Rush Gamingのファンから、選手へ。夢をつかんだ18歳ルーキーのSirius選手紹介!
「ファンから選手へ」
まだあどけなさの残るSiriusは現在高校3年生の18歳。周りの選手がほとんど21歳の中、唯一の現役高校生だ。そしてCall of Duty(CoD)eスポーツコミュニティにおいて、今年18歳でプロリーグ参戦資格を獲得する選手達の中で、彼ほど注目されてきた選手もいないだろう。
2018年前後から頭角を現し、2020年の時点であらゆるプロチームから次世代のエース選手として獲得競争が水面下でおきていた数少ない選手だ。そしてRush Gamingとしては、歴代初めての「元ファン」という稀有な存在でもある。
年間で何十通と加入応募が送られてくる中で、実際にトライアウトに繋がり、Rush Gamingのロスターメンバーに採用が決まった選手で、今だかつて「ファン」だった選手は実は一人もいない。しかし彼のその実力は、一ファンとしてではなく、一有力な選手として数年に渡ってGreedZzをはじめとするRushのコアメンバーたちが注目していた。
「18歳」というのは、CoDを本気で取り組みたい全選手にとっての節目の晴れ舞台に立つことができる最初の歳だ。多くの選手がこの18歳という節目で、プロシーンへの希望とキャリアへの不安とで悩み、そして忘れられない一歩を踏み出す。
そんな彼がRush Gamingに加入してから約3ヶ月の月日が経った。トライアウト選手として挑んだ12月の「Call of Duty APAC Challengers Cup」では大活躍を見せ、チームは絶対王者Liablent Vertexを下す好スタートを切った。日本を代表するSMG(サブマシンガン・近距離特化型の武器)選手であるチームメイトのWinRedが、試合後の配信内で「今日のMVPはSirius‼」と大きな声で讃えた。
そして、Rush Gamingに、実に約2年ぶりの優勝をもたらしてくれた。
Sirius 18歳「挑戦したい」
彼のプレイスタイルの特徴は「FLEX」。なかでも、かつてBO4時代にRushのエース選手として活躍していたLukeのような、中長距離での闘いにおいて圧倒的な強さを発揮する。
東京出身でA型な彼は、配信や動画で見せる若々しくてやんちゃな印象に反して、SNSでの発信や応援してくれるファンへの返信などからは、先輩たちやスタッフからも一目置かれるような真面目な一面を見せる。
ゲームのことだけに集中したいように見えるかもしれないが、チームの中でも特に関係者へ貢献しようとする気持ちが強い。チームスポンサー、パートナー企業との取り組みにおいても、特にアクションが速く、プロジェクトや案件の結果共有ミーティングなどでは誰よりも興味津々な様子で自分なりの工夫を毎回加えている。
自分の置かれた環境を活用して「いろいろ挑戦したい」と語るSiriusの行動は、早くもRush全体に影響を及ぼしている。例えば、英語の勉強方法についてコーディネーターのBankomaに質問した際、BankomaのアドバイスがSiriusだけでなく社内で役立てられたことがある。
選手として
2月28日に始まるプロ対抗戦に、文字通り最年少で初参戦するSirius。その心境と、加入に至るまでの出会いにいよいよ迫りたい。
Call of Duty に初めて触れた幼少期 家族の姿を見て
ーさっそくですが、CoDとはいつどんなふうに出会ったんでしょうか?
CoDはたまたま親が遊んでいたのがキッカケで始めました。初めてプレイした作品に関してはびっくりされちゃうので言いにくいんですけど、5歳くらいのときからやってます。
だからやっぱり、CoDは最初に触れたゲームっていう思い入れがあります。長年ずっとやってましたから。とはいえ、小さい頃からCoDだけをやってきた、っていうわけじゃないんですよ。
ーほかにどんなことをしてきたんですか?
ピアノと水泳です。12年くらいずっとピアノ教室に通っていて、楽譜さえあれば、ある程度の難しすぎる曲でなければ弾けます。
水泳も実は10年くらいやっていました。どちらも兄の影響で始めたものです。
ー10年水泳ですか!? かなり活躍されていたんですか?
たまたま速かったこともあって、小2の頃から選手コースに入りました。いろんな種目を泳いでいたのですが、北京五輪で北島康介選手を見て平泳ぎをメインの種目に変えてから全国大会に出場したこともあります。
当時のコーチはすごく優しい人で、自分にとってやりやすい環境を作ってくれました。大会に出場したときにはコーチや親が褒めてくれて、恩返しができたと感じる楽しい時期でした。
Call of Dutyを本格的にやりこみ始める
ー水泳に打ち込んでいた中で、CoDを本格的に始めたのはなにかきっかけがあったんですか?
