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「コントが始まる(第6話)」芳根京子と仲野大賀の恋愛劇に泣ける夜

風呂場のバスタブから、ウェットスーツの芳根京子が出てきた時に、視聴者の私も、すごいときめいた。そう、見ている方まで、あの青春の日に戻してしまうドラマなのである。多分、この主人公たちのモヤモヤには、全ての人が共感できる形のない何かがあるのではないか?本当に有機的でいて、刹那い青春像を描き切ってくドラマだと思う。

今回は、酒屋をつごうと考えながらも、芳根京子演じる、なつみとの格差的なものもあり、戸惑うこの恋人二人を柱に、28歳のはっきりしない日常を描く。

まずは、仲野のお姉さんに、綺麗な人が出てくるので誰かと思ったら、木村文乃だったのですね。なかなか、ここでも贅沢なキャスティング。まだまだこの酒屋でも事件が起こりそうです。

そして、仲野と芳根の高校生の時の、かなり無謀な告白シーン。仲間を使って723のナンバーの車の写真を723枚撮ってなつみにプレゼントしたかったという話。これ、それを画にして、視聴者に見せることで、すごいインパクトがある。青春ドラマそのもの的な感覚。そして、ここに出てくる芳根京子は、高校生そのものである。OLをやっていて、職場でできる感じに見える現在の芳根と、餃子パーティーでくつろぐ芳根。それぞれの芳根京子が、違った輝きを見せる。そう、この辺りでは、主演の有村架純をしっかり喰っている感じ。彼女、主演映画「Arcアーク」も公開を控えているが、本当に女優として、もう一つ殻を割ろうとしている凄みがある。

彼女のおかげで、今回の芯となるお話はすごく感動的に展開され、よくある青春恋愛譜なのだが、最後に「両親に会ってくれる?」と仲野に聞く瞬間がとても良かった。しかし、彼女が、仲野の後を真似しながらついて回るのは、「ルンバ」だったんですね。ルンバみたいな彼女はいいですよね。なかなかいないとは思いますけど。

みんな、色々な未来を見つめながら、コンビの解散までを過ごす中で、主役であるはずの菅田将暉と有村架純だけが、もう一つ、今の地点に止まってもやもやしている。後半から結末に至るまで、彼らの気持ち次第で、「マクベス」はどうにでも転がるという事ではあるのだろうが、この二人の状況が最もリアルだったりもする。

でも、ラストの「ハイジ」の歌を歌いながらブランコに乗る有村架純には笑った。こういう演技をさせられるところが有村架純の魅力でもあるのかもしれない。芳根京子以上に、このドラマの中でもっともっと前に出て欲しい気がする。

ドラマの中で、明日海りおが海底で麻雀をツモるシーンがある。確かに最後の牌を海底と呼ぶのはセクシーだ。ドラマも海底となるラストで大きな声を出したいものである。このドラマは、それが期待できる気もする。

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