「姉ちゃんの恋人(第2話)」この、普通の恋愛話に妙に心が震える
昨晩は、久しぶりに遅い電車で帰った。コロナ禍の前とは全く違う空気感をそこに感じた。やはり、パンデミックな状況になってから日本は元気がない。それは、街を歩いていればよくわかる。そんな空気の中で、このドラマのようななんでもない恋物語に、すごくホッとしている自分がいる。それは、初回より第2話でさらに私の心の中に這い込んできた。
この回では、有村架純が何故に親を亡くしたかが明確になる。それによる過去との闘いもある。それを優しく解消する林遣都にただ熱くなる。予告編を見ると、その林の過去も次回には明確にされそうだが、二人がそんな過去に滞っている中で、恋は勝手に妄想まで繰り広げる。そこには、未来がある。
当たり前のことだが、そこを表現する塩梅が妙に美味い脚本である。もちろん役者によるところが大きいのだが、いつの間にか、観ているものが応援している構造が作られていることがすごい。
そう、ただの恋の物語を本当にうまく作っているのだ。そこに、先輩の恋も入り込み、テレビドラマ的に複雑化していくのだが、そういうのも邪魔でない感じも好感が持てる。
多分、このドラマのテーマの一つは「地球、世界」ということなのだろうと思う。有村が地球儀を売っているのは大きなフラグだと思う。今、世界中が不穏な空気に包まれている。その中で、人の心のあり方が未来を決めるように思う。日本など、過去のいい加減さ、そして現在進行形のいい加減さが特に目立っている今日この頃。そこには、人の気持ちが見えてこないものが多くある。新しい首相の言葉を聴いていても、そこに感じるものなどないのも、それと同じだろう。
そう、ここの主人公が感じている、知らぬ間に感じる恋心や優しい感情が世界を変えていくのだ。一人一人が未来を感じるように国も、世界も動かなければいけない。この、あまりにもシンプルなドラマは、それを言わんとしているように思えるのだが、どうなのだろうか?
林の保護士の光石研は、有村のおじさんだということが、今回わかる。有村の周辺は、いい人ばかりである。その幸せな日常に不穏な空気も現れるだろうが、そこをどう乗り切っていくかが、脚本家が描こうとするところなのだとも思う。
2回目までみて、もはやハッピーエンドしか見えないのだが、どう結ばれていくのか?それを、脚本家が未来に向けてのメッセージとして結実できるなら、この作品は、2020年のとても意味ある作品として残ると私は思う。
とにかく、有村架純と林遣都が可愛いのですよ。