友の母
学生時代、ゴールデンウィークに下宿先から実家に帰る前に、大学の友だちの自宅に寄ったことがあった。
そこには友だちとそのお母さんがいた。
友だちのお母さんは、私にメロンを出してくれた。
一人暮らしで果物といえば、バナナかリンゴを食べていた私は「おいしい、おいしい」と、とても喜んで食べた。
その様子を見て、不憫に思ったのだろう。
「一人暮らしは大変なのよ。〇〇はその大変さを知らないから」と、友だちに諭していた。
私の大学の友だちは、みな自宅から通っていた。
京都の友だちの家に泊まらせてもらった時は、肉じゃがをふるまってくれた。
私がいつも学食で肉じゃがを食べていたので、友だちがお母さんに言ってくれていたのだ。
祇園祭りのために泊まらせてもらったので、ハモも出してくれた。
初めて食べたし、それ以来食べていない。
親元を離れた子に、母親は優しい。
怖いバイト先のおばちゃんも、そうだった。
なんの脈絡もないけれど、ふと、メロンの絵を見て思い出した。