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世界線を平行移動して帰ってきた話
前編はこちら
世界が大きく揺れた。私は床に座り込んで収まるのを待った。一瞬だった気もするし、気が遠くなるほど長かった気もした。
揺れがおさまったので、テレビを付けた。地震速報はない。地震は起きていない。
あ、これは。
ポケットのiPhone 6sを取り出して、ロックを解除した。
そこにはおなじみだけどどこか懐かしい、SNSのアイコンがさも当然と言うように存在した。
そう、元のSNSのある世界線に帰ってきたのだ。
1枚の布の縦糸のように並行世界が並ぶ中、同時に多数存在するどこかの私が、何かをしでかして、そこから1人ずつずれ込んで、似ているけどちょっとだけ違う隣の世界線にやってきたのが、2週間前。
今度は反対側からずれ込んでどうやら元の世界に戻ったらしい。私がそうと言ったらそうなのだ。
しかし、元の世界に戻ったとは言っても、私は元の生活には戻れないだろう。
SNSにべったりだった頃から一転、脱SNS生活を経て思ったことはこうである。
「え、時間めっちゃあるやん」
ということで、程よい距離に落ち着けたいなと思う次第。