「逃げるが恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!」 新春初ドラマにガッキーで満足!!
新春ドラマとは思えない出来の良さ。前ドラマシリーズの完成度があってのことだが、そこに、コロナ禍や現在のさまざまな社会問題を取り込みながら、それに対する回答も示しながらの2時間超。その上、ガッキーが可愛いのが加わって、もうたまらないですね。
新春特番が作られると聴いて、かなり楽しみにはしていたのだが、これほどの完成度とは、野木さん、すごいですよ。昨年の映画「罪の声」でも思ったのですが、2時間とかの中で、ドラマ構成する力がすごくうまくなっている気がする。このスペシャルも映画館で上映してもいいレベルだと思います。
そして、「ガンバレ人類!」とはよくつけた。まずは、星野源の職場環境でパワハラ問題が出てきたり、石田ゆり子のガンが見つかったり、そしてジェンダー問題も取り込みながら、現代の日本を描いていく。そして新垣が妊娠し、籍を入れる問題、男子育休問題にと進む。しかし、これだけ詰め込んで、全てに回答がついている感じは、脚本家の頭の中で現代の肝の部分が明確になっているからだろう。それを、わかり合ったスタッフ、キャストで作っていくのはただ勢いをつけるだけという感じがする。
とかく、こういうドラマの中では感情をデフォルメすることで見せようと考えるが、このドラマでは、星野がそういう感情の表現ができずに論理的にしか考えられないという役なので、普通のドラマなら影の声になるようなセリフがリアルに吐ける。そして、そのキャラを脚本に見事に活用できていることがこのドラマの成功に繋がっている。
最初の方の、星野の上司の青木崇高のパワハラを端的にまとめて注意を促し、周囲が星野に同意するようなシーンは、普通のキャラでは作りにくいが、ここにおいては、さらりと社会批判ができている。しかし、最近、こういうウザイ感じの役をやらせたら青木崇高は適材の人ですね。役者としていいのか悪いのかというところはありますが…。
その青木を古田新太が諭すシーンがありましたが、ここは、いつも適当なことを言っているような役をやっている古田がやることで凄い説得力があった。成田凌との恋人シーンももっとみたかった気がするが、それを入れるとバランスが悪いのでしょうね。最後のネット飲み会のシーンで彼らだけ二人なので、雰囲気はわかるものね。
そんな中、妊娠から出産までのドタバタも、どのように仕事と家事を分配サポートしていくか?という話になる。お互いの思いやりのすれ違いもさらりと示しながら、自分の力のなさを責める感じも良い。赤ちゃん用品を買いに行って、星野が赤ちゃんの動くのがわからないのを見て、「みんなそうみたいですよ」と話しかける店員さんとのやりとりもキュンとしてしまった。
出産で一緒にいても、何もできないのは星野だけ。その中で、お医者さんの落ち着いた対応が今風でよかったです。まあ、出産シーンでのガッキーの顔は美しかった。
そして、今年になってのコロナ禍。野木さん、「MIU404」の最後のところでコロナ禍を描いていたが、もっとちゃんと描いておきたかったのですかね?この主人公の二人ならそれをどう生きるのか?ということですよね。結局は、非日常の中で愛は深まった結論なのだと思うのですが、ここで、感情を表現できない星野が、感情を表現する必要性を確認するような感じがよかったです。ソーシャルディスタンスとは言いますが、それ以上に人間同士の心の距離感というものがよく描けていた感じです。(これはドラマ全体としてです)
どちらにしても、この1年間でさまざまに皆が考えてきたこともそうでないことも、色々想起できるような脚本は秀逸。そして、その中に、源ちゃんもガッキーもいたということなのですよ。ラストをネット飲み会で締めるというのは新しい感じでしたが、それぞれのキャラが明確になっていれば、こういうのはこれからもありですね。
とにかく、この二人のこれからも興味ありますよね。また、何年後かのスペシャル楽しみにしております。
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