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自灯明法灯明 podcast #14 Sean Williamsさん Part 2

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていきます。今週も、Sean Williamsさんにお話を伺います。(第2回/全3回)

Sean Williamsさん
イギリス・ロンドン在住です。スティーブン・バチェラーさんが立ち上げたBodhi Collegeの会長を務められています。2003年より、イギリスの Gaia House や アメリカのSpirit Rock などでのリトリートに参加されています。2010年からはセキュラーな仏教を学ばれており、スティーブンさんと共に、2010年、2013年にインドのブッダの史跡を辿る旅に行かれました。ロンドン大学での仏教学の修士課程でも学ばれています。また、British Telecom(BT)グループで最高戦略責任者(Chief Strategy Officer)を務められ、現在も、ネットワーク関連企業2社の会長も務められています。結婚されており、成人されたお子さんが4人いらっしゃいます。

Bodhi Collegeサイト ご経歴

英語版+日本語版(逐次通訳)

英語版

今回のSeanさんのお話から、印象に残ったところを取り上げてみます。

2010年にインドでブッダの史跡を訪ねた後、私はコンパッション(慈悲)を持って人と接しようと決意を新たにし、British Telecom(BT、イギリスの通信企業)で後に最高経営会議のメンバーにもなり、2017年に退任しました。もちろん、困難がなかったわけではありませんが、自己中心的な動機ではなく、できるだけ全ての人のためになるようにと自分の役割を果たそうとしました。お釈迦様が弟子たちに言った言葉である「世の中に行き、全ての人のためになるようにしなさい。そして誰も同じ道を行くものがいないように」を実践しようと心がけました。

競争の激しい企業の中で、心がけてきたことは二つあります。一つは、目標の持ち方です。タイの森林僧院で出家され、イギリスの僧院に所属されているAjan Sucittoさんに、法話の後の質疑応答で、「これだけ目標を持たせる社会で、手放すということが可能なのでしょうか」と質問しました。すると「問題は、目標を持つ事ではなく、目標の持ち方にあるのです。握りしめるような持ち方ではなくて、手のひらに軽く載せるような持ち方がよいのです。」と答えられたのです。それ以来、そのことを心がけています。もう一つは、人との関わり方です。全ての人のためになるようにと、慈悲の心を持つように心がけました。ただ、キャリアへの強いこだわり、自己中心的な人と接している時には、全く違うルールで試合に臨んでいるようなものでした。そんなルールがあることすら考えられない人もいるわけです。このため、人との関わり方の方が、目標の持ち方よりも、もっと難しかったですね。

Bodhi Collegeは、スティーブンさんを含む何人かの仏教の教師が、リトリートというよりも、より学びに重きをおいた機会を提供したいという発想から生まれた場です。私はよく、スティーブンさんの最新のベンチャーだという言い方もしています。会場は場所を借りながら、様々なプログラムを提供しています。私自身は、最近、スティーブンさん、奥さんのMartineさんが主な講師をされるセキュラーな仏教の2年間のプログラムが始まったところです。そして年末には、もう一つ、コミットした実践者のためのプログラムも始まります。オランダの施設で行われるので、渡航制限が許せば、行きたいと思っています。

参考:スティーブン・バチェラー Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典(パーリ仏典)に遡り、仏法(Dharma)を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教(宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教)を牽引している。邦訳に、ダルマの実践(四季社、2002年)、藤田一照訳(原著:1998年 Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -)がある。

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