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声が聞こえる。 きっと私には関係がない。 ただの言語。音韻。 私を笑っている。 不快。でも…
屈折した光が 街の凹凸に跳ね返り、 眼球をしつこく刺激する。 たまらず閉じると つまらぬ雑…
色々な格好をした。 ふたりきりの6畳半。 そこはどこの交差点よりも 賑やかで煌めいて。 やが…
また四角を見つめてる。 星の壮大な皺。 那由多の命が泳ぐ水たまり。 比べものにならない ち…
なぜか腕が痒い。 掻きむしると 爪の隙間に鋭い痛みが走った。 硬く銀色に輝いたそれは 指先…
ある朝、足が生えた。 揺らぐ世界を見上げ 日陰で飯を食らい 髄まで吸われた友を想い 力の無…
消えていた。 内臓を掻き分け 平穏を焼き尽くす炎。 それこそ生だった。 つまり、死んでいた。 しかし毛並みだけ整えた言葉の山から 再び芽吹いた小さな赤は 地獄を望遠鏡で覗きながら 知らず知らず育っていた。 喉が焼け、歯が溶け、 炎は皮を突き破って 私をまた生かし始める。 /ルリニコクみみみ
夜9時43分。 針を確認して 煙草に火をつける。 割り切りづらい数字に 心が重なる。 テレビを…
生臭い。 表情もないまま 群れてただ時を生く。 銀色に光るは 見栄を張りし安物のスパンコー…
コインが回る。 金属音が響く中、Aは目を瞑る。 彼は聴いていた。 その音とリズムで詩を描い…
パッパラッパラ、近い音。 けたたましく。 パッパラッパラ、着替える。 泥水のように。 パッ…
細めの木々。 冷たそうな岩肌。 そんな山の上に建つ、 幾つかの塔が印象的な白い城。 顔を黒…
今夜も、白い顔を描いて 肌を寄せあい笑ってる。 ドンキの赤いカラコンは 可愛く脆いアタシの…
時計が遠くで叫ぶ。 2tはある重厚な瞼を 脳のカーテンをしめて 小指でこじ開ける。 ハチミツに浸かった身体は ぬるりと香る快感に酔い 積み上げた全てを諦める。 喉の奥までしゃぶりつく布団。 今でも明後日でも 外に出れば身体はベトつく。 避けられぬ、不快。 私はもう、いない。 /ルリニコクみみみ