花
先日、職場のトイレに花が飾ってあった。
濃い黄色のきれいな花だった。
豪華なわけではないけれど、ちょうど良い分量で、とても良かった。
仕事は愉快なものでもなく、疲れてふらふらとトイレに行くために席を立った。
そして、手を洗う時にふと花の存在に気づいた。
花はきれいに咲いていて、それを見た私の中には何か温かいものが生まれた。
ほほえみのような何か。
けれど、花は切られて花瓶に挿されていたのだ。
それを思うと少し複雑な気もちになった。
花はなぜあんなにきれいな色になるのだろう。
きれいな花は、余計に摘まれてしまうのだろうな。
私は、自分では花は飾らない。
これからも、出会った花をそっと愛でるだけだろう。