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アンバランスはワクワクに繋がる!「行列の女神 らーめん才遊記」(7杯目)

4月期ドラマは、予告のみで終わるものが多数になる中、来週、ゴールデンタイムで唯一、最終回まで放送しきるようである、このドラマ。それだけで評価できるのではないか!!まあ、撮影が早かったというだけのこととは思うが、内容も興味深かった。最終回には、また松井玲奈も登場のようで、楽しみである。

今回はその前の第7話。ラーメンに客を呼ぶ、本質を語る回であった。多数のラーメンが競争する現代では、ただ正攻法にそれを作り、美味しいだけではマーケットは拾えないということである。その舞台が、ラーメン博物館というのもなかなか面白かった。

そして、タイトルにした結論「ラーメンのワクワクは味のアンバランスにある」ということ。これは、人が様々な創造をしていく上で、極めるときに感じる事実である。世の中の全てがデザインされるものだとすれば、世の中の全ては同様の道理が存在するのだ。

つまり、デザインするということは、より良いバランスを整えることであり、シンメトリーのものは美しいとか、整った味のものは美味しいとかになるのだが、それは、万人を喜ばせる方向であり、逆に考えれば、「つまらないもの」と言えるものでもある。

デザインの基礎を学び、それを極めた先は、オリジナリティを創造物に潜ませること。つまり、「基礎の破壊」である。そう考えていくと、デザインのベクトルは無限に広がっていく。それこそ、料理などは素材の選び方から、調味料の加減、火加減や、調理時間に至るまで無限の可能性がある。そういう様々な可能性を追求できるかどうかが、その時、その時の勝者に慣れるかどうかである。そういう人間のわがまま的なことをすごくシンプルに描いていた今回であったと思う。私は、良いクリエイターは料理もうまいという概念を信じている。

そして、それがわかっている中で、自分の舌には全く受けなかったものが、マーケットでは成功したりすることもよくわかる。そしてここでは、そういう可能性を追求することへの職人の嫉妬まで描かれている。なかなか完璧なシナリオだったと思う。

最近、ある本を読んで「人に強く非難されるくらいが成功に繋がる」という話を読んだ。つまり、過去の経験よりも、未来へのチャレンジが成功に結びつくことが多いという話だ。そこには、限りなき、学習と、考察があるし、最後には、その経験値の中から溢れる野生の感に助けられたりもする。だから、創作はやめられないし、ただの周旋屋には絶対にわからない領域がそこにあるのだ。

このドラマここまで、ラーメンビジネスに必要なことを一つ一つ描いてきているが、今回の「ワクワクの正体」は他とは違うものを作り成功させる大きな答えである。そして、ラーメンというものは、「シンプルな美味しさの中に、いかに複雑系を突っ込んで、客をワクワクさせるか?」という商売であることが見えてくる。簡単に見えて奥が深いというその一点が面白い料理なのかもしれない。だからこそ、そこに反旗を翻す料理人も多い。そこのところも描けているのが、このドラマのいいところでもある。

そして、来週は最終回!いろいろ詰め込んでくるようである。最後は、「ラーメンは素晴らしい」という結末なんだと思うが、ワクワクする1週間である。

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