体外受精の保険適用は制限がつきそうです
来年の4月に始まる不妊治療の保険適用化の話題です。
現在は不妊治療は保険診療ではなく、いわゆる自由診療なので全額負担です。
その代わり国の助成金制度があります。
助成金制度には年齢や回数の制限があって、その制限を踏襲されるという話が出ています。
ちなみに保険適用になったら、助成金制度は廃止されるようです。
助成金制度って?
助成金制度では、体外受精や顕微授精などに対して1回30万円の助成を受けられます。
これは国の助成制度なので、自治体によっては市町村からも独自の助成を受けられることもあります。
助成の条件としては、
①妻の年齢が40歳未満の場合は子ども1人につき最大6回まで
あるいは、
②妻の年齢が43歳未満の場合は最大3回まで
と制限が設けられています。
子ども1人につき、なので治療が成功して出産することができたら、助成回数はリセットされます。
2019年のデータでは約13万件の助成実績があるそうです。
保険適用は助成金制度の制限をそのまま踏襲されそう
厚生労働省の方針として体外受精などの保険の対象となる年齢や回数は、助成金制度の制限と同じ条件にするという案が有力のようです。
この制限に関する案は年末までに決定されるそうです。
ところで、なぜ制限があるのでしょうか?
この制限は、妻の年齢が43歳を超えると出産に至る確率が下がるというデータに基づいています。
日本産科婦人科学会2018年データ
データを見ると、43歳を超えた44歳では治療をして出産できる確率は1.7%です。
45歳では1.1%、46歳では0.7%です。
グラフからは年齢が上がるにつれて妊娠率は下がり、流産率は上がっていることがわかります。
助成金制度の制限はこういったデータに基づいて決められています。
保険適用の条件は緩やかにして欲しいですね
皆さんは助成金制度の回数6回あるいは3回について多いと思いますか?
僕は少ないと思います。
僕たち夫婦も不妊治療をしていますが、6回はすでに使い切ってまだ成功には至っていません。
不妊治療をしている人はお金の問題以外にも様々な不安やストレスがあります。
通院や治療のための休暇。
家族や親戚、友達からの妊娠に対するプレッシャー。
妊娠できなかった時の悲しさ。
夫婦喧嘩。
他にもたくさんあると思います。
この中でやっぱりお金の問題って1番大きな悩みだと思います。
特に助成金制度を使い切ってしまうと、1回あたりの支出がかなり高額になってしまいます。
お金が原因で不妊治療をやめようと思ったことも何回もあります
実際、お金が貯まるまで中断したり、人工授精に切り替えたこともあります。
当事者たちからは条件を緩和して欲しい、という要望が多いです。
ぜひ我々の声を拾い上げてもらい、保険適用が当事者にとって良いものとなることを望みます。