あるとき自分と相性のよかったコーチが違う地域に転勤になってたんですが、次のコーチとはうまく合わず、練習するのが嫌いになっちゃったんですよね。水泳も楽しめなくて、選手を中1の夏に辞めたんです。
水泳をやっていた当時は正直そんなにCoDはやってなくて、学校帰りの水泳に行くちょっとした30分から1時間程度、兄と一緒に遊んでいた程度でした。
でも中3の春に自律神経失調症で不登校気味になって気持ちが滅入ってしまって。心の安らぎを探していたときに「昔CoDにハマってたな」って思い出し、中3の夏にBO3を買って再開しました。そのときはもう次のIWのシーズンだったのですが(苦笑)。 なので本格的に始めたのはWW2ですね。
※CoDシリーズは毎年新作がリリースされる。発売順では2015 BO3(Black Ops 3)→2016 IW(Infinite Warfare)→2017 WW2(World War2)→2018 BO4 (Black Ops 4)→2019 MW(Modern Warfare)→2020 CW(Black Ops Cold War)
ーCoDはカジュアルプレイとeスポーツでだいぶ違いますが、eスポーツを始めたのはどんな理由があったんですか?
eスポーツはWW2からやり始めたんですが、実はやり始めたきっかけがRushなんです。
(出典:日経クロストレンドhttps://xtrend.nikkei.com/atcl/trn/pickup/15/1003590/092301313/)
IW(2017~2018)のときにたまたま東京ゲームショウにいって、Rush VS Scarzのステージをみたときに、CoDにも競技として戦う世界ががあることを知ったんです。あのステージは本当にすごくて、そこから本格的にのめり込みました。
だから当時からRushファンのキッズって感じですよ(笑)。
GreedZzさんの配信を見てコメントしたり、2018年のWW2シーズンが終わった後はGPさんとLukeさん、GreedZzさん、WinRedさんも店頭にいたポップアップストアにも行って一緒に写真を撮ってサインをもらったりしました。
ーそのRushから声がかかるまでのことをうかがいたいのですが、これまでにどんな活動をしていたんですか?
WW2(2018年)のときに「Turquoise(ターコイズ)」というチームを作って、本格的に活動し始めました。今思い出すと、チームでの動きをどうこうよりも本当にそれぞれが「強くなりたい!! 」っていう感じで練習していたので、知識とか方法論とかは全然でした。
でもやる気はあって、アマチュア大会で準優勝や優勝ができるようになってきたんです。あるとき大会で準優勝したとき、もっとうまくなりたいと思うようになって海外のプロリーグであるCWLを観るようになって、意識としては海外の知識を取り入れようと頑張りました。今と比べると全然ですけどね(笑)。
あと、当時のRushと交流戦をして教えてもらったこともありました。でも、「えっ、一緒にやっていいんですか!! 上手い人とやっていいんですか!!」みたいなウキウキの状態でやっていたので、教えてもらったサーチの戦い方は全く吸収できずに終わっちゃっていました(笑)。 いい思い出です。
Rush Gamingに繋がる道
ーほっこりしました(笑)。 そこからRush加入までのことを教えてください。
WW2シーズンから翌年のBO4シーズンにかけてがっつりeスポーツをやって、それなりにコミュニティでは認知はしてもらってたとは思います。
アマチュアチームの中ではいちおう成績は残していたし、今CAGにいるNicochanさんにもいろいろ教えてもらったり、Rushとも練習組んでもらえたりしたこともありました。プロチームの方たちに声をかけてもらう、指摘してもらうなど、当時16、17歳だったんですがプロシーンはすごく意識していました。
ーでもMWシーズンはeスポーツをやっていなかったんですよね?
そうですね。翌年のMWは、高校3年生で、受験生の年の直前に発売したんです。そのタイミングで、eスポーツ活動を優先するほどのモチベーションも消えてしまっていて、一年CoDから離れたんです。
息抜きにたまに起動することはあっても、本気ではやってませんでした。頭の片隅にCoD のeスポーツがなかったわけじゃないんですけど、将来なりたい職業があったので受験勉強を優先させることにしました。
ーなりたい職業のためにゲームを一時中断して受験勉強! どんな職業なんですか?
