いつもみたいに「バカヤロウ」って言ってよ~
排泄介助拒否のおばあちゃんがいる。
入職初日に介護リーダーに付いて回り、初めてこのおばあちゃんの排泄介助を見た時の衝撃と言ったら。。。
でもリーダーはとても介護を楽しんでいる人だから、そんな介助もなんのその。
暴言だって楽しんじゃってるくらいだった。
おばあちゃんは毎回言う
「バカヤロウ」
「いつまでやってんだよー」
「早く出て行けー」
壁もドンドン叩くし、介護職の手だって叩いたりする。
叩くといっても力は弱い。
私も一人で排泄介助に回るようになり、そのおばあちゃんの対応にも慣れた。
暴言を吐かれても
「バカって言わないでよ~悲しいじゃ~んw」
「バカだから仕方ないじゃ~んw」
「私も早く出て行きたいよ~w」
「すぐ終わらせるから手伝って~w」
などと、笑ってやり過ごす。
暴言が怖くて、無言でさっさと介助を終わらせてしまう人もいるみたいだけど、私は一人一人、介助中の会話を楽しむタイプだ。
そんな暴言おばあちゃんは、最近元気がない。
車イスに座っていても、ある程度時間が経過すると座位保持が難しくなり、前傾姿勢になってしまう。
「ベッドで横になる?」
と声をかけると、小さな声で
「うん」
と答える。
前だったら目が合っただけで
「何見てるんだよ~」
と怒っていたのに。
最近、朝の排泄介助に入った時、暴言は吐いているんだけどいつもより声に力がないし、暴言もすぐにおさまってしまった。
「元気ないの~?声に力がないよ~。いつもみたいにバカヤロウって言ってよ~」
と、自ら暴言リクエストw
ささいなやりとりから体調の変化を知ることができる。
いつもと違う所に着目し、気にかけてみる。
介護は決して面倒を見るだけではない。
その人の生活の質を下げないようにするのが大切だ。
介護に大切なのは観察力。
入居者の方とのコミュニケーションはとても楽しい。
暴言だって何かしらの背景があると思っている。
その人を否定せずその人の世界に入っていくと、なんら難しいことはない。
認知症の正解は摩訶不思議w
介護は楽しい。