフラワーに知り合いはいねぇぜ!」と珍妙な……何セリフって言えば良いんだこれ?を投げかけられ、ガイルはシカトした。

ザンゲフ

言うまでもなくザンギエフの事である。

ツンリー

言うまでもなく春麗の事である。

ズリ

ジュリの事。何処となく卑猥だが、何のプレイともきっと関係ない。
スーパーストリートファイターⅣ発売前に発表された初期設定においては「好きなもの:巨乳」とされていたが、きっと関係ない。
ストリートファイターは青少年にも安心な健全esportsであり猥褻が一切ない。いいね?

ホウ/ポウ

ストリートファイター4でのT.ホークの一部の技で発せられるボイス、転じて彼やそのホウを発する技の事。
そしてストリートファイター6においては同じ一族のリリー・ホークが登場し、彼女もまた同じくホウの系譜であった。
それどころかリリーはホウホウホーウ!などと重ねて言う為、ホウ度は原点であるT.ホークにすら勝ると言える。
やられると、なんかムカつく。

魔理沙

マリーザMARISAの事。
弾幕はパワーだぜ。じゃあきっと格ゲーもパワーなんだぜ?(エアプ魔理沙)

果物屋

豪鬼の事。恐ろしい佇まいに反して、道端で果物を売るという非常に平和的でどこか愛らしさすら感じさせる商売をしている事がネタにされている。
それにしても何処で採ってきているのだろうか……獄炎島には農場があるのだろうか?
他にもエレナとツーショット写真を撮ったり、釣り糸鷲掴みという異様な漁法で魚を釣ったり、良い釣り針を貰って喜んだり、隕石を破壊して地球の危機を救ったり、亡き恩人の願いに応えて三島家に戦いを挑んだり、迷った子供を道案内したり、悪の首領ベガを倒したり。彼の本性は真人間と思われる可愛い描写は非常に多い。

余談だが、デミトリのミッドナイトブリスを受けた豪鬼はなんとも愛らしいメイドさんになる。
受けた相手の理想に応じた女性に変身させる技なので、豪鬼は実はメイドさんが好きだという事になる。おい、ジジイ……

仙人

熟達したダルシム使いの事。
仙人のようなダルシムのビジュアルと、さながら熟達した仙人が神通力でも操るかの様に冷静に相手の一歩先を読んで丁寧に封殺する事が求められる性能、プレイスタイルから。

ラシーダー

優れたラシード使いの事。ラシード+er。
その中でも優れた使い手はラシーデストになるとか、ならないとか。

ヒョー

過去作品に登場したキャラクター、バルログの代表的な技、「フライングバルセロナアタック」の事。
ヒョーという奇声を上げながら空中から飛びかかる技で、自由な軌道変化による奇襲や襲いかかると見せかけての逃走が可能と非常に自由度が高く相手にしてみれば厄介で不愉快な性能が特徴。
この技だけで初心者はハメ殺されてしまう為に擦り続けるプレイヤーが後を絶たず、ヒョーを擦る悪質なバルログの事をヒョーバルと呼ぶようになった。
今作においてはベガの「デビルリバース」がどことなく似た性能をしており、また海外においてはバルログの名前がVegaとなっている点など、何処となくヒョーバルめいた要素が多い。

麩菓子

JPの必殺技、トリグラフの事。
「穿つ!」というボイスの筈だが、効果音と重なって「麩菓子!」に聞こえ……る?
単純に「そう聞こえる」というよりは、異常なほどに忌み嫌われているJPに格好良いボイスなどあってほしくない、戦法だけでなくその他の部分も全て無様であってほしいという祈りが含まれているように思える。

エクスカリバー

エドモンド本田の立ち強Pの事。正式名称はごっつぁんチョップ。
スト2時代から伝統的に非常に強力な対空性能を誇り、今作においてもコンボ始動や対空や偶には置きにと使い所の多い優秀な技。
力士のチョップは千の松明を集めたものに等しい輝きを放つ。ならば体力10500は鞘の加護だろうか。
束ねるは部屋の力士、輝けるちゃんこの奔流。
でも元ネタは聖闘士星矢らしいです。時代的にもそうだよね。