自分は心理カウンセラーのような、心の病気やメンタルに関わる仕事がしたいと思ってるんです。自分が昔自律神経失調症になったのも関わってるんですが、心のケアができるような人になりたいって思っていて。
正直すごく勉強が得意なわけではなく、それでもその夢のために勉強できて資格も取れる学部のある大学を目指して受験勉強をしていました。
でも、年間を通していろいろなチームから「もう一回やらないか」と声をかけられ、自分もどこかCoDでもう一回やりきりたい気持ちも同時にあって、悩んでいました。なので進路については、実はRushに誘われる前から何回かうららさん(オーナーの西谷麗)に相談していました。
ー進路は18歳のゲーマーにとっては大きなテーマですよね。
実際悩みましたし、そういう様子を当時ちょいちょいTwitterでもつぶやいてました。そしたら、あるとき急にうららさんから「ほんの少しでも興味あるなら、Rushは全力で迎え入れるよ。GreedZzと私とでグループ作る」とDMが来たんです。
それと同時に、他にも2チームからお誘いがありました。まだCW(新作)も出ていなかったので戸惑いもありましたが、その後何度もうららさんとくるたみさん(監督兼マネージャーの久留宮誠也)とお話をしました。受験のことやプロになるということ、Rushはどういうところなのかだったり。本当にたくさん話したと思います。
最後は親ともちゃんと相談して、父からは「むしろチャンスを活かしてこい」と背中を押してもらえたこともあって、トライアウトを受ける決意を固めました。
あ、ちなみにRush加入でカウンセラーへの夢を諦めたわけじゃないです。いろいろ調べたり相談したりした結果、その目標も視野に入れた大学に受かって、この4月から大学生です。両立できるところを選びました。
Rush Gamingの新ロスターとして。
ーSirius選手のことがよくわかりました!最後に意気込みを教えてください!
今、自分が本気で取り組んでいるこのCoD選手活動を、自分の中で誇れるものにしたいです。
今までは視聴者として見ていた舞台に自分が選手として挑戦できることは、本当に大きなチャンスです。悔いが残らないように全力でやりきって、「頑張ったな」って思えるものにします。
そして今シーズンは「成長」が第一の目標なので、選手活動以外に動画や配信なども頑張っていきたいです。もちろん本業は選手なので、あまり多くは投稿できないかもしれませんが、もし動画が上がっていたら、ぜひ観てくれたら嬉しいです!
あとがき
「皆さん、こんにちはこんばんは! 初めての方は初めまして! この度、Rush Gamingの新メンバーとして加入させていただきました、Siriusです!」
緊張で「よろしくお願いっしゃいます!」と甘噛みし、収録時に「噛んじゃった〜〜!(バンバン)」とまだまだ慣れない様子でも、終始ニコニコ笑顔で「かわいい!!!!」とつい連呼してしまう。そんなかわいらしいオフの一面だけでなく、試合中には集中力から生み出される「センスある動き」で一気に敵を倒していく瞬発力も持ち合わせている。
CoDのプレイスタイルでは2月7日に行われた「CoD:BOCW Open Tournament」にて、持ち味のフレックスさを活かして何度も連キルを重ねチームの準決勝進出に貢献していたり、サーチカムバックしたりと、チームの準決勝進出に貢献していた。そんなギャップを持った彼のもう1つの魅力が「丁寧な人柄」ではないだろうか。
小さい頃からさまざまな競技に取り組んできただけでなく、SNSを触っている世代として「自分の魅せ方」をしっかりと理解しているからこそ、自己紹介動画の概要欄にはこのようなコメントが載っていた。
皆様お疲れ様です Siriusです。
今回は恥ずかしながら、顔出ししつつ自己紹介動画を作成しました。とても緊張しながら撮影したのですがいかがだったでしょうか?上手く喋れていたらいいんですけど(-_-;)
(中略)
(最後に自分が言うのはどうかと思いますが、)皆様の期待に応える努力は当然していますが、必ず応えられるかと言われると勝負の世界なので言えません。しかし常に全力で練習や大会に励んでいます。どうか温かい目で見守ってください。お願いします。
並大抵の努力だけでは通用しない勝負の世界を理解したうえで、前に進んでいる。そんな18歳を目の前にして、よりチームとしても精一杯、彼を応援していきたいと思った。
「夜を抜けて夢の先へ 辿り着きたい未来へ」
「大好きな曲」と話していた「あの夢をなぞって / YOASOBI」の曲を聴きながら、この歌詞を贈りたくなった。朝日のように明るく照らしていくSiriusの、これからの活躍に目が離せない。
【ジャケット姿が初々しい自己紹介動画はこちら】
日々新しい事に挑戦してる姿から元気を貰えるので、是非TwitterのフォローとYouTubeチャンネル登録して応援して頂けたら嬉しいです!
【YouTubeチャンネル】
【Twitterアカウント】
【Sirius選手の略歴】
■Sirius(しりうす)
所属:株式会社Rush Gaming
生年月日:2002年7月27日生まれ(18歳)
出身地:東京都
主なプレイゲームタイトル:Call of Duty(CoD)
使用武器:SMG
▼大会実績
2018/8/17-19 WW2 eスポーツ大会 Brave Tournament (63チーム参加)優勝
2019/1/18-20 BO4 Another Tournament Winter(173チーム参加) 準優勝
2019/3/22-24 BO4 Brave Tournament 2nd(111チーム参加)準優勝
2020/11/26 BOCW GGL#2(8チーム招待試合) 優勝
2020/12/19-20 CoD BOCW SCARZ CUP Powered by Elgato(32チーム参加) 準優勝