見出し画像

私は人だ。人間だ。
けれど人が苦手だし、嫌悪感を抱くことも多い。

最近、時間の使い方を見直している。
漫然とスマホで何かを検索していたり、何となく動画を見るということが少なくなった。
かわりに『ほぼ日の学校』や『NHKオンデマンド』などで面白そうな人が出てくるコンテンツを見ている。

そういう日々を過ごしていて「やっぱり人だなぁ」と思ったのだ。
「人間ってなんて醜悪な生き物だろう」と思うことも多いが、興味深い人を知るとワクワクする。
今はまだ知らないけれど、面白い人がいっぱいいると思うと、ちょっとだけ「人もいいかもな」と思えてきた。

私は人は嫌いだけど、人の作り出したもの、作品や生き様などには興味があった。
感動で涙を流したり、思わず笑い出したり、すごいなぁと畏怖の念さえ感じることもあった。
それでも「人自体」は基本的にできるだけ関わりたくないものだった。

山や空や海。
犬や猫。
雨や川や雪。
太陽や月や星。
そちらの世界が大好きだった。

何となくは気づいていたのだ。
そちらの世界は私が好きなように解釈して、好きに思い込むことができるから都合がいいのだ。
人はそうはいかない。
ダイレクトにリアクションがある。
くよくよしたり不安になる私は、相手のことをあれこれ考えすぎてしんどくなる。

そうはいっても人の世で生きてきたからなぁ。
消耗しながらも何とかやってきたのだ。
それで、ほとほと疲れてしまったんだろう。

人間関係は相変わらず苦手だけれど、ここにきて面白い人の話をたくさん聞いてみたいという欲が出てきた。
そして直接話ができたり、会えるならそうしてみたい、という気もちも出てきた(と言いつつ、まだ少しためらう気もちもある)。

「すごいことを発見した!そうかそういうことだったんだ!」と思っていたことが、何十年も前にすでに語られていたりすると少しがっかりもするけれど、心強くもある。
いまのこの人の世で、私が私の言葉で現すことで誰かが心強く思える瞬間があればいいなと思う。
人が紡いできたものの流れの中に私もいることが少し分かった。
何周遅れかも分からないし、コースから逸脱してもうレースに参加すらできていないかも知れないけれど、今からでも少しずつ前に進んで行こうと思う。