雑記:孤独なスト勢、MvCIを始めるの巻。
大流行の中、スト6旋風の最中、死ぬほど楽しい。できればここで飯を食い、ここに骨を埋めたい。私は一人で地道にプレイし続けている。
誰と肩を並べるでもなく、誰を目標にするでもなく。まあ新規プレイヤーを一人育ててはいるのだが、私を殺しに来てくれるまでに1年以上は見るべきだろう。
地上戦をジリジリと……一人でランクをチマチマと……学びを自分でぽつぽつと……
人には、こういう時に貯まるゲージがある。
自由が欲しい。
大空を飛び回る自由が。
大足から波動拳とかを出す自由が。
ビームとかを撃つ自由が。
バックジャンプ斬空とかをばらまく自由が。
なんか好き勝手にすごい連携を押し付けたりする自由が。
私は自由を手にした。
そもそもそれ何よ
このMarvel vs. Capcom: InfiniteというゲームについてそんじょそこらのMvCシリーズ未体験の格闘ゲーマーの視点から語ると、「悲劇のゲーム」という印象が強い。
開発者の炎上でプレイヤーベースが離れた事や前作Ultimate Marvel vs. Capcom 3と頻繁に比較して叩かれている事、X-Menから始まったシリーズでありながらX-Menが総リストラになった事なんかは格闘ゲーマーの間では常識ですらある。
そして、そんな心無く謗る声の中でも競い合い楽しむ、愛に満ちたMvCI勢の声もまた、私の耳に強く届いたのだった。
コンボゲーという物自体の経験は無い。ストリートファイターの地道な地上戦が好きで格闘ゲームをプレイしているので、このゲームをプレイする理由は元々乏しい。
だが臨時収入もあった、地味すぎるスト6への向き合い方とあまりに鬱屈したくだらない社会の最底辺としての日々で精神的スパコンゲージも限界だ、格ゲー界隈にもっと深く関わって「格ゲーの何かになりたい」という願望も強い、何よりハガー市長が居るらしい。6では銅像以外出てこない彼が。
良く分からない、何も知らないがマッチョを選んでレバーを回せば良いんだろう?格闘ゲームとはそういうものだった筈だ。アルカナハートだとスク水幼女だったけど。
かくして私は全方位からなんか色々飛んでくる正直何もわからないゲームに手を出すのであった。
このnoteはそんなゲームを購入した一人のスト6勢の、プレイ初日の記録である。
まずは取り敢えずストーリーやるよね。
初心者という生き物は基本的に常にそうだ、まずは格闘ゲームを始めたらストーリーかアーケードだ。これは「取り敢えずビール」よりも重い鉄の掟である。
それはそれとしてトレモは事前に多少触り、リュウのコパコパ中足しゃが大JC強P空竜真空波動くらいは出来るようになっておいた。すごくたのしい。コンボの自由だけでかなり遊べてしまう。私は乾杯の前にひっそりとウイスキーをロックで一杯飲んでいたりするのだ。
今作はどうやら旧作になかったストーリー要素に強くフィーチャーしているようで、シネマティックなムービーが多数用意された豪華なモードが実装されている。
何やらCAPCOMとMarvelの奴らが出てきて……「惨殺してもレーティングが上がらない敵」を殺して……その度にちょっとしたバトルが挟まって……
これ、普通のアーケードモードだ。
間にムービーが挟まるだけでやっている事は本当に伝統的なアーケードモードのそれで、ひたすら倒して進むを繰り返す。すごく長いなぁ、くらいしかゲームプレイ部分の違いが本当に無いし、正直ただのアーケードモードという体裁でよりゲームプレイに起伏のあるゲームは無数に存在した。
雑魚戦が一対多でありながらしっかりコンボをしてくるわガードも硬いわと物凄くストレスフルであったり、ラスボス戦で時折演出も何も無しにただ5秒待たされる事がある意味不明の仕様であったりと、正直に白状するとこのモードに限れば文句を言いたい要素はかなり多い。
ウルトロンとシグマが合体してウルトロンΣであった筈なのに進化するとウルトロンΩになるという本当に意味不明のセンスであったり、特に何の説明もなく葛藤が生えてきて何の説明もなく乗り越えて一番美味しい所を持っていくエックスであったり、ツンデレ有能助言紫おじさんサノスであったり、知性が超大幅にナーフされて園児並みの思考能力に落ち込んだハガー市長であったりと、ストーリーの内容自体にも正直ケチが付きまくる。
なによりリュウの扱いは凄まじく酷い。いきなり捕縛されて現れたかと思えば調査員なるリュウらしさ皆無の肩書を名乗ったり、殺意の波動をツンデレ有能助言おじさん兼最強戦力兼一応はトリックスターであるサノスに吸い取られて物凄く嬉しそうにしていたりと、威厳とか格がだいぶ乏しい。Marvelのスケール感で放たれる真・昇龍拳は格好良いけど、その波動拳は真空波動拳だろ。真って言うなら真空とも言いなさーい!
