
「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」民族と家族を守るというシンプルなストーリーをただ派手に展開するとび出す絵本
一作目は、まだIMAXの劇場も少ない中、どこがいい環境か?という話になり川崎まで観にいったのは覚えている。そして、3Dに関しては、ここまでできる時代なのか?と感心したのも覚えている。その一作目が公開されたのは14年前になるわけで、そのパート2を今作るということは、いかに今の技術を駆使して他のものとは違った映画を提示できるか?というのが、監督ジェームズ・キャメロンの一つのテーマなのだろう。そういう意味では、前作より活劇として優れているし、3時間12分楽しめたのは事実だ。
話は、前作で森に住むことになったアバターの主人公が、地球人の再度の来襲で家族ごと狙われる。そこで、森から海に逃げるが、そこに追いかけてくるアバターも含む地球人。家族を守りながら闘い、勝利するシンプルな映画である。とはいえ、朝8時25分からの上映を観にいったこともあり、最初の30分くらいは眠気が少し襲って来た。でも、海が舞台になってからは、3Dのアクアリウムに自分が入った感じの映像も多く飽きずに最後まで見れたというところ。
前作でもそうだったが、メイクした役者がほとんどなので、役者の演技に感嘆するみたいな映画ではないのだ。だからこそ、個々に印象的なメイクが施されているのはよくわかる。これは、アニメのキャラクターを作る感じなのですかね。特に女性の印象を変えている感じはなかなかお見事。私が男のせいはあるが、出て来たところで印象が記憶に残る感じですものね。
そして3Dは、前作をそれほどちゃんと覚えているわけではないが、それ以上には見えた。それを活かすために構図をしっかりと計算し切っている感じに見える。CGと実写とのコンビネーションも面倒くさいと思うが、全体的に立体的な画面が生きていたのは確かだ。でも、結局、立体感を出そうとすると、奥行きのある構図が必要になり、縦移動のカメラワークみたいなのが主になる。あまり、横移動を使って物語を語れないというのがよくわかる。ロングショットよりアップが多くなるのも映画的なものを作ろうとするとひとつ難かしいところだと思える。そのあたり、2Dのベッタリとした画面で見ると多分映画としての魅力は少し落ちる感じにはなるだろう。とはいえ、監督は、あくまでも3Dという技術をいかに使いこなすかというところに重点を置いたのだろうし、そういう映画なのだと思う。
海を漂ったり、疾走したりする画は問題なく素晴らしかったし、創作の生き物のビジュアルも皆格好良かった。こういうビジュアル水族館みたいなのをプラネタリウムみたいにして公開しても客は入るのではないでしょうか?かなりのストレス解消になる感じがした。
そして、最後の自然の脅威も含めた戦闘シーンは圧巻。いろんなものがぶっ飛んでくる感じは3Dで迫力が倍以上になる感じですね。ラスト1時間くらい、連続で戦闘が続くわけですが、こういうの見てしまうと、3Dで金かけて戦争映画作りたいですよね。企画すれば当たると思うけどな。とにかく、凄惨なシーンがより凄惨になる感じなので、反戦の意味でよりリアルなものを作るのは重要だと思うのですよね。日本としては、広島の原爆の映画を3Dで作るっていうのは、義務のようなものもある気がするのですけどね。絶対に核戦争はやってはいけないという意思を世界中に知らしめるために・・。それこそ、国が金出してそういうの作るべきなのですよ。軍備に金出すなら、そういうのに金使って戦争しないという意思をはっきりさせた方が絶対に世界のためにも日本のためにもなると私は考えます。
最後の方で金色の小さな生物が生き延びた家族たちを誘導するシーンは美しかったです。それを促すシガニー・ウィバーは、役者の中では印象的でしたね。あと、若い子達の方がメイクをしていても個性的な感じに見えるのは、肌の問題?しかし、青や緑の肌というのはアニメ的に見える部分もあり、映画としてのテイストはやはり軽い感じがする。タイトルにも書いた「とび出す絵本」と思って見ていれば豪華なのですけどね・・。
とはいえ、正月一番には、派手な映画が見たかったので今日まで観るの待っておいてよかったです。大体、正月映画らしい映画やってないのですものね。そういう点、興行側はもっと昔みたいに考える気はないのでしょうか?映画館は朝からそこそこ混んでましたけどね。もう少し観たくなるプログラム組めばもっと賑わうのでは?と思ったりします。
ということで、今年も映画レビュー書き続けますが、よろしくお願いします。