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自灯明法灯明 Podcast #30 Suzanne Franzwayさん、Part 2

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていています。先週に引き続き、オーストラリア・アデレード在住、Suzanne Franzwayさんにお話を伺います。

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Suzanne Franzwayさん
南オーストラリア大学名誉教授(社会学、ジェンダー研究)

今回、印象に残ったエピソードを取り上げます。

伝統的なチベット仏教においては、女性への考え方に憤ることも多く、次第に寺院に通わなくなってしまいました。7年ほど前に、スティーブン・バチェラーさん、マルティーヌ・バチェラーさんのご夫妻がオーストラリアでリトリートを開かれて、素晴らしい経験ができました。他にも、スティーブンさんに触発されて、オーストラリアの女性が欧米的なリトリートを開いています。この方は、Jason Siffという方のRecollective Awarenessという瞑想法や、ティクナットハン師からも学んでいます。最近ではTricycle主催のオンライン・プログラムにも参加できるようになって、徐々にセキュラーな仏教に触れるようになりました。ただ、自分のことは、セキュラーな仏教だけにとらわれず、広く仏法の実践者と捉えたいと思っています。

仏教が私に与えた影響には、自分の内面と、他の人との関わりという外面とのそれぞれにあると思っています。内面に対しては、この世の中での倫理的なあり方をより明確にしてくれました。自信を与えてくれるだけではなく、本当に大変なことに直面している時に、拠り所にすることができたのです。植民地であったオーストラリアでは、どうしても薄い、あるいは浅い拠り所しかないので、本当に貴重です。他にも、利己的な意味ではなく、自分のいのちの大切さに気付かせてくれたことがあると思います。

他の人との関わりというところでは、Brahma Viharas(仏教用語:四無量心)という徳目です。面白いのは、年を取ることの価値だとも思うのですけれど、自分の中で比重を置く徳目が代わってきたことです。以前は、コンパッションや平静・均衡を保つことを大切にしていましたが、最近では慈しみ、特に、他者の喜びを共に喜ぶことに、新しい可能性を見出せるようになってきました。健康で、時間もあり、リソースもあるとても恵まれた状況にあって、こういった徳目が、さらに豊かさを与えてくれます。

参考:スティーブン・バチェラー Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典(パーリ仏典)に遡り、仏法(Dharma)を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教(宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教)を牽
引している。邦訳に、ダルマの実践(四季社、2002年)、藤田一照訳(原著:1998年 Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -)がある。

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