桜餅
今日はこの冬一番の寒さです。
寒の入りしたということなので、気候変動と言われながらも、この雪はまだまだ季節は我々を裏切らないことの証明でしょうか。
木々も葉っぱをすっかり落として寒々としていたけれど、今日は雪の着物を着て、なんだか暖かそうでもあります。
そして、よく見たら桜の木の先には、もう次の季節のが見えます。
ほら、あの小さな膨らみの下では、来たるべき輝かしい舞台に向けて、ゆっくりと着実に、絶え間ない準備が行われています。
桜は大好きな花です。
満開の桜は、見ても見ても見足りない。見たりなさが過ぎて、咲いているのに見られない時間が悔しくて、いっそ早く散ってしまわないかと思ってしまうほどです。
どうしてあんなに一斉にきれいに咲けるのかしら。
彼らの下で死にたいと詠う人の気持ちがよく分かります。
そして、唐突ですが、桜餅。
私にとっての桜餅は道明寺です。餅系が大好きな私には堪りません。桜餅。
餡はこし餡。葉っぱごといただきます。
しかーし、東京に来て長命寺なる桜餅があることを知りました。
何なのでしょう?あれは。
私が知っている道明寺とは全く違うあの皮。
最初は受け入れ難かったです。
でもたまたま勤務していた場所のそばに長命寺があって、地元の人や関東の人たちに愛されていると知ってからは、自分の中で、これもありだな、と思えるようになりました。
つまり私の中では違う食べ物として認識すれば、あっという間に美味しいものに変身するのです。
きっと何でもそう。
よく家族が作ってくれた中華カレーというのがありました。
彼の作るカレーは本当に美味しくて何万回でも食べたいと思えるものなのですが、たまに、彼自身が懐かしくて食べたいから、と言って作る中華カレーというのがあって、それがどうしても私には受け入れ難かったのですが……
ある時、それを、ジャガイモや玉ねぎや豚肉のカレー風味煮込みって思ったら、カレーとは別の食べ物として私の中で承認されました。
すると、そういう食べ物だと認識したら、懐かしい美味しいものに変身しました。
ただ、私の中ではカレーとは認識していないので、私がカレーを作って欲しいと頼んだとき「つい最近作ったでしょう?」との返事が来ても納得はできませんでした。
だってそれは私の中ではカレーではないのだから。
世の中の色んな常識とかもきっとそういうものなんですね。
人に対しても。
このようにあるべきなのに違うことやってる!とか、こんな人であるべきなのに分別ないな! とか…………。
もし、そんな枠を自分の中から取っ払って新しいもの、知らない人、という風にまっさらな眼で、耳で、味覚で、体験してみることが出来たら、きっと楽しい人生になるかもなって思います。
出会うものすべてが、はじめまして の存在なら、もっと受け入れられるものが増えていくかもしれませんね。
これは尊敬するトミートンプソンさんの言葉でもあります。
全てのものや人に、いつも「はじめまして」って言ってみる。
今日もやってみます。
そして美味しいもの、もっと見つけちゃうぞー!