生焼けのレバーのような私は
食感だけが良くって
貴方はそんなところがきっと好きで
だから私はエプロンをして
いま台所に立っている
スポンジから滴る洗剤は
まるで私の奥から逆流する
新鮮な精液のようで
ムカつく胃に白くて力強い
膜を張ってはくれないかと
なんとなく薄い蛍光灯に祈ってみる
つんとした青りんごの香り
ああ
誰がために生まれた
誰がために生まれた
二十三時にひとりきり
私の霧はナパームとなって
いつか誰かを灼熱に沈める
単純な世界に
なんだか時計が響いてる
いわゆる食感だけの私は
時空の狭間で生焼けのまま
理由なんてそう
きっとないのだけどね
/ルリニコクみみみ
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