セーフ

リリーのしゃがみ中Pの事。
野球の球審が取る「セーフ」を示すポーズにモーションが酷似している事から。
元は過去作品に登場したT.ホークの同技の事を指し、あちらはポカモガンではなく腕を伸ばす為より一層セーフ感が強かった。

クワガタ

リリーの中Pの事。
両手のポカモガンを前に突き出す動作がクワガタの大顎を彷彿とさせる事から。
リーチが非常に長く持続中の判定が異常に強い為一見すると無法の性能に見えるが、実は戻りの動作中にやられ判定がポカモガンの先端までぎっしりと伸びている為、空振ってしまった場合のリスクはイメージより遥かに大きい。

元キック

春麗のしゃがみ強Kの事。正式名称は「元伝暗殺蹴」。
初代ストリートファイターに登場した中国人で暗殺者の老人「元」は一時期春麗の面倒を見ていた事があり、その際に教わった技という設定。元から伝わった暗殺技の蹴りなので元伝暗殺蹴。
他のしゃがみ強Kと異なり設定上に明白にバックグラウンドと箔の付いた技だからなのだろうか、登場したほぼ全作品において圧倒的な性能を誇る。

ねりちゃぎ

リュウの後ろ強Kの事。
ストリートファイター6での技名は「かかと落とし」だが、スト2時代はテコンドーの技に由来し「ねりちゃぎ」と呼ばれていた。
何もおかしな事のない技名だが、日本人には馴染みのない独特な響きが印象に残り、何故かこの技だけは当時の技名で呼ばれる機会がやたらと多い。

オギャア

ディージェイのターゲットコンボ、3ビートコンボの事。入力は弱P→中K→中K。
使う意味が無いというレベルを超えてもはや存在自体が負け筋でしかない程に破滅的な弱さを誇り、その癖Year1時代はモダン入力だと弱ボタン連打で暴発してしまった為モダン勢にとっては非常に操作の邪魔で、挙げ句3段目のボイスが「オギャア!」と聞こえる奇妙さまでもが相まってスト6におけるゴミ技の代名詞としてネタにされている。
とはいえ全く何の魅力も無い訳では無く、2段目をガードされても確定反撃を受けない点「だけ」はそれなりに優秀。
まあ、当てる価値のない技を安全に当てられた所で何の価値もない訳だが。

アッパー

多くのキャラクターが持つ、対空性能を持ったしゃがみ強Pの事。
スト2時代から、リュウを始めとして多くのキャラクターが対空用のしゃがみ強Pを持っていた。
大抵の場合はそれなりに対空技としても優秀なので、昇龍拳コマンドを入れる余裕が無い時に代わりに使ったり、コマンドが苦手な人が対空に使ったりとプレイヤー達を支えてきた技の1つ。
特にスト2時代のガイルのしゃがみ強P「リフトアッパー」は非常に対空性能が高い上、ソニックブームの後ろタメを維持したまま対空が可能なので、一般的なソニックとサマーのイメージに反してガイルの対空の中心として長く活躍していた。
中には豪鬼のようにアッパーと呼ぶのが躊躇われるようなモーションも存在するが、それでも突き上げるような動作のしゃがみ技で対空性能がある程度あればアッパーと呼ばれがち。

祖国

ストリートファイター4時代のザンギエフのウルトラコンボ、アルティメットアトミックバスターの通称。象徴的な「祖国の為に!」というボイスからこの様に呼ばれている。
転じて、同じザンギエフの2回転コマンドの最上級の超必殺技という共通点から、スト6においてもSA3のボリショイストームバスターを祖国と呼ぶ事がそれなりに存在する。

エドモンド本田のスーパー百貫落としの事。
上から尻を押し付けてくるのだから尻と呼ばれて当然であった。
実は必殺技版は「スーパー百貫落とし」、ジャンプ小Kが「百貫落とし」。間違えやすいが覚えておくと少しドヤれるかもしれない。

スト5時代は女子プロレスラーキャラ「レインボー・ミカ」がジャンプして尻から突撃する「シューティングピーチ」という技も尻と呼ばれていた。
あのキャラは本田以上にやたらと尻ばかり押し付けていたので、開発者にきっとそういう趣味の人間が大量に居たのだろう。

