振り返れば
とてつもなく腹が立っても、悲しみに襲われても、時がたつと薄れてゆく。
少しくらいの出来事なら、さっきまで怒り散らしていても、あっという間にゲラゲラ笑ったあと、忘れてしまうこともある。
忘れてしまっていたことが、何かがきっかけになってぶり返すこともある。
いずれにしても、ひとつの感情にとらわれてしまうとそこから動けなくなる。
居心地が良くて留まるのではない。
ただ、先に進めなくなる。
それは、とても辛い。
本当に何も考えられなくなる前に、自分か周りの人がハッと気づけばいい。
ついつい、目の前の世界が狭くなってしまう時があるけれど、ヒントはいつでも散りばめられている。
薄情と言われても、気ままと言われても、私は先へ先へと進もう。
大切な人たちへは「こっち、こっち」とサインを出しながら、進んでいこう。
もう、同じところでグルグル考え込む時間は使い果たした。
きっと、私の後ろには思考の抜け殻のようなものがたくさん散らばっているだろう。
今、私の中にあるものと一緒に進む。
天気が良くても悪くても、その時々に見える景色を楽しみながら、歩いてゆく。
どれもこれも、どうしようもないことも、振り返った時には面白がれる私なのだから。