樹木精油の話し。
こんにちは、瑠璃唐です。
今日お話しするのは、樹木精油についてです。
と言っても、
私は樹木精油のお里に行ったことがありません。
いつも写真や動画で見ているばかりなのですが、
そこに見る景色はとても壮大なもので、
精油瓶を開けた瞬間の、一滴の香りに大きな
広がりを感じます。
何百年何千年と生きている木も多く存在します。
今日は、その生命力の源として樹々の放つ、
フィトンチッドと呼ばれる化学物質の話しから
始めます。
フィトンチッドとは、本来樹木が身を守るために
持っているもので、テルペン類に分類される
揮発性物質(精油の成分)です。
生まれた場所に根を下ろし自由に動くことの出来
ない植物が、フィトンチッドを放出することで
害虫などを追いやったり、傷がついたところから
病原菌に感染しないよう殺菌したりします。
樹木は空気を浄化するためにもフィトンチッドを
放出し、悪臭物質を分解中和して無害化すること
で、自らの生きる環境を整えます。
森の清しい空気はそうして作られるのでしょう。
森林浴をすることで、呼吸により取り込まれた
フィトンチッドで、ストレスが和らいだり
爽快感にリフレッシュしたり...と、ここまで
書いていても、植物の力はほんとうに凄いなと
あらためて思います。
フィトンチッドを含む、樹木から抽出された精油
にも、除菌や殺菌、消臭や防虫効果など、
種により含まれる成分に違いはありますが、
植物の力が凝縮されています。
特に消臭は効果を感じます。それにより空気の
殺菌や浄化もなされているのかなと思います。
樹木には多くの種類があり、その成分の違いは
それぞれに多様な香りを作り出します。
ここからは、普段よく使う樹木精油を数本選び、
科ごとに分けた香りの特徴を記してみました。
▪マツ科の精油
モミ(アビエス)属から。
モミ Abies firma
モミは葉そのものの、濃いめの緑といった印象
の香りです。森の雰囲気も伝わりやすい精油
ではないかなと思います。
ブレンドしても、濃厚さはありながら主張せず
香りを特別なものにしてくれます。
北海道モミ Abies sachalinensis
北海道に自生するモミで、トドマツと呼ばれる
種です。初めて香った時、ほんの僅かに甘さを
感じたことに驚きました。
ブラックスプルース Abies nigra
濃いめの緑の濃厚さを持ちながらも、とても
スッキリとした香りです。このスッキリとした
感じを好む方が私の周りには多いです。
マツ(ピヌス)属から。
ヒメコマツ Pinus parviflora
この香りはマツの芳しさをとても感じます。
和の装飾品を思い浮かべるような美しい香り
です。
ヒマラヤスギ(ケドルス)属から。
シダーウッド・アトラス Cedrus atlantica
木調の香りにマツ科の芳しさをあわせたような
明るい暖かみを感じる香りです。
同じシダーの名でもシダーウッド・バージニア
はヒノキ科で、香りもややヒノキに近く、
柔らかい感じがします。
▪ヒノキ科の精油
ビャクシン(ジュニペルス)属から。
ジュニパーベリー Juniperus communis
軽やかな緑の香りの中にほんのりと微かな甘さ
を感じます。
成分の特徴でもありますが「流す」イメージ
を持った香りです。
イトスギ(クプレッスス)属から。
サイプレス Cupressus sempervirens
クリアで爽やかな香りですが、しっかりとした
深みがあります。今手折ったかのような新鮮な
木の香りで、こちらはより「流す」イメージの
強さを感じます。
アスナロ(ツヨプシス)属から。
ヒバ Thujopsis dolabrata
樹木の中でも、他にない独特な深みのある香り
です。ヒノキチオールという成分(殺菌・抗菌
消炎作用などに優れている)は、台湾ヒノキと
ヒバが持つもので、独特な香りの所以なのだと
思います。心身ともにスッキリ整うような感じ
のする香りです。
ヒノキ(カマエキパリス)属から。
ヒノキ Chamaecyparis obtusa
昔から知られている日本の香り、とよく表現
されていますが、その通りだなと思います。
葉や枝よりも、木部の精油にそれをより強く
感じます。
円く満ちる月のような温かな印象の香りです。
▪スギ科の精油
スギ(クリプトメリア)属から。
スギ Cryptomeria japonica
緑の風がさらさら流れるような印象の香りで、
爽やかでありながらも深さを感じます。
ふわっと香ってくると、どこか懐かしい感じの
する香りです。
▪コウヤマキ科の精油
コウヤマキ(スキアドピティス)属。
コウヤマキ Sciadopitys verticillata
薬草のような深さがあり、しっかりと樹を
感じる、神聖な印象の香りです。
コウヤマキは高野山に多く自生する樹木です。
神聖な印象はそんなところからもくるように
思います。
香りの特徴は、思うまま自由に書かせていただき
ました。個人的見解として参考にしていただけれ
ば嬉しいです。
最期に、樹木精油は香りが上がってくるのがやや
遅めなので、初めはあまり香りを感じなくても、
滴数を多めにしないことをおすすめします。
ここまでのおつきあい、ありがとうございます。
インスタグラムは今回、コウヤマキを使った
ブレンドで更新しました。
よろしければこちらから見に来てくださいね。
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