烈火拳

スーパーストリートファイター2で登場したキャラクター、フェイロンの必殺技の一つ。
発動するとホァイと叫びながら相手をパンチし、そこから追加入力で2回まで追撃ができるという性能になっている。
初段でヒット確認を行い安全にダメージを取るといった使い方もできる上に、ガードされた時に追撃を出すか出さないかや遅らせるかどうかで相手の反撃タイミングと読み合っていく事ができ、格闘ゲームの技の中でも非常に強力なものとなっている。

転じて、同じように追加入力で攻撃するかどうかを選べる類似した技の事。
初段で止めた場合に不利或いは反撃確定であっても、2段目を出せば初段に対する相手の暴れを潰す事ができ、3段目も同様に出すか出さないかで相手の暴れと読み合う事ができる……が代わりに最後まで出し切ると非常に大きな不利を晒す、という物が多い。
大本のフェイロンがブルース・リーをモチーフとした中国系キャラクターという事もあってか、類似した性能の技も中国系のキャラクターが持っている事が多い。
スト6においては、ジェイミーの流酔拳/流酔脚が烈火拳と呼ばれる。また、他にも条件に該当するターゲットコンボなどが軒並みそう呼ばれる事も。

転身

ストリートファイター3に登場したキャラクター、ユンとヤンの必殺技「前方転身」の事。
ダメージは一切発生しない代わりに相手をのけぞり状態にして、そこからコンボが可能な性質を持つ特殊なコマンド投げ。
コマンド投げでありながら当てた後の状況を自由に選べる他、超必殺技を絡めて凄まじいダメージを叩き出す事も出来てしまうなど、コマンド投げの中でも圧倒的な強さを持つ。

転じて、同じようにヒット後に追撃が可能でそれ自体のダメージが殆ど無いコマンド投げの事。
スト6においては、ジェイミーの点辰てんしんがそのように呼ばれる。
名前の読みがどちらも「てんしん」である事、ジェイミーはユンヤン兄弟に憧れているという設定などからして、非常に直接的に元の技をオマージュした要素である事は言うまでもない。

雷撃

同じくユンとヤンの持つ特殊技、「雷撃蹴」の事。
空中から急降下しながら相手を蹴りつける、という性質を持つ。
ジャンプの軌道や速度、タイミングなどが変化する為相手からすると対空が難しく、結果的にヒットやガードを強いられる事が多い厄介な技。
特にスーパーストリートファイター4 アーケードエディションでは非常に高い性能を誇り、この技を皮肉った内容の格闘ゲームがわざわざ開発される程に猛威を振るった。

転じて、同様に空中から急降下する蹴り技の事。
キャミィのキャノンストライクや豪鬼の天魔空刃脚は旧作から存在する伝統的な技である為あまりそう呼ばれる事はなく、スト6において雷撃と呼ばれるのはもっぱらユンヤン兄弟をオマージュした要素の多いジェイミーの「無影蹴」である。
これも非常に凄まじい性能の強力な技だ……が、オリジナルと比べてしまえば可愛いものだ。

ディゲンヌ

ストリートファイター5におけるアレックスのCA(今で言うSA3)、ヘビーハンマーの空耳。正しくはthe endと思われる。
相手を地面に叩きつけて3Dモデルの初期ポーズのような姿勢で突き刺す、という印象的なモーションと共に何を言っているのかいまいち分かりにくいセリフを叫ぶ事から、スト5末期にアレックスをネタキャラ化する事で人気を博したプロゲーマーどぐら氏の配信を発祥として広まっていった。
今作においても、マノンやリリーのように相手を地面に叩きつける演出のSA3や投げで相手を倒した際に一部のどぐらリスナーがディゲンヌと叫ぶ事がある。生暖かい目で見守ろう。

