島での初手を考える~カタンの開拓者たち~
カタンの開拓者たち、というボードゲームをご存じだろうか?
俗にカタンと呼ばれるこのゲームは、1995年に発売されてから今に至るまで、世界中でボードゲームの代表として君臨する伝説的なボードゲームである。
大航海時代の無人島"カタン島"を舞台に、3~4人のプレイヤーたちは開拓地を広げていく。開拓地から得られる資源を元に更なる開発を進め、最も早く一定レベルまで開発を進めたプレイヤーがカタン島の覇者、ゲームの勝者となる。
そして、このゲームの肝はなんといっても舞台の多様性である。カタン島では5種類の資源(木材、レンガ、羊毛、小麦、鉱石)が獲れるが、それぞれが獲れる確率、獲れる場所がゲームによって毎回ランダムに変化する。そのため、ゲームごとに開拓地をどこに作るかが非常に重要な問題となる。
さらに、ゲーム開始時にプレイヤーらは、"最初の開拓地をどこに置くか"という最初にして最大の決断を迫られる。この選択がゲームの展開を大きく分けるため、非常に難しく、非常に面白いのである。
最近、このカタンというゲームにおける初手を考えることが日々の楽しみとなっているため、皆さんにも伝えていきたいと思う。
因みにこのnoteではルール解説はそこそこにしてしまうため、気になった場合は下の記事を参考にしていただきたい。
今日のカタソ島
Twitterで#今日のカタソ島 というハッシュタグで毎日カタンの初手についての問題を出している方がいらっしゃる。
因みに運営者はけんし (@saya_ken8823)さんであり、先日はまではこちらのアカウントで呟かれていた。
ランダムに生成されたカタン島において、1番手で(たまに2番手で)、どこに開拓地を置くかという問題を設定し、アンケートを設けている。
例えば下のような設問である。
因みに開拓地は6角形のタイルの頂点に設置することができる。開拓地が隣接するタイルからはそれに対応する資源を獲ることができ、毎ターン2つのサイコロの出目の和によってどの資源を得られるかが決まる。
2つのサイコロの出目の和の確率は7が最も高く、68、59、と7から数字が離れるごとに確率は低くなる。そのため、基本的には6や8が出ると資源の得られる土地に隣接した場所に開拓地を置きたくなるわけである。また、それだけではなく5や9、4や10も比較的数字が強いと言える。
そういったことを考えると強い土地は限られてくる。
今回は都市化に必要な鉄を握れること、木が豊富な地形であるため2つ目の開拓地で確保できる可能性が高いことを評価して、島の東側に位置する
土の8、羊の4、鉄の10、道は下に置くことにした。
下に道を伸ばした理由としては鉄の10と羊港は欲しかったものの、後続者が鉄の9と10、筆の5の場所に置いたとしても、鉄の10と羊の港を獲るために資源を序盤に使うとは考えられなかったためである。
そのため8土と3麦の汎用港を先にとり、開拓地を広げる能力を先に上げるプランを描いた。
予想通り、一番人気であった。
また、他にも面白い問題があったので紹介したい。
この問題は1番手が8鉄5麦に10土というかなり強い土地を取った後の2番手である。
西側は羊で溢れかえっているが、羊の港がかなり到達しづらい場所にあるため北西の6麦か南東の6土を優先して考えたい。
また、鉄は欲しいものの、この島は木があまりにも不足しているため、5木隣接している6土を取りに行きたいと考える。
そこで問題となるのは11麦のほうにおくか、12麦の方に置くかということである。
普通に考えれば11の方が数字が強いために11麦で即決なのだが、問題は土港までの距離である。11麦から土港までは街道3本、12麦から土港までは街道2本である。
序盤の街道1本分の差は馬鹿にできないと考える。
11と12の差は確率にして2/36か1/36でしかなく、ゲームを通して資源を得られる回数が2,3回変わるかどうかである。
しかし街道を1個作ることを省略してその分早く開拓地を作ることができればそれ以上のリターンがあると考えるため、私は5木6土12麦の場所に開拓地を作りたいと考える。勿論道は左である。
一方12麦を選ぶ問題は6土の周りに開拓地を置けるチャンスが減ることである。6土の周りは3木4鉄も十分に強いため後続が置くことが考えられるが、そうするともう6土の周りに開拓地を置くことができなくなる。
しかし6土のもう一方は12麦の11土と非常に弱く、6土に依存した場合盗賊にかなり弱くなってしまうため、9土周りを2手目で狙うことを考えれば問題は大きくないと考える。
因みに2手目は9土4鉄11麦に置くことを想定し、間に開拓地は作れないが最長交易路を意識したい。
そんなこんなで、毎日カタンの初手を考えている。
是非皆さんも一緒に考えて、Twitterの投票を盛り上げて欲しい。
リアルでの対戦もしたい
毎日こういったことを考えているとカタンがしたくなってくる。
実は私は普通に実物も所有しているので(現在は友人宅で埃を被っているが)是非誰か我が家で遊びましょう。