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あげたてをもとめて
揚げ物
それに惹かれてこの地を訪れる者は後を絶たない。
神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台21-8
横浜国立大学南通用門から徒歩1分
その場所に、横浜国立大学の学生らの胃袋を支える弁当屋がある。
横浜弁当、通称浜弁だ。
お昼時や夕方から夜にかけてはその行列が無くなることはほとんど無い、常盤台の人気店である。
独り暮らしの食卓に揚げ物を並べることの面倒さを知る者であれば誰もが、「唐揚げ弁当」とコールし既に握りしめた390円をトレーの上に置くだけで済むここのありがたさが骨身に染みているはずである。
しかしそんな浜弁の唐揚げ弁当(タイ風唐揚げ弁当)にも弱点がある。
お昼時や、夕食時を少し過ぎたタイミングでの注文である。
何せここは人気店、唐揚げ弁当のオーダーを待ってから唐揚げを揚げていたのではお客さんが溢れ返ってしまう。
そう、このお店はやむ無くメインの揚げ物の作り置きをしているのである。
しかし安心して欲しい。だいたい12時代までは唐揚げの作り置きも間に合わず揚げたてが提供される。
問題は13時~14時代にここを訪れる場合である。
結構な確率で、あなたの注文するからあげ弁当に投入されるからあげは、少し元気の無いからあげである。
衣はサクサク、中はジューシーで元気のあるからあげと、揚げてから時間が経った元気の無いからあげ
その味の落差はエンジェルフォールより大きい。
先ほど起きて横浜国立大学の研究室に向かう私にとってこれは非常にクリティカルな問題である。
しかし浜弁ヘビーユーザーの私は、目の前のエンジェルフォールにわざわざ身を投げるバカな真似はしない。
この問題を回避する術を、身に付けているのだ。
その術とは、"唐揚げ弁当を注文しない"ことである。
バカか、からあげが食べたいんじゃなかったのか、と思う方も居るかもしれない。
違う、私はあくまであげたての揚げ物が食べたいのだ。
そして、私は先ほどこう書いたはずである。
"メインの"揚げ物の作り置きをしている、と。
そう、すなわち作り置きをしていない揚げ物メニューも存在するのだ。
作り置きをされがちなメニューは
からあげ、チキンカツ、メンチカツ、白身フライ等
逆に作り置きをされないメニューは
カキフライ、ヒレカツ、エビフライ等である。
これらは単価がからあげ弁当に比べ100円ほど高い高級弁当であるため、必ずあげたてで提供される。
揚げ時間が6~8分ほど要求されるものの、特段急ぐ場合でない限りは大きな問題にはならない。
100円高くなると言ってもヒレカツ弁当480円、カキフライ弁当490円はコンビニ弁当や生協のメニューに比べ非常に美味で安価である。
肉を揚げさせ金を払う。
これがからあげを作り置きする浜弁に対する防衛術。
必殺のカウンターパンチである。
単価が高いメニューを注文することは浜弁にとっても多分+なので、積極的に狙っていきたい。
でもやっぱり、浜弁の、あげたてのタイ風唐揚げ弁当が、どこの揚げ物よりも美味しいんだよなぁ。