筆者はアレックスが何よりも好きなのでネタキャラ扱いを非常に不満に思っており、どぐら氏にもそれなりの恨みを抱いているが、それはそれこれはこれ。

大人気コスチューム/売り切れコス

ストリートファイター5においてプロゲーマー「ガチくん」がカプコンカップ2019で優勝した際に、景品として与えられたコスチューム考案権を用いてデザインしたコスチューム。
野球選手を模した衣装であり、なんというかなんとも妙な評価というか、匿名掲示板を中心に弄り倒され、ともあれなんやかんやでネタ化した。
完全にネタ混ざりではあるが、なんやかんやで今でも6への実装を希望する声が少なくない。
ストリートファイター5であれば他プレイヤーでも入手できるが、ガチくんだけはピアスと婚約指輪を身に着けた上で背中に「RASHID」ではなく彼の名前が刻まれた独自バージョンを使用できるという粋な要素も備わっている。
筆者はかなり似合っていると感じていて好きなコスチュームなので実装を強く期待している。

0回戦

海外大会に出場する為に渡航する、そのフェーズの事。
どう見ても無理難題には思えないが、そこは格ゲーマー。多くのプロが0回戦に難戦し敗退する様はもはや風物詩である。

トトロ

試遊台で確認されたと思われた仕様が、実際には誤認だった事。
言うまでもなく、元ネタは「トトロいたもん」。

ブロンズの田中式

見た目が非常に醜い起き攻めセットプレイの一つ。
相手をダウンさせた後、上りジャンプ攻撃でフレーム調整をして攻撃を重ねる。スト6において主に重ねる技は瞬獄殺だが、元ネタとなるブロンズの田中はしゃがみ強Pの持続を重ねていた。そこまでしてもガードさせて五分って何なんだ、田中。
ウメハラの配信に現れた「ブロンズ田中の友人」がインパクト抜群だった事もあり、今では「上りジャンプ攻撃でフレーム消費するセットプレイ」の事をブロンズ田中式と呼ぶように。
6における瞬獄殺重ねは意外と通用するが、元ネタのブロンズ田中版はウメハラに「これをやめるだけ!これをやめるだけであなたはゴールドに行けます!これをやめるだけ、簡単なことです」と言わしめるレベルのクソセットプレイだ。

壊れちゃ~う!

実況機能で実況担当をアールさんに設定した場合に聞けるボイスの一つ。
非常に印象的なボイスで、実況ボイスはこれしか覚えていないという人も少なくないのではないだろうか。

他作品由来

ここまで来るとネタに近い、というよりもほぼネタでしか無い用語が殆どを占める。
人口と独自用語の異常な多さから、スマブラ用語が非常に多い。

死ななきゃ安い

2つの意味を持つ、ギルティギア発祥の用語。
格闘ゲーム史上屈指の紙耐久キャラクターとして知られるチップは、そのあまりの脆さからチップ限定即死コンボが多数存在していた。
一度コンボ始動技を受ければ即死する事が当たり前になってしまったチップ使いにとって、即死しないコンボは例えそれが9割以上を削っていようとも安いのだ。
そんな諦観と自虐の入り混じった若干哀れなスラング、それが「死ななきゃ安い」である。

そしてなんやかんやで月日が経ち、今では「生きてさえいれば逆転できる」といった非常にポジティブな用語へと自然に生まれ変わりましたとさ。
一言口にするだけでなんだか少し勇気が出て、強気に読み合っていけるのだから不思議。

ジョインジョイン

キャラクター選択画面でカーソルを動かす事。
アーケード版格闘ゲーム「北斗の拳」及びPS2移植「北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~」(以下AC北斗)に由来する用語。
キャラクター選択画面でカーソルを動かす音が「ジョイン」と聞こえ、それによってトキを選択する場合は2回カーソルを動かした後に選択する為「ジョインジョイントキィ」と聞こえる。
このトキが全格闘ゲームを見渡しても滅多に見られない、という領域を超えて「見られてたまるか」というレベルの性能をしている為、そのトキを選択するという死刑宣告じみて非常に恐ろしい行為は作品の垣根を超え畏敬を込めたネタと化した。
最弱キャラクターのジャギを選ぶ場合はジョインジョインジョインジャギィ。

