「ベイビーわるきゅーれナイスデイズ」三作目にして完成度の高いアクション作品に昇華した感じ
時間を無理してやっと観に行けた。そして、面白かった。二人のキャラクターはそのままに、アクションシーンも多く、最後の伊澤彩織と池松壮亮のタイマン勝負は疲労感さえ覚えるものになっていた。今まで、この作品になかったテイストがそれであり、それは、私がアクション映画に最も期待するものである。そう、映画館の中にいて、自分も殴られている感じがいいのだ。銃撃、ナイフと続いて、最後は素手。このアクションを男とこなす伊澤には惚れてしまいます。
で、今回は舞台を宮崎に移し、なかなか雰囲気もダイナミック。テレビドラマは、一緒に撮ったのかと思っていたら、そっちには宮崎など出てこないから、全く別のミッションだったみたいね。そういう意味でも、映画に対する力の入れ方はすごくわかった。大体、敵役にシン仮面ライダーの池松壮亮ですよ。そして、味方の殺し屋役に前田敦子。それだけで、なんかメジャーなエンタメっぽくなってきましたね。
話は、出張で宮崎にやってきた二人が二日目のミッションをしに出かけたら、そのターゲットのところに別の殺し屋の池松が来ていたという話。いわゆる、殺しのダブルブッキング。これで、思ったのだが、あの安倍晋三狙撃事件も殺しのダブルブッキングが組まれて、捕まった男は統一教会の恨みとか言っていたが、裁判もおかなわれず今に至るわけだ。そう、こういうことは結構あるのかもしれない。
そして、ここで、池松とはじめのバトル。彼とのバトルは計3回行われるわけだが、だんだん、ボルテージが上がってくるところは映画っぽくて良かった。
池松は殺し屋でも協会に入っている野良だということも説明されるが、そんな感じで殺し屋が務まる日本なら、やはり日本は怖い。で、池松、殺し屋として150人目を殺すところだったというが、それで報酬どれくらいもらったんだろうね。やはり協会のピンはねがないから、結構なものだと思うが、そういう雰囲気がないところがこの映画らしいですな。
そして、池松も、髙石と伊澤の先輩だという前田も、みんな、コミュ障的なDNAを持っている。まあ、昔から殺し屋は孤独なものとして描かれているが、コミュ障だから、平気で人が殺せるというのはあるかもしれないですな。とはいえ、伊澤の性格は特別だが・・。
前田敦子、アクションシーンは2人ほど多くはないが、銃を構えて敵をぶっ飛ばすシーンはなかなか形にはなっていた。しかし彼女も、もらえる役がさまざまで、もう一つ自分のスタイルみたいなものが見えてこない気がする。この役は結構似合ってたけどね。
とにかくも、シリーズ最大のアクションを叩き込む感じで面白かったが、そんな映画のエンディングは、みんなで焼肉。これ、人殺した後で肉食ってるわけだが、まあ、このくらいできないと殺し屋にはなれないのでしょうな。そして、その後に伊澤の誕生日祝いを食べる二人。そして、「今、生きてて幸せ」と述べるわけだ。ゴルゴ13もミッション終了後はそう思うのだろうか?
とにかくも、このシリーズ、もっと強い敵を当てがって続けていただきたい。今になっては大好物。それから、髙石の人を殺そうとする時の表情がすごく良くなってきたね。