ただ一番の問題は「初心者はこのモードを始めにプレイする」という事を全く考慮していない事だろう。
「弱Pボタン連打で自動コンボが出ますよ」以上の知識を与えずに、弱攻撃をほぼ全てアーマーで取る敵や物凄くガードの硬い雑魚を出して、それで本当にどうにかなると思っているのだろうか?そのやり方で初心者がちょいとでも楽しめるとでも思っているのだろうか?なお難易度設定には全く触れていない。
幸いにも私は格闘ゲームの経験がそれなりにあり、投げの仕様に関してもスト2の経験があるので問題にならなかったが、これがアイアンマンやなんかに惹かれた格闘ゲーム未体験のプレイヤーであったなら……想像もしたくない。
多分、初心者プレイヤーは難易度を大幅に下げなくてはウルトロンΩを倒す事すら出来ないだろう。自動コンボの性質となんたらストーン攻撃の挙動が悪い意味で噛み合いすぎている。というかぶっちゃけるとウルトロンΩ戦は本当に面白くなかった。
スト6のおつかいクエストの仕様がいくら鬱陶しかろうとワールドツアー内で全て教えてくれるというだけで本当に素晴らしい事なんだなと、この時改めて再認識するのであった。
だがストーリーの細部の粗の多さに目を瞑れば、ストーリーやムービーは美麗な上、非常に熱い。
スタンスやなんやが違えど同じ正義を持つ戦士たちが集い同じ危機に立ち向かう無条件に熱い筋書きに、危機の起こり方やピンチの演出もよく出来ている。なんか気がついたら、凄くハラハラしながら楽しく観ていたんですよね。
なんだかんだで良くわからない展開の数々の中でも熱いバトル演出と熱い男達を見ていれば手に汗握る事ができる、それが私達だ。ディテールの雑ささえ無ければ最高だったのにな、と惜しまずにはいられない。
トレモしてるだけで楽しい
このゲームは本当にコンボの自由度が高い。
スト6ではノーゲージだと大ゴス→中P→強昇龍くらいしか繋がらないリュウくんもコパンからアッパーをジャンプキャンセルして何発か刻んで竜巻旋風脚が当たったりする。そこからスパイディとかが飛び出してきて、するとコンボはまだまだ続く。
本当に突拍子もない所から突拍子もない技が繋がってくれるので、トレーニングモードでコンボを触っているだけでも際限ない時間を費やせてしまう。
分かっているんだ、こういう遊び方をしていても実はさして上手くはならないと……実戦でこのゲーム性に慣れなくてはならないと。それでも!それでも!楽しいんだ。
空キャンの自由度が高い操作性なので、ストリートファイターのように先行入力で入れ込んだりせず、きちんと出てほしいタイミングで技を押すという感覚で操作する必要があり非常に慣れないが、ある意味ではこちらの方が直感的なのかもしれないと感じたり、いやジャンプキャンセルは別に直感的ではないなと思ったり。
ともあれ自由!自由!!やりたいように技が当たって繋がる!楽しい。とても楽しい。最高。あのハガー市長がエリアルコンボをしている!結構繋がっている!まるで中学生の友人がNo1ホストになったのを見るような不思議な気分だ!それは良いのか?どうなんだ?
コミュニティ大会を見た。
酒をガバガバ飲んでいたので寝落ちした。
自由度の高さもあって本当になんでも起こるゲームですね、これ。逆転劇であったり、逆転一歩手前のドラマであったり。おっ おもしろすぎる……
そして興味のあったアーサーがとても難しそうだ、と思った所で意識が途切れたのであった。
そして初日が終わった。
ストーリーモードをプレイした事を正直若干後悔した。
これさえ無ければ初日の体験は全て楽しい時間だったのにな……すまない、MvCI勢の皆……。初日はポジティブな感情で始めた方がこう、プレイヤーとしても嬉しいのは、よく分かっているんだ……。
取り敢えずはスト6と一緒に、毎日コツコツと遊んでいこうと思います。