テーレッテー

即死技(ストリートファイター6には存在しないが)を当てる事、転じてリーサル状況で超必殺技を当てる事……の意として使うプレイヤーが稀に存在する。
由来は同じくAC北斗。
AC北斗は共通システムとして「相手に当てれば残り体力を問わず即死させる」という効果を持つ一撃必殺奥義が存在し、この一撃必殺奥義は相手に命中すると北斗の拳の戦闘BGMの一部が流れるという非常にアツい演出を持っている。
この象徴的な演出とAC北斗の極めてピーキーでネタ化しやすいゲーム性が話題として広まり、「用語という程かは怪しいけどなんか漠然と他作品でも通じちゃうんだよな」という状況が生じた。
怪しいなら、ノリで書くこの記事には乗せてしまおう。
同じように即死技が当たりやすい戦国BASARA Xに由来して「オーモーイーガー」と呼ばれる事も。

ポップオフ

大会の配信席において、勝利した側のプレイヤーが席を立って喜ぶ事。
元々pop-offにそのような意味は無いが、気がついたらスマブラ界隈に定着していた。
スマブラ界隈においてはオフ大会勢の間で「今度勝ったらこういうポップオフがしたい」という話題がしばしば見られるほどに、大会配信の華と言える要素であり、それだけ印象的という事もありスマブラから入ってきたプレイヤーが使う光景がしばしば見られる。

サムス構文

サムスは遠距離が強い代わりに近距離が強い

どこかのスマブラ勢

皆も一度はこの文章を見た事があるのではないだろうか……この文章、及びこれに似た構文のことだ。
厳密な発祥は不明だがスマブラ勢の中から使われるようになった構文で、「近距離」と「遠距離」のように本来相反すると思われる2つの強さを両立するキャラクターに対して、何の代わりにもなっていないが「代わりに」と繋いでその強さを理不尽に表現する構文。
スマブラシリーズにおけるサムスは作中最強の高威力な飛び道具と牽制戦で優秀な飛び道具を持ち、それでいて空中攻撃を始めとした打撃技の威力もまた軒並み高い事からこの様に評される様になった。
が、スマブラSPにおけるサムスの打撃技は発生前後ともに比較的硬直が重く、空振った時のリスクがやや高い為近距離戦が逸脱して強いという事はない。勿論弱いという事もない。

ことストリートファイター6においては、最初期のJPに対して使われる事が非常に多い。
格闘ゲームのキャラクターの中でも異例なほどに充実した遠距離技の数々で中級者程度であれば近寄らずとも一方的にハメ殺す事ができるほどの遠距離の強さを持ちながら、中距離においては作中屈指の異様な判定の硬さと高いリターンを持つ牽制技で一方的に封殺し、近距離においても刻める回数の多い弱攻撃が優秀な上に一度何かを当てれば得意の遠距離戦に持ち込む事ができ、どの距離でも火力自体が高く、更に1F発生で打撃と投げの両方を取る事ができる上に上手く行けばそこから当時バージョンなら相手の体力の6割を奪い取れる異常に理不尽な当身技「ODアムネジア」による攻め拒否が超強力であった。
この全距離において議論の余地すら無いほどの非常に傑出した強みを発揮でき、多くの最上位プレイヤーもが「流石に最強」と認める性能は本家本元のサムス以上にこの構文に相応しいとすら言えるのではないだろうか。
つまり、こうだ。「(初期)JPは遠距離が強い代わりに近距離が強く、とはいえ流石に中距離は強い」。
勿論あまりにも理不尽が過ぎた為、当然のように大幅弱体化を受けた。これでもまだ上位キャラに入れても良いかな程度の性能を保っているのが恐ろしいところだ。

サムス
最強の飛び道具を持つキャラクター
その代わりに近距離が強く崖上がり狩りが強いキャラコンセプトでバランスを取っている

飛び道具の吹っ飛ばしは最強だが、その代償として掴みバーストやDAでのバーストを持つ

https://x.com/Bluewoodsun/status/1403561160910131201

また、こちらも厳密な発祥は調べきれていないが(最も「伸びている」と思われたものを引用した)、更に詳細にそのスペックの高さを綴ったこのようなバリエーションもある。
Youtubeのコメント欄などで前者が書き込まれると、返信として後者が付けられる事がしばしば。
何一つとして嘘をついていないのが凄いが、先述の通りサムスには決してまともな弱点が存在しない訳では無い。歩きが遅い程度しか弱点の無い初期JPと違ってね……

いやでも構文

いやでもスネークは相手が110%の時に撃墜手段が上強しかなくて差し込みもDAしか無いからそこ対策されたら弱キャラなんで~

出典不明、とあるスマブラー

サムス構文と殆ど同類である。
実際にはスネークは結構な強キャラなのだが、弱キャラで頑張って勝ったと言い張りたいプレイヤーがつい笑ってしまうほど必死にその性能を弱いものだと言い張ろうとした際に生まれた……と言われるが細かい事はよく分かっていない。
あまりの必死さと白々しさ、全く関係ない筈の強豪スネーク使いであるしょーぐん氏が擦りまくった事などによって定着した。曰く、「自分発祥ではないが意地でも自分発祥という事にしたい」らしい。どういうことなんだ。
スト6においても、キャラクター性能をネタ込みでネガる時などに割と見られる。いやでもザンギエフは相手が体力有利の時に接近手段が歩くしかなくて差し込みもラッシュ膝しか無いからそこ対策されたら弱キャラなんで~

〇〇は弱い!みんな元気でね

ZSS's sucks! Enjoy your day!ゼロサムは弱い!みんな元気でね

Marss

アメリカのプロスマブラプレイヤー、Marss氏が言い放った印象的な一言。
比較的強キャラとされるゼロスーツサムス(略してゼロサム)をあまりにも清々しくきっぱりと綺麗にネガる内容があまりにも印象的でネタ化し定着した。
それなりに強いキャラクターをネガりたい時に、この構文を使えばもしかしたら笑ってもらえるかもしれないし、流石に無理があるかもしれない。

後隙

技の硬直のうち、攻撃判定が消えてから全体動作が終了するまでの部分の事。主にスマブラ界隈で用いられる用語。
直感的で使いやすいが、格闘ゲームにおいては「硬直」と十把一絡げにされたり、ガードされる前提で「不利フレーム」として扱われる事が多い。
ゲームシステムを具体的に言い表したロジカルな用語よりも直感的なわかりやすさが重んじられる、スマブラ界隈らしいワード。

メテオ

これもまたスマブラシリーズの用語。空中の相手に当てた時に、下方向に向かって相手が吹き飛ぶ技のこと。
今作ではリュウを始めとした多くのキャラクターの強Pが相手を下方向に飛ばし地面に叩きつけてダウンさせる性質を持ち、これらの事をスマ勢がメテオと呼ぶ事がごく稀にある。
スト6において本当に強い要素かは怪しいというか、追撃可能ダウンの方が10倍嬉しい。
なお、スマブラにおけるリュウの同モーション技はやはりメテオ属性持ち。下方向に向かって殴る技で下に落ちない方がおかしい、という事だろう。

ダブルマークナル

「両対応」と同義。スマブラ界隈で用いられる用語。
スマブラXにおいてメタナイトの空中N攻撃があまりにも高性能で、うまく出すと相手の二択になる行動を両方とも狩れるタイミングで2回出す事ができた。
この空中N攻撃のモーションが丸くなったように見える回転斬りであった事から、ダブル丸くなると命名。これが聞き間違えにより「ダブルマークナル」なる謎のアホっぽい技名と化した。
絶対にスマブラ勢以外には伝わらない用語であり、スマブラ勢ですらも半ば「なんやこれ……」と思いながら使う。
だがスマブラ勢に「この起き攻めはその場起きと後転の両方に対応できて……」と説明するとしばしば「ああ!ダブルマークナルね!」と返ってくる。自分でも絶対に伝わらない用語だと分かっているのに、だ。

めくり(スマブラ版)

相手にガードさせた後に裏側に抜ける技の事。スト6においては存在しない筈だが、ヒット時に裏に抜けるODスパイラルアローの事をそう呼ぶスマ勢は一定数存在する。
格ゲー用語を超大雑把に雰囲気で理解したようでしていないスマブラ勢が持ち込んだのだろうか。

おわり

もし、この用語集に含まれない気になる用語があれば、是非コメント欄で伝えてください。可能な限り追記します。
皆様が格闘ゲームを楽しむ一助になれれば幸いです。





あー超疲れた。多分20時間くらい費やしたと思います。
だいぶ疲れたので投げ銭やライター業の仕事などを頂けると本当に助かります。何せ二郎系一杯食べに行くのにもかなり躊躇するくらいの財布事情でね……

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