自灯明法灯明 Podcast #16 Lynne Lockie さん Part 1

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていきます。今週からは、Lynne Lockieさんにお話を伺っていきます。（第１回／全３回）

英語＋日本語版（逐次通訳）

英語版

Lynne Lockie さん
アメリカ・フロリダ在住のアーティスト、作家、心理療法士、瞑想とマインドフルネスの実践の教師で、瞑想、スピリチュアルな規範・道に則った実践を60年以上続けられています。1959年に鈴木俊隆老師の下で実践を始められ、1964年、サンフランシスコ禅センターで最初に授戒された内のお一人です。その後、ミネソタ禅センター、Chattanooga Center for Mindful Livingの立ち上げに関わられました。2017年からは、New College of Floridaにマインドフルネスを導入されています。

今回のLynneさんのお話から、印象に残ったところを取り上げてみます。

子供時代は引越しが多かったこともあって、色々と辛いことがありました。両親は、週末に教会に行きませんでしたし、話題にもしませんでしたが、私自身は宗教的なことに興味がありました。自然の中にいるということが、スピリチュアルであり、宗教的であり、自分のこころを維持するために必要だということがわかってきました。この自然への愛情が、後に私を禅に向かわせたのだと思います。

宗教への関心から色々な教会に行きましたが、知的に満足できる説明をしてくれるようなところはありませんでした。なぜ信じるのか、信じることがどのように自分の助けになるのかがわからなかったのです。その時に、多くの大学生が読んでいたヘルマン・ヘッセの「シッダールダ」というゴータマ・シッダールダの物語に出会い、これだと思ったのです。

シッダールタ (新潮文庫)

サンフランシスコで芸術を学んでいる時に、鈴木俊隆老師のことを聞き「なんてラッキーなんだろう」と思いました。あの物語を理解している人にようやく会えると思ったのです。日系人のコミュニティが、第二次大戦中に強制収容されながらも維持されてきたお寺に招かれた俊隆老師は、畳を敷き、座布団や坐蒲を置いて、壁に向かって坐禅ができるようにされました。私たちは、老師に畏敬の念を持って接し、よい生徒であったと思います。

参考：スティーブン・バチェラー　Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典（パーリ仏典）に遡り、仏法（Dharma）を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教（宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教）を牽引している。邦訳に、ダルマの実践（四季社、2002年）、藤田一照訳（原著：1998年　Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -）がある。

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