「力の抜き方」を学ぶ @ 日間賀島
旅行先に「日間賀島」を選んだのは必然だった。
離島と海。
惹かれないはずがない。
名古屋から電車で1時間+船で20分。
タコとフグの名産地。
小さくてきれいなビーチ。
海に浮かぶ3つの島と船。
控えめに言って最高だ。
感銘を受けたのは、それだけではなかった。
5歳の自分がよぎる
ニコニコと「多幸まんじゅう」を並べる
精神年齢5歳の私。
純粋そのもので、自分でも驚いた。
そういえば小さい頃、
砂や人形遊びが好きだった。
吉本ばななの小説で出てくる
「ハイとは違う、静かな幸せ」
に近づけたと思う。
ルールに厳しい私のオジサン人格が、
出てこれない。
10年ほど、私を萎縮させてきた
内面の厳しさだった。
条件付きの愛を、
ずっと自分に与えていたのだろう。
「無理している」感覚に気付く
3万歩探索し、
時間がある限り島やホテルを堪能した。
空き時間に
スマホを見る気が起こらなかった。
自然と顔が緩む。
喉も肩も、普段力を入れすぎていたんだ。
私の時間の流れは本来こんな感じなのか。
思った以上に、
体の感覚を無視しているようだ。
眠れなかったり、
飲み込めなかったりするのは、
合わないことをしているからだ。
体は厳密にできている。
「計画通りやらないと」
「寝るには少し時間があるから」
と物事を頭で納得させていないか、
見つめないといけない。
これまで、
「力を抜くには深呼吸して」
というアドバイスが効かなかった私だが、
日間賀島を想像すると脱力できる。
思い出は生き続ける
妹は小学生の頃、
「イベントの終わりがけは寂しいの」
と私に打ち明けた。
似た感覚は私にもある。
母の育て方は、飴と鞭だった。
我が家は
本当の休み方がわからない人間ばかりだ。
今でも時々夢を見る。
妹が幼稚園の頃の旅行が、
一番幸せだと思っていた。
大人が守ってくれて、
何も心配もせずにはしゃぐ。
妹も心に影を潜ませることなく、
ホテルで一緒にかくれんぼをする。
ところが「日間賀島」は、
懐かしい日々を超えた。
タコが本当においしかった
(唐揚げ・タコしゃぶ)。
ホテルの外を覗くのが楽しかった。
海岸近くを散歩する人々が清々しかった。
島の東西で波が違っていた。
時代は便利になり、後から
動画もSNSも見れる。
いつでも戻れる。
私が本気で行きたいと
選択したのも良かった。
あの日々は決してすり減らない。
書けることはたくさんあるが、
心に染みたことだけにした。
封じ込めて大切にしたくなるが、
脱力を教えてくれた思い出に
ふさわしくない。
今は、強く掴んでいなくても怖くない。