「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」セリフの多い割にコクがないのと、男が弱い。浜辺美波を観るには良いが…。
最終的には、問題だらけの朝ドラだった「半分、青い」以来の北川悦吏子脚本作品。もはや、期待などしていないのだが、浜辺美波が出ているというだけで観るという感じで視聴。
浜辺美波は、本当に女優として幅が広がっているという感じ。ある意味、脚本がどうあろうと、浜辺自身の世界を視聴者に訴えることができるようになっている。そういう意味では、彼女を観るドラマと思えばいいのだろう。
久々の連ドラ出演の菅野美穂は、歳を感じさせるスベる役なのか?脚本のつまらないセリフに飲み込まれているようで少し哀れな感じ。とにかく、北川脚本は「あなたは橋田壽賀子か?」と思えるほどに、セリフの応酬の脚本を作ってきた。だが、親子のプロフィールや、現在の家庭環境を見せることにこんなにセリフはいらないだろう。この脚本に、演出も踊らされているような感じがした。そして、あまり重要な情報がない。これでワンクール見せていくのは大変じゃないかと思わせる初回だった。
そして、北川といえば、「恋愛の神様」的な扱われ方をしていて、そこのところが重要なのだが、どうもそこにもあまり重きを置いていないのかもしれない。岡田健史以外は、男優に魅力がない。「半分、青い」に続いて有田哲平などが出ているが、北川ファミリーなのか?
最後に菅野が恋する?東啓介ってなんなのだろうか?娘とも絡んでいるが、それほどの魅力的な男か?こういうキャスティングも色々と中途半端な気がする。そして、福原遥や吉谷彩子なども出てくるが、出てくる感じがすごく中途半端である。まあ、初回の紹介程度というところなのだろうが、交通整理ができていない感じ。
そしてたい焼き屋の沢村一樹と中村雅俊の店がサブ舞台みたいになっているが、どうも、うまくドラマが一つになっていないような気もする。こたつにつまづくギャグ?もくどい。菅野美穂の演技もそんな中でどうもまとまっていない感じがする。
そんな中で、菅野と浜辺の掛け合いはそれなりに面白い。多分、北川が描きたいのはここなのだろうとは思う。つまり、余計なものが多すぎて、ドラマとして見せたいところが見えてこないのだ。そして、余計なおふざけはいらない。
こういう点は、最近の北川脚本の特徴でもある。これは伏線なのかと思うような部分が全く回収されないまま終わったり、必要ないシーンが多いのだ。そして、テレビの場合、ほぼ、脚本通りに作るので演出まで無駄が多いように見えてしまう。そう、脚本家に気を使うテレビドラマの作り方もそろそろ変える必要があるのではないだろうか?テレビを専門に演出できる名演出家が出てきてもいい気がする。Netflixなどもそういう人材を作りたいのだろうから…。
結局は、最近の北川脚本を好意的に受け入れられない私がいるわけだが、最初に書いたように、浜辺美波の成長を見るために、観続けることは確定である。