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「天国と地獄(第7話)」一気に話が展開するも、まだもう一捻りを感じる流れ

謎の手紙、奄美の石、くうしょうごう、という符号が一気に重なり合って、高橋が双子であったというところにたどり着く。違う境遇で育った兄弟が再会し、殺人のルーティンができていったということ?という流れが綺麗に見せられていった回だった。ただ、まだ7回目である。そんなに単純ではないだろう。最後には、上の写真のように、綾瀬が叫ぶシーンがある。そう、犯罪が思ったところと違うところにそれているということだ。

今回の冒頭は、高橋、柄本、溝端の3人でくうしょうごうを探すために、捜査を行うという変な構図になる。溝端と柄本を勝手に会わせて紹介もせずに動かす高橋(中身綾瀬)の性格がここでも出ているのだろう。あんぱんに牛乳みたいなベタなアイテムが妙に溝端と柄本に似合うのも面白かった。

多分、犯罪の本質は、不当なことをやって金を貪る輩への復讐みたいなものなのだろう。双子の兄弟は、ルパン的な殺人をやることで、自分たちに起こったことへの精算をするということ。それはわかりやすい構図だが、そこにまた違う誰かが絡んでいる?ラストに向かってさらに混沌とさせながら視聴者を引き込む技は脚本家のうまさである。

今回の私的な見どころは、高橋の母親役で出てきた徳永えりだった。決して派手さはないのだが、出てくると印象的な女優さんだ。そう、普通に美人だが、こういう刹那い役がよく似合う。そういえば、つい最近では朝ドラ「エール」でも、一人で息子を育てる役をやってましたね。お母さんが似合う歳になってきたのもあるのでしょうが…。なんか、双子の息子に対する出している雰囲気がたまらなくよかったです。

今回は、見ていて、高橋と綾瀬の二人が同じものを追っているので、入れ替わりの妙みたいなものはどうでもよくなってきている感じがした。そう、二人は入れ替わったままに多分共通の意識下の中で動き出しているのだ。そういう中で、多分最後は元に戻るのだろうが、共通の違う人生観が生まれるということなのだろうか?あくまでも、このドラマは刑事ドラマであり、犯罪者の苦悩と犯罪の意味を視聴者に問うものだろう。その結論のために、この入れ替わりという状況を作った意味もあるのだと思うのだが、そんな色々がとても楽しみなラストに向かう流れである。

しかし、柄本がφの字を消していた時に、仕事の主である迫田孝也が声かけたシーンはかなり印象的に残っていたが、このような繋がりになるとはね。やはりいかに伏線を印象的にしておくかっていうのは、ドラマ作りには重要ですよね。作り手には、もう一手二手、こちらの思いもよらないものを見せていただきたいと、次回に期待する次第です。

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