元テニスコーチの視点で語るMTGのメンタル
何故テニスのメンタルがMTGに役立つのか?
こんにちは!☆ルルークです
前回の記事でポジティブな反響を多数いただいたので調子に乗って第2弾を書くことにしました^^
そんなわけで今回は前回記事に対して「メンタルについての記事も読んでみたい」と数件ご意見いただきましたのでメンタルを中心にお話ししたいと思います。
前回記事にも書きましたがルルークは以前テニスコーチをしていたことがありむしろMTGよりもテニスのほうが自信をもって自分の意見が言えるぐらいです。
そのためかMTGをしていても色々なことをテニス目線で見てしまうことがあります。
そんなルルークはMTGを始めた際
「これはテニスの考え方が十分に転用できるな・・・」
と感じました。
MTGとテニスには多くの類似点があったのです。
■類似点
・1対1の競技である
すべてではないですがルルークはMTGはスタンダード、
テニスではシングルスプレイヤーだったため基本的に
どちらも1対1の競技だととらえています。
・どちらもオープンスキルの競技である
スポーツの世界では
時折オープンスキル・クローズドスキルという議論があります。
クローズドスキルとは外的要因がパフォーマンスに影響しない
または影響が少ない競技のこと。陸上競技などがこの傾向が
強いですね。
一方オープンスキルとは対戦相手や外的要因がパフォーマンスに
影響を強く及ぼすもの。まさにテニスなどの対人競技はこれに
当たります。MTGは外的要因の塊みたいなゲームですね。
・複数のセオリーがある
実はテニスにはラケットの握り方が複数あり、それによって
主要球種が分かれ、そこからプレイスタイルも分かれていきます。
つまり万人に通用する技術的セオリーが少ないスポーツであります。
MTGも同様で使うデッキや状況、コーチングによってセオリーが
別れる競技で自分で何が有用な情報なのかを取捨選択する必要が
あります。
他にも類似点は日々見つかっていますがこれらの理由からルルークは
テニスのメンタル技術はMTGにも使えるのでは?と考えたのです。
現役選手時代、コーチ時代、ルルークはメンタルが強いと評価される選手ではありましたがそれでも当時は応援してくださる方々との関係や調子の波にもまれ、試合前日には涙が止まらなくなるといったことが何度もありました。
そんな状況下で自分なりに考えて考えて出した答えはきっとMTGにも役に立つはず!皆様にお伝えできることが何かあるんじゃないだろうか。
ということで今回筆を取った次第です。
それでは自分語りが長くなってしまいましたがルルーク式メンタル術、お楽しみいただけると幸いですmm
そもそも「メンタルが強い」ってどういうこと?
「あの人、メンタル強いよね~」
色んな競技で聞くことのあるセリフですが、そもそもメンタルが強いってどういうことを言うのでしょう?
多くの方が次のイメージを持つのではないでしょうか?
「緊張しない」「プレッシャーに強い」
前述したとおりルルークはテニス時代、メンタルが強いといわれるタイプのプレイヤーでありました。
そんなルルークですが
緊張はします。
ちなみに
プレッシャーも感じます。
ではルルークはなぜメンタルが強いといわれていたのでしょうか?
当時を振り返ると以下の理由かなと思います。
緊張、もしくはプレッシャーのある試合、場面でも自分のプレイが出来る。
テニスではド派手なエースを決めても1点、つまらないミスをしても1点です。そのため3本に1本のスーパーエースを決めるより、3本ともミスしないでラリーを続けられたほうが、最終的には勝てちゃうことのあるスポーツです。
そのため多くの方が「ミスしないほうが強いし・・・」と言いながら、自分に言い訳しながら、練習ではやったこともないような消極的なプレイを選択します。
・・・練習ではラケットを振り回して速いボールをバンバン打っているのに!
そんな中でルルークさん、本番の試合でもラケットを振り回し、攻めて攻めて攻めぬくプレイスタイルをとっていました。だから周りからはメンタルが強いと評価されたのでしょう。
さて、これはテニスの話。
ですがMTGにおいても散見される事象ではあります。
ドキッとされたそこのあなた!きっと身に覚えがあるのでしょう?
だからこそ、そこの貴方に問いたい。
貴方は負けられない試合でホントにその初手をキープしますか?
ホントにそのフルアタックを選択しますか?
ホントにその根拠で占術を確定させますか?
これらは普段どのようにMTGと向き合って練習しているかが問われる部分だと思います。
しかし偉そうに語っているルルークもすべてが出来ているかと言われると
そうではありません。
トーナメントの後半では脳が疲れ切って直感に任せた選択を取ることもありますし、それで大失敗することもあります。
これからお話しすることは普段からルルークがこういうプレイヤーであろうと心掛けていること、テニスの経験からこうすれば強くなれるんじゃないかと思っていることです。
MTGでもメンタルが強いといわれるように以下に気を付けて日々研鑽したいと思っています。
負けた時に向き合うべきこと
さて、皆さんはMTGAで遊ぶときランクマッチをプレイしていますか?それともカジュアル?
人により楽しみ方は様々でランクを上げることを目指す方、カジュアルで独自デッキを調整する方、ド派手なコンボを決めてスカッとしたい方
色んな方がいるかと思います。
ですがどんな楽しみ方をしていても必ずついて回るのが「勝敗」。
人によって勝敗についての比重は違うと思いますし、高ければ偉いとか、低いほうがゲームを楽しめてるとかそんなことはありません。
人それぞれですし、個人の考え方はその数だけあります。
しかし「負けて楽しい」という人はあまりいないのではないかと思います。
ルルークは基本的にはランク上げを主軸にMTGAをやっていますので今回はその目線でお話ししたいと思います。
まず一つ質問です。
負けたら悔しいですか?
当たり前やろがー!!!
という人はおそらくルルークと同じ感性の人。負けたら悔しいですよね。むかつきますよね。
ですがその後どのように負けに向き合われていますでしょうか?
ルルークが普段、自身の配信でもよく言っていますが
負けたのは自分のせいです。
まずはここを認めましょう。断じて運のせいではありません。
運が絡むゲームだからこそ運のせいにしないというのはプレイヤーの本質的な部分が試される気がしています。
確かに運のせいで負けることがないかと言われるとそんなことはないと思います。
ですが
「自分に原因があったはず」
この意識があれば何とかそのゲームの反省点が見つけられます。
ルルークは所属しているMTG‐VPWチーム「メガネオ」のメンバーにプレイングを褒めていただくことが多くなってきましたが、
もしその言葉を額面通りに受け取るのであればルルークのプレイングはこの思想が根本にあるのだと思います。
ルルークは普段の練習では徹底的に自分のプレイの粗を探します。
性格の悪い上司か、というぐらいこじつけてでも探します。
正直これはかなりつらい作業です。ホントはやりたくないです。
自分で自分自身を否定し続ける作業ですから・・・
ですが
人のせい、運のせい、外部要因のせい・・・・
そう考えればその時は楽です。プライドも守られます。
自分は強いんだ、才能あるんだと思い込んでいられます。
ですが確実に成長は止まります。
これはMTGに限ったことではないと思います。
ですが自分に原因がある、と思うことは裏を返せば
「自分はまだまだ成長できる要因がある!」
ということでもあるのです。
そしてこの作業を続けて慣れていくと・・・
驚くほど自分のミスが見つかります笑
少なくともルルークはとんでもない量のミスがいつも見つかります笑
どうやってミス探しをしているかはまた別途記事にしたいなと思いますが
とんでもない量のミスが見つかるとやっぱり落ち込みます。
ああ・・・最近ちょっとはうまくなったと思ったけどまだまだだなぁ・・・
でも同時に
このミスを風化させなくてよかった、未来のミスを潰せたぞ
とも思います。
この考え方が合っているかどうかはわかりませんが、
まあそういう考え方もあるんだなぁと思ってもらえれば幸いです^^
見つかったミスはどこかに記録しておくと記憶にも残りやすいし、一定スパンで見直せるからおすすめですよ♪
少し昔のノートの一部
字が汚い笑
勝った時に振り返るべきこと
さて、負けた時に考えることがあれば当然勝った時に考えることもあるわけで
まず前提として勝った時も負けた時同様
自分のプレイの粗探しをします
ここは変わんないですね。反省大事
では勝った時と負けた時で何が違うのでしょう?
ルルークが普段意識しているのは
・勝因となったカード(プレイ)は何か?それは意図したものだったか?
・ゲーム開始時のプランは守られたか?変更があったか?
この2点です。
まず1点目ですが
勝ったというときは必ず勝因があるはず。
アグロだったら全体パンプを決めたとか、コントロールだと全除去撃ったとか
それらを見極めたうえでルルークが普段から意識しているのはそのキーカードはたまたまトップデッキしたものなのか、だとすれば引いていないとどうなっていたか、引かなくても勝てていたか?
そもそもなぜトップデッキに頼る状況になったのか?
これらを中心に思考を進めています。
もしその時は偶発的につかんだ勝利でも、次似たようなシチュエーションになった時意図的にそのシチュエーションに持ち込みたいという考えから来ています。
次に2点目ですが
前回記事に書いた通り基本的にルルークは勝ちまでの道筋が立てにくい初手は基本的にキープしません。
なので初手の段階でプランがあります。
そのプランをゲームを通じて守れたのか?ということを確認しています。
MTGは予想外のことが連続するゲーム、だからプランを変更することが悪いことではありません。
しかし変更したということは自分の「想定外」のことが発生したということ。
僕は「想定外」は極力なくしたいと考えているため思考や読みの網目を埋めるためこの振り返りをしています。
・・・まだまだ全然読み外しますけどね
ルルークが勝った時に振り返ることの大部分はこの二点です。
細かい部分ではほかにもありますがこれらで少しでもプレイングを向上できるよう頑張っています^^
※注意!
勝った時の振り返りは気持ちいいから癖にならないようにね!
相手をリスペクトするメリット
ここまで負けても勝っても振り返りしようね、って話をしてきました。
反省は大事だよお
さて、ここでもう一度負けた時のとある状況を考えてみましょう。
G1、G2を取り合って3本目。自分は理想的にゲームを進め相手をあと一歩というところまで追い込んだ。
勝ったな、とほぼ確信し相手は後2ターンでAとBを連続して引くしか勝ち目はない。
ところが!
なんと相手はその2枚を連続で引き当て逆転!
( ゚Д゚)ハァ?引き良すぎるだろ!?
こんなん実力の差じゃねぇわ!
相手の運が良かっただけ!
はい、ストップ。
ですがどうでしょう?心当たりがある方もいるのでは?
口に出しちゃう人もいますよね
ルルークはゲームをやりだしたのがここ2年ぐらいで配信やゲーム業界にある「煽る」というパフォーマンスについて理解が及んでいない部分もあるのですが
(配信者は本心というよりはパフォーマンスでやってる方もいると思うので)
前述したとおり負けたのは基本的に自分のせい。
トップデッキされる前にゲームを決められなかったのが悪いのです。
特にMTGは上級者が初心者に負けることがあるゲーム。
自分のプライドを守るためか、負けた時に必要以上の言い訳をしたり
何故か偉そうにこちらのプレイを批判してくる人もいます。
強くなる、という点で言うと実はこれらの行為は非常に損をしています。
自分の反省点を見つけられないというのはもちろんですが簡単に言うと
ダサい
かっこ悪い
は?かっこいいとか悪いとか関係ねぇだろ!?
あります。とっても。
まず競技を前提に考えるとテニスもMTGも同じですが
独りでゲームをすることはできません。必ず相手がいます。
当然練習も一人では限界があります。
何が言いたいかというと仲間が集まりづらくなってしまうのです。
少しMTGから話が逸れますが、
ルルークは普段仕事でもスポーツでもなんでも何か行動を起こすときは
正しいか間違っているかではなく
その行動はかっこいいのか?イケているのか?ダサくないか?
これを考えて生きています。
自分がイケてる、かっこいいとは微塵も思ったことはないですが
少なくとも自分がかっこいいと思えない行動はとらないように気を付けています。
そうすると助けてくれる人が現れます。有意義な時間を一緒に過ごしてくれる仲間を見つけられます。
そうすれば上質な練習が出来ます。
負けた時に限った話ではないですが、少なくとも負けた時は相手の実力が上だったことを認め、爽やかに負けを宣言することがかっこいいのではないかと思います。
テニスでも負けた時にいちいち言い訳する人、相手を認めない人はたくさんいました。
ですが選手・コーチを経験してきてそういった人の周りに人が集まっていることはありませんでした。
MTG歴の短い自分にはまだまだTCG界隈という場所は文化をすべて理解しているとはいいがたいのですが少なくとも僕は負けた時どんなに悔しくてもその場では相手を認め、リスペクト出来るプレイヤーでありたいなと思っています。
緊張への向き合い方
練習段階で気を付けていることはお話ししました。
では本番は?
冒頭にお話しした通り緊張下でも通常通りのパフォーマンスを出すには?
これについてはルルークは答えを一つしか持っていません。
練習から本番を想定せよ
これだけです。
ルルークがMTGAをやるとき、ランクマッチを中心にする大きな理由はこの点でもあります。
なかなか普段の練習では「負けられない」という状況は発生しません。
せいぜい仲間同士で練習してもご飯を奢るぐらいでしょう。
しかしMTGAのランクマッチであればその状況を作れます。
なぜルルークがミシック#1200以内を毎月目指すか
それはこの目標を達成するには負けられない試合が増えるからです。
特にミシックの到達してからは1戦たりとも負けてよい試合がありません。
MTGAのランクマッチは上がり下がりが激しく頑張って300位ぐらい上げてもサクッと2連敗して500位ぐらいダウンしてしまうことも珍しくないのです。
「負けられない状況」を普段から作るやり方は人それぞれではありますが
ルルークは#1200以内を目指す、ということを目標に置くことで実現できています。
ぜひ皆さんもどういう状況下であれば自分は真剣に出来るのか、考えてみてください。
もちろん普段から純粋に強さを追い求め、目標なぞなくても1戦1戦集中できているぜ!って人はそれで十分だと思います。
ですが本番で普段通りのパフォーマンスが出来ない、ということであれば練習に対する考え方を変えてみても良いかもしれませんね。
そしてもう一つ。
テニス時代「本番で緊張しないためには?」というご質問を生徒さんからよくいただくことがありました。
その時ルルークがしていた回答は
緊張から逃れる術はない
ということ。
緊張は悪いことではありません。むしろ普段より集中力を上げてくれることもあるし、スポーツでゾーンと呼ばれる心理的フロー状態は適度な緊張状態でなければ入れません。
では緊張して何が悪いのか?
それは
緊張から逃れようとして焦ってしまうこと
です。
普段から焦らないために本番で緊張した状態を想定した練習をすること、緊張していることは悪いことではないと受け入れることが大切だと思います。
ちなみにこの考え方はルルークがお仕事でプレゼンや研修講演をやるときにも役立っています^^
最後に
これらの話は配信でもお話ししたことがあるのですがその際視聴者さんに
ルルークさんはストイックですねと言われました。
ストイック
この耳障りの良い言葉に躍らせれてテニスの結果が出なかった選手をたくさん見てきました。
しかし勝負において本当の意味でのストイックとは誰より睡眠時間を削ることでも誰よりも時間をかけることでもありません。
ただ体を壊すだけです。
ルルークが考える本当のストイックとは
考え続けること
です。
目の前の情報を盲目的に受け取らない。
常に自分で取捨選択する。
選択の結果に対する責任は自分にあると自覚する
これはきっとMTGでも同じなんだと思います。
大会で結果を出したデッキリストになんの疑問も持たず、真価を発揮できずに負ける。それ自体は試行錯誤のフェーズにおいて通過する道もありますが、負けたことをデッキそのもののせいにするなど論外です。
考え続けるというのは楽ではありません。常に自分の思考が正しいのか、結果が出なかったらどうしようと怯え続けなくてはいけません。
そのうえで負けてしまったらそれまでに費やしたすべての時間が無駄になってしまったように感じます。
ですが、そこで
自分が過ごした時間は無駄ではない
次につながった
上手くいかない方法が見つかった
もしくは修正点が見つかった
こういう風に考えられる人が本当にメンタルの強い人なのだと思います。
今回はあくまでルルークがテニスで得た感覚を言語化し、MTGと共通だと思った部分を抜き出したものになります。
前回記事と同様、これはあくまで考え方の一つであり、絶対の正解であるというつもりは全くありません。
むしろMTGの諸先輩方から見れば見当はずれな部分もあるかと思います。
そのうえで共感してくださる方、この意見をもとにもっとより良いものを考えられる方、この記事に反論することでご自身の理論を強化される方、
どういう形であれば皆様のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*^▽^*)
ルルークの配信チャンネル
https://www.twitch.